四国遍路(108箇所)の旅

お遍路(88+別格20)の準備計画と実際の歩き通し打ちの記録を、5月11日から(実行は6月3日スタート)記録しています。

遍路9日目!今日は休足日!安岡重機バンザイ~

2007年06月11日 | Weblog
「休足日!出会いの遍路…万歳~安岡重機!遍路9日目」

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天気:とにかく晴れ!
気温:21度~26度位
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ホテルなはり   7:50発
27番神峯寺  10:25着 11:05発
ホテルTAMAI   16:30着
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歩行距離:約21Km
歩数:32,900歩
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主な出費
納経代:300円×1寺=300円
飲物代:150円
昼食代:400円
夕食代:1,500円(明日の朝食代含む)
宿代: 6,300円
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総合計:8,650円
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今日は、休足日でした。でもとても、素晴らしい出会いと、ご接待に感謝の一日
でした。忘れられない日になったと思います。

今日は、昨日歩き始めて初めて出来たマメのため、また、歩き遍路から40キロ
の強行軍が続いたため、今日は27番神峯寺までの約8キロ+その先の安芸市の
ホテルまでの13キロの合計21キロの、楽勝!予定とし、それでも頭の中では
足のマメの化膿の心配などをしながら、とにかく慎重なスタートとしました。

ゆっくり起き、マメの治療とテーピングを始めてしっかりして、8時前のスター
トとなりました。マメは馬鹿にしていると化膿したり、そのせいでせっかくの苦
労を無駄にしてしまうこともありますので、私なりに慎重にケアしながら、そし
て、様子見と言う感じでスタートすることにしました。

ホテルから27番神峯寺までの道のりは、最初の4キロほどが国道55号線のア
スファルト道の後、登りが約4キロ弱という感じでしょうか。登りは標高が約4
50mと言う感じですので、途中一部遍路道(土道、山道)を歩くとしても、最
初の1時間は平地歩きのアスファルト道、そして登り道なので、合計2時間半と
いう感じと想定しました。

足の心配をしながらゆっくりスピードを落としてスタートし、そのせいか、あま
り余計なことを考えずに歩けたおかげか、あっという間に登り口まで到達しまし
た。

歩き始めて直ぐの道の駅の横のコンビニで今日の昼食のパンを買い、缶コーヒー
を購入し、5分ほど休憩し、1時間ほどで登り始めました。

最初は緩やかな登りの後、集落を抜けるところで、農家のおばあさんが、「荷物
重かったら、置いていってもいいぞぉ~」と声を掛けて頂きましたが、「ありが
とうございます。でも大丈夫です!」と返事をして上りに向かいました。

この登りは、本当は日程的に合えば、上り口にある「浜吉屋」「ドライブイン2
7」など3軒ほどの民宿に荷物を預けて「空身」で登るのが「通」なのだと理解
していたのですが、私の場合は、この日程には合わなかったため、重いザックを
背負っての登りとなりました。

途中、すれ違った歩き遍路の方(もしかしたら自転車遍路の方で下に荷物を預け
た方かも知れませんが)は、空身で楽そうな感じでしたが、10キロを越えるザ
ックを背負っての登りとなりました。

高架線(なはり・ごめん線)を超えたのが9時20分、ここから約1時間程登り
だとの事前情報(インターネット)でしたので、その時間を目安に、それでも自
分のペースを守ろうと考えながらの登りでした。

緩やかな登りの後、遍路道(山道)への分岐から、途中何度かアスファルト道の
合流などを経て、最後はやや急な登りがあり、休憩場所が2箇所(1箇所は最後
の登り約1キロ手前)を経ての1時間程度の登りでしょうか。並足だと1時間半
程度、私の場合、ちょうど1時間という登りでした。

初日の別格大山寺の標高(H450m)とほぼ同じですが、88箇所の遍路道は
やはり整備され、そして何より別格に歩く比べ人圧倒的にが多く遍路道は多くの
人に「踏み込まれていて」、歩き易い道でした。

