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バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

2015-04-17 21:21:56 | ハ行の映画

ポスター アクリルフォトスタンド入り A4 パターンD バードマン あるいは (無知がもたらす予期せぬ奇跡) 光沢プリント

『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
"BIRDMAN OR(THE UNEXPECTED VIRTUE OF IGNORANCE)" (2014・アメリカ・2h00)
製作・監督・脚本 : アレハンドロ・G・イニャリトゥ
出演 : マイケル・キートン、エマ・ストーン、エドワード・ノートン、ナオミ・ワッツ、アンドレア・ライズブロー、ザック・ガリフィナーキス、エイミー・ライアン







かつてスーパーヒーローを演じ名声を得た俳優が再び名声を得るためブロードウェー演劇に挑む。



一般的には評価の高いアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督作品の『アモーレス・ペレス』『バベル』の良さがなんなのかが分からないのでアカデミー作品賞の本作にもそれほど期待はしていなかった。
『21グラム』は未見。『ビューティフル』はあまり印象に残っていない。

舞台本番までのドタバタ劇は面白く観れた。問題児のエドワード・ノートンが良かった。マイケル・キートンとの取っ組み合いのケンカが面白かった。コメディにおける大の大人の本気のケンカは何故にあんなに面白いのだろうか。

延々とワンカットでつなげるのも見事としか言いようがない。エドワード・ノートンのピンコ立ちとマイケル・キートンのパンツ一丁が一つのシーンの中に存在しているという事が単純にすげえなあと思う。

デジタル技術を駆使している事は分かるがその仕組みはさっぱり分からない。
この映画はアナログ(フィルム)なら不可能だったはずで、今やデジタルに不可能な事は無いのだろうと思えた。



ドタバタ劇は面白かったが、ドタバタの中心にいたエドワード・ノートンが画面に出てこなくなってからは面白くなかった。面白くなかったというより意味が分からなくなってしまった。
『アモーレス・ペレス』も『バベル』も同じで、結局何が言いたかったのかが分からなかった。

本作をモヤモヤした感じで観終えて結局何だったんだろうと考えている時に本作のポスターを見て、そこに「バードマン4」と書かれているのを見てようやっと本作の意味とタイトルの意味が分かった気がした。
本作は『バードマン』であり、そして『無知がもたらす予期せぬ奇跡』という作品でもあるという事なのではないかと思った。
『バードマン』はハリウッドの娯楽映画、『無知がもたらす予期せぬ奇跡』はブロードウェイ舞台を指していて、ハリウッド映画は下品で低俗な見世物みたいな扱いで舞台こそが真の芸術であると。しかし現在のSNS社会においてSNSで話題の中心になったモノが価値を持つという点でハリウッド映画もブロードウェイ舞台も何の変りも無く、そこまで芸術は落ちぶれてしまったのだと。芸術そのものが落ちぶれたのではなく芸術を取り巻く人間が落ちぶれたのか。
その真理を知った主人公が見世物と芸術が一緒くたとなった混沌とした世界にバードマンとして見事に復活する。
復活の意味する所は見世物で結構、下品で低俗と言われる映画で芸術では描く事の出来ない芸術以上のものを作ってやる。そんな意気込みが込められていたのかもしれない。


博士と彼女のセオリー

2015-04-02 20:35:44 | ハ行の映画

ポスター A4 パターンA 博士と彼女のセオリー 光沢プリント

『博士と彼女のセオリー』
"THE THEORY OF EVERYTHING" (2014・イギリス・2h04)
監督 : ジェームズ・マーシュ
出演 : エディ・レッドメイン、フェリシティ・ジョーンズ、チャーリー・コックス、デヴィッド・シューリス、ハリー・ロイド、マキシン・ピーク







