四国遍路(108箇所)の旅

お遍路(88+別格20)の準備計画と実際の歩き通し打ちの記録を、5月11日から(実行は6月3日スタート)記録しています。

「第二部 108寺歩き遍路の総括(7)」

2007年07月23日 | Weblog
「第二部 108寺歩き遍路の総括(7)」

■ 各寺間の実際の時間と道のりについて

『22番~24番までの推定方法』

前回と同じく、へんろみち保存協会編(39p)の四国遍路道基本コース歩行
距離表の平均所要を参考にすると、以下のようになる。

22番~23番 1)約22K 7時間
          2)19.7K 6時間20分
23番~24番 75.4K 22時間(3日)

22番から23番も、1)海岸線沿いに歩くと22キロになる。弱足なら
ほぼ1日の距離なのだろうが、朝5時に出れば10時前後には打てると
勝手に計算して、午後も更に鯖大師まで、20キロ歩くぞ!って~

この時期は、正直そんな事しか考えていなかった。海岸沿いに出ても景色を
楽しむ余裕もあまり無かったし、歩き始めて1週間、あっと言う間に!
発心の阿波を終えてしまうのだ。よくよく考えると7日目の夜は、
ロッジおざき(高知県)だった。1週間しか「発心の阿波」にはいなかった。
別格を打ちながらである。無我夢中であったのだろう。

このあたりで冷静に体調の事などを考えていたら、自嘲気味になっていたの
かもしれないと、もしかしたら途中で止めていたのかもしれないと、何故か
そう思う。

ただ「前に!前に!」と気が急いていたのだろう。

今冷静に思うと、もう少しゆっくりと回れば良かったと思う気持ちもあるが、
それはそれで良かったのだと思う。初めての遍路である。そんなに余裕など
あるはずはない。

「足の痛さ」「体の辛さ」「荷物の重さ」を忘れるために、歩き続けるしか
ないのだ。重たい荷物を背負って歩く事が1週間程して、ようやく「習慣化」
してきた頃である。

そして、ここから有名な、寺間の距離の長い、数日掛りの歩きが襲いかかる。

注記:当初数日は、山門の前で必ずデジカメを取り出し、写真を撮った。数日
単位でまとめて、SDカードからパソコンに取り込み、Blog用に使おうか
な?と考えたが、どこの山門かもわからない事が多かった!(アハハ…)ので
面倒なので止めてしまった!

写真が無いと、少し寂しい…とのご指摘。はぁ~その通りです。私は文章しか
ないのだろう。

結果は、以下のようになった。

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困難度(【1~5】【5】が最難関)を個人的主観にて採点した
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22番~23番 21K 5時間20分
ルートは2つある。7キロ地点から、1)県道25号線を進む海岸線か、2)
国道55号線を進む山沿いの道かである。1)の方が22キロ強、2)は若干
距離が短く19.7キロとなる。どちらも基本的にはアスファルト道が主体だ
が、1)は後半に2箇所、山道(古道・遍路道)がある。2つの遍路道も、歩
き易い整備された遍路道であるので、大きな心配は無い。但し、距離がかなり
あり「弱足」だと1日の距離に相当するか、それに近いため、スタート地点に
よっては、途中で宿泊をする可能性もある。有名な「ドライブイン橋本」の大
型バス改造の善人宿は、2)の国道55号線を通らないと発見できないらしい。
私は、海岸線を通る道を選択したが、2つの遍路道は、辛いアスファルト歩き
が続く中では「一時であるが、癒される」時間だった。更に、海が見える道は
心も和むのである。休憩ポイントは、遍路小屋もほとんど無く、田井ノ浜の近
くの公園(由岐近く、約12K地点)位であろうか。途中、コンビニも無く、
一気に歩くには20キロを超える長く厳しい道のりである。【3.5】

23番~24番 75.4K
県境を越え「修行の土佐」に入る厳しく長い道のりである。標準所要時間22
時間(延べ3日掛かる)という厳しい長さである。この道のりは、一部遍路道
があるが、特に問題無い(整備されているか、旧道歩き(舗装道)であるので、
古道が苦手な人も心配は要らない。後はほとんど国道55号線のアスファルト
道をひたすら歩くのみである。

しかし、車なら、ゆっくり走っても2時間も掛からない距離である。ブウ~ン
と車で走ってしまうと、周りの景色も何も感じないだろう。現代人が75キロ
の道のりを延べ3日も掛けて歩く事など、普通ではあり得ない。そんな普段
の生活では「あり得ない」歩きを行う事こそ、この歩き遍路に価値があるの
だろうと思う。

以下、私の歩いた(宿泊先の事情)で、分割して説明する。
a)23番から別4鯖大師付近(約20K)
b)別4鯖大師付近からロッジおざき(23番から約60K地点約40K)
c)ロッジおざきから24番最御崎寺(23番から60K地点から24番)

