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第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー33話

2023-02-04 10:54:06 | 第2弾:蒼い時のドリームキャッチャー


典子の母は他界された春樹の事もあり子供たち同士で解決できる事かを心配し直也の叔父叔母の店に閉店後に話し合いに来ています。両者の話し合いで2人の気持ちを優先し叔父叔母は見守りをし典子の母は典子を直也の部屋で泊り込みで看病する事を許します。
「あ、お母ちゃん」
「典子、大丈夫?直也君はどうなの?ちゃんと面倒みるんだよ」
「うん、直也は大丈夫だよ。ちゃんとみれるから」
「春樹のときみたいに、一人で悩むことするんじゃないよ」
「うん、わかったよ、叔父さんと叔母さんもいるから何かあったら相談するね」
母と典子は、しばらく話をし典子の母は自宅へ戻っていきます。
典子には気まぐれな気ままの3つ年上の姉がいました。その姉もレディースの暴走族のリーダーを経験していたのです。春樹の2つ年上の先輩は「本田篤志(ほんだあつし)」典子の3つ上の姉は「須藤玲子(すどうれいこ)」といいます。典子の父は更生した篤志を認め娘の玲子の篤志への気持ちも考え2人は結婚をする事がわかっていました。篤志の両親は直也の叔父と本田興業(金融)を設立後ある事件に巻き込まれ命を落としています。篤志は本田興業の後継ぎでしたが過去の悪夢から逃れ償いのため後を継ぐ事はありませんでした。直也が目覚めるまで泊り込みの看病をする典子は春樹の過去を思い出していました。流した涙は時間と良き思い出によって過去を心で受け止めたようです。そして目の前にいる直也を死なせるわけにはいかないと思うのです。典子から見れば直也と春樹の姿は違っていても行動や言動や仕草までそっくりに見えてしまいます。直也と電車での出会いによって典子の心の扉も開き始めていたのです。春樹の事を受け入れた典子は直也という存在に引かれていく自分を感じています。包帯だらけの直也を見つめながら、ゆっくり直也のベットに寄り添い眠りにつきます。叔父と叔母は、直也の部屋の扉を開けると典子と直也の姿を見つめます。泊り込みまでする典子の姿をみて、声をかけようかと思いましたが見守る事だけにしました。この時には直也の叔父と叔母は春樹の事を思い出していたのかもしれません。叔父は涙をこらえ叔母はタオルで涙を拭いています。直也は水泳やボクシングで鍛えただけあって体は筋肉質で回復も早く2日後には片目ではあるが右目を開けて腕を動かし手を開いたり握ったりしていました。
「ここ、どこだぁ」直也が目を開き動きはじめての一声です。
「ねぇ、委員長、ううん、直也、死ぬつもりがあったの?」と典子は直也に声をかけます。
「そうかもしれねぇなー、死んでたらどうなったかな、俺生きてるよな」
直也は軽く笑みを浮かべながら典子に答えました。
「馬鹿、馬鹿、馬鹿!冗談でも言わないでよね!どれだけ心配かけてるか知ってるの?」
典子は目に涙を浮かべながら直也に言います。
「鼻水でてるぞ?それからさ委員長じゃなくて直也でいいよ」
直也の言葉に典子は返す言葉がありませんでした。
典子は知る限り春樹がどんな生活をして、どうして亡くなったかを直也に話をします。
「春樹も苦しんでたんだろうな、その先輩が助かって良かったじゃねぇか春樹はきっと喜んでるよなぁ」
直也の言葉で典子は何故か春樹を失った悲しい思いから救われたような気がしていました。いつも春樹の事が頭から離れず夜も眠る事ができなかった典子には嬉しい言葉であったのです。典子は急に立ち上がります。
「叔父さんと、叔母さんに伝えてくるね」