別格の遍路道も、88箇所のように、より多くの人々が訪れるようになれば、遍
路道(山道)も歩きやすくなるのだろうと…考えながらの登りとなりました。

登りきった所の駐車場に、下の民宿「ドライブイン27」の経営と思われる?売
店ような小屋がありました。駐車場の管理も兼ねているようですが、私には正直
「興醒め」でした…何故かと言うと、山の上のお寺の駐車場(88箇所の寺はほ
とんど駐車場は有料?なのですか?!)の横に、売店(つまり自動販売機も含め
売っている物(置いてある物)は全て「売り物」ってのが、どうも納得が行かな
い感じでした。うまく説明できないのですが、本当に興醒めって感じでした。

その後長いスロープ(登り坂と階段)を経て、境内に入り、納経所を抜け、長い
階段を経て、本堂、そして、大師堂とお参りをして、納経所に戻りました。

納経所では、おばさん(失礼!)が、優しい目で、お釣りを一緒に飴を2個下さ
りました。今日はじめてのお接待でした。納経所の前の椅子に座り、靴を脱いで
休憩しながら、その後の道のりの確認と、飴を舐めながら休憩し、11時過ぎに
出発しました。

今日の予定は、後13キロ程度なので、時間的にはかなり余裕があります。その
ため下り坂も無理をせずに、本当にゆっくり降りました。途中、歩き遍路の方と
すれ違いましたが、「後少しで、左に入る遍路道がありますよぉ~頑張ってくだ
さい」と、声を掛け、ゆっくりと下りました。

登りが1時間、私の場合、下りもスピードを抑えて、約50分と、ほとんど膝へ
の下りの負担も無いように降りられました。下った後、遍路地図に従って、55
号線の安田明神の交差点まで旧道を歩きました。

安田明神の交差点の遍路小屋で、休憩している歩き遍路の方と会いました。遍路
小屋で、汗をかいた白衣を脱ぎ、お昼ご飯休憩をしている方でした。足には余裕
がありましたので、挨拶をしてそのまま先に進もうかと思ったところ、「是非ど
うぞ」と、席を空けてくださりましたので、少し一緒に休ませて頂くことにしま
した。

私の父を同じ位かな?と思い話しかけましたら、なんと同じ年の76歳の尼崎か
らの方で、遍路は3回目、1回目はバスツアー遍路で、その後、歩きと公共交通
機関を併用した遍路を経験し、印刷関係の仕事を完全に引退した後、今回は区切
りで「完全歩き遍路」への挑戦との事でした。

お昼に食べていた「太巻き寿司」を「全部食べられませんので、是非、助けてく
ださい」とお声がけ頂き、遠慮なく、少し(半分も!)頂戴しながら、聞けば、
その方も、今日はその後は安芸市の旅館で約20キロで終えるとの事。また昨日
のホテルなはりもご一緒だったとの事、偶然とは言え、父の年と同じ事もあり、
今日の午後をご一緒して歩くことになりました。

様々話をしながら、残り10キロ程度を、ゆっくりご一緒しました。私の普通の
歩くスピードでは、おそらく先に歩いてしまうのですが、また、歩くスピードが
違う時は無理して一緒に歩かずに、自分のスピードで歩いた方が良いのですが、
スピードの早い私が、彼に合わせることは楽なので、今日は、もう安芸市に宿泊
を決めていましので、そのままご一緒することにしました。

3キロ程進んだ後、道の駅があり、ここで、2人で、また休憩をして、おまけに
大変暑かったので「ビール」を飲みたかったのですが、道の駅には、近頃飲酒運
転撲滅の問題もあり、ビールは無く(笑)、しかし!高知の地酒の焼酎の水割り
を発見し!、2人で、昼から1時間、ゆっくり休憩、そして飲みながら過ごしま
した。

「今日は、観光気分ですね~後、もう、5キロ程ですよ~」と、笑いながら出発
し、本当は、遍路地図に載っていた「防波堤道」を行きたかったのですが、入り
口を見過ごし、55線を進むことになりました。