a)23番から鯖大師 この辺りから「トンネル歩き」が一般化してくる。国
道55号線を長くダラダラ上りの後、日和佐トンネルを過ぎる前に遍路小屋が
あるので、ここで小休止が良いだろう。トンネルを抜けても、多少のアップダ
ウンがある国道を進む。一部、小松大師の付近に遍路道の指図があるが、道は
アスファルト道で特に心配は無い。通っても通らなくてもあまり変わりはない
だろうか。変化を付けたいなら入っても良い。15キロ地点に牟岐町がり、
遍路の旅にはあまりに有名な「お接待所」が牟岐警察の敷地内にある。ここは
夏場はテントと椅子だけだが、春と秋は、住民の皆様が交替当番で暖かいお接
待をしてただけるらしい。私は夏(6月)だったので非番の強面(こわおもて)
のおまわりさん!に話し相手になって頂いた!(笑)その後、鯖大師までは
その先4キロで到着。手前に小さなトンネルが数箇所あり、トンネル歩きで、
大型トラックなどの爆風の洗礼に慣れる頃かも知れない。休憩ポイントは、
日和佐トンネル手前の遍路小屋、小松大師付近の酒屋、牟岐警察内のお接待所
であろう。最初の20キロは優しい道だろう。【2】(約20キロを5時間)

b)35K地点から「発心の阿波」を終え「修行の土佐」入りである。何が修
行かと思うと、まず(1)人が少ないと言う事ではないか。特に「核処理施設
問題」で話題となった東洋町は、残念ながら本当に寂しいそして厳しい道のり
だと思う。(2)水の心配があるかも知れない。平坦な海岸線の国道歩きであ
るが、途中後半の約15キロは自動販売機すら無い。日差しが照りつける時期
は、十分注意されたし。
まず、鯖大師から6キロ程(25K地点)進むと、旧海南町の遍路小屋がある。
手前にコンビニもあるのでここで休憩可能。この休憩所は、トイレも完璧
(洋式・清潔)である。お接待で飲物などもある。あり難い。その後、33K
地点に道の駅、そして直ぐ先34K地点に遍路小屋もある。ここで、特記!)
県境・水床トンネルの手前右に「喫茶店ひこうせん」有り。時間的に余裕があ
るなら(無くても!)、是非ここに立ち寄るべし!素晴らしい雰囲気のお店で、
港区や世田谷区に持ってきても恥ずかしくない程の店である。インターネット
も使え、モバイル派は、無線LANまでOKである。コーヒー400円。その
後の、ゴーストタウン抜け前に、是非、人の温かさに触れておこう!
その後、県境を抜けると東洋町役場近くに集落があり(40K付近)民宿など
5軒程度(主にサーファー向けと推察)あるが、この先15Kは本当に何もな
い。宿の日程調整は、東洋町の民宿か、60Kポイントのロッジおざきか、
民宿徳増までない!またここからロッジおざきの少し手前「佐喜浜」集落まで
休憩ポイントらしきものも全く無い。覚悟を!実質休憩5回(海南町、ひこう
せん、東洋町の何れかで1回、その先で、海岸に降りてでも!2回は最低必要
か)として10時間30分。「ゴースト地区抜けの15K」を考慮して【3】

c)ここからは、15Kで最御崎寺であるので、目標が近いのでさほど苦には
ならないだろう。三津漁港手前、室戸東中学(69K付近)の高知県海洋深層
研究所前の「浜の階段?」が休憩可能。ここからは、休憩ポイントらしきもの
は無いだろう。最御崎寺の手前が登りである。おおよそ、距離約500m弱
(標高で165mまで)である。健脚20分、並足25分、遅足30分だろう
か。この山道の途中、休憩箇所1箇所有り。御蔵洞も10分程度は見て…実質
3時間20分。【2.5】

前半の徳島は、遍路小屋、そしてお接待所などが数キロ毎にあり、とても歩き
易いであろう。むしろ休み過ぎて、かえって時間が掛かる可能性すらあるかも
知れない。高知に入り厳しさは増すだろう。何が厳しいのか!は休憩可能箇所
が少ない事だろう。休める場所があれば、必ず休む!これが一番だろう。実測
総合計(19時間)。平坦であるが、距離の長さと、休憩箇所が少ないので…
それと『ゴースト15』だろう。近年社会問題化した核廃棄施設誘致の問題も
東洋町を抜ける時に実感するだろうか。住民の皆さんには申し訳ないが、事実
そのように感じた。ポイントは、宿の取り方だろう。3日で抜けるなら、それ
程苦しく無いだろう。2日で抜ける場合はかなり辛いか。道は平坦ではあるが、
はやり…【3】

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■7日目宿「ザヘンロ・サーベイ」
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ロッジおざき  T17 F17 D15 S19 C¥6,300
室戸市佐喜浜町708-3(60.5K地点) 0887-27-2065
インターネットでも有名な「評判の美人の娘さん」見たさに泊まった!評判通
りの美人であるが、難点は「言葉使いが丁寧過ぎる」「一つ間違えると慇懃無
礼(いんぎんぶれい)に聞こえはしないか!」と思ったのは…私だけであろう
か?!(失礼!)この地点は、少し先の民宿徳増の2つだけである。この手前
の15キロは「無法地帯!」(自動販売機すら無い!)のだ。寂しい、そして
厳しい歩きの後、迎えてくれるのは、若い女性に限る!と踏んだが(選んだが)、
それにしても「お風呂の設備が古い」のは難…だろうか。しかし清潔さがあり、
行き届いたサービスと気持ちは、有名な遍路宿の一つであることはうなづける。
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全ては、私の個人的判断です。

総合(Total)は、「T」
料理(Food)は、「F」
内装(Decor)は、「D」
サービス(Service)は、「S」  
料金(Cost)は、平均的コストの「C」

評価は、
0~9 お粗末~可
10~15 可~良
16~19 良~優
20~25 優~秀
26~30 秀~完璧
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今日はこの辺で。