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おコメの摩訶不思議

稲作農業の将来展望を考えます。
メールはroughriceの後に@mail.goo.ne.jpです。

中高校生の株式投資

2006年02月05日 | なんでも
ぜんぜん知らなかった。
産経新聞によれば、中高校生の株式投資が増加してるそうな。
小学生だってやってるらしい。

保護者の同意があればOKだそうで、
上限など、特段の規制はない。

株をやっている子の中には、
ライブドアショックと呼ばれる暴落では、
一喜一憂し、授業どころではない子もいたらしい。

私は、子供の株式投資は、反対ではない。
しかし、相場の騰落で一喜一憂するようなことを学ばせたくはない。
それは、相場に刺激を受けているだけで、
リスクをコントロールすることを学んでいることにはならないからだ。

これからは、
好むと好まざるとに関わらず、
リスクと上手につき合わなくてはならない。
リスクを完全に避けて生きていくことなど、あり得ないからだ。

であれば、リスクのとは何か?
ということを学び、
リスクをコントロールする考え方と具体的な手法を学ぶべきだ。

これらのことは、
頭で理解しても、
実地では何の足しにもならない。

リスクをコントロールする具体的な方法は、
実地以外では学べないのだ。

自分の資金を
リスクに晒す恐怖感と、一方での期待感。
実際に資金がなくなってしまうという強い刺激。
また、資金が増加するという高揚感。

これらは、
売買にあたって、
平常的な感覚の喪失を意味する。
簡単に言えば、冷静でなくなる、ということ。

こういう状況下で、
リスクをコントロールしなければならない。
そのことを学んで欲しいと思う。

子供に株をやらせているお父さんやお母さんに、
ぜひ、聞いてみたいことがある。
「リスクって何か知ってますか?
これを一言で言い表せますか?」

おそらく、株をやらせる親御さんにも、
一定の資質が不可欠なのだと思いますよ。

続コメ先物

2006年02月04日 | なんでも
前回の続きです。

昨日行われた「新たな需給調整システムへの移行の検証に関する検討会」で
JAは、コメ先物が上場されるのであれば、新システムには移行できない旨が表明されました。

誰のためでもない、自分のためにやっている生産調整です。
新しい需給調整システムに以降できなければ、JAはやらなければいいだけです。
コメ先物も、生産調整も、やるかやらないかは、
自由に決めれば良いのです。
このような考え方には、反発もあるでしょう。
しかし、ごく普通の感覚であると、私は思っています。

社会制度が大きく変わるとき、
最も変革に反発する者は、
古い制度で既得権益を享受していた方々であると、
思います。

変わるべき時に変わらなければ、
皆で一緒に安楽死するだけです。

コメ先物

2006年02月04日 | なんでも
米の先物が上場申請されています。

JAグループはこれに反発しています。
本日開催された「新たな需給調整システムへの移行の検証に関する検討会」で、
もし、上場申請が通れば、JAは生産調整に「協力」しない旨を表明するとの新聞報道がありました。
本当に全中は表明したのでしょうか?

気になるのは、
全中が生産調整に「協力」しない、と考えていることです。
では、いったいJAは、誰に生産調整を「協力」してたんでしょうか??

生産調整っていうのは、
農家のためにやってたんだと思ってました。
農家のため、というのは、イコールJAのためです。
JAは生産者団体ですからねっ。
自分自身のために、生産調整をやってたはずなのです。
(あたりまえのことですが)

で、自分のために、生産調整をやるにあたって、
政府は、生産者(=JA)に協力していました。
国が行う「協力」と言うのは、具体的には、JA組織と生産者に対して投入していた税金にことです。

税金を投入したってことは、
国民が生産者(=JA)に協力をしていたってことです。

ところが、
JAの認識は、まったく逆で、
俺たちが国に協力してやってたんだぜ、
って思ってたのです。

正直、おどろきました!
自分たちが、苦労してコメなどの農産物を作ってやってるんだ、
という気持ちもあるのかもしれませんね。


話は変わりますが、
先物は、保険としての機能を持っています。
しかし、生産者は、先物を導入しなくても、
価格が下落したら、税金で補てんしてもらえます。
だから、保険としての先物がなくても、税金で補てんしてもらえますから、
別に問題ないんです。
むしろ、
税金で価格を補てんしてもらえるのだから、
投機である先物導入はしてはいけない、
という主旨の、感情的なことも言ってます。

