寓話の部屋

なろうみたいな小説を書いてみたけどアレ過ぎて載せらんない小説を載せるサイト。

第007話 逆説の世界史III

2021-06-18 19:38:23 | 召喚大統領が異世界を逝く!

第七話

ツイステ合州国が、復仇を決意した頃の技術について語ろう。
この世界のエネルギー源は、魔力を第一にしたものである。
魔力は、地中を走る龍脈=レイ・ラインから供給され、不快な汚染ガスやCO2を出さないクリーンエネルギーであった。
一方で、地面から遠ざかると魔力の供給は弱まるという性質があった。
つまり海上では魔力が弱まる。それが外洋航行を阻む壁でもあった。
また同様の理由で魔力による飛行も夢物語だとされていた。古代の伝説の飛行機械の原理は想像も付かなかった。
(出典:カイカイ掲示板)

  またこの世界の地勢が、大きな大陸による経済的完結で渡洋貿易の経済的合理性に欠けていたのも一因であった。
必然、帆走・漕走を中心とした河川や湾岸航行技術しか発展せず、大航海時代への移行を遅らせていた。
そこに、魔力の蓄積技術が発明された。最初に発明されたものは、巨大な施設にわずかな魔力‐通常の龍脈から供給を受ければ魔術師一人が容易に出せる出力(ちなみに一魔力という単位)‐を蓄積することができる程度のものであり、その可能性に気がついた者はごく少数であったが、技術は進み、外洋船に搭載し、数週間程度の動力供給を可能にするほどの比出力を得るようになった。

しかし、この段階では、まだ中央大陸・新大陸間にまたがる大洋を往復するには足らず、龍脈の存在する寄港地での充電ならぬ充魔を必須とするのであった。
この技術段階では、上陸部隊を載せて、大洋を渡ったところで、魔力切れ。
設営した充魔施設を守りながら数日から2週間程度の充魔を行うというのは無理難題であった。
この技術での外洋航行のネックは、運良く龍脈上に存在し、効率よく魔力を補給できる中継地の島嶼があるかどうかにある。
世界地図の無い時代、限りある航行半径で命知らずの船乗り達は、そうした寄港地を探した。
島を見つけたと喜びに沸き立っても計測すると、魔力は弱い。そんな失望を繰り返しながらも、大洋のかなり遠方にあるワイハ王国という島国が比較的有望であるという喜ばしい発見があった。戦略上、どうしても欲しい要衝である。どうする。
「ころしてでもうばいとる」の一択であった。
最初は、ワイハ王国に有利な貿易を持ちかけ、駐在者を置かせて政治工作。少しずつ植民者を運んでの人口侵略。ある程度、親ツイ派が揃ったところで、満を持しての自由人民革命である。
王族をぶち殺すと、ワイハ共和国を樹立。傀儡国家のいっちょ上がり!
そして二十年もすれば、ツイステ合州国との合邦を望む国民の大多数の意見を背景に「もう、しょうがないんだからあ」と見え見えの吸収合併である。

そして、もう一つ、重要な戦略拠点があった。そうモトヒノ国である。
魔力文明が成立するほど龍脈があるのはもちろん、経済規模や人口は単なる泊地を超えて、大陸侵略の後背地、補給地として理想的な位置にあった。

かくして、ある日、モトヒノ国に、「黒船」がやってくる。



5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (チキンサラダ)
2021-06-19 00:13:38
引き続き、面白いですね。
なお、最後の部分ですが、後背地ではなくて、前進基地、あるいは橋頭堡では?
Unknown (りょうちん)
2021-06-19 00:53:08
https://kotobank.jp/word/%E5%BE%8C%E8%83%8C%E5%9C%B0-63038
後背地でいいのです。
単なる前線基地では足りないです。R&Rもできる場所でなくては。
Unknown (チキンサラダ)
2021-06-19 01:43:18
本筋でないところで複数回コメントするのは申し訳ないのですが、やはりしっくりきません。
以下が理由です。

* 後背地は、特定地域(都市や港)の背後に広がる地域を指す。つまり、日本と中国の関係では広がりの面で逆。
* 後背地は特定地域の背後にあるもの。つまり、アメリカからみた位置関係で日本と中国が逆。
* 後背地は軍事用語で聞いたことがない。(これは私が知らないだけもしれませんが)
Unknown (りょうちん)
2021-06-19 08:49:26
調べてもみましたけど、意味合いは問題ないものの、軍事用語として使われるのは少ないようですね。
後方支援基地では生産力などを矮小化しすぎですし、ゲリラ理論の「聖域」もしっくりこないし、どうしたものか。
Unknown (チキンサラダ)
2021-06-19 16:01:43
一言でピッタリ来る言葉がないですね。
橋頭堡、補給基地、後方支援基地、保養地、足がかり、根拠地、根城
意味的には根城が一番近いかな。時代があってないですけど。

すいません、良い案がなくて。

コメントを投稿