その後2.5キロ程度進んだ55号線沿いに、会社の建物らしい道沿いに、ベン
チが2つありました。道の駅で充分過ぎる休息の後ですから、普段の私だとその
まま通過する距離なのですが、ご老人!(失礼)と一緒の歩きなので、「どうし
ますか!?少し休まれますか?」と、お声掛けしたところ、「そうね~」との返
事だったので、少し座って行きますか~と、ベンチに腰を降ろし掛けた途端、敷
地の中から、可愛らしい女性が「どうぞ~こちらに」とお声掛け頂きました。

表には「お遍路さん、どうぞ、お休み下さい」と、無人の「お接待所」という感
じの案内でしたので、ベンチがある事だけでも、歩き遍路にはありがたい場合が
多く、それだけで十分だと私には感じられたのですが、突然、中からお声掛け頂
き、尼崎のTさんと一緒に、お言葉に甘える事としました。

事務所の中に案内頂き、テーブルに座ったところで、別の、この方の綺麗な若奥
様が、美味しいアイスコーヒーをご接待頂き、取れたての「ミニトマト」、そし
て「手作りのケーキ」「揚げ餅」など、本当にありがたいご接待を頂きました。

Tさんと、楽しい会話の後、奥様もお見えになり、美人女性3人に囲まれ、本当
に今日は完全観光モードとなってしまいました。(笑)

ここは「安岡重機」という地元企業(産業廃棄物関連や解体工事関連事業)の事
務所でした。また、幾つか新しい発見もありました。それは…

(1)「高知東部ほっマップ」を頂きましたが、これまで、高知に入り、幾つか
の場所で見かけた事はあったのですが、実は、手に取ることはありませんでした。
何故かと言うと、都会でよく見かける「フリーペーパー」のようなもので、高知
の広告ペーパーなのだろうと、手に取ることはなかったのですが、これは大変良
く出来たもので、高知東部の遍路休憩所や遍路が休める場所などの詳しく示唆し
たものでした。もう少し、宣伝が必要なのだろうと、ここに微力ながら記載して
おきます。

新しい、高知市長や婦人会の方々が協力して、作成されたものだそうです。

(2)奥様の情報ですが、国土交通省が、24番最御崎寺のどこかに…歩き遍路
の本当に実態(実数)を把握するために、ビデオを設置して、今後、様々な所か
らの遍路道などの整備などの要望、世界遺産への申請などの一助になることも鑑
みての事だと思いますが、実態把握のために(国や県のお金を遍路のための整備
に拠出するには、実態把握が必要なのでしょう)設置したとの事でした。

私も、遍路に出る前から、実は、遍路実態(実数)には興味がありました。

遍路は、現在、年間15万人程度。ほとんどはバス遍路や、自家用車遍路、また
はタクシー遍路などで、実際に我々がチャレンジしている歩き遍路は本当に少な
く、年間数千人、おそらく2000人程度しかいないのでは?との情報もインタ
ーネットではありました。

「年間2千人!?」「そんなに少ないの?」と、私も、遍路に出る前に、そう思
っていました。

しかし、実態は誰も把握していないのかも知れません。正確な数字を把握する手
だてがないのかも、あるいは講じていないのかも知れないと思いました。

今は、ハイテクの時代。主要な高速道路、国道などには、「Nシステム」と呼ば
れる「ナンバー読み取りシステム」などが配備されていて、これらを設置すれば
(相当の費用が掛かるでしょうが…)簡単に実態把握(数値など)出来ると思い
ます。おそらく、Nシステムなどの転用でしょうが、それでも画期的な事だと思
いました。

昨年秋のNHK教育テレビの「趣味悠々(初めてのお遍路)」や、名前は忘れま
したが「NHKのドラマ(江口洋介や三浦友和出演)」などもあり、歩き遍路は
かなり増加したとの噂もありますが、それでも、その数は、「たかが知れている
?!」との噂も多く、四国出身の私としては、寂しくもあり、今回の自分の遍路
にも、いろいろな思いもありました。

(3)また、世界遺産への認定依頼も含め、様々な試みが、四国の中でも行われ
ていることが感じられました。奥様の話でも、高知市長や、婦人会などの発案、
提言、努力などもあり、遍路に対してもいろいろな、遍路道保存の努力、申請な
ど(全てはお金が掛かるのです!勝手な事ばかり言えないのです。それが現実で
す!)、地道な活動が、そして長い時間が掛かるでしょうが、前進して欲しいと
感じられた一日でした。

