りょーこのマネージャーな日々

ブログタイトル仮変更。子供達のマネージャー状態な日々をダラダラ書いてます。

My Sergei

2007-12-19 15:12:08 | ものがたり系
エカテリーナ・ゴルデーワ&セルゲイ・グリンコフというペアを、ご存知でしょうか。

1971年生まれのゴルデーワと、1967年生まれのグリンコフ。
1981年ペア結成。
1985年世界ジュニア金。
1986年世界選手権金。
1987年世界選手権金。
1988年カルガリーオリンピック金、同年恋人同士に。
1989年世界選手権金。
1990年世界選手権金、同年アマチュア引退プロ転向。
1991年結婚。
1992年娘の誕生。
1994年リレハンメルオリンピック金。

そして1995年、スターズ・オン・アイスの練習中に、セルゲイ・グリンコフは心臓発作で突然この世を去った。
享年28歳。

フィギュアスケートファンとして恥ずかしい話だが、彼らのことは、最近まで名前も知らなかった。
マイミクさんから彼らのことを聞き、そしてその方から、DVDをいただいた。
彼らの演技がいくつか、そして、ゴルデーワが夫の死後書いた「My Sergei」という本をベースに映像化された「My Sergei」という作品が入ったDVD。
昨日、仕事が休みだったので、ひとりでじっくり観てみた。

泣いた、泣いた、とにかく泣いた。

全編英語で字幕もなしなので、内容理解は多分7割できたかできないかだけど、それでも、これ以上ないくらい号泣した。
ひとりじゃなければとてもじゃないが観られない。

ふたりの演技は、この輝かしい実績に恥じない、素晴らしいものだった。
まだ幼いカルガリーオリンピック、この時には大技を次々と成功させていくだけではなく、本当に「一糸乱れぬ」という言葉がぴったりの、少しのズレもない、それでいて決して流れの止まることのない、非常にレベルの高い演技。
そして恋人同士になり、よりエモーショナルな演技ができるようになってきて。
リレハンメルオリンピックの演技は、技術面はもちろんのこと、本当にふたりの心が通い合っているのがにじみ出ているような演技だった。
(個人的には、このリレハンメルオリンピックのエキシビションの演技が、あまりにも美しくて、言葉を失った)

作品の中には、こうした彼らの演技が散りばめられているだけでなく、彼らの成長の様子、生活の様子が描かれている。
彼らがペアを組み、一緒に苦労しながら少しずつ少しずつ心を通わせていく様子…お互いにプレゼントを贈ったり、ケガをした相手を思いやったり、オフアイスで手を握ってみたり、そしてペアを結成してから7年後の、恋人となった瞬間…本当に純粋な恋愛だった。
この純愛の結末を知った上で観ているから、そういった優しいシーンが余計に胸にしみて、とにかく最初から泣いてばかりだった。
結婚式でも泣けた。
娘が生まれて、グリンコフが娘を本当に愛しているのが手に取るように分かる数々の映像を観て、また泣けた。
今これを書きながら、また泣いてしまっている。

14年間、四六時中彼と一緒にいて、ずっと彼だけを見てきて、これだけの輝かしい成功と幸せな生活を手に入れたゴルデーワが、突然彼を失った悲しみは、いかほどであっただろう。
彼の死から3ヶ月後行われた追悼公演で、彼女は隣に彼がいるかのようにしてひとりで滑っていた。
このシーンが、一番泣けた。
もし私があの会場にいたら、泣き声を抑えることなどとてもできなかっただろう。
それくらい、昨日の私は、このシーンを観ながらわんわん泣いていた。
彼がこの世を去ってからまだたったの3ヶ月しか経っていないのに。
ひとりで滑るリンクは、どれだけ冷たく広かっただろう。

ゴルデーワはその後2002年、長野オリンピック男子金メダリストのイリア・クーリックと再婚し、ふたりの間に娘もひとり生まれている。
でも、これだけの時間、功績、幸福を作り上げたふたりだったから、きっとゴルデーワも新しい一歩を踏み出すのはとても勇気がいることだっただろうし、これだけのものを全て受け止めて彼女を愛することにしたクーリックもまたとても大きな人間なのだろうなと思ってみたり。
グリンコフの娘であるダリアちゃんと、クーリックの娘であるエリザベータちゃん、ふたりはそれぞれどんな想いで、ゴルデーワ&グリンコフという輝かしいペアの演技を観るんだろうな、とか思ってみたり。

泣かずに観られるわけがないと思っていたけれど、想像以上に泣かされた。
内容理解が7割というのは悔しいので、いずれ目が腫れてもいい日を選んでまた観ようと思うし、日本語翻訳版の「愛しのセルゲイ」もいつか必ず読もうと、固く決意。

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