スティーヴン・ホーキング博士夫妻の出会いからその数十年後まで。



ネタバレ有。



ホーキング博士の私生活と業績については全く知らない。業績については本作を観てもよく分からなかった。
この映画がホーキング博士が夫人の内助の功によりいくつもの試練を乗り越えてやがて何らかの業績に辿り着く姿を描く夫唱婦随、立身出世の物語かと思っていたが、そういうのとは違うホーキング博士夫妻の私生活を赤裸々に描くぶっちゃけ話になったのは意外だったし、かなり引いてしまった。
引いてしまったのは身体的なハンデを背負った人の恋は神聖で純なものであるという自分勝手なイメージを決めつけていたからなのかもしれない。

宇宙の真理を理解しようとするほど優秀な頭脳を持つ博士であっても自分自身を含め人の心を理解する事は出来なかった。そういうビターな話だったんだろうなあと納得しようとしたが、後になってそうではなかったのかもと考え直した。

本作は夫人が描いた回顧録が原作という事で、そうなると夫人の心理は恐らくは映画の中で描かれたそのままなのだろうけど博士が何を思っていたのかは明確ではないわけで。
そこはオスカー受賞俳優の方の演技を見て察するべきなんだろうけど映画を観ている間は察せなかった。
恐らく博士は別の好きな女性が現れたから夫人に別れを告げたのではないのだろう。夫人の事を一番に愛し大切に思っているからこそ自分の介護で一生を終わらせないため自ら別れを告げたのではないか。
そうだとするとあの別の女性は博士にとってなんなのか、ただ単に博士にとって都合がいいだけの存在なのか。といった別の問題が出てくるけど、そこはこの作品の中ではちょっと横に置いといて、愛しているからこそ自ら身を引くという切なくてピュアーなラブストーリーだったんではないかと思った。

オスカー受賞俳優の方のホーキング博士の特徴を的確に捉えながら博士がその時に何を思っていたのかをわずかな表情の変化で匂わすというのはオスカー受賞も納得の演技だったのではないかと思う。映画を観ている間は特徴の方にしか目がいかなかったけど。


プリデスティネーション

2015-03-13 19:26:19 | ハ行の映画

ポスター アクリルフォトスタンド入り A4 パターンB プリデスティネーション 光沢プリント

『プリデスティネーション』
"PREDESTINATION" (2014・オーストラリア・1h37)
製作・監督・脚本・音楽 : ピーター・スピエリッグ  製作・監督・脚本 : マイケル・スピエリッグ
出演 : イーサン・ホーク、セーラ・スヌーク、ノア・テイラー









ある爆破犯を捕まえるために時間を遡る男が過去の時間の人物に接触する。その人物は波乱の人生を歩んでいた。



ネタバレ有。



卵が先か鶏が先か。という正解の出せない問いが重要なモチーフになっていて。この映画もなかなか答えが出せない。もしくは答えが無いのかもしれない。
観ている間中はずっと考え続ける羽目になり、観終わっても答えが出なくてモヤモヤとする。わざと答えを出そうとしていないふしも有る。答えの出ない問題に無理矢理答えを出そうとしたらどこかで破綻してしまうだろうし。



1945年から1981年以降のそんなには経っていないであろうX年(ここら辺がよく分かっていない)までの話で。その1945年からX年の時の流れを直線上で理解しようとすると無理が生じるのだろう。
1975年にニューヨークで大規模爆破事件が起こり、1981年にタイムマシンが発明されそれを使い犯行を未然に防ごうとした結果過去に介入する事となり、そこで時の流れが本来向かう方向と枝分かれしてしまって、そして本来生まれるはずの無い人物が1945年(1963年?)に誕生し、その人物が1975年に爆破犯となって、そして1981年にタイムマシンが発明され事件を防ごうと過去に介入してしまう。という永遠にその時間をループする流れになってしまったのではないかと解釈した。
その解釈ではよく分からない所も有るが、その人物が自分自身であると分かっていながら恋愛感情を持ってしまうとか。そこら辺は宿命なのかなあという事で納得してみる。