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安岡重機の素敵な女性の方々、ありがとうございました。
美味しいアイスコーヒー、2杯も!大変、ご馳走様でした。
心ある、素敵な歩き遍路の皆様、是非、安岡重機にお立ち寄り下さい。
そして、我々は、マナーを守って、歩き遍路の模範となるべきだと思いました。

微力ながら、私も、何かお手伝いできることがあれば、私も協力したいと思って
おります。
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安岡重機のお接待所は、遍路地図(第8版)の「28-2」の27番から10.
9Kポイントの少し手前、おそらく10.5キロ地点の国道55号線の左側にあ
ります。

素晴らしい一時でした。

その後、安芸市に入り、安芸川を渡ったところで、小松旅館に泊まる予定のTさ
んと挨拶をして別れました。

私は、昼過ぎに、ビジネスホテル弁長に予約していたのですが(シングル500
0円)、弁長の手前で、ホテルTAMAI(今日の宿)を見つけ、TAMAIに
は、大浴場がある!との発見をして!(遍路には、ビジネスホテルの狭いユニッ
トバスは辛い…)、電話して料金を確認したところ、6300円(素泊り)と若
干高かったのですが…(笑)、大きなお風呂の魅力には勝てず…ちょっと贅沢を
して、このホテルにしました。

部屋は快適な広さです。
少し、注文を付ければ、(1)インターネットが無いこと。(2)遍路には必須
であるコインランドリーが、一度ホテルを出ないと(隣なのですが、遍路は、一
度、風呂に入り、靴を脱ぐと、二度と靴を履きたくない!ので、是非、サンダル
を用意して欲しい!または、ホテル内に設置して下さい!)ことでしょうか。

私は、今日は、洗濯は、部屋のお風呂でしました!(笑)
今日はずいぶん楽をしたので、明日は、頑張って歩こうと思っております。

今日はこの辺で!

「ヘトヘト遍路…足にマメが…遍路8日目」

2007年06月11日 | Weblog
「ヘトヘト遍路…遍路8日目」

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天気:朝大雨洪水警報、後、曇り(今日はこれまでで最も暑い!)
気温:22度~28度位
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ロッジ尾崎    5:10発
24番最御崎寺  8:30着  8:55発
25番津照寺  10:20着 10:55発
26番金剛頂寺 11:55着 12:25発
ホテルなはり  17:30着
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歩行距離:約45Km
歩数:62,400歩
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主な出費
納経代:300円×3寺=900円
飲物代:550円
昼食代:0円(前日にロッジ尾崎で用意してもらったお握り)
夕食代:1,400円(明日の朝食代含む)
宿代: 5,000円
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総合計:7,850円
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今日も、良く歩きました。ロッジ尾崎には、昨晩朝食の代わりにお握りを4つ!
(宿の娘さんもビックリしていました。大食漢!かぁ~!って…(笑)も頼んで
おきましたので、朝、そのお握りを2個部屋で食べ、その後、5時過ぎに出発し
ました。

やはり昨日の夜も雨が降りましたが、昨夜ほどの量ではなく、夜半には上がって
ロッジの目の前の海も穏やかで、むしろ肌寒い感じの早朝の一番の歩きでした。

私はスタート初日から、半袖の速乾性の白いシャツ(ユニクロ)の上に、長袖の
同じく速乾性のシャツ(アディダス)を着て、下は夏物の分離型のトレッキング
パンツというスタイルです。(ユニクロは最高ですよ。性能も抜群!値段も安い
です!馬鹿にしてはいけません。コストパフォーマンスは最高ですよ!)

最初の頃は、境内に入る前に白衣を着て輪袈裟を付けてというスタイルでしたが
最近は、歩く時は山道以外は、特に午後は、短パンにサングラス!というスタイ
ルが多いです。(すみません…)

今日はまず宿舎から16キロ先の最御崎寺を打ちます。おおよそ予想では休憩を
取りながら4時間弱で到着する事が目標です。今日は日曜ですので、団体バスツ
アーの混雑も予想されますので、まあ、あまり焦らずにと思っています。

その後、夫婦岩を超えた辺りで、2キロ近く真っ直ぐな道がありました。今日は、
歩いていてそれ程風は無いのですが、それでも若干のフォロー?(追い風)(笑
い)で、ゴルフ好きの私は「ずいぶん長いロングホールだなぁ~フォローで下が
コンクリートなら、1800ヤードPar4だったりして…」なんて、思いなが
らの歩き始めでした。すみません…くだらない話で!

