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第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー49話

2023-05-05 11:17:36 | 第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー


直也は春樹の思いを感じながら4人で春休み最後の3日間では旅館に宿泊し波乗りで楽しみます。真一や典子や紀華も3日間には笑顔が耐える事なく海辺で遊んでいます。真一は一体何が直也を変えたのか気になる事でした。直也は久美子からはじまり仲間の永遠の別れを心で受け止め思い出として彼らは生きていると思うようになっていたのです。誰のせいでもない今後は同じ繰り返しはしない事を誓いながら祈るだけでした。直也と真一は紀華と典子にも海の沖のほうでサーフィンを教えながら波に乗る事の出来ない2人にサーフボードの左右で顔を見合わせて色んな事を話をしていました。好きか嫌いかで人見知りで見ていた紀華と典子の気持ちを変える事になります。まだ彼氏彼女の関係はなくただとにかく話をして海の波に揺れる4人が分かり合えるような3日間にしたのです。典子は直也の事を引きづっていたが3日間での事で何かを気づいたのかもしれません。「前を向きで素直に優しさを持ち強い思いで生きていくことか」真一や典子は自分の気持ちに素直になる事を気づかされ、胸に抱く思いを真一に伝えはじめます。紀華は自分が何故生きているかを考えるきっかけとなり生きている感覚を持ち始めます。直也が紀華に声を掛けたのは不思議な存在で興味もあったが自然を身体で感じて欲しかった。紀華が何に苦しんでいるのかを気づいていたのです。直也が苦しんでいたように同じ思いを人見知りの紀華も抱いていたのです。真一が典子に声をかけたのは自分の本当の気持ちが何処にあるのかを探していたようです。典子への思いが真一の身体を包み始めた時でしたが典子は3日間で「妹」でもいいかなと言う気持ちを持つようになり直也を見つめるようになります。直也に言われた事を思い出しながら真一の存在に気づきます。紀華と典子や真一の心にあったものを海の波が洗い流してくれたようです。新しい心へと変わり素直に今の自分を受け入れるようになっていきます。直也は相変わらずマイペースで面倒くさがり屋で沈着冷静で臨機応変で過去を振り返らない生き方に変わっていました。波乗り最後の日には夕食をとり元の街に戻ります。帰りの電車の中では会話が止まる事なくいつもは会話を嫌う紀華も話が嫌いな直也との会話がはずみます。真一と典子も窓の外を見ながら何やら話をしています。
「明日からまた、学校だな、寝坊するなよ」
4人は笑顔で国鉄の駅の改札口を通り、それぞれの家へ帰っていった。改札口では直也と典子が残っていて直也は典子に声をかけると典子は考えながら直也に答えます。
「ねぇ直也、私の思ってることわかる?」
「あぁわかってるつもりだ!これまでいつも一緒にいたろ最近は違うけどね近くにい過ぎたかもよ」
「そうだね、私は久美子ちゃんのようになろうって思ってたからかな?」
「そうだと思うよ、だから俺は妹のようにしか思えないし良い事教えてやるよ」
「どんなこと?」「真一は誰を見て生きてると思う?ちょっとぐらいは考えてやれよ俺は大丈夫だからさ」
直也が真一の思いに対する一押しをします。
「それからさ近藤紀華の事だけどアイツは一人にしちゃいけないと思ってる、だから」
「馬鹿!その先は言わなくてもわかるよ本当に馬鹿と言うか直也は男子も女子もないものね」
直也は典子ならきっとわかってくれると信じて本心を伝えます。
「色々あったな、苦しかったよなーもうそれは終わりだな典子も自由に生きろよ俺たちの関係は続けてくれよ妹でな」
典子は「妹」でも良かった直也の言葉は心に刺さるような重いものがあり、それだけに直也に言われた典子は直也の言葉は忘れる事は出来なかった。
「私以上の人で私が認める人を見つけてね、こんなに直也を思う私をふったんだからね」
話をしながら直也は典子を家まで送っていきます。
「じゃぁ、明日ね」「あぁ、明日だ」