卵が先か鶏が先かの問題でもう一つ重要なのは卵が先にしろ鶏が先にしろその始まりはいつなのかという事ではないかと思うが、本作の始まりはいつなのかと考えると過去に介入してしまった時点といえるのだろう。

ドラえもんは過去に介入しまくっているが、だからのび太小5の時代を永遠にループしているのかもしれない。



ループの中に入ってしまったとして、X年より先の未来の世界は無くなってしまったのだろうか。1981年をゼロとしたプラスマイナス53年の時間を移動できるタイムマシンで2034年に設定したら何が起きるのだろう。


はじまりのうた

2015-03-11 21:15:21 | ハ行の映画

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『はじまりのうた』
"BEGIN AGAIN" (2013・アメリカ・1h44)
監督・脚本 : ジョン・カーニー
出演 : キーラ・ナイトレイ、マーク・ラファロ、アダム・レヴィーン、ヘイリー・スタインフェルド、キャサリン・キーナー、ジェームズ・コーデン








恋人に裏切られた女性シンガーソングライターと私生活も含め長年のスランプに陥っている音楽プロデューサーが出会った事で素晴らしい音楽が生まれる。



ネタバレ有。



楽曲的には恐らく素晴らしいのだろうとは思う。どんな曲だったかあまり覚えてはいないが。
音楽映画としての音楽シーンはもう一つ物足りなく思えた。素晴らしいシーンも確かに有ったと思うが、終盤での大きな盛り上がりは無かったように思えた。
大きな盛り上がりはヒロインを裏切った男のライブシーンなのだろうけど、それも有った上で最後にヒロインとプロデューサーたちのバンドによる別の盛り上がりを観たかった。

ヘイリー・スタインフェルドのギターソロのシーンが良かったけど、音楽ライターのお母さんの事前評価ではド下手くそとの事だった。娘の腕前を知らなかったんだろうか。お母さんが聞いてる所ではわざと下手くそに弾いていたのだろうか。



二人の男の間で揺れるヒロインの女心の行方はどちらも選ばないという事だったが、そういう選択も有るなあと思いつつ、今イチ釈然としないものも有った。
それは本作を恋愛映画として観ていたからなのかも。一人の女性として恋愛を成就させる恋愛映画ではなく、一人のアーティストとして二人の男のミューズとなり、更には音楽業界にも革命を起こす存在となる。創作の源として恋愛が必要不可欠ではあるけど最終的に恋愛だけに頼らない。そんな女性の姿を描いた映画として観た方が良かったのかも。


フォックスキャッチャー

2015-03-09 19:25:48 | ハ行の映画

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『フォックスキャッチャー』
"FOXCATCHER" (2014・アメリカ・2h15)
製作・監督 : ベネット・ミラー
出演 : スティーヴ・カレル、チャニング・テイタム、マーク・ラファロ、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、シエナ・ミラー









レスリングでオリンピックの金メダルを獲得しながらも同じく金メダリストの優秀な兄の陰に隠れ恵まれない状況に置かれていた男。由緒ある富豪の誘いで破格の条件でレスリングに専念出来る事となるがそこに兄が加わった事で兄弟と富豪、三者の関係は次第に不穏なものとなる。



ネタバレ有。



日本版の予告に上手くミスリードされた。実際に起きた事件なのでその事件を知っていればミスリードされる事は無いのだろうけど。それでも途中で薄々予告とは違う方向に向かうのかもしれないとは思った。
しかし、最初から不穏な空気が漂っていて、その不穏な空気の濃度が徐々に濃くなっていくのをただ見守るだけなのもしんどく観終わった時のどんより感もかなりのものが有ったけど、いい映画観さしてもらったなあという気持ちの方が強かった。



