りょーこのマネージャーな日々

ブログタイトル仮変更。子供達のマネージャー状態な日々をダラダラ書いてます。

琉日戦争一六〇九 島津氏の琉球侵攻

2015-10-25 20:30:16 | れっつすたでぃ
読書感想文です。

今回読んだのは、上里隆史著「琉日戦争一六〇九 島津氏の琉球侵攻」、2009年12月発売。
以前この著者の「琉球王朝のすべて」という本を読んだことがあり、とても読みやすかったのですが、ただ私が一番知りたかった、琉球が日本に組み込まれる過程の歴史の詳細や、それに関する琉球の人々の心情的な部分に関しての記述が、ちょっと足りないなぁと思い、そのあたりをもう少し詳しく書いてあるものをなにか読みたいとずっと思っていて、それで同じ著者でもう少し詳しく書いてありそうな本書を借りてみたというわけです。

前半は、そもそも琉球という国が古来どのようにして海洋世界を生き抜いてきたのかということ、一方の島津氏は九州南部にあってどのように存在していたのか、そのあたりの詳細な記述が続き、正直結構退屈な内容も多く、なかなか読み進められなかったのですが(イヤ、両者の歴史を知るうえで大事なことだというのは分かるのですが)、そのうち話が秀吉の朝鮮出兵や、その後の島津氏の琉球侵攻に話が進むと、トントン読み進めることができ、貸出期限いっぱいの1ヶ月ちょうどでなんとか読み終わって(全350ページ)本日返却できました。
ということで、手元に本がないので、ちょっと詳細な感想は書けそうにないのですが…ただ、今改めて、以前「琉球王朝のすべて」を読んだ時の感想文を読み返したのですが、正直その時の感想文とほとんど変わらないということに気付いてびっくりしました…興味のある方は2014年2月9日の日記を読んでいただければと思います。
そのため、今回の感想文は、細かい点での記述が多くなってしまい、本筋とそれるところも多々出てきてしまいますが、ご了承下さい。

前回の本を読んだ時と今回とで大きく違ったのが、秀吉の朝鮮出兵に至る経緯、その経過などが詳細に記述されていたことです。
ずっと私はこのへんが謎だったのですが…やはり、海外進出志向の強かった信長の影響を強く受けていたというのが無難な解釈なのでしょうか。
たった今、スペインの脅威に対抗するにはこうするしかなかったんだという某ブログ記事も拝見したのですが…うーん確かにそうだとしたらすごいなと思いはするものの、実際のところどうなんだろうなぁと…。
そしてこのあたりに関連して…当時の倫理観を、現代の倫理観と並列に見てはいけないなと、改めて思いました。
もうだいぶ前になりますが、新婚旅行がなにげに韓国だったんですけども、その時買ったガイドブックに記載されていた「鼻そぎ」という行為が強烈に印象に残っていて、本当にこんなことがあったのだろうか?とずっと頭の片隅にあったのですが、なるほどこういう理由で存在したのだなということに、こんなところで答えにたどり着くとは思いもしませんでした。
確かに、戦国時代には相手の首を取るということは勲章であり、鼻が首の代替品になったという点は納得できるところです。
そして、当時つまり戦国時代、国内の争いでも、勝利兵による略奪、放火、人取りと売買といった、今の倫理観からすればありえないような残虐な行為も、その時にはごく普通のことであって、それが朝鮮出兵、さらには琉球侵攻でも行われたというのも、あってほしくないことではあるけれど納得はできるかなと。
個人的には、たとえば朝鮮人が、この頃の残虐行為に関して恨み続けるというならまだ分からなくはないんだけれど(それにしてもだいぶ年月が経っていますが)、韓国併合に関して恨み続けるのはやぱり分からないなぁと…(このあたりに関連して、朝鮮出兵が実際どのようなものだったのかということを、ずっと知りたかったんです)。
そして同時に、琉球も、日本に翻弄されて、侵攻されて、併合されて…いろいろなことがあって今日本の一部として存在しているんだなということはよく分かりました。
特に昔の琉球は、明に朝貢していて、日本からなにか圧力があったり、日本が明に対して不穏な動きをしていたらいち早く知らせたりしていたようで、こういうのを読んでいくと、やっぱり琉球は明寄りだったのかと思わざるを得ず。
実際、ひとつの王朝を滅ぼしてしまったわけですから(末裔はいらっしゃるようですが)、以前から日本のひとつであったというふうに当たり前に考えてしまうのもどうなのだろうと思う一方、今の沖縄の皆さんからすれば日本人として疑いもなく過ごしていらっしゃるんでしょうから余計なお世話になるのでしょうか、そもそも尚王権はすでに存続不可能なほど腐敗していたようですしね。
なんだか話があちこちに飛んでいるしちっともまとまっておりませんが…なにが言いたいかというと、日本は第二次世界大戦期は非常に軍紀正しく、進出先の海外でも現地の人々からの信望が厚かった(もちろん例外もあったでしょうが)というのはよく聞く話ですが、やはりそれ以前に関しては、日本であっても、信じたくはないですが、いろいろあったんだなと思わざるを得ないんだなと…。
…と、まぁ結局なんだか、琉球に関する感想があまりないというのがなんなんですが(苦笑)イヤ実際前回書いた感想と酷似していてあまり改めて書くところはなかったというか。
でも、自分としてはずっと疑問に思っていたところがいろいろ晴れてすっきりはしました。

今回、本書も1ヶ月かかってなんとか読了したのですが…並行して読んでいた「太平洋戦争の記憶」のほうは、結局2週間ほど手つかずになってしまって…。
「太平洋~」のほうは外出先で読めるサイズではないので、外出先でも読めるものをひとつ借りようと思って借りたのが本書だったわけなんですが、そうなるとこちらは貸出期限に追われてしまうので、期限が迫ってくると結局一番読み進めたい「太平洋~」のほうが手つかずになってしまうというこの歯がゆさ。
しばらくはなにも借りずに「太平洋~」のほうに専念しようかと思いますが(これもまだまだ全然最新刊に追いつけない状態)、さて外出先ではどうしましょうか…。

最新の画像もっと見る