その後、名前は忘れましたが、漁港を通るところがあるのですが、昔、漁港を通
ると、漁港は、「魚臭い」と言うか、潮の香りも含め、海なんだ、漁港なんだと
いう香りが感じられ、海外の漁港などを訪れることがあると、日本の漁港のよう
に魚臭くないと感じていたのですが、今回、遍路で歩いていて、日本の漁港も魚
臭くない…ような気がしています。これは、何か、魚などの保存方法などが変わ
ったのでしょうか?

さていつものように、早朝の歩きは心地良く、軽快に歩きました。本当は5キロ
程度で休憩を取りながら歩くのが一番良いのですが、朝一番で疲れも大きな無い
ため、夫婦岩を過ぎるまでの、約8キロ程進んだ室戸東中学の直ぐ先の「高知県
海洋深層研究所」の海に面した階段で最初の休憩を取り、その後、もう1度へん
ろ小屋で休憩を取り、青年大師の像、そして、御蔵洞にたどり着きました。

御蔵洞では、中をゆっくり見て、簡単なお参りをし、いよいよ24番最御崎寺で
す。最後の登りは以外に急で、下から私の足で20分、休憩所が途中にあります
ので、普通の方やお年寄りだと、途中で一度休憩する程度の登りでしょうか。無
事、8時20分に境内に到着しました。

境内は予想通り、バスツアーの団体さんもいました。しかしさほど混雑は無く、
その後、登りとは異なり、長い車道を何度もターンしながらアスファルト道の辛
い下りの道を通り、ようやく55号線に降り、次の25番への道のりとなりまし
た。

25番へは国道55号線をひたすら歩きます。山の上の24番から2時間程度の
距離ですが、途中全く休憩する場所が全くなく(気がつかず)、私の場合1時間
半で歩きましたが、その前が16~17キロの歩きを終わっての足ですから、少
し足が重くなっていて、何とか休憩をする場所はないかと考えながら、最後は、
結構足に来てヘトヘトで疲れて歩いていました。

その後、26番も同じく、距離は1時間程度なのですが、最後が24番と同じく
山道を登ることになります。24番に比べれば少しだけ緩やかな印象ですが、標
高は150m程度でほぼ同じ感じでしょうか。厳しいところもありますが、何と
か無事に打つことが出来ました。

さて、歩き遍路にとっては、これからが「思案のし所」になります。

今朝24番まで17キロ弱、その後、6.5キロ、そして3.8キロと、約27
キロを既に午前中に歩いています。普通の方なら、これで一日の終わりとなる距
離です。天候も晴れで気温も高く、かなり体力も消耗しています。

その時点で、私の考えた今日の宿泊の選択肢は、
(1)26番金剛頂寺の宿坊に泊まる。
(2)さらに5キロ程先の民宿ホワード(素泊り3500円)に泊まるか、
(3)18キロ先の、ホテルなほり、まで歩く。

の選択肢となります。

(3)の場合1日で45キロの行程になり、結構と言うより、かなりハードな行
程になります。今日で遍路も9日目、「健脚」とおだてられた私も、それなりに
?(笑)と言うか、実は、かなり疲れており、しかし…(2)の民宿が、目の前
を通過した時…どうもあまり綺麗な感じ?ではなかったので、苦渋の?!(笑)
決断として、私は、パスすることになりました。

えっ?(1)は選択肢にないのか?って…まだ昼ですよ、昼!
健脚とおだてらてた!遍路の…悲しい性ですから、当然前に進みます!

