書苑よしむら

古書の世界へようこそ!大阪:天神橋筋3丁目にある美術古書籍 書苑よしむらの日々録です。

ポール・ジャクレー木版画 「恋文、モンゴル女性」

2024-07-06 16:09:42 | 新着情報



 *多色摺木版、限定350部
 *版面39,2×30,2cm
 *鉛筆サイン、芍薬印入
 *昭和30年 
 *価格:15万円
  
 ☆ポール・ジャクレーは、フランス人浮世絵師として生涯にわたり
  日本と深く関わりながら、世界各国の民族・風俗を題材に木版画
  を制作しました。

  その版画作品は、浮世絵の影響を受けながらも、貧富の差や老若男女
  を問わず人物をモデルとし、ジャクレー独特の構図の繊細さと色彩の
  大胆さを兼ね備えた、非常にレベルの高いものでした。

  彼は1933年、自ら「若礼版画研究所」なるアトリエを立ち上げ、熟練
  の彫師・摺師を呼び寄せ、旺盛な版画制作に打ち込みました。
   
  掲載の作品は、晩年に近い時期の作品ですが、彼が実際に旅して感じた
  エキゾチシズムが画面から伝わってきます。
  ジャクレー自身、この作品については、「画家の版画の中でも、最も
  美しく最も凝った1点である」と語っています。

  彼はまた、蝶の大コレクターでもありました。版画作品のきらびやかで
  見事な色彩感覚は、このような自然界の美からも少なからず影響を
  受けているかもしれません。

  

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鶴亭浄光画幅 「松竹梅図」

2023-07-03 15:53:56 | 新着情報


  *紙本墨筆 本紙各135×29,5cm
  *軸先にそれぞれ松・竹・梅の実物材を使用
  *三幅対、箱入(時代箱ですがイタミあり)
  *本紙に細かい横シワと一部横折れ跡
  *裏の軸止め付近(最上部)にスレ
  *価格:25万円

  ☆江戸中期に長崎に生まれ、のち京都や大坂で
   活躍した画僧、鶴亭の花木図です。
   
   実はちょうど10年前にも当店に、鶴亭の水墨画
   (芭蕉図で落款は別号の如是道人)が入荷して、
   このブログでも紹介しております。
   何かご縁を感じないでもないのですが、単純に
   この絵の良さには、魅かれるものがあります。

   もう一方の画風、沈南蘋風のそれとは全く趣が異なり、
   一気呵成に描いた生命力が画面に迸っておりながら、
   空間構成も含めて、高い水墨画の技術が見られます。

   そして、同時代である伊藤若冲との画風の類似性が
   かねてより指摘されています。この三幅対でいうと、
   梅の図が特に若冲の梅に通ずるものがあると感じるの
   ですが、皆さんはいかがでしょうか。
   
   若冲は京都相国寺の住職と親交がありましたから、
   画僧である鶴亭の京都時代に、少なからず交流は
   あったと思われます。どちらが画技を教授したかは
   置いておいて、個性的な画家二人が互いに刺激を
   受けていたのは興味深いことですね。
   
   
   









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夏の阪神古書ノ市2023

2023-07-02 14:33:05 | 新着情報


 ☆4月の阪神百貨店古書ノ市に続き、夏の古書ノ市が
  開催され、当店も参加させていただきます。
  <7月19日(水)~24日(月)>

  当店も、民藝関係・工芸関係書を中心に、出品予定
  です。
  特に民藝は、バーナード・リーチの原著から、
  式場隆三郎の限定本まで、幅広く出品いたします。
  ちょうど大阪中之島美術館にて、民藝展が開催中です。
  美術館鑑賞後、お時間ございましたらお立ち寄り下さい。
  
  その他、新入荷の色紙・版画・絵画額・絵葉書など
  を準備しております。

  CD・レコード即売と併催ですので、買い物がてら、
  涼みがてら、ぜひご来場くださいませ。


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小松益喜油彩画額 「大阪中之島風景」

2022-10-08 14:00:04 | 新着情報


  *キャンバス、油彩
  *画面サイズ39,5×51,5cm(P10号)、額サイズ60×72cm
  *共シール
  *昭和25年頃か
  *価格:15万円

  ☆神戸の風景を長年描き続けた画家、小松益喜の油彩画です。
   この絵は珍しく中央公会堂を描いていますが、調べてみると、
   小松氏は大阪でも定期的に画廊や百貨店で個展を開いたり、
   大学で美術講師をしたりと、関わりは深かったようです。
   ですから、大阪の風景も描き慣れていて、この油彩画も
   装飾的で瀟洒な建築物を、船の浮かぶ堂島川と組み合わせて
   うまくまとめています。
   
   ところで、この絵では堂島川の川面に公会堂が映えています。
   ということは、今の東洋陶磁美術館のあるあたりまで、堂島川
   の川幅があったのでしょうか。(もしくは単純に水位が現在
   より高いから映っている?)この方角からの古写真や古絵葉書
   が手元にないので、はっきりとわかりません。
   こども本の森 中之島、大阪中之島美術館の開館、岸辺の商業施設
   の整備と、刻々と姿を変えて栄える中之島も良いのですが、戦前
   ぐらいからの資料などを調べて、この地域の変遷に思いを馳せる
   のもまた一興です。
   
   

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2022年新春 古書目録福袋

2022-02-08 15:18:09 | 新着情報


 *立春を過ぎましたが、まだまだ寒い日が続いております。
  さて昨年に続き、東西の古書店有志による、各店作成した目録を
  まとめてお届けする「古書目録福袋」が出来上がりました。
  (目録参加店:赤尾照文堂、安土堂書店、古書 鎌田、五拾画廊、
  木挽堂書店、徳尾書店、日本書房、原書房、フロイス堂、書苑よしむら)