でも、価格補てんは税金ですので、
先物が保険になるのなら、
税金を投入しなくても良いのでは?
とも思います。

いずれにしても、
JAの先物反対の理由は、私にとっては
説得力に欠けるものです。

日本は、自由主義経済の国です。
先物の上場申請があれば、普通は上場されるべきものなのです。
JAは、これを阻止するため、
「生産調整をやってやらないぞ!」
と農林水産省を恫喝しているのです!
脅しですね。
圧力団体ですから、脅しもするでしょう。
でも、合理性はないです。

これで、農林水産省が上場申請を認めなかったら、
恫喝に屈したと、受け止められるでしょう。

4月には、結論がでるようですので、楽しみです。

久しぶりにJAの悪口を書いてしまいましたが、
それでも、私はJAを応援してます。
肥料はJAから買ってます。
コメもJAに出荷してます。
貯金だってJAだし、貯蓄貯金魚グッズだってたくさんもってます。
保険だって、JA職員のいいなりになって、いっぱい掛けてるし。。。
私はJA大好き人間です。

何より私は、JAがあるから、生産者は守られているのだと、
確信している、数少ない農家の一人です。
だから、JAに全面的に協力しています。

でも、JAの今回の判断とやり方は間違ってます。
いつまで、税金に頼るのですか??
農家は、生活保護を受ければよいのですか??
自分の食い扶持を自分で稼ぐようなことを否定するのでしょうか??

税金でセーフティネットを構築するのは、まだわかります。
でも、税金以外のセーフティネットがあれば、なお良いですね。
選択の幅は多い方が良いです。

それとも、先物で、価格形成の主導権を失うのが怖いのでしょうか?
JAの真意がどこにあるのかわかりませんが、
新しい試みを否定するようなことがあってはならないと思います。

黄の政策、青の政策、緑の政策

2006年01月24日 | なんでも
WTOの議論が盛んになってきました。
関係者の皆さん、関心が高いように感じています。

WTOに関して、よく聞かれるのが、タイトルの用語です。
パッと見て、なんじゃこりゃ。
と思われる方も多いでしょうね。

そこで、黄色、青、緑。
それぞれ、何を意味しているのか、調べてみました。

日本は、WTOという国際的な貿易機関で合意したルールに則って、輸出や輸入を行っています。
この枠組みは、できるだけ貿易の自由化をして、世界全体で発展しましょう、という考え方に基づいています。

しかし、完全な自由化を急激に行ってしまうと、様々な点で、大変なことになります。
そこで、WTOでは、少しずつ(段階的に)自由化していこうとしています。

貿易の自由化は、
(1) いろんな形で存在する輸入障壁を、関税という分かりやすい形に一本化し、関税率も下げていく
(2) 輸出国も輸出補助金を引き下げていく
(3) 国内の生産を増加させるような、国内生産者への補助金を削減する
という考え方で、行っています。

上記の(3)で述べた国内補助金は、3種類に区分しています。
まず、黄色の政策。これは、生産を増加させるような政策で支払われる補助金のことを黄色という色で表現しています。
生産を増加させるので、輸入品が入りにくくなるますから、自由化の流れに反します。
したがって、黄色の政策の補助金は、削減対象です。

生産の増加を伴わない政策で支払われる補助金は、自由化の流れと反しませんから、削減しなくてもOKです。
このような政策を、青の政策、緑の政策とよんでいます。

青と緑は、要件が異なります。
緑の方が、より生産を増加させない、とご理解頂ければ充分です。

このような事情から、
この数年間、国内の農業補助金は、黄色から青や緑へと転換されています。
農業に関係する方は、ここ数年、毎年、農政が変わると実感されているでしょう。
これは、削減される補助金から、削減しなくても良い補助金へ転換しているためだったのです。