しかし、これからが…大変でした。昨日の44キロに続き、今日も45キロ?と
なりますので、自分自身でも、良く考えたのですが、また、ロッジ尾崎への道の
りに比べて時間が昨日に比べてかなり余裕があったのですが、それでも、強行突
破の歩きとなりました。

オマケに…足に異変があったのです。

午後、何か右足の小指が少し痛いなと思い、決断後、強行突破の決断後、遍路小
屋での休憩で靴下を脱ぎ見たところ、右足の小指外側にかなり大きな肉刺(マメ)
が出来ているではないですか!

これまでの経験では、私は足のマメは全く経験がなかったのですが、さすがに毎
日40キロを続けていると、靴の中の温度もかなり高くなっており、休憩の度毎
に出来るだけ靴下も脱ぎ、温度や湿り気を除くようにしていたのですが…(悲)

急ぎ、まだ残り12キロもあることを考え、簡単に治療(針がザックの奥で面倒
だったのでカッターの先で簡単に水を出し、バンドエイドを張り、そして細いテ
ーピングで巻いて)してスタートしました。

それでも、足はかなり重く、何か、マメの部分の指の周りが、「引っ張る」感じ
がして、少し足を引きずるような感じで歩き続けました。

その後、コンビニを見つけ、お店の前のベンチで休憩寺にもう一度チェックした
ら、なんと、小指をかばって歩いたせいでしょうか…親指の内側に小さなマメが
出来てしまっていました。これも簡単に治療テーピングして、その後は、残りの
8キロを這うように…ホテルまでたどり着きました。

ちなみに…懲りずに、このコンビニでは、缶ビールを飲んでしまいました!あぁ
~!(爆笑)

かなり日程的には余裕が出来ましたが、しかし、足のマメにはかなり不安が残り
ます。ホテルは歩き遍路割引で、シングル素泊り5000円、大浴場もあり、ゆ
っくり疲れを取ることが出来ましたが、足の治療をもう一度簡単にして、今日は
休めました。

明日、明後日の2日間は、距離を20キロ~25キロ程度に落とし、スケジュー
ルに余裕があることもあり、足の調整を兼ねて歩きたいと思っています。

ではまた!

「この町の静けさ・遍路7日目」

2007年06月11日 | Weblog
「ああ~厳しい歩きだった」

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天気:朝大雨洪水警報、後、曇り(今日はこれまでで最も暑い!)
気温:22度~28度位
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海山荘      6:30発
ロッジ尾崎   17:50着
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歩行距離:約41Km
歩数:53,600歩
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主な出費
飲物代:  400円
昼食代:1,100円(昼食、間食(笑)、翌日のおやつ含む)
宿代: 6,300円
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総合計:7,800円
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予定は未定…そして決定にはあらず!今日はそんな一日でした。

今朝の夜半?、2時ごろから天候が不安定になり、雷雨、そして豪雨となり、夜
中2時過ぎから朝の6時位まで大雨となりました。夜中ですから良かったのです
が、あまりに強い雨で夜中には目覚めてしまいましたが、4時に起きて、5時に
は出発しようと思っていましたが、出鼻をくじかれ、雨が上がって晴れ間が出た
と思った頃、6時半に海山荘を、本当に恐る恐る…出発しました。

出発する時点で今日の天気に対しかなりの「迷い」があり、天候次第では(途中
夜中のような大雨や雷雨があったりすれば)20キロが良い所ではないかと思い
ながら、また、出発時、宿の奥さんが、「天気予報では、まだ警報が出ていて、
午後からの方が天候が不安定だと言っていた」との意見もあり…とても不安なス
タートとなりました。

スタートは、曇りの天気、そして空は不安定な感じの中を歩き始め、5Kほど進
んだ旧海南町(海陽町)のへんろ小屋1号というところで朝食を取りながら、休
憩しました。手前のローソンで朝食を買い、携帯の電波を確認したら、昨日の分
のBlogの更新も可能そうだったので、今日は20キロで打ち止め!と、頭の
中では整理(決断)して、ゆっくりとした一日を決め込み、1時間近く休憩して
しまいました。ちょうど昨日のBlogを更新し終わった頃、自転車でお婆さん
がお見えになりました。