兄弟役のチャニング・テイタムとマーク・ラファロの歩き方が似ているのが細かくて良かった。レスリングをやっている人特有の歩き方なのだろうか。



結局富豪の犯行動機は映画の中では明らかにされなかった。そこに至るまでの経緯が積み重ねられて描かれるので何となくは想像できる。
でも事件の捜査の中で当然本人の供述が有ったのだろうからそれは知りたいとも思う。本当の心の内の事は言わないとしても事件についてどう語っているのか。

富豪だから大金を使って有能な弁護団を組み実刑を逃れたのかと思ったら、実刑を受けての獄中死という末路。事件の目撃者がいたので実刑を逃れられなかったのだろうか。弁護団は組んで減刑はされたという事なのだろうか。そこら辺でも色々と有ったんじゃないかと想像してしまう。


ぼんとリンちゃん

2015-03-09 19:03:05 | ハ行の映画


『ぼんとリンちゃん』
(2014・日本・1h31)
監督・脚本・撮影 : 小林啓一
出演 : 佐倉絵麻、高杉真宙、桃月庵白酒、比嘉梨乃



地元でつるんでいた友達が東京で同棲相手から暴力を受けている事を知り、その状況から救い出すために上京してきたぼんとリンちゃん。東京在住のおっさんをお供にし同棲相手の元へと乗り込むがそこで意外な事実を知らされる。



ネタバレ有。



ワンカットのシーンが多かったが、その中で膨大な台詞をちょっと変わったキャラクターになりきって笑いのツボも外さずに演じきった主役の佐倉絵麻さんにただ感心するばかりだった。

ワンカットで終わりの方に出番のある人、カツアゲ兄ちゃん役の人とかメチャクチャ緊張するだろうなあと思う。

佐倉さん以外の人も上手かった。リンちゃん役の高杉さんはファブリーズ家の長男。本作を観た後ファブリーズのCMを見てそこで気付いた。
https://www.myrepi.com/tag/myrepi-febreze-tvcm



クライマックスのぼんと肉便器による言葉による攻防が素晴らしかった。このシーンもワンカット。
ぼんの妄想から作り上げられた理想の正義と肉便器の実体験に基づいた現実論がぶつかり合う。それまでのぼんの言葉巧みさと肉便器の可愛らしいルックスからぼんの理論武装で圧勝という結末を安易に想像してしまったが、肉便器もかなりの論客でぼんの理想論に真っ向から立ち向かう。
両者の主張は平行線ではあるけど言葉と言葉をぶつけ合うシーンとしてはきっちりと噛み合っていて、しかもワンカットで。素晴らしいシーンだなあと感動した。

ぼんが一応正義だとすると正義が勝てず、でも正義を諦めないという構図は『ダークナイト』からの影響が有るようにも思える。
日本映画でも数々『ダークナイト』から影響を受けた作品が作られたようだけど、初めてその成功作を観た気がする。むしろ『ダークナイト』よりも良いんじゃないかとあくまで個人的には思う。



池袋シネマ・ロサにて。


フェイス・オブ・ラブ

2015-03-06 21:29:54 | ハ行の映画

FACE OF LOVE

『フェイス・オブ・ラブ』
"THE FACE OF LOVE" (2013・アメリカ・1h32)
監督・脚本 : アリー・ポーシン
出演 : アネット・ベニング、エド・ハリス、ジェス・ワイクスラー、エイミー・ブレネマン、ロビン・ウィリアムズ









30年連れ添った最愛の夫を亡くして5年が経つ女性だったがいまだに夫の事が忘れられずにいた。ある日亡き夫との思い出が残る美術館に立ち寄ると夫に瓜二つの男と遭遇する。



ネタバレ有。



恋愛映画だけどエド・ハリスとロビン・ウィリアムズが出ているので観た。
ロビン・ウィリアムズは完全に脇役。別にロビン・ウィリアムズじゃなくてもいい様な役だったけど、元気な姿が見られて嬉しくはあった。