猫の目農政と言われますが、猫の目であっても転換しないと、国内農業が荒波に晒されてしまう、という強い懸念があったからです。

もう少し、具体的に申し上げると、
価格支持から価格補てんへと補助金の性格は変わってきました。
そして、価格補てんから、次は所得補てんへと変わっていきます。

価格支持というのは、
価格そのものを下落させないでおこう、とする政策です。
下落させないどころか、生産を促進するために、生産されたコメに、一定の金額を上乗せしていました。
良質米奨励金とか、自主流通対策費とか言うと、ピンとくる方もいらっしゃるかもしれませんね。
これらは、生産を刺激するので、削減しなければなりません。

そこで、価格は変動しても良い。つまり、価格が下落しても良い。
このような前提で、農政は変わりました。
その代償として、下落した分の金額を補てんする、という補助金に切り替えたのです。
稲得とか稲経(昔の制度)がそれです。

もし、農産物が自由化されると、
価格はさらに下落する可能性が高いと考えられます。
そこで、農業(稲作)を今後も絶やさないためには、輸入品と国産品の内外価格差を、穴埋めするような制度が必要になります。
それが、品目横断の一番のポイントです。
品目横断とは、19年産から導入される新しい制度ですが、
従来と異なるのは、
作物ごとの補助金投入をやめ、これらを一本化すること。
そして、価格補てんだけではなく、内外価格差も穴埋めすることができるようにすること。
このような新しい考え方に立って、制度設計が行われています。

ただし、コメは、未だに高関税で守られていますから、内外価格差は生じておらず、穴埋めする必要は当面ありません。
しかし、逆に言えば、品目横断が導入されることによって、関税を引き下げても、穴埋めされるから、いいでしょ。
という理屈になります。

WTOの交渉で、大幅譲渡したり、
FTAという二国間の協定で、コメの完全自由化を認めたりする環境が整いつつあると考えることもできます。

このような視点で、
これから19年に向けて議論され、具体化される品目横断という政策をご理解頂ければ良いのではないでしょうか。

堀江貴文容疑者

2006年01月24日 | なんでも
久々の更新です。
ちょっと風邪気味ですが、タイトルのニュースは
とても興味深いものでした。

現時点では、
堀江貴文さんは、「容疑者」です。
刑が確定したわけでも、なんでもありません。

堀江貴文容疑者の
これまでの言動は、
スカッとしてました。
ファンも多かったのではないでしょうか。
私もその一人でした。

世の中には、
3つの力があるそうです。
まず第一は、「暴力」
第二が、「カネ」
第三が、「智恵」
なのだそうです。

堀江さんは、第二の力を保持し、行使していました。
このこと事態は、粉飾決算などの容疑とは別の次元です。

問題は、
この事件で、投資あるいは投機が、悪だと認識されることです。
投資や投機がない自由経済社会は、存在しません。
投資・投機は排除されるべきではないのです。

それをあたかも、
粉飾などの容疑と、投機=悪という間違った認識を
つなげること自体が悪なのです。

全体を見ずに、
一側面だけをとらえて、それを全体だと認識する。
しかも、物事を善悪で判断しようとする。
このような、考え方は、分かりやすいのですが、
とても危険です。

ライブドア事件は、
全体の一面でしかありません。
それが全てではないのです。
極端なものの考え方は、
決してプラスにはならないということを、
承知しておかなければならないのです

この国のカタチ

2005年08月15日 | なんでも
21世紀における我が国の課題は、大きく2つあります。
一つは、グローバル化が一層進展するということ。
もう一つは、人口が減り、高齢化社会を迎えるということ。

これらの2つの大きな課題は、
経済財政諮問会議の、骨太2005に明確に位置づけられています。

このような課題に対して、
小泉内閣は、明確な対応策を示しています。
すなわち、小さな政府を目指すと言うことです。

高齢化社会では、福祉財源に膨大なカネが必要です。
しかし、その原資となる現役世代は、減少していくため、
どこからか、財源をもってこなくてはいけません。

こうした中で、大きな政府を維持していくことは、
今まで以上に国民負担を強いることになり、
有権者の理解を得ることは出来ません。
したがって、政府を小さくし、民間でできることは民間で行う方向性を示したのです。

