接近した場合は、互いに右旋回することになっているそうだ。ところが、イージス艦のほうは、そのルールを守らず、そのまま直進したとのこと。これは何を示すか?一言でいえば、態度がでかいのだ。
これはルール無視の暴走車と同じで、自分が一番偉く、他はそれに従え、という認識である。
サイクリングで、信号の無い横断歩道を一斉に渡っているとき、「邪魔だ、どけどけ」とばかり、警笛を鳴らして突っ込んでくる車が多い。中には通りすがりに、「気をつけろ!あぶねぇーじゃねぇーか」と捨てセリフと共に、運転席から睨んでいくのもある。歩行者や自転車が、白い横線のある横断歩道を渡っている時は車は停車しなければいけない。こんなことも知らないドライバーがいるのだ。先の勝浦沖でのイージス艦の態度はまさにこれ。
そもそも「イージス艦」とは何ぞや。フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』には以下のように書いてある。
「イージス艦」とは、イージスシステムを搭載したあらゆる艦艇を指す総称である。したがって駆逐艦や巡洋艦などとは異なり、軍艦の種別の1つではない。
イージス艦は、イージス・システムを搭載することによって、特に防空能力について非常に優れている。このため、艦隊において防空の要として活動することが多いが、多数を保有するアメリカにおいては、汎用艦としての活動も多い。その防空能力はいずれもイージス・システムによってもたらされたもので、遠くの敵機を正確に探知できる索敵能力、迅速に状況を判断・対応できる情報処理能力、一度に多くの目標と交戦できる対空戦闘能力によって支えられている。これらの能力は、対空戦闘以外にも応用され、イージス艦の戦闘能力を全般的に優れたものにしている。
現在ではミサイル防衛(BMD) においての使用も計画されているほか、強力なレーダーや情報処理能力、ネットワーク能力を持つことから軍事における情報革命(RMA)などにおける海軍作戦の重要な要素ともなる。
ほんとかよ。「強力なレーダーや情報処理能力」を持っているのに、近くの漁船群を確認できないなんて、信じられない。これでは、「遠くの敵機を正確に探知できる索敵能力、迅速に状況を判断・対応できる情報処理能力」があるとは思えない。まさか、勝浦の漁船群を敵と誤認したわけではあるまい。
先に述べた、「そこのけ、そこのけ--」の精神が、今回の事件を引き起こしたのではないか?