四国遍路(108箇所)の旅

お遍路(88+別格20)の準備計画と実際の歩き通し打ちの記録を、5月11日から(実行は6月3日スタート)記録しています。

「第二部 108寺歩き遍路の総括(32)」

2007年08月24日 | Weblog
「第二部 108寺歩き遍路の総括(32)」

■ 各寺間の実際の時間と道のりについて

『64番~65番、別13番~15番、そして65番までの推定方法』

前回と同じく、へんろみち保存協会編(39p)の四国遍路道基本コース歩行
距離表の平均所要を参考にすると、以降のコースは下記のようになる。

64番~65番    45.2K 13時間 (途中に別12番有り)
65番~別13番    8.2K 不明
別13番~別14番   9.2K 不明
別14番~民宿岡田   7.1K 不明
民宿岡田~別15番  17.0K 不明
民宿岡田~66番    5.0K 不明

西条で連泊して石鎚山を登った後、朝から大雨に見舞われた。梅雨の歩き遍路
であるから仕方ないのであるが、この時期は疲労もピークに達していて、西条
から三島までの国道歩きは大変過酷だった印象が残っている。途中、別格12
番延命寺で住職と会話できたのが救いだっただろうか。

そんな中歩いていても、次に難敵が続く事に不安で頭が一杯だった。別格13
番~15番、そして65番三角寺、66番雲辺寺と気が重くなるほどであった。

この区間は、宿の選択がポイントになるだろう。それも単純に、この区間だけ
の自分の「足」(の疲れ等)との相談ではなく、三角寺の先には宿は民宿岡田
しかないのだ。別13と別14を打ち、順調に民宿岡田にたどり着けるか…そ
のためには、三島の宿が良いのか、それよりも手前でも大丈夫か等、考える事
が沢山あった。

情報の少ない別格打ちにとっては、仙遊寺と常福寺を打ち、池田佐野の民宿岡
田までの時間が見積もり難いのである。距離は、地図を見れば分かるのだが、
「道の難易度」が歩く時間に影響する事は当たり前であり、歩き遍路にとって、
正確な道の難易度の情報を得る手段のないことは非常に辛いのである。

特に…健脚、高速遍路と煽てられ、自負もしていた!(笑)私としては、悪い
癖であることは承知していたが、道の調査と推定時間が「命」だった…アハハ
である…

重たいPCを背負ってこのブログを書きながら歩いた。そして更に整理のため
にまとめまで書き続けているのも、私のようにある意味…「神経質」な遍路の
ために少しでもお役に立てればと。。。そう思うだけである。