典子は叔母さんに会い直也が目を覚ました事を伝えます。叔母は診療所の医師へ電話で連絡し往診を頼んでいました。医師は夕方頃に往診に来ます。痛み止めの薬とシップや包帯を置いて、しばらくは休むよう叔父や叔母や典子に伝えられ往診は終わります。この直也の事は溜まり場の仲間立から噂話として広がっていきます。廃屋の倉庫内での事であったのですが廃屋の倉庫の外で見ていた学生達もいたのです。春樹は確かに泣き虫だった。でもどんなに殴られ傷を作りながら耐えて泣いていましたが必ず相手から離れていきます。敵を作る事もあえて仲間を増やす事もなく信じられる仲間だけで良かったのです。そんな春樹を知るものは直也は春樹と一緒で更に強くなった春樹が戻ってきたと思う学生達が多くいました。夏休みでも集まる場所は同じ喫茶店の店員の近藤恵美は接客をしながら直也の情報を得ていきます。恵美は直也との出会いや仲間達の話しを聞けば聞くほど高校時代での彼氏を思い出します。孤独で心の葛藤をしている彼氏が理解できずに別れる事になってしまった過去がありました。直也の流れる話は恵美の心に何かを響きかけていたのです。怒りや憎しみからは新しいものは生まれない直也は気づいていないように見えますが仲間達の存在が直也を動かしてることを感じました。恵美はいつかカウンターの隅にいる彼女(女子学生)と出会うときがあって欲しいと思います。彼女(女子高生)は直也の話が聞こえると両方の耳を押さえ目を閉じていました。その女子高生は自分の持つ孤独と怒りなどの同じ感情を思い出したくなかったのです。夏休み一週間ほどで典子の援助で直也が起き上がれるようになった頃の出来事です。ラーメン屋の「どんどん屋」には学生らしき人物が私服で来るようになっていました。学生らしき人物はカウンターの中をのぞいてみたり2階へ上がる階段をのぞいたりしています。
「あんたたち、なんだい!つっぱった格好して、何かようなのかい?」
「いやぁ、直也君、元気かなって思って」
あるとき叔母は、その学生達に声をかける直也を心配して店に来てる事を知ります。
「なんだい、直也と同じ学生さんかい、早く言ってくれればいいのに、学割してあげるのに100円安くなるよ、そういえば、あんたたちよく来てるよね」
叔母は嬉しそうな顔して多くの学生達に声をかけていました。また2、3日すると自分で起き上がる事も出来るようになった直也は典子に声をかけます。
「いつまで泊まってるんだ、典子」
典子は照れくさそうな顔をしながらこう言いました。
「直也、この際、ここでずっと泊まっててもいいかな?」
「ふざけるな!」
典子は冗談まじりに直也をからかいながら悪魔払いのあるものを見せます。たくさんのドリームキャッチャーを泊まりながら直也の部屋で作っていたのです。
「これって大切なものなんでしょ、これだけあれば皆に渡してあげる足りなければ、また作ればいいからね」
典子の言葉で直也と典子の関係は委員長と副委員長だけではなくなっていたようです。好きか嫌いかでいえば、まだどちらでもないというところのようで、ただ一緒にいたい。直也は典子と久美子を重ねて見るようになっていき妹のように。不思議な事に久美子の事を思い出した直也であった。この時は悲痛などの感情が沸いてくる事はなかったのです。直也と典子がふざけた話をしていると叔母は直也を呼びます。
「直也!ちょっと店に降りてきな!」
「なんだよ、病み上がりなんだから、出前は、もうちょっと後にしてくれねぇ」
「直也!あんたね、誰が出前しろって言ってるの、あんたの友達が来てるんだよ!」
直也が動けるようになった事を知った叔母は大きな声で叫んできたのです。叔母は直也の友達が何人も店に来ていた事がよほど嬉しかったのでしょう。
「えっ?友達?」と不思議な顔をして祖母は直也に言います。
「うるせぇな!ババー、お客がびっくりしてるだろうがよ」
「なんだい、あんたも嬉しいくせに!お客さん、すいませんねぇ」


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