四国遍路(108箇所)の旅

お遍路(88+別格20)の準備計画と実際の歩き通し打ちの記録を、5月11日から(実行は6月3日スタート)記録しています。

「この町の静けさ・遍路7日目」

2007年06月11日 | Weblog
「ああ~厳しい歩きだった」

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天気:朝大雨洪水警報、後、曇り(今日はこれまでで最も暑い!)
気温:22度~28度位
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海山荘      6:30発
ロッジ尾崎   17:50着
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歩行距離:約41Km
歩数:53,600歩
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主な出費
飲物代:  400円
昼食代:1,100円(昼食、間食(笑)、翌日のおやつ含む)
宿代: 6,300円
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総合計:7,800円
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予定は未定…そして決定にはあらず!今日はそんな一日でした。

今朝の夜半?、2時ごろから天候が不安定になり、雷雨、そして豪雨となり、夜
中2時過ぎから朝の6時位まで大雨となりました。夜中ですから良かったのです
が、あまりに強い雨で夜中には目覚めてしまいましたが、4時に起きて、5時に
は出発しようと思っていましたが、出鼻をくじかれ、雨が上がって晴れ間が出た
と思った頃、6時半に海山荘を、本当に恐る恐る…出発しました。

出発する時点で今日の天気に対しかなりの「迷い」があり、天候次第では(途中
夜中のような大雨や雷雨があったりすれば)20キロが良い所ではないかと思い
ながら、また、出発時、宿の奥さんが、「天気予報では、まだ警報が出ていて、
午後からの方が天候が不安定だと言っていた」との意見もあり…とても不安なス
タートとなりました。

スタートは、曇りの天気、そして空は不安定な感じの中を歩き始め、5Kほど進
んだ旧海南町(海陽町)のへんろ小屋1号というところで朝食を取りながら、休
憩しました。手前のローソンで朝食を買い、携帯の電波を確認したら、昨日の分
のBlogの更新も可能そうだったので、今日は20キロで打ち止め!と、頭の
中では整理(決断)して、ゆっくりとした一日を決め込み、1時間近く休憩して
しまいました。ちょうど昨日のBlogを更新し終わった頃、自転車でお婆さん
がお見えになりました。

おばあさんは、自転車を折り、「ごくろうさん、この中から選んでね」と、手作
りの「お賽銭袋」をお接待下さり、少し話すことになりました。このへんろ小屋
は、入った時から、ずいぶん綺麗に整備、そして掃除されており、感心していた
のですが、テーブルの上にはクーラーボックスも置いてあり、おばあさんが来る
前は見ないで、ローソンで買った朝食のお握りを2個飲みながら、お茶を飲んで
いたのですが、おばあさんが「この、トマトは食べたか?中にオロナミンCも入
っているやろぉ~」と、教えていただき、あり難く頂戴しました。とても美味し
いトマトで、塩もおいてありましたが、甘みがあり忘れらない味でした。

これまでのへんろ小屋の中でも格段に綺麗に掃除、整備されており、そして、こ
の敷地内にある「ホカホカ弁当」の経営の方が管理もされていただいておるらし
く、とてもあり難く、元気の出る一日のスタートとなりました。

お婆さんからお接待頂いた「お賽銭袋」も素晴らしい出来栄えの品で、中には、
なんと200円も入っており、「自分がこの年では回れないから、代わりによろ
しくなぁ~」と優しい言葉を掛けて頂き、そして、「自分の小さい頃は、(ご自
身の)おばあさんに連れられて、お遍路さんに、おはぎや、自分ち(家)で作っ
たものを一緒に持っていきよったもんなんや~」と、優しい顔で話されていまし
た。

テレビなどでは、その手前の牟岐町の昨日お話した接待所がとても有名ですが、
隣町のこの町も、信仰の厚さと、そして、それを維持運営されている人々に、と
ても頭の下がる思いと合わせ、大きな勇気を得た朝一番の出来事でした。

これからのお参りは全てこのお賽銭袋でお参りしたいと、そう思いながら、ここ
を後にしました。結局この接待所で1時間近く過ごす事になりました。

その後、約4キロ先の次の無人のへんろ小屋で、またゆっくりと休憩し、今日は
天候の不安定さ、そしてスタートが5時の予定が6時半になってしまったことも
含め、約20キロ先の民宿で良いかな?と考えてへんろ小屋を出たところで、ば
ったりと、昨日同宿だった滋賀からのHさんとばったり出会いました。

「ずいぶんゆっくりじゃないの?」と笑いながら(笑)言われ、「何時に出発さ
れたのですか?」と聞くと、「8時だよ」との事。1時間半も後に出発したにも
拘わらず、既に追いつかれている!!??と思いました。

へんろ小屋で合計1時間半も休憩して、ゆっくり歩いていたためでしょう…それ
でも少しびっくりしましたが、彼の宿泊先は、後10キロ程度しかないのです。

まだ10時45分です!どう考えても1時前後には着いてしまう時間のです。私
も、この時点では、同じ東洋町のどこかの民宿で終えるつもりでしたから、「で
は、ご一緒に、少し歩きましょうか」と、一緒に歩き始めました。

その後1キロ程進んだ後、県境の水床トンネルの直ぐ手前にある喫茶店「ひこう
せん」の手前で、私が、「この先の、喫茶店は、インターネットでも遍路の方で
は有名な喫茶店で、美味しいコーヒーで飲みませんか?如何ですか?寄りますか
?」とお聞きしたところ、彼も、まだ十分な時間的余裕もあり、「では、ご一緒
しますか?」と言うことで「ひこうせん」に入りました。

遍路中は、良くてもインスタントのコーヒー程度しか飲めない事が多いので、と
ても、この田舎町では考えられない程、この「ひこうせん」は素晴らしい喫茶店
というより癒しの空間でした。美味しいコーヒーと、そして、インターネットも
使えるのです!