結果は、以下のようになった。

===================================
困難度(【1~5】【5】が最難関)を個人的主観にて採点した
===================================
64番~65番   45.2K 13時間(延べ3日間・途中延命寺含む)
この区間は、最初の日は64番前神寺を打ち、約4キロを1時間で歩いて西条
駅近くのホテルに入り、その後石鎚山を挟み、通り沿い近くの別格12番延命
寺を打ち、三島駅近くのホテルまで歩きそこで泊まり、更に翌朝65番三角寺
への延べ3日間の道のりとなった。三島駅近くから最後の5キロを除いて、ほ
とんど1本道の国道11号線歩きとなる。以下2つに分けて説明する。
(1)64番前神寺から三島まで 一本道の国道11号線歩きとなる。歩き遍
路地図には、西条を過ぎ、途中11号線から少し南側の旧道や、交通量が少な
く歩く為には「安全」と思われるアスファルト道や、選択肢としてであろうが
松山自動車道(高速)沿いの道を指示しているのだが、私は徹底して国道11
号線を歩いた。確かに、この区間、特に後半は11号線は片側にしか歩道の無
い場所が多く、その歩道も狭く歩き難い感じがしたが、雨の中の歩きとなった
後半は、地図を見ながら旧道などを歩くよりも、安心してというか、疲れた歩
きの中「ボぉっと」しながら「一心不乱?」(うまく説明できないが)に歩け
る道を歩いた方が私には楽だった。この区間の高低差のある場所は、新居浜の
先、関川地区に標高150m程度の坂を国道歩きで越えるところがあるが、そ
れ以外は平坦な舗装道歩きとなる。ただ、この区間、遍路小屋などはほとんど
無く、国道沿いのコンビニなどで休憩を取る以外方法は無いだろう。延命寺の
敷地内に立派な休憩可能な小屋があるが、別格打ちであれば国道から100m
程入ったここに立ち寄る事は無論だが、88箇所巡りの方には、この延命寺の
小屋すら気が付かないだろう。以外に厳しい道であるとの印象が強い。【3】
(2)三島から三角寺まで 伊予三島から県道や生活道を経て高速方面に南下
し、その後、戸川公園を抜け、最後の遍路道に入り三角寺へと向う。但し、遍
路道も最初は簡易舗装道で、最後の1キロ程度のみが本格的な山道である。こ
こには一部厳しい登りもあるが、道は整備されており、標高500mへの三角
寺への上りであるため、最後の1キロと、山門手前の急階段が最もキツイかも
知れない。休憩ポイントは戸川公園内の立派な休憩小屋以外には無いだろう。
【3】
全体としては、距離があり、途中宿泊を必ず挟む事になろうが、ポイントは、
三角寺の先に民宿岡田以外に66番雲辺寺までの約20キロ近い道のりにも宿
は無い事。そして、雲辺寺を過ぎで4キロ強先の民宿青空までも宿は無いので、
別格打ちで無くとも、三島に泊まり三角寺、そして雲辺寺を一気に打ち、民宿
青空まで行くか、それとも池田佐野の民宿岡田で宿を取るかなど、三角寺の先
の宿を基点に、この区間を歩いている間に整理が必要な区間であろう。別格打
ちにとっては、三角寺の後、別13番仙遊寺、別14番常福寺、更に池田町の
別15番箸蔵寺と難所が続くので、民宿岡田を基点に打ち戻るか、池田町で宿
を取るのかなど、いずれにしても数日前から十分な検討が必要である。私自身
にとっても非常に珍しく、この区間の前半の西条で3日先までの日程を全て決
定していた程である。休憩ポイントも少なく、宿の検討も難しいため、総合で
も…【3】

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■31&32日目宿「ザヘンロ・サーベイ」(最終回)

 私は翌日以降、讃岐入りの後、実家のお接待に甘え、送り迎え付きでの歩き
 となったので、宿については32泊(29箇所、連泊が3回【久百々、西条
 ステーションホテル、民宿岡田】)であった。最後の宿としては、申し分な
 い遍路情緒溢れる宿となった。

===================================
民宿岡田       T22 F20 D18 S23 C¥6,500
三好市池田町佐野牛頭586         0893-74-1001
ある地区を独占している宿の一つであろう。別格打ちだろうが、88箇所巡り
の歩き遍路であろうが、早朝に三島辺りの宿を出発して三角寺の後、雲辺寺を
一気に打ち民宿青空なで進むことが可能な健脚以外は、この宿の重要性は非常
に高い。老夫婦の経営であったが数年前に奥様が他界された後、存続が心配さ
れていたが、息子さん夫婦が、経験豊富な優しい素敵なご主人と今も営んでい
られる。遍路を愛して止まないという感じだった。宿泊前は、少しだけ老朽化
を心配していたが、全く問題は無い。清潔感もあり、行き届いたサービスで、
歴史を感じさせる様々な遍路の写真など、数多く経験できる。箸蔵寺への打戻
りにも、ちょうど良い場所にあるし、その後、雲辺寺から一気に讃岐への道の
りも、基点としては申し分ないだろう。長く続いて欲しい宿の一つである。
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全ては、私の個人的判断です。
 総合(Total)は、「T」
 料理(Food)は、「F」
 内装(Decor)は、「D」
 サービス(Service)は、「S」  
 料金(Cost)は、平均的コストの「C」
評価は、
 0~9 お粗末~可
 10~15 可~良
 16~19 良~優
 20~25 優~秀
 26~30 秀~完璧
 NAは、評価できず(食事など無しの場合)Not Applicable
===================================