郵政民営化法案が、参院で否決されましたが、
これは、小さな政府という最も基本的な、我が国のあり方が、否決されたことを意味します。

「なぜ、今民営化しなくてはならないのか?」
「郵政民営化より重要な法案はたくさんあるのではないか?」
など、様々な反論があります。

しかし、政府の規模を縮小する作業は、1年でも早く実施すべきです。
「なぜ、今なのか?」
と問われれば、
「遅いくらいです」
と回答されるでしょう。

衆参を問わず、
反対派のホンネは、
小泉内閣の人事への不満です。

国民から見ると、幼稚でレベルの低い権力闘争が展開されているのです。
参院は良識の府と呼ばれますが、
実態は、統率がとれておらず、不平や不満が投票行動に結びつくと言ったおよそ良識とはかけ離れた府に転落しているのが実態です。

この選挙は、
21世紀の「この国のカタチ」を決定します。

問題は、「郵政」という個別の問題ではなく、
「国のあり方」という、きわめて大きな選択を行うことにあるのです。
郵政は単なる象徴ですし、小さな政府づくりの一事例でしかありません。

皆さんは、どちらを選択されますか?
「大きな政府」を維持し、高負担社会を受入れる。
「小さな政府」へ転換し、少しでも負担を軽減する。

この二者択一に対して、すべての選挙区で、
「小さな政府」を選択する受け皿が用意されます。
マスコミは「刺客」と呼んでいますが、事の本質を現してはいません。
エゲツないことをしていると捉えられますが、
それは単に、これまで公明正大に行われてこなかっただけです。
従来も「刺客」の性格を帯びた候補者が投入されたことはあります。
今回は、公明正大ですし、しかも有権者から見れば、選択肢の受け皿なのです。
「刺客」という視点は、「大きな政府」を目指す政治家の視点です。
国民の視点は、「小さな政府」の受け皿です。

この国のカタチは変わることができるのでしょうか?
今回の選挙は、とても面白い選挙です(^^)


外交約束と農政

2005年07月17日 | なんでも
農政に限らず、国内の制度は、外交約束という枠組みの中で作られます。
ホント不自由です。
思ったとおり作れないのですから。

言うまでもなく、ニッポンは、国際社会の一員です。
そして、他国と貿易をして、お金を稼がせてもらってます。

国際貿易というのは、戦後、一定の方向性の中で、ルールが定められています。
それが、現在のWTOです。

いったいWTOって何でしょ??

元々は、もう戦争はしないでおきましょう。
こういう考え方で、国際ルールはできあがってます。

戦争というのは、経済のブロック化が定着し、
ブロック間のいざこざが、発展してしまったもの。
これが、第二次世界大戦でした。

もう、戦争はこりごりです。
これには、どの国も反対しません。
で、そのために、ブレトンウッズ体制とか、いろいろ国際社会の枠組みを、戦勝国が作りました。
貿易に関しては、WTOの前身のガットです。

その意味で、
WTOのルールを守るというのは、とっても大切なのです。

今日では、経済の発展は、貿易の自由化を拡大するなかで実現する、という考え方が
国際社会の共通認識です。
少しだけ、意味合いが変わってきています。

どれでも、貿易で経済発展を遂げてきた日本にとって、
やはりWTOルールを守ることは、国益にかなったことです。

残念ながら、日本農業という小さな社会から見ると、
WTOは必ずしも、良いルールとは言えないようです。

現在の論調としては、
農業が、貿易の自由化を阻害する要因になってはならない。
というものです。

農業なんて潰れてもいい。
ということは、思っていても、誰も公然とは言いません。
しかし、貿易を限りなく自由化していけば、
日本農業は、どんどん縮小して行かざるを得なくなります。

規模が小さいとはいえ、
農業は、やはり国を支える基盤の一つです。
潰すわけにはいきません。

なにより、大きな魅力があります。
その魅力は、簡単に言葉にできるほど、浅いものではなく、
実際にやってみて、感じることでしか、理解することはできないのだと確信しています。

汗だくになって、
泥まみれで、
カッコいいとは言えないかもしれないけど、
何かココロに感じるものはあるのだと思います^^


品目横断的政策

2005年07月16日 | なんでも
経営安定対策で
「なんでコメの関税が下がらないと、経営安定対策にコメが対象にならないのか」という
ご質問がありましたので、
タイトルについて、整理したいと思います。

