おとうさん

昨日、万博の会場へ出かけた。

車がいっぱいで、あまり気乗りしてなかったが。

万博の跡地は、遊園地みたいに、小さい子供がいる家庭には
いい環境で。

観覧車も形をかえのこってた。

記念に残ってる館をみているとき、ふっと、父がここの
会場のリニモの交通誘導のアルバイトしていたのを
思いだした。

父を思いだして、涙が出そうになった。

５年もたっているんだって。そう思った。

元気だったころの父は、リニモのパスがあるから仕事で
毎日のれると。

万博会場へ行かないかと言ってもあまり興味なさそうだった。

何につけても、質素な父で、無駄なお金は使わない、贅沢の
できない人だった。

母を愛し、家族のために、ずっと働き続けてた。

リニモにのってくる小さい赤ちゃんのベビーカーを優先させたい
けど、まわりも混雑に必死でやさしい対応ができない観客さんたち。

よくつれてくるなぁって言ってた。

父なら、きっとそういうところへ、小さい私をつれていくことは
ないんだろうな。

でも、小さい子供にやさしかったし、私の娘にも息子にも
やさしかった。

めいっぱいの愛情をそそいで、でもとってもつらくて苦しいがんで
なくなっていった父を思うと、まだ涙が出ます。

どれくらいたつと、父がいたことを思い出して泣かなくなるんだろう。

無念の思いっていうか、父が６７歳で旅立って今はもう会えないことに
悲しさを感じてしまう。

また会いたい。

だめでも愛してくれていた大好きな父に心から会いたい。

ぼろぼろだった亡くなるまでの一年が嘘のように日々暮らして
いるけど、父がときどき舞い降りてくる。

どんなやさしい人を探そうとがんばっても父を超える人なんて
出会えない。

せめて、父の肩と腕と背中とをもつ男の人に、本当にたまに
父のかわりに抱きしめてもらう。

そんなとき、おとうさんって思う。

私は彼氏もほしいけど、父の腕とやさしい笑顔にいつも抱かれて
たい人なんだって思う。

父を理想として、相手に期待してつぶれてくることが多かったけど
それでいいと思う。


一生願い続けようって思う。

父みたいな人に出会いたい。

だめな私を見捨てず、いい私をほめてくれる。

だめなとき、ずっとそばでだまって見守ってくれる。

そんなやさしいひといない。

母がみーさんをだっこして可愛がる。

みーさんになって父が今は家族のそばにいて見守ってくれる。

そう思っている。

相変わらず、まだまだだめな私。

でも、いつか父のそばに私も旅立つまで、神様がなぜか私に
生きる時間をくれている間。

ゆっくり生きて。

天国にいる父に会いにいき、抱きしめてもらう日まで
毎日をがんばって生きてく。

がんでいとおしい人をなくして悲しむ人。

そんな人達が一人でもなくなる世の中になってほしい。

父が生きかえって戻ってこないかな。

幽霊歓迎。

そばにいるなら、私にわかるように声をかけてほしい。

まだまだ泣いてるあなたの娘に、タオルを渡して。

またおいでなって手をふって下さい。

大好きな大好きなおとうちゃん。

あなたの娘に生まれて私は幸せです。

私が娘でよくなかったかもしれないけど。

私は今でもあなたが大好きです。