最愛の夫と瓜二つの男性と知り合いやがて愛し合う事となるが、女性のその愛は果たして本物なのか、亡き夫とそっくりな外見だけを求めていたのではないか。といった葛藤を描くドラマが有るものだと思っていたが、そこら辺は軽めに処理されていた。これが韓国映画だったりしたらもっとドロドロとするのだろうなあと思いながら観ていたが、ドロドロされるのもきついしどうでもいいっちゃどうでもいい事なので軽めの処理もそれはそれで良かったりする。



ラストシーンの主人公の笑顔の意味が分からなかった。どういう経緯が有って二人は別れる事になったのかは描かれていないが、二人の愛にはかなりの障害が有って、結局それを乗り越える事は出来なかった。しかし二人が出会った事と短くはあったが二人が愛し合った事は決して無駄な事ではなかった。と、男の遺した作品を観てそういう風に納得してのあの笑顔だったのではないかと想像してみる。



主人公が見知らぬ男性の背後からのハゲ具合を見て亡き夫と見間違えるというシーンが有るが、それはエド・ハリスに対して失礼なような気がした。
見間違えられる男性役の人はオーディションで背後から見たハゲ具合で選ばれたのだろう。似たようなハゲ具合の人が何人か集まってその中で最もエド・ハリスにそっくりなハゲ具合の人が選ばれたのだろう。

そういえば『攻殻機動隊』のハリウッド実写化が決まったみたいで、エド・ハリスの荒巻もいけそうな気がする。それもハゲ具合による失礼な想像ではあるが。

関係ないが、美ハゲのレックス・リン。
150105.jpg


ビッグ・アイズ

2015-03-04 19:11:46 | ハ行の映画

ポスター アクリルフォトスタンド入り A4 ビッグ・アイズ 光沢プリント

『ビッグ・アイズ』
"BIG EYES" (2014・アメリカ・1h46)
製作・監督 : ティム・バートン
出演 : エイミー・アダムス、クリストフ・ヴァルツ、デラニー・レイ、マデリン・アーサー、ダニー・ヒューストン、ジェイソン・シュワルツマン、テレンス・スタンプ








夫が妻の描いた絵を自分が描いたものとして売出し大成功したため夫婦間に亀裂が生じやがて裁判沙汰になるのだった。



ネタバレ有。



ティム・バートン監督作品の良さや面白さが分からないので本作の良さや面白さもよく分からなかった。
ごく普通の人間ドラマ。ティム・バートン監督がそういった普通の人間ドラマを撮ったという事が新鮮な驚きなのかもしれないが、これがもし別の監督だったとしたら普通の人間ドラマとして見向きもされないのでは。



クリストフ・ヴァルツだけは面白かった。



法廷のシーンでの裁判長の二人にその場で実際に絵を描かせてみるという裁きにはそういう方法を全く思いもしていなかったので、さすが優秀な人は的確な思い付きをするものだなあとただただ感心するばかりだった。
その絶体絶命の危機をなんだかんだで乗り切るクリストフ・ヴァルツがやはり面白かった。



TOHOシネマズ有楽座にて。2015年2月27日(金)をもって閉館。閉館の4週間前に観たがこれが最後となった。さようならTOHOシネマズ有楽座。


百円の恋

2015-03-04 17:03:05 | ハ行の映画


『百円の恋』
(2014・日本・1h53)
監督 : 武正晴
出演 : 安藤サクラ、新井浩文、坂田聡、稲川実代子、早織、伊藤洋三郎、松浦慎一郎、重松収、根岸季衣



32歳でニートの女性が社会に出、恋をし、ボクシングに出会う。



ネタバレ有。



主人公が『日々ロック』の主人公と同じような感じではっきりとせずじれったいが、ボクシングに本格的に取り組むと別人のように輝きだす。といった所も同じような感じで、近頃の日本映画はこういったじれったい主人公が流行りなのかと思った。
それにしても主人公の輝きっぷりが半端無く、その姿を見させてもらえただけでこの映画を観て良かったと思えた。