おばあさんは、自転車を折り、「ごくろうさん、この中から選んでね」と、手作
りの「お賽銭袋」をお接待下さり、少し話すことになりました。このへんろ小屋
は、入った時から、ずいぶん綺麗に整備、そして掃除されており、感心していた
のですが、テーブルの上にはクーラーボックスも置いてあり、おばあさんが来る
前は見ないで、ローソンで買った朝食のお握りを2個飲みながら、お茶を飲んで
いたのですが、おばあさんが「この、トマトは食べたか?中にオロナミンCも入
っているやろぉ~」と、教えていただき、あり難く頂戴しました。とても美味し
いトマトで、塩もおいてありましたが、甘みがあり忘れらない味でした。

これまでのへんろ小屋の中でも格段に綺麗に掃除、整備されており、そして、こ
の敷地内にある「ホカホカ弁当」の経営の方が管理もされていただいておるらし
く、とてもあり難く、元気の出る一日のスタートとなりました。

お婆さんからお接待頂いた「お賽銭袋」も素晴らしい出来栄えの品で、中には、
なんと200円も入っており、「自分がこの年では回れないから、代わりによろ
しくなぁ~」と優しい言葉を掛けて頂き、そして、「自分の小さい頃は、(ご自
身の)おばあさんに連れられて、お遍路さんに、おはぎや、自分ち(家)で作っ
たものを一緒に持っていきよったもんなんや~」と、優しい顔で話されていまし
た。

テレビなどでは、その手前の牟岐町の昨日お話した接待所がとても有名ですが、
隣町のこの町も、信仰の厚さと、そして、それを維持運営されている人々に、と
ても頭の下がる思いと合わせ、大きな勇気を得た朝一番の出来事でした。

これからのお参りは全てこのお賽銭袋でお参りしたいと、そう思いながら、ここ
を後にしました。結局この接待所で1時間近く過ごす事になりました。

その後、約4キロ先の次の無人のへんろ小屋で、またゆっくりと休憩し、今日は
天候の不安定さ、そしてスタートが5時の予定が6時半になってしまったことも
含め、約20キロ先の民宿で良いかな?と考えてへんろ小屋を出たところで、ば
ったりと、昨日同宿だった滋賀からのHさんとばったり出会いました。

「ずいぶんゆっくりじゃないの?」と笑いながら(笑)言われ、「何時に出発さ
れたのですか?」と聞くと、「8時だよ」との事。1時間半も後に出発したにも
拘わらず、既に追いつかれている!!??と思いました。

へんろ小屋で合計1時間半も休憩して、ゆっくり歩いていたためでしょう…それ
でも少しびっくりしましたが、彼の宿泊先は、後10キロ程度しかないのです。

まだ10時45分です!どう考えても1時前後には着いてしまう時間のです。私
も、この時点では、同じ東洋町のどこかの民宿で終えるつもりでしたから、「で
は、ご一緒に、少し歩きましょうか」と、一緒に歩き始めました。

その後1キロ程進んだ後、県境の水床トンネルの直ぐ手前にある喫茶店「ひこう
せん」の手前で、私が、「この先の、喫茶店は、インターネットでも遍路の方で
は有名な喫茶店で、美味しいコーヒーで飲みませんか?如何ですか?寄りますか
?」とお聞きしたところ、彼も、まだ十分な時間的余裕もあり、「では、ご一緒
しますか?」と言うことで「ひこうせん」に入りました。

遍路中は、良くてもインスタントのコーヒー程度しか飲めない事が多いので、と
ても、この田舎町では考えられない程、この「ひこうせん」は素晴らしい喫茶店
というより癒しの空間でした。美味しいコーヒーと、そして、インターネットも
使えるのです!

私なぞ…持っているノートPCの無線LANまでOKで、町のホットスポット状
態です!コーヒーもとても美味しく、遍路歩きに入ってから、民宿でインスタン
トコーヒーが飲めれば良い方で、本格的なコーヒーなど久しぶりでしたが、それ
以上に、素晴らしいお店でした。

陶器も全て凝っていて、店の作りも、そして雰囲気も、そのまま世田谷や港区に
持ってきても十分通用する作りと、そしてコーヒーの味と、奥様のサービスも全
て感動しました。

その後も「モーニングの残りですが…」と、大変美味しいトーストとサラダのセ
ットに更にコーヒーのお代わりまで「お接待」頂き、全ての支払いが、たった4
00円のコーヒーのみ!と、本当にお世話になってしまいました。感謝!