なお、質問の主旨を取り違えていましたら、ご指摘下さい。
なんとなく、そういうことを聞いてないようにも思えますので(^^;

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農業基本法に基づく基本計画の柱の一つが、品目横断的政策、です。
最近では、経営安定対策、と呼ばれています。

まず、これってどんな対策なのか?
を述べたいと思います。

これまで、所得対策は品目ごとになってました。
所得対策とは、価格(相場)の下落によって収入が減少するわけですが、
この収入減少分を補てんする仕組みのことです。
これが、大豆・麦・果樹・野菜・粗糖など、農産物の品目別にそれぞれが独立していたのです。

平成19年からは、これらの所得を補てんする政策を、
一本にまとめてしまおう、というわけです。


なんで、こんなことするんでしょ?
その理由は、WTO対策です。
WTOでは、貿易に関するいろんなルールがあるのですが、
国内の補助金を減らそう、というルールが存在します。
国内の補助金が多いと、外国産の価格競争力が削がれてしまう、という考え方から、生まれたルールです。
国内補助金が、なんで貿易ルールと関係あるんや?
と感じるでしょうが、上記のように、一応関係はあるのです。

それで、国内補助金を減らすにあたって、
(1)めいっぱい減らす補助金と
(2)外国産の価格競争力を削がない補助金は、減らさなくても良いことから、
補助金削減の例外とする補助金
とに色分けしました。

外国産の競争力を削ぐため、ガンガン減らす補助金の政策を「黄の施策:イエローボックス」と呼びます。
外国産の競争力を削がないため、減らさなくてもよい削減対象外の施策を「青の施策:ブルーボックス」、「緑の施策:グリーンボックス」とし、
補助金を、大まかに3つに分類しました。

緑の施策とは、生産するしないに関係ない補助金がこれに分類されます。
例えば、直接支払いがこれに該当します。

青の施策とは、生産調整を条件にしている補助金がこれに分類されます。
生産調整を条件とした所得補てん(稲得)などです。

これら以外は、黄の施策です。

当然のことですが、
各国とも黄の施策を、青か緑になるよう、国内の施策を改善してきました。
日本も例外ではありません。

以上がWTO協定(ガット農業合意の内容)です。
現在、この協定を、より自由化の方向で再協議している最中です。

再協議の方向性は、
青の施策に上限を設けようじゃないか、って感じになってます。

そのため、今の青の施策に区分される
稲得をはじめ、各種生産調整を条件としている価格補てん策は、緑に組み替えした方がいいと考えられています。

組み替えにあたっては、
施策加入の条件から、生産調整に協力している、という項目を削除しなければなりません。
そこで、品目別になっている各種の補てん策を、根幹から組み替えるために、
ぜーんぶまとめることになりました。
品目別のややこしい条件はやめました。

ただし、外国産の競争力を削がないように、生産を刺激しない、という条件が緑にも設定されています。
このような主旨から、
経営安定対策は、「外国との生産条件の格差を穴埋めする」ために設けられました。
外国産との生産条件を穴埋めする程度に、補てん金を投入するのであれば、
外国産の競争力を削ぐこともありません。
五分と五分程度にまでは、もっていきますよ、ということです。

で、コメですが、
もともと、国境措置によって、キロ341円の関税がかかってます。
仮にキロ70円の中国産米であれば、411円で輸入されます。
ということは、コメの場合は、国境措置が設けられている時点で、
生産条件を穴埋めするほどの余地がない、
埋めるべき穴がない、ということが言えます。
このような考え方から、コメは、経営安定対策の中に入れるべきではないのじゃないか、
という意見がでてきてます。