2週間かそこらの撮影期間の間にボクサーの体に仕上げたという事だけど、その点についてはちょっと疑ってしまう。撮影日数のトータルは2週間ぐらいで、期間としてはもっと有ったんじゃないだろうかと。



主人公の練習の時のキレが凄まじく、これならデビュー戦がどんな相手でも圧勝なんじゃないかと楽観していたが、練習と実戦は別物という事なのか、対戦相手が経験豊富だったのか(選手の欠場によって急遽組み込まれた対戦という事だったけか?)いい所はあまり無く。
狙っていたパンチがクリーンヒットしたけど、それだけで満足してしまいとどめを刺しに行かなかった事が敗因だったのではないか。それに対して相手は最後まで諦めず、主人公の油断を見抜いて反撃に出る。主人公が負けて残念というより勝った相手があっぱれであったと考えるべきだろう。



主人公のバイト先の先輩店員が真のサイテー野郎だったが、演じた俳優さんがそのサイテーっぷりを面白おかしく演じていて本来憎むべきなんだろうけどなんか憎めないサイテー野郎になっていた。
演じた坂田聡さんは元ジョビジョバの人だという事を後で調べて分かって、そういえばなんか見た事のある人だったなあと思った。
ジョビジョバのコントはあんまり見た事が無いけどジョビジョバとして出演した映画は全部観ているかもしれない。


薄氷の殺人

2015-02-17 19:40:10 | ハ行の映画


『薄氷の殺人』
"白日焔火" (2014・中国=香港・1h49)
監督・脚本 : ディアオ・イーナン
出演 : リャオ・ファン、グイ・ルンメイ、ワン・シュエビン



炭鉱の町で起きたバラバラ死体事件。未解決のまま5年が過ぎ、不審死が続けて起こった事により5年前の事件とつながる一人の女性が捜査線上に浮かび上がる。



グイ・ルンメイが今まで観てきた作品の中でもとりわけ美人だった。雪景色が似合う。鼻先が薄っすら赤みを帯びるのが可愛らしい。いや、とても可愛らしい。



ネタバレ有。



犯行の動機を知るとその状況に追い込まれてしまった犯人に同情せざるを得ない。同情するのはあの人だからではある。
その犯人を愛した元刑事とのラブストーリーでもあったと思うが、二人がお互いをどのように思っていたのかは事細かくは描かれない。
ラストシーンの白昼の花火にその思いが表わされていたようにも思う。
あの花火を打ち上げていたのは恐らくは元刑事で、犯人は"白昼の花火"という店のオーナーによって人生をメチャクチャにされたわけだから白昼の花火はその事を思い出せる悪い印象しかないはずで。でも実際に打ち上げられている花火を見る犯人の表情は清々しいもので、それは犯人にも花火を打ち上げているのは誰だか分かっていて、その人物からの花火に込められたメッセージを読み取ったからあの表情を見せたのだろうと思う。
そのメッセージとはなんだったのか?なんだったのだろう?よく分からないが犯人にとってきっと良いメッセージだったのだろうと思うので良かったのだと思う。


美女と野獣

2015-02-16 19:19:02 | ハ行の映画

La Belle et la Bete

『美女と野獣』
"LA BELLE ET LA BETE" (2014・フランス=ドイツ・1h53)
監督・脚本 : クリストフ・ガンズ
出演 : レア・セドゥ、ヴァンサン・カッセル、アンドレ・デュソリエ、イボンヌ・カッターフェルト







裕福な家族が一転質素な田舎暮らしを余儀なくされる。その土地の森奥深くにある屋敷には呪いをかけられた男が一人住んでいた。



古典な物語を古典のままで現代に甦らせたように思えた。正直言って古臭いというか。
その古典を知らないので(ディズニーアニメ版のは観たけど内容はほとんど憶えていない。)古典のままなのか、どこかに現代的アレンジがなされているのか、そこら辺はよく分かってはいない。