今日はこの辺で。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ハイ、本気投稿?です。 (KOYAMA)
2007-08-24 22:28:00
西条を過ぎてから延々と続くルート11は
意外に難物だったんですネ。その後に控えて
いる、”どんだけ~”の大変なお寺の数々を
考えると、愉快な舗装道ではないのでしょう。
2度目の逆打ちだった私は未知ではあっても、
不安はなかったと思います。やはり、未知の、
判らないことへの不安は大変なプレッシャー
なのだったと改めて思いました。

岡田に連泊出来なかった場合まで想定して、
当時投稿させていただきました。その時に、
実は本当に懸命に考え、自分だったらこう
すると結論を出してのご提案でした。何処か
に私の案のようにされた方も居るかも知れま
せんし、そういう方法もあるのかと御参考に
なっているのなら、大変な幸福です。

細かいことですが、別格13番は仙遊寺では
なく、仙龍寺ですヨ。あの水の豊かな山奥の
お寺は今の時期は涼しくていい感じですが、
冬になると・・・、なかなか”大変”らしい
です。堀切トンネルを手放しで褒めることは
出来ないにしても、このトンネルのおかげで
多少なりとも遍路は楽を享受出来ているとは
言い過ぎでしょうかネ?
返信する
残暑お見舞い (横浜天恢)
2007-08-24 23:01:04
すっかりご無沙汰しております。横浜天恢です。暑さはもうしばらく続くようです。
老いの天恢は、どうやらこの暑さで思考が停止したようで、このブログは毎日読むのが精一杯で、コメントはできなくなってしまいました。
宿の評価の件で、いろいろと考えさせられました。詰まるところは、
≪そもそも、四国遍路とは何か? 人はなぜ、お四国の道を歩くのか? ≫に、たどり着くのです。 遍路を「修行の旅」とする伝統的な遍路と観光・物見遊山まで含めて多様化する現代遍路とでは埋めようもない価値観の違いが存在します。 くそ暑い最中に、そんなこと考えていたら脳内パニックが起きて、脳死状態に陥ってしまいましたので、もう難しい話は止めることにしました。
 さて、甲子園の高校野球の決勝戦の22日、この日も暑い日でしたが、夕方都内で飲む機会ができたので、午後から上野の芸大美術館で開催中の『金刀比羅宮 書院の美』を観賞して参りました。遍路を少しやった身としては、四国が身近になって、こころ惹かれるものがありました。感想を述べれば、主催新聞社が大々的にPRするほど「空間、圧巻」というインパクトは感じられませんでした。襖を取り外して持ってきても、やはり書院を持ってこなければ実感は伴わないでしょう。 虎を見たことがない丸山応挙の虎は、素人目でも大型ネコをモデルにしたことが判ります。持ってこれないものもあって複製部分もかなりありました。9月9日までですが、この展示は三重県立美術館、パリでも観ることができるそうです。交通費を除いて入館料、図録、絵葉書などで4,100円で、ほぼ飲み代と同額になりました。文化が高いか・ 飲み代が高いか・は、マスターの判断にお任せします。


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今日は飲んでました (歩かない遍路 らいた)
2007-08-24 23:37:18
 笑福亭学光さんと今まで飲んでました。徳島の文化教室で学光さんがお笑い福祉士養成講座をされており、その審査員を何故かしております。
 今日は別の用事で講座に顔を出しそのまま、い続け、その後ラーメンと餃子で一杯となりました。
 
 マスターのお話は経路に強いですね。これまでに増して生き生きとしていますよ。
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