波が高いある朝、
瀬戸内海にうかぶハート形の島・祝島(いわいしま)で
行者堂(ぎょうじゃどう)と呼ばれる山上のお堂にかざる
しめ縄づくりがあった。
まず、
藁(わら)の束の切り口から15センチほどの部分に
海水をかけ、木槌でたたく。
まんべんなく叩けるように
少しずつ藁束をまわすのがコツみたい。
次に藁をきれいにする。
裂けたところから表皮(?)を剥いたり
途中で切れている藁を取り除いたり。
それから、メインのしめ縄づくり。
きれいにした藁で縄をよっていく。
ふつうの藁の丈では、しめ縄の長さに十分ではない。
何度も継ぎたして、捻じりつつ編んでいるように見える。
縄からツンツン飛びだしている藁を鋏で切って、
見栄えをよくして。
かたわらでは、藁(わら)で紐をよっている人や、
しめ縄から下げるボンボリのような房飾りをつくる人も。
ボンボリづくりは、大きなテルテル坊主づくりのよう。
まずは、直径10センチくらいの藁の束を藁紐でしばる。
その際、先に結び目をつくった藁縄を束の軸にすえる。
ここでのポイントは、
1)藁縄の結び目が藁の中にくるように束ねる、
2)切り口から10センチくらいまでの箇所に、軸にすえる藁縄をいれる、
というところか。
つぎに、藁の束をしばった藁紐を基点に藁を折り返していく。
コツは軸の藁縄が束の中心にくるようにすること。
ぜんぶ折り返したら、藁紐でしばっておく。
このように軸の藁縄が藁束からヒョロリとでていれば良し。
藁紐を適当な長さでカットしてから、
最後に藁束の先をカットすれば、見栄えも上々。
作業をはじめてから約2時間で、
しめ縄も、しめ縄から下げるボンボリ状の飾りも、できあがった。
この冬一番の冷えこみといわれた寒い日だったけれど
鈍いながらも陽光が窓からさしこんで、藁の色あいに温もる気分。
祝島では毎年この時期に
行者堂の新しいしめ縄をつくって取りかえるのが慣わしだとか。
できあがったしめ縄は、このあと数人で取りかえに行っていた。
この日はもちろん、昼からビール。
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