湘南ゆるガシ日和 ・・・急がず、休まず

湘南でゆるゆら暮らしココロ赴く先へガシガシ出かけるライター山秋真が更新。updated by Shin Yamaaki

フィガロの結婚:時代の空気を醸す

2009-09-25 13:04:38 | 本/映画/音楽/番組
オーバーワークのうえに冷たいものを食べたら
具合悪くなってしまった。
すこし横になって休んでから
温かい飲み物ものんで胃をあたため、
ぼちぼち起きて作業を再開。

でもそのまえに、すこしリラックスでもしてみる?
と、ひさびさにオペラを聴くことに。

こういう体調のときはやはり『フィガロ』がいいと、
クレイグ=スミスの指揮によるウィーン交響楽団の
フィガロの結婚』を手にとった。

ピーター=セラーズの演出は
時代と場所を現代(といっても多分80年代?)の
ニューヨークにおいた大胆なもので、
ストーリーの背景や状況に実感をもちやすいのが面白い。



『フィガロの結婚』の原作者・ボーマルシェ
1732年にうまれ1794年になくなったフランスの劇作家。
貴族階級への批判と庶民階級の勝利がこの作品の
主要主題といわれ、当時のウィーンでは
革命思想をあおる危険な戯曲として上演禁止だったとか。

この原作を歌劇の題材にえらんだモーツァルトは、
上演禁止をさけるため毒のあるセリフをぬき、
貴族批判の精神も薄めたといわれている。

それでも、たとえばカール=ベーム指揮、
ジャン=ピエール・ポネル演出による
ウィーン=フィルハーモニー管弦楽団
『フィガロの結婚』を観れば、



1786年に完成し、その年の暮れのプラハでの初演で
大成功をおさめたというこのオペラが、
フランス革命前夜という時代の空気を、
その批判性や風刺性さらに時代の限界性もふくめて
醸しだしていることを、やはり感じずにはいられない。

ちなみに、私はオペラは楽しくて好きだが、
特に通というわけではない。
「オペラは人間をしるのに役だつから」と
さまざまなオペラ作品のディスクを貸してくださる方が
いて、そのお陰で自宅でオペラ鑑賞を楽しむ機会がある程度。
でも、時代の空気を醸(かも)す作品っていいなと憧れる。




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