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書苑よしむら

古書の世界へようこそ!大阪:天神橋筋3丁目にある美術古書籍 書苑よしむらの日々録です。

古書のある毎日(2 )

2007-02-13 19:23:54 | 古書入門
◎本好きと古書好きとは違う
「本好きですか?」と聞いて「はい」と言ってくれたからと言って、古書店に興味を示してくれるとは限りません。そしてその逆もしかり。
今となっては当然の事と思えますが、手伝いはじめた当初はこの事実に大変戸惑いました。
一般的に言われる「本好き」とはだいたい活字が好きであることをさすようです。ですので新刊本を扱っている「本屋」さんがお好きなようです。そんな方に「古書店をしてるんです」といくら説明しても、読みおわった本を売ってる一種のリサイクルショップ、としか認識してもらえず、書苑よしむらの「美術古書籍」という冠を説明するのがとっても難しいのです。
一方、「古書好き」というのは活字よりも物質としての「本」が重要なよう。読む事より所有する事に重きをおかれているようです。
もちろん資料として、昔の本をお探しのかたもおられますが、こちらはインターネットや資料の電子化などにより、減少傾向にあるように思います。
では、私はどうであったかと言いますと、本好きというよりは「物語好き」であったようです。今は絶版となった本を読んでみたい一心で探しつつ、物質としての本よりも、その本が持っている「過去」の中にロマンティックを求めていたようです。そのため、読み終わるとすぐに手放してしまっても、ちっとも平気なのでした。まあ、古書として価値のあるような本は、ほとんど持ってませんでしたが。

古書のある毎日(1 )

2007-02-12 22:43:48 | 古書入門
ひょんな事から古書店「書苑よしむら」のお手伝いをするようになって、早くも一年になろうとしています。
小さなときから本が大好きで、本屋さんになりたかった私(E)にとって、古本業界とささやかながらでも関わりを持てるようになった事は、本当に夢のような出来事であり、またある意味夢が叶ったとも言える出来事でした。
大学時代から京都の古本市に行ったり、夜行バスに乗って神田に出かけたりしていましたので、自分では本好き・古書好きな方であると思っていました。
しかし本好きと思っていた私が、いざお手伝いをしてみると、それは思いもよらない事の連続でした。
「理想と現実」といったような事もあれば、その世界の奥深さに仰天したり、魅せられたり。私の知っていた古書・古本とはほんの氷山の一角にすぎず、そこには私の知らない「古書」の世界がありました。
このコラムでは、そんな本好き・古書素人の私がであった「古書・古本」の世界の不思議、楽しさ、疑問、発見などを、同じような本好き・古書素人のかたにお伝えできればと思っています。「知らない世界を知る楽しさ」の次に楽しい事は、それを「共有」できる事だと思うからです。