結局1時間もこのお店で過ごしてしまい、もう完全に、今日は「足休めモード」
となっていました。その後、滋賀のSさんと一緒に奥様に丁寧にお礼を言い、出
発しました。

ゆっくりと県境のトンネルを超え、Sさんの目指す宿舎は、直ぐに見つかり、1
時過ぎにはHさんと別れることになりました。

私はSさんに、「あまりにも今日は時間があるので、この先3Kの東洋大師(明
徳寺)に有名な住職がおり、ここにも通夜堂があり、野宿遍路に大変有名で、且
つ、面白い?住職らしいので、ここに寄って、その周辺の宿の情報を聞いてから、
最悪はHさんと同じ宿に戻ります!」と言い、「健脚遍路の性?」(笑)に従い
先に進むことにしました。

東洋大師は、その後トンネルの先直ぐで40分程で到着しました。小さなお寺で
したが、個人的な印象ですが「一生懸命経営をされている」寺との印象でした。

今日は誰もいらっしゃらないようで、納経のボタンを押しても誰もおでにならず
また、野宿遍路には有名な通夜堂も拝見し、場合によっては、この通夜堂にお世
話になるかもしれないと思いましたが、ちょうど、2時を過ぎたところで、とに
かく、仕方が無い!前に進むかと考え、お参りをして東洋大師を後にしました。

東洋大師を出て、国道に出たところのホテルも廃業しており、実はこの先20K
は、へんろ地図では全く宿舎が無いのです。以前(2年ほど前までは)は、ここ
から先5キロ先に2軒ほど民宿があったようですが、今は、20キロ先(今朝の
宿舎鯖大師近くから40キロ先)にある、ロッジ尾崎か民宿徳増まで、20キロ
も宿が無いのです…

その事は、Hさんと別れる時には、既に頭の中に入っていました。Hさんと、別
れて東洋大師を打つときに、私の頭の中には…
(1)へんろ地図には載っていないが、きっと、何か宿舎があるはずだ…、
(2)最悪、天候の問題もあるが、東洋大師の通夜堂でもしかたがない…「初め
ての冒険」も悪くないかな!?、
(3)最悪、20キロこれから歩いてロッジ尾崎まで行くか!の選択肢でした。

この判断が最悪でした…

(1)は全く無し!(2)は住職がおらず…焦る気持ちばかり…(3)しかない
!が、天候が不安定で雨、それも豪雨、雷雨の心配があり…もう既に2時過ぎで、
残り20キロの道のりはかなりきつい…本日、合計40キロになり、既に時間も
2時過ぎで、残り20キロは、正直自信が無い…

そんな状態でしたが、とにかく前に進むしかない!
健脚と周りからおだてられた…言われた(笑)遍路の性?でしょうか…
後戻りはしたくない…と思いながら、国道55号を歩き始めました。

直ぐに、携帯を取り出し、へんろ地図からロッジ尾崎の番号を見て電話をしまし
た。奥様が「今どの辺ですか?」と。「はい、東洋大師を出てちょっと行った所
です」「それだと4~5時間位ですかぁ~?」と、半ば呆れ声で…それでも「は
い。頑張って、参ります!」と、とにかく、宿の確保は出来たので、前に進もう
!と決意し歩き始めました。

電話したのが14時半ちょうど。残りの距離は18キロ。この遍路歩きで最も苦
しい苦しい道のりとなりました。

残りの距離を3時間半弱で歩ききり、ロッジ尾崎に到着したのが6時10分前。
本当に、よく歩けたと思います。足も棒のようになりましたが、最後の力を振り
絞って、なんとか今日も頑張って歩けたと、丈夫に生んで、そして育ててくれた
両親と、そしてお大師様に感謝です。

ロッジ尾崎の娘さんは、評判通りの美人でした!設備は少々古い…ですが、サー
ビスの行き届いた民宿だと思いました。

明日はどうなるのでしょう?(笑)