春休みも終わり入学式後2年生の1学期になります。2年生1学期からクラス替えを済ませると担任も変わったが生徒一人一人の一年の時の状態は申し送られ引継ぎが行われました。クラス委員を早速決めるが2年になっても直也は委員長と決められていて副委員長はクラスの推薦で決められます。典子は文系のクラスに移ったが何かに吹っ切れたようで手を上げ委員長になっていました。週2回の生徒会の集会に出ることで直也に会えると思っていたが、それだけではなく生徒会での発言権はクラス委員長であり1年間過去をさかのぼり変えていきたい事を発言する為でもあった。直也は生徒会で発言する事はなかったが典子は各学校の直也の噂についての発言をしていきます。広い範囲で大きくなった噂を最小限にするにはどうしたらよいか生徒会の中で問題視していたのです。尊王寺学園と松陰高等学校や崔高等学校の3つの高校では過去の暴力事件があってから、各学校の生徒会での問題などを生徒会会長と副会長で話し合う事が月1回ありました。典子の発言は直也を苦しみから守り苦しみから解放してあげたいという意味もあったのです。典子は誰よりも直也の苦しみを知り様々な出来事に関わり直也や春樹の作られた伝説の噂を最小限にしたかったのです。生徒会会長はその話を一時的に生徒会担当の教師に話す事になるがその話はそのまま保留という事になります。保留の意味は、また新しい生徒が入学しその中には伝説の噂によって中学時期に問題を起こしてきた生徒もいるという理由でした。噂によって問題を起こしづらくする事が最優先だったのでしょう。生徒会で聞いていた直也には噂の事等どうでも良かった。直也にはすでに問題が起きれば最小限にする手段を持っていたのです。ただ直也には言葉にする事が出来なかった。言葉にしていくのは典子の役目だったのかもしれません。典子がしつこいくらいに生徒会で同じ発言をするたびに1年から3年の生徒会クラス委員達は直也を見つめ直也は黙ったまま机の上を見ていました。生徒会の会長は直也に声をかけますが直也は答える事はありません。生徒会担当の教師にも教員室に呼ばれますが直也はいっさい答える事はありませんでした。一部の生徒会委員からは否定的なことを言われる事があったとしても。生徒会の日は帰るのが遅くなり出前のバイトは、真一だけでした。直也は週2回は喫茶店で1人でアイスコーヒーを飲みながら何かを考えているようでした。喫茶店で働く近藤恵美(こんどうえみ)の妹の近藤紀華(こんどうのりか)は毎日のようにカウンターでハーブティーを飲んでいます。春休みに海に行った時は会話がはずむようになったが直也はカウンター席にいる紀華に声をかける事はありません。紀華の姉の恵美と共に働く山口宏美(やまぐちひろみ)は直也の1人でいる姿を見ていると悲しく思うようになっていきます。直也は典子と完全にすれ違ってしまった事を考えていました。生徒会の集会での典子の発言は直也の心に響いていたのです。この時の直也は何を言われても1人で耐える事しかできませんでした。春樹の伝説に火をつけ油を注いだのも直也だったからです。伝説の噂話をするのも自由な事や今はその噂は大きく、その噂によって誰もが意味のない喧嘩や暴力をしなければいいというのが直也の出した答えだったのです。典子は自分の意志で発言をしていたがそれを止める事も出来ないのです。直也は学校では静かに会話をするという事を少なくし自分が作ってしまった責任を感じていました。雨が土砂降りの時には生徒会が終わるとすぐに喫茶店へ行き雨にぬれた学蘭を着て直也はいつものように奥の席に座りアイスコーヒーを頼みます。
「もう直也君、髪の毛も学生服もびしょ濡れじゃないの?学生服乾かしてあげるから脱ぎなよ風邪ひいたら来なくなっちゃうもんね」
紀華の姉が笑いながら直也に声をかけてスウェットの上下とタオルを貸してくれた。その姉の姿を紀華は見ていてハーブティーのカップをもって直也の隣りに座ります。
「ちょっと耳にしたんだけどさ責任感じてるの?」
「責任?責任とは違うなたぶん担任に言われたよ、静かにしてろってな、でも典子は違うんだ俺には止められねぇよ」
紀華は姉から、この時に直也の立場を聞き全ての真実を知ってしまったのです。
「海、楽しかったね」「あぁ、また行きたい?」
「連れてってくれるの?」「あぁ、いいよ、連れてってやるよ」
直也は紀華の軽い言葉に返事をするだけで気が休まるようだった様ですが典子の事の方が胸の内では気になっていきます。


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