  当店には残念ながら、全10店(冊)まとめたセットは、ほぼ送付・配布済です。
  書苑よしむらの自店目録は、まだ十分ございます。ご希望の方はご連絡下さい。

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元永定正版画額 「無題」

2021-08-18 14:37:21 | 新着情報


 *シルクスクリーン 
 *版面65×46cm 額87,5×67,5cm
 *限定100部 エディション・サイン入
 *版画・額共に状態良好
 *価格:売約済

 ☆具体美術協会の初期メンバーとして国内外で
  活躍した、元永定正さんの大版シルクスクリーン
  です。
  1922年三重県に生れた元永さんは、阪神間
  を制作の拠点とし、2011年に亡くなるまで
  前衛美術家としての生き方を全うされました。
 
  1973年頃に日本で初めて、抽象画による絵本を
  制作し、当時は賛否両論があったそうです。
  しかし子供たちには大反響で、今では版を重ね、
  『がちゃがちゃ どんどん』等の作品は親子で
  楽しめる絵本の古典のひとつとも言えますね。

  そして、多数の受賞をされて著名になってからも、
  晩年まで阪神間の地元の美術展に作品を出品し、
  審査員なども気軽にこなされ、市井の一美術家
  としての矜持を持ち続けておられたそうです。
  

  
  


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夏の阪神古書ノ市!

2021-07-11 15:53:11 | 新着情報


 ☆3月に続き、例年より少々早めの、恒例
  夏の阪神古書ノ市が開催され、書苑よしむらも
  出店させていただきます。
  新入荷商品を多数持参するべく、準備しておりますが、
  やはり意外と時間がかかります(毎回実感しておりますが・・・)。

  お手頃価格の額装品(版画、油彩画、水墨画など色々)
  を用意しておりますので、本のついでにご自宅に飾る1点を
  選ばれてみてはいかがでしょうか?
  もちろん絵葉書をはじめとした、いわゆる紙ものや1枚ものも
  新入荷を多数出品いたします。
  
  阪神タイガースの快進撃で盛り上がっている(であろう)
  阪神百貨店へ、皆様ぜひお越し下さいませ!
  
  
  
  

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阪神古書ノ市開催中!

2021-03-29 10:35:23 | 新着情報


 *只今、大阪梅田・阪神百貨店にて、古書ノ市を好評
  開催中です。
  慌ただしくしている内に、早終盤になっておりますが、
  あと2日、天気も良さそうですので、お時間ある方は
  ぜひ一度会場まで、足をお運びくださいませ!

  当店も、新入荷の美術古書、色紙・短冊、創作木版画、
  引札などを取り揃えて出品しております。
  皆様のご来場をお待ちしております。
  (最終日30日は、午後4時まで)

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2021年新春 古書目録福袋

2021-01-22 15:55:28 | 新着情報


 *寒中お見舞い申し上げます。
銀座古書の市の参加店有志による、各店作成した目録を
  まとめてお届けする「古書目録福袋」が出来上がりました。
  (目録参加店:赤尾照文堂、あがたの森書房、安土堂書店、古書 鎌田、
  古書 日月堂、五拾画廊、木挽堂書店、徳尾書店、中島古書店、日本書房、
  幕末屋、原書房、フロイス堂、文生書院、八木屋書店、書苑よしむら)

  残念ながら、全16店(冊)まとめたセットは、ほぼ送付・配布済です。
  各店には、自店の目録の在庫が多少はございますので、ご懇意の店舗へ
  お問い合せ下さい。
  書苑よしむらの自店目録は、まだ十分ございます。ご希望の方はご連絡下さい。
  

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小坂奇石書扁額 「読書志弥高 黙語子光 印」

2020-09-13 15:24:57 | 新着情報


 *紙本墨筆 本紙34,5×134,5cm 額50×169cm
 *釈文「書を読めば志いよいよ高し」
 *明治34年徳島県生、号奇石、外に黙語子、佩韋子など
 *価格:売約済
 
 ☆現代書壇の勃興期に活躍した、小坂奇石の扁額です。
  比較的若い時代の作と思われます。
  「奇石体」と言われる独自の書体を編み出したのですが、
  この書にも、線の均一性を意識した力強さが表出しています。

  話は変わりますが、最近『戦争と読書 水木しげるの出征前手記』
 (水木しげる 荒俣宏著、角川新書)という本を読みました。
  文字通り、二十歳頃書かれた手記を荒俣宏が読み解く内容で、
  戦場へ赴く前に自問自答し、何とか救いを求めようとする一青年の
  赤裸々な姿があり、胸を打たれます。そして、その自己内省が、
  キリスト教、仏教、西洋古典文学、芸術、自然科学など多岐に渡る
  多くの書物を読むことによってなされていたのです。もはや、それは
  精神の飢餓状態が求める切実なものだったのですが、時に読書行為が、
  宗教的な意味を持つ場合があるということを知りました。

  話を戻しまして、この「書を読めば志いよいよ高し」です。もともと
  私は志が高くないので、「いよいよ高く」なることはできないと思います。
  しかし、この識語の持つ、前向きに生きようとする姿勢には多少共感できます。
  これからも、書物をたくさん売って、それを読み人生を楽しむ方々の一助に
  なれたら、古本屋冥利に尽きる、というもの。最後に少々意訳して、関西弁
  で記しておきます。
  「書を読めば人生もっとおもしろなる」


  
  




  

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