実際どうするかは、これから議論されます。
もっと、関税が引き下がれば、経営安定対策の中に入れてもルール違反にはならないのでしょうね。


言葉の乱れ

2005年07月13日 | なんでも
夜の報道番組で、若者の言葉の乱れが特集されていた。

「うざい」という言葉に、怪訝な反応を示す女性。
言葉の乱れは、心の乱れを誘発するという、某有名な学者。

いろんなとらえ方があると思うが、
個人的には、若者の言葉は、端的で上手に表現されたものが少なくないように感じる。

「うざい」なんて言葉も、うまいこと言うなーと思う。
「びみょー」というのも、面白い。

これらの言葉を、乱れと捉えるのか、
あるいは、変化と捉えるのか。
感じ方で180度違った結論に達するのかもしれない。

もし仮に、若者のほとんどが、
伝統的で、美しい日本語を使っていたとしたら、
それは、むしろ恐ろしい社会ではないだろうか。
そして、つまんねー社会になっているだろう。

彼らは、自らの感性で使う言葉を選択している。
「うざい」という言葉が、面白いから。
「びみょう」という言葉が、その時の気持ちを、簡単に的確に表していると感じるから、つかっているのではないだろうか。

難しい理屈はさておいても、感性で言葉は使われる。
若者の言葉を、乱れていると感じる人間の精神は、
私には、乾いてしまって、しなやかさを失っているとしか考えられない。

言葉は自由に使ってイイ。
社会に出れば、ある程度矯正せざるを得ない。
だから、しがらみという妥協や打算に、どっぷりつかる前に、
感性のまま、自由に言葉を使うべきなのだ。

言葉に限らず、
すべての物事は変化する。
これに例外はない。
変化を疎ましく感じる方にこそ、
感性の衰えを自覚すべきなのだろう。

中国産米の摩訶不思議

2005年06月13日 | なんでも
お米の世界は、不思議がいっぱいです。
そして、中国産米の価格も、摩訶不思議の一つです。

主食用として用いられる中国産米は、SBS入札によって国内へ輸入されます。

日本は、年間で最低でも80万トン弱の外国産米を輸入する義務を負っています。
義務を負っていると書きましたが、国際約束をしているのです。
80万トン弱の輸入米は、国産米の需給、とりわけ主食用の需給には影響を与えないように政府は配慮しなければなりません。このことは、国会決議によって定められた国の方針です。

つまり、
(1)国際的には(外向けには)、80万トン弱の輸入を約束し、
(2)その一方で、国内的には(内向けには)、主食用の需給に影響を与えない、
ということを、それぞれ約束しているわけです。

そんなわけで、輸入米のほとんどは、加工用などの用途に仕向けられています。
ただし、10万トンだけは、主食用へ仕向けています。
そして、国産米の主食用在庫(備蓄米)を同量加工用へ仕向けています。
これで、プラマイゼロになり、輸入米が主食用需給に影響を与えることはない、と行政は言い張っています。

この主食用10万トンは、ちょっと変わった方法で、入札されます。
SBS入札というやつです。

外国から輸入する商社と、
国内へ供給する卸業者が、
ワンセットになって、輸入・販売の枠を入札するのです。
農水省に支払う関税(特にマークアップと呼んでいます)を、いくらにするかで、落札が決まります。
高い関税を支払う商社・卸が、落札するわけです。

このSBS入札が、5月21日に行われました。
中国産の短粒種の落札平均価格は、
(1)商社から政府が買入れる価格が、約123円(精米キロ)
(2)政府から卸業者へ売り渡される価格が、約249円
でした。

政府は、差し引き約126円のマークアップ(一次関税)をもらったわけです。

国内への供給は、精米キロで249円になります。
つまり、SBS入札に参加した卸が、販売する価格は、入札結果を見る限り、249円以上になるはずです。
ちなみに、その前の2月22日に行われたSBS入札では、約202円でした。

ところが、国内で流通している価格は、160円です。
SBS入札よりも40円以上安い水準です。
巨大なバックマージンがあるのでしょう。

それでも、平成13年のSBS入札結果を見てみると、買入価格は66円、売渡価格は260円でした。
買入価格は、現在の水準よりも、約57円ほど安かったんです。
いつのまにか、買入価格は66円→123円と、大幅に上昇してしまいました。

当然、為替変動もありますし、海上運賃の値上げもあります。
それでも、驚くほど買入価格水準は変わってしまいました。

では、中国では短粒種はいくらなんでしょう?
調べてみると、6月の吉林卸売価格、東北産でトン当たり2500元です。
ドル換算するとトン当たり302ドル。
1ドル109.4円とすると、トン当たり3万3,039円となります。
キロで33円です。
ここに、海上運賃や保険料、検査料、その他諸経費がかかるのですから、輸入価格がかなり高くなるのでしょうが、それにしても不思議です。

こういったことは、当たり前すぎて、話題にもならないことですが、
普通は摩訶不思議に感じてしまうのではないでしょうか。

なお、以上は全てインターネットから拾った数字ですので、正確かどうかはわかりませんし、
私管理人が、適当に数字を当てはめただけですので、管理人が承知していない様々な事情があるのであろうことを付け加えておきます。

お得な制度??

