蝦夷犬(エゾイヌ)

奥羽越列藩同盟の東北北海道さらに新潟県をテーマとして、地域の新聞から記事を選び、勝手なことを書きたいと思う。

昆虫の力で資源を循環

2023-11-08 12:20:00 | 日記
河北新報電子版 朝刊
令和5年11月8日 4/24

双子の石田健佑、陽佑氏が、秋田県に帰郷して始めた事業は、カブトムシの養殖である。
これがまた面白い発想と事業計画で、私のようなジジイの年代では、様々な『ダメ』を思い浮かべてしまうので、ここまでたどり着くことは考えられない。
それは、地球規模の有機ゴミをカブトムシに食べさせ、資源化しようと言うもの。
世に昆虫好きの博士ちゃんは多いだろうが、好きこそ物の上手なれだけでは無い。

ダイナミックでドラマチック。
キノコ農家の使用して廃棄する育成用培養土をカブトムシの幼虫の育成用の用土にしてしまったのだという。
さらに、これから昆虫を飼料化して動物を育てるのだ。
ゴミをエサにして昆虫を育て、昆虫から様々なものに作り直して例えば、牛や豚などの飼料にして、そこから出るゴミは再び昆虫にというサイクルができる。
これは、多くの分野を網羅して、どんどんと派生する事業が誕生するだろう。
バイオ分野で、バクテリアから医薬品を作ることは行われているが、それらにもっと多くの可能性を付加するまで昆虫を利用出来るかも知れない。
盲点だった訳では無い。
先般にコウロギを食べろと、河野太郎が大騒ぎして、非常に多くの反感を買うことになった。
中間に動物の飼料化して、見慣れた食品に再び変化させれば、拒否する必要も無い。
政府の方向性にも合致する。
ダイレクトに人間の食品にするのは、安全性や嗜好などに配慮しない乱暴な方法でしか無い。
だが、段階的に各部分で安全性など多くの懸念を排除しながら、進めることで、より多くの人々の共感も得られるだろう。

現在はカブトムシだが、確かビニールなどを食べて消化してしまうバクテリアなどは、共生できる昆虫を媒介させるなら、増やし利用することを見つけることができるかもしれない。
ビニールやプラスチックゴミを処理するのは、人間の義務である。
魚などの海洋生物が激減している理由のひとつは、明らかに石油系の様々なゴミの存在がある。

あるいは、ソーラー発電用パネルの原材料は、カドミウムを始めとする危険な物が少なくない。
また、福島原発事故で恐怖に晒されたが、これらの処理にバクテリアが有効では?と議論がある。
バクテリアに吸収させ、それを昆虫に集中させて、化学反応を自然界で完結させることで安全性を担保できるのでは?など、SF紛いの空想みたいなことが考えられたりしていたが、なにかの大きなヒントになりうると思えてきた。

無機物から有機物を作るのは、代表例は光合成だと思うが、その原初的な作用をバクテリアなどで行えるのでは、いや既に行われていると言って良い。
そこに昆虫と言うワンクッションが入ることで、より現実的に考えることができるようになるだろう。
飛躍し過ぎたことまで書いた。
気が狂ったと思わないでください。(笑)
夢が実現するのは、夢を見る人がいるからです。

この若い企業の成功を心から願っています。
秋田県大館市 株式会社トムシ

命名は幾つか理由があるらしい。
カブトムシのカブを取って、トムシ。
何やら、大昔になるが「あのねのね」と言うフォークディオが歌った「赤トンボ」を思い出した。
IT企業ばかりがもてはやされる昨今だが、こう言う小さい湧き水のような思いつきが企業化され、よくよく見たら、大きな海を見据えていたと言うのは、実に嬉しい。