池袋シネマロサにて。日本語吹き替え版のみでの上映。字幕で観たかったが、本作での吹き替えの利点として字幕に気を取られずレア・セドゥの胸の谷間を心置きなくガン見出来る。



ビーグル犬がいっぱい集まって尻尾ぶんぶん振ってんのが面白かった。

クイール [DVD]

『クイール』でラブラドール・レトリーバーがいっぱい集まって尻尾ぶんぶん振ってるシーンが確かあったと思ったが、同じ犬種が集まるとテンションがMAXに上がるのだろうか。
「こっちもオレと同じ!あっちもオレと同じ!みんなオレと同じ!ウワアアアアアッ!!!」といった具合に。


ベイマックス

2015-02-14 12:35:18 | ハ行の映画

ベイマックス 角川アニメ絵本

『ベイマックス』
"BIG HERO 6" (2014・アメリカ・1h42)
監督 : ドン・ホール/クリス・ウィリアムズ
声の出演 : ライアン・ポッター、スコット・アツィット、ダニエル・ヘニー、T・J・ミラー、ジェイミー・チャン、デイモン・ウェイアンズ・Jr、ジェネシス・ロドリゲス、マーヤ・ルドルフ、ジェームズ・クロムウェル







兄が遺した医療要介護ロボットのベイマックスと共に正義のヒーローとなる少年。



高品質は約束されているディズニーブランドのCGアニメ。
一定した品質が保証されているからこそのブランドであるが、その一定した品質からはみ出せないのもまたブランドなのだろう。
大変良く出来ているのは間違いのない事だけど、なにか優等生がはみ出している風に思わせ、実際の所ははみ出していないエセはみ出し者に思えるのはディズニーブランドだけではなくブランドものへの何かしらの屈折した思いによるものなのでしょうか。
どうせならもっと思い切ってはみ出したものが観たいし、本編前の短編の様に優等生なら優等生らしい作品で良いんじゃないかなあと思うが。



TOHOシネマズ有楽座にて。2D。


日々ロック

2015-02-13 19:21:39 | ハ行の映画

日々ロック (JUMP j BOOKS)

『日々ロック』
(2014・日本・1h50)
監督・脚本 : 入江悠
出演 : 野村周平、二階堂ふみ、前野朋哉、岡本啓祐、竹中直人、毬谷友子、落合モトキ









ロックに生きる男がロックを通して自分の想いを伝え人々の心を動かす。



池袋シネマロサにて。



観る気は無かったが本作の公開を記念して上映された『サイタマノラッパー』シリーズを観たし、何よりロサで上映という事で観た。



なかなか物語に入り込めなかった。その原因は主人公のもどかしさに有るのだろうと思う。普段の生活が挙動不審で言語不明瞭なので何を考えているのかが分からない。
それはそんな怪しい男がロックを歌いだすと聴衆のハートを掴むロッカーに変貌する対比として誇張して描かれているのだろうと後々分かってから入り込めたと思ったものの、後半で日本映画ならではのお約束な展開が待っていて、入江監督でもそういう方向に行ってしまうのかと失望した。でもクライマックスの豪雨の中のライブシーンが良かったのでなんだかんだで良かったなあという印象。



歌姫役の人の生歌がそんなに上手くなかったが、歌声加工型歌姫なので歌唱力は必要無いという事なのだろう。歌声加工型アーティストへの問題提議の意味も込められていたかもしれない。