2005年06月11日 | なんでも
何人かの関係者は、
稲得や担い手経営安定対策は、生産者にとって非常に得な制度であるにも関わらず、加入率が低い。
なぜ、加入率が低いかわからない、と言っているようですね。

確かに、稲得等は、価格が下落したときに、その2分の1(+200円)を補てんしてくれる仕組みです。
これだけだと、とってもお得です。

しかし、実際には、補てんの半分は自分で拠出しているので、4分の1が補てんされていることになります。
加えて、加入要件がいくつもあります。

生産調整に協力していること、
集荷円滑化に加入していること、
などです。

しかも、一部の産地では、
仮渡金の単価に、稲得を組み込んでおり、実際にメリットがあったかどうかがわかりにくい仕組みになっています。

制度を作った方にすれば、これ以上の制度はない、という感覚なのでしょう。
ひょっとしたら、こんなに良い制度なのに、加入しないなんて、やぱり百姓はバカだ、と思っているかもしれません。

しかし、いくつもの加入要件が課されており、メリットもわかりにくい、
そして、実質的に窓口はJAだけです。

これで、本当に農家のためになっている制度なのでしょうか。
これに加入しない農家はバカなんでしょうか。

稲得を貰うためには、JAに出荷するしかありません。
JAに出荷して支払われる代金よりも、直売した方が実質手取りは、比較にならないほど大きいのです。

であれば、直売する方が賢いですね。
わざわざ、国民の血税を投入してもらわなくても良いんです。

政策が立案される現場では、こういった単純なことを本当の意味で理解できていない方々が多いです。
農家がバカなんでしょうか?
それとも彼らがバカなんでしょうか?

官僚と全農で作る政策って、誰のためのものなんでしょうか?
彼らは、いったい誰のために、何のために仕事をしているのでしょう。

先日、ある政策立案に関わった方とお話したときに、感じたことを今日はほんの少しだけ書きました。


コメ先物

2005年06月10日 | なんでも
先日、東京穀物取引所で、コメ上場委員会検討報告書が公表されました。

上場申請の時期は未定ですが、早ければこの秋にも上場するかもしれませんね^^
農林水産事務次官は記者レクで、農水省では、これを受けて17日の食糧部会でコメの先物について検討すると話しています。

農業団体は、先物に反対しているようですね。
その理由は、主食であるコメの需給が混乱するとのことです。
しかし、現物の流通が自由化しているのに、先物がないというのは、片手落ちです。
流通に携わる者は、どうやって価格リスクを回避すれば良いのでしょう?

中途半端な自由化こそ、流通そのものを混乱させます。
リスクをヘッジしたいものが居て、それを提供しようとする者がいれば、これを拒むことは、自由化の方向性に反します。

原則は貫かなければ、意味がありません。
都合のいいときは自由化。
都合が悪ければ、反対の理由を持ち出して規制を維持。
農水省は、公平な立場として、このような決断を下すことはできないでしょう。

したがって、上場申請等があれば、粛々と認めざるを得ないでしょう。
行政に反対する理由はありません。

全農は、反対するのも良いのですが、
どのみち先物は導入されます。
それなら、市場設計の議論に積極的に参加して、意見反映するのが、生産者の利益につながるのではないでしょうか?