私なぞ…持っているノートPCの無線LANまでOKで、町のホットスポット状
態です!コーヒーもとても美味しく、遍路歩きに入ってから、民宿でインスタン
トコーヒーが飲めれば良い方で、本格的なコーヒーなど久しぶりでしたが、それ
以上に、素晴らしいお店でした。

陶器も全て凝っていて、店の作りも、そして雰囲気も、そのまま世田谷や港区に
持ってきても十分通用する作りと、そしてコーヒーの味と、奥様のサービスも全
て感動しました。

その後も「モーニングの残りですが…」と、大変美味しいトーストとサラダのセ
ットに更にコーヒーのお代わりまで「お接待」頂き、全ての支払いが、たった4
00円のコーヒーのみ!と、本当にお世話になってしまいました。感謝!

結局1時間もこのお店で過ごしてしまい、もう完全に、今日は「足休めモード」
となっていました。その後、滋賀のSさんと一緒に奥様に丁寧にお礼を言い、出
発しました。

ゆっくりと県境のトンネルを超え、Sさんの目指す宿舎は、直ぐに見つかり、1
時過ぎにはHさんと別れることになりました。

私はSさんに、「あまりにも今日は時間があるので、この先3Kの東洋大師(明
徳寺)に有名な住職がおり、ここにも通夜堂があり、野宿遍路に大変有名で、且
つ、面白い?住職らしいので、ここに寄って、その周辺の宿の情報を聞いてから、
最悪はHさんと同じ宿に戻ります!」と言い、「健脚遍路の性?」(笑)に従い
先に進むことにしました。

東洋大師は、その後トンネルの先直ぐで40分程で到着しました。小さなお寺で
したが、個人的な印象ですが「一生懸命経営をされている」寺との印象でした。

今日は誰もいらっしゃらないようで、納経のボタンを押しても誰もおでにならず
また、野宿遍路には有名な通夜堂も拝見し、場合によっては、この通夜堂にお世
話になるかもしれないと思いましたが、ちょうど、2時を過ぎたところで、とに
かく、仕方が無い!前に進むかと考え、お参りをして東洋大師を後にしました。

東洋大師を出て、国道に出たところのホテルも廃業しており、実はこの先20K
は、へんろ地図では全く宿舎が無いのです。以前(2年ほど前までは)は、ここ
から先5キロ先に2軒ほど民宿があったようですが、今は、20キロ先(今朝の
宿舎鯖大師近くから40キロ先)にある、ロッジ尾崎か民宿徳増まで、20キロ
も宿が無いのです…

その事は、Hさんと別れる時には、既に頭の中に入っていました。Hさんと、別
れて東洋大師を打つときに、私の頭の中には…
(1)へんろ地図には載っていないが、きっと、何か宿舎があるはずだ…、
(2)最悪、天候の問題もあるが、東洋大師の通夜堂でもしかたがない…「初め
ての冒険」も悪くないかな!?、
(3)最悪、20キロこれから歩いてロッジ尾崎まで行くか!の選択肢でした。

この判断が最悪でした…

(1)は全く無し!(2)は住職がおらず…焦る気持ちばかり…(3)しかない
!が、天候が不安定で雨、それも豪雨、雷雨の心配があり…もう既に2時過ぎで、
残り20キロの道のりはかなりきつい…本日、合計40キロになり、既に時間も
2時過ぎで、残り20キロは、正直自信が無い…

そんな状態でしたが、とにかく前に進むしかない!
健脚と周りからおだてられた…言われた(笑)遍路の性?でしょうか…
後戻りはしたくない…と思いながら、国道55号を歩き始めました。

直ぐに、携帯を取り出し、へんろ地図からロッジ尾崎の番号を見て電話をしまし
た。奥様が「今どの辺ですか?」と。「はい、東洋大師を出てちょっと行った所
です」「それだと4~5時間位ですかぁ~?」と、半ば呆れ声で…それでも「は
い。頑張って、参ります!」と、とにかく、宿の確保は出来たので、前に進もう
!と決意し歩き始めました。

電話したのが14時半ちょうど。残りの距離は18キロ。この遍路歩きで最も苦
しい苦しい道のりとなりました。

残りの距離を3時間半弱で歩ききり、ロッジ尾崎に到着したのが6時10分前。
本当に、よく歩けたと思います。足も棒のようになりましたが、最後の力を振り
絞って、なんとか今日も頑張って歩けたと、丈夫に生んで、そして育ててくれた
両親と、そしてお大師様に感謝です。

ロッジ尾崎の娘さんは、評判通りの美人でした!設備は少々古い…ですが、サー
ビスの行き届いた民宿だと思いました。

明日はどうなるのでしょう?(笑)

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