ビジュアル系バンドのボーカルの人が面白かった。



IKKUとTOMがどこかにひょっこり出てこないだろうかと期待したがそれは無かった。無くて当然だけどどうしても期待してしまう。



ベースの人のステージ衣装はホネホネロックへのリスペクトなのだと思った。

子門真人さんの熱唱が素晴らしい名曲ながら「人喰い酋長」がNGワードという事らしい。


フューリー

2015-02-09 19:23:36 | ハ行の映画

映画 フューリー Fury ポスター 42x30cm ブラッド ピット ドン・

『フューリー』
"FURY" (2014・イギリス・2h15)
製作・監督・脚本 : デヴィッド・エアー  製作・出演 : ブラッド・ピット
出演 : ローガン・ラーマン、シャイア・ラブーフ、マイケル・ペーニャ、ジョン・バーンサル








第二次大戦末期。連合軍はドイツへと向かっていたがナチスの激しい抵抗を受ける。戦車戦においてはナチスが有利であったが連合軍戦車隊も兵士たちが命を懸けて戦っていた。



戦争に本当の意味での英雄は存在しないという事を仰りたいのだろうと思う。敵味方問わず歴史に名前の残らない多くの兵士たちがいて、その兵士たちは平和な状況であったら恐らくはごくごく普通な一般市民であったはずで、そんな人たちが異常な状況の中で常軌を逸した殺し合いを繰り広げなければならない戦争に英雄は存在しないのだと。
でも本作の中でブラッド・ピットが英雄に見えてしまうのはそれはブラッド・ピットだから致し方のない事で。


ホビット 決戦のゆくえ

2015-01-19 19:09:52 | ハ行の映画

映画 ホビット 決戦のゆくえ ポスター 42x30cm 写真 The Hobbit: The Battle of the Five Armies Lord of the rings

『ホビット 決戦のゆくえ』
"THE HOBBIT: THE BATTLE OF THE FIVE ARMIES" (2014・アメリカ=ニュージーランド・2h24)
製作・監督・脚本 : ピーター・ジャクソン
出演 : マーティン・フリーマン、リチャード・アーミティッジ、イアン・マッケラン、ルーク・エヴァンス、リー・ペイス、オーランド・ブルーム、エヴァンジェリン・リリー







竜を怒らせてしまったホビットとドワーフたち。竜の怒りは人間の町へと向けられる。その一方でサウロンの思惑が静かに進行していた。



ネタバレ有。



竜との戦いは早々に終了。サウロンの思惑もガラドリエル様によって潰える。これにてガンダルフが危惧していたサウロンと竜の極悪タッグ結成は阻止されるが、その余波でドワーフ軍VSエルフと人間の合同軍VSリーダーを失ったサウロン軍の三つ巴の戦いが幕を開ける。
が、元々この話はホビットのビルボ・バギンスが経験した若かりし頃の冒険譚という形式であって、最後の最後でその形式に戻ったために色々なものが中途半端で終わってしまった印象を受けた。
ドワーフ、エルフ、人間が戦いの後どうなったのか。特には人間のイソギンチャク野郎はどうなったのか。あいつムカつく奴ではあったけど面白い奴でもあった。

戦いの終わり方がいつもの例のごとく強力な助っ人登場でっていうのも盛り上がりに欠ける気がした。

今回の騒動はサウロンが本格的に復活する前の前哨戦という位置付けで、前哨戦なだけにどこかこじんまりとしたものになってしまったなあという感じ。
『ホビット』3部作を観終えて、これってここまで大々的にやる必要有ったのだろうかと考えてしまう。当初の予定通り2部作だったらそこまで思わなかったかも。



ビルボが石つぶてでオークをやっつけてたけど、あれは確か原作でホビット一般が石つぶての威力が半端無いっていう事だったんじゃなかったけかと薄っすらと思いだしたが定かではない。
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズにホビット石つぶて最強説を示すシーンが有ったような気がしてきたがそれもまた定かではなく。



原題で"FIVE ARMIES"5つの軍隊となっているが、ドワーフ、エルフ、人間、オークで4つだけどあと一つはなんなのだろう?魔法使い、ホビット、ドワーフの一行を一つの軍隊と勘定するのだろうか。