異品種混入

2005年06月05日 | なんでも
DNA鑑定による品種鑑別が広く普及したことによって、
(1)行政によるチェック
(2)納品先である量販店などによるチェック
が行われるようになりました。

その対応として、
(1)製造行程上、異品種がまざらないようにする
(2)異品種を混ぜていないことを、第三者(自社以外)に客観的なデータで示す
ことが求められています。

もちろん、意図的に混ぜないことが大前提ですが(^^;

さて、(1)の異品種が混ざらないように工夫する、というのは、やってらっしゃる方が多いように思います。DNA鑑定に引っかからないことが大切ですから。

しかし、(2)の第三者に客観的データを示すことが、ちゃんとやれている所は少ないのではないでしょうか?これは、ただ受払簿を付けていれば良い、ということではありません。それ以上の作業と、透明性を確保するための考え方と体制が整備されていることが必要になってきます。


今の時代は、自分の身は自分で守るのが当たり前です。
自分の潔白は自分で証明しなければなりません。
意図的な混入をやっていない、といくら話をしても、その根拠が示されなければ、お話になりません。
とすれば、製造上の帳簿(指示書や日報)などは、当然保存すべきですし、棚卸の結果もデータとして残しておかなければなりません。

そして、最も重要なことですが、
残した記録を、自社でチェックする体制を整備する、という視点が多くの場合、欠けています。

データを残す。
自分でチェックする。
いつでも第三者に証明できる体制を整備する。

この3つが、柱になります。
自分でチェックして、もし各書類・帳簿でつじつまがあわなかったら、どうするのか?
その時は、つじつまがあわない原因を追求するという作業が必要です。
会社組織の場合は、担当者を決め、一定の期限を決めて追求する。
その間に、原因がわからなければ、つじつまがあわない分の数量が、あとで分かるように整理しておく。

こういったことを、仕入・製造・販売の担当者以外の者が、窓口となる。
求められれば、それをオープンにする。
このように、透明性を確保することが重要なのだと思います。

ちなみに、2重帳簿にすればいいと言ってるわけではないので、念のため。

17年産米は、作況97で均衡する??

2005年05月21日 | なんでも
H17年は、寒い日が続いています。
このまま寒い日が続けば、不作の可能性もあります。
ただし、平成6年産は、6月まで気温が低かったのですが、
7月から気温が回復し、8月は猛暑でした。
8月の日照時間が著しく高かったことから、
平成6年産米の作況は、結果的に「大豊作」。

こんな実例もありますから、
17年産米の作況もまだまだわかりませんね。

さて、需給についての検証を「ポジ配分の意味」として、以前、ブログに書きました。
http://blog.goo.ne.jp/roughrice/e/811fe0534bd87cb54540ac9f8391b72e
ここでは、H16年産米は、作況98で需給が均衡した。
ということを書きました。

では、17年産米の需給は、どの程度の作況指数で均衡するのでしょうか?

結論から申し上げるなら、
作況96~97で均衡するのではないか?
と考えています。

ポジ配分の切り替えは、
作付面積の増大を助長します。
このメカニズムは、上記の記事で解説しました。
17年産米は、さらに作付面積が増大しているように見受けられます。

これは、メカニズムの問題であり、
予想をしているわけではありません。
したがって、
平年作では、需給は緩和。
やや不作で需給はようやく均衡する。
といったところでしょう。

このため、集荷円滑化対策が発動されても、需給は3ポイントほど緩和傾向となるように考えられます。
いずれにしても、ポジ配分は、
これまでよりも、需給の実態を緩和させると認識した方が良いでしょう。

再開

2005年05月19日 | なんでも
ずっと記事を書いていないにも関わらず、
多くの方に訪れて頂きました。
また、メールも頂き、本当にありがとうございます。
返信もせずに申し訳ありません。
また、メールのやりとりをさせて頂いた方々も本当にごめんなさい!
3月から、多忙につき休載していましたが、
落ち着いて来ましたので、そろそろ再開したいと思います。

さて、再開にあたって、記事の内容を少しだけ変えていきたいと考えています。

この秋にも、コメの先物が上場されるかもしれません。
いよいよ現実的になってきたようです。
また、コメ関係の方々から、先物に関する質問メールが増えています。
そこで、もう少しだけ先物の話を増やしていきたいと考えています。

一方、コメに関係ない方からも少しですが、コメに関する質問があります。
引き続き、私の知っている範囲で、率直にお米のことを書いていこうと思っています。

今後ともどうぞよろしくお願い致します。