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チューリップス・シスター第18話

2016-10-01 11:52:39 | 小説チューリップス-シスター



チューリップス・シスター第18話 勇介の疑問

真理と美咲への疑問を答えを解くよりも、まずは勇介は疑問のある自分自身の能力の分析をしなければならなかった。
教会の中で自分の未熟さに気付き勇介は神イエスに誓いと祈りを捧げ神ゼウスを透して次元の違う別世界にいる世界の神々ゼラトウスと交信をし自分自身の全ての特異的な能力と本当の役割を明らかにしようと気付いていない能力と役割を聞いた。まず教会の中の雰囲気は変わり徐々に真理と美咲が見て来ていたチューリップ畑やハーブ畑の景色の中に勇介は立っていた。たたずむ勇介の耳に聞こえてきた声は、
「私の邪魔はしないで、魔性の邪気は消えてしまえ」「魔性世界の魔物や呪いの邪悪な邪気は消えてしまえ」
真理と美咲の声が重なった木霊の様に聞こえてくる声だった。真理と美咲は正反対の感情や性格と能力を持っていたが生まれる前から母親の高子の母体の中と心の中では母を含め3人は完全に繋がっていた事を知らされるが父親の直継については後の話しになる。
「3人?真理と美咲だけじゃなかったのか母親の高子も能力を持っていたのか、まさかそんな」
勇介は脳裏を過ぎった言葉だった、そして晴れた空の上から声が聞こえ天空を見上げた。
「時の煌子(こうし)よ、何が知りたいのか、何が聞きたいのか」
世界の神々ゼラトウスからの声が聞こえてきた。
「今の僕に、気付いていない特異的な能力の全てを教えて頂けませんか?」
勇介は世界の神々ゼラトウスへ言葉を返す。チューリップ畑やハーブ畑の景色の中で更に勇介に世界に神々ゼラトウスは言葉はなく勇介が気付いてない特異的な能力の全ての真実を瞳に映し出し時計の針が逆回りしたように過去へと導びかれていく。女神の聖母マリアと角と翼のあるフェニックスとは自由平等平和の象徴であるが特異な能力には違いがあった。
女神の聖母マリアとは優しく暖かく包み込み魔性の邪気から守る役割があり将来や未来へ導く為に存在し世界の人類の命を守る役割である。角と翼のあるフェニックスとは現実の世界から非現実の世界へと自由に飛び回り魔性の邪気との戦いに共に挑む騎士達を運ぶ役割である。時の煌子の能力としてある聖霊ヘルプは天使ピクロスと妖精ハルフの天国ヘブンの世界か悪魔ゼブロスと死神デッドの地獄バルザの世界か現実には見えない次元の違う幻想的空間の世界の神々のゼラトウスのいるアースガルズの7つの世界か9つの世界のどれかを選択する役割である。心の神の言霊の神ゼウスとは「次元の違う幻想世界の神」心の神の言霊の神イエスとは「現実の世界で心にある神」である。
「過去の奇妙な出来事に真理と美咲の感情と能力との関わりは?」
更に勇介は世界の神々ゼラトウスに聞いた。
世界の神々ゼラトウスはチューリップやハーブの花畑にいた勇介のいる幻想世界ではなくブラックホールのような新たに変え幻想世界を勇介に見せる。真理と美咲の父親の直継と母親の高子は自分自身達の能力に気付いていた。
「父親も能力を持っていたのか?」と勇介は思った。
直継の首吊り自殺ではなく寿命を短くし病死で亡くなり直継の病死と高子の失踪は真理と美咲を守る為に離れなければならなかった。魔性世界の魔物や呪いの邪悪な邪気を真理と美咲から出来る限り遠ざける為だった。5人の精神科医や刑事や警察官には先入観を与え心の中に植え付け幻覚と幻想世界を見せ体調の変化を与え体調の変化で現実の人間が気付けるのか試していた。美咲が描いたスケッチブックの絵画が消えていたのは私服警官や制服の警官の捜査を止めさせ警官であった記憶を消去、残酷な罪悪感と苦痛を与える為であり真理と美咲への魔性世界の魔物や呪いの邪悪な邪気を近づけないようにする為だった。病院での出来事は真理と美咲の感情の変化と予兆の能力の段階を見定める事だった。
「全ての出来事は時の煌子と我々の目的を果たす為には邪魔するものは抹消と残酷な苦痛を与え悪魔ゼブロスと死神デッドによって地獄バルザの世界で体と魂は炎で抹消、現実にいた形跡の全てを抹消した今後も邪魔するもの呪いの邪気は同じように抹消と残酷な罪悪感と苦痛を与え心に植え付ける犠牲になったとしても未来に必要であれば次元の違う仮想空間の幻想世界に魂はおかれる、犠牲になる者達は今後の導きに必要なのだ、全ての出来事は今後の未来の現実の世界と次元の違う仮想空間の神々や戦士の棲家としての幻想世界興隆の為である」
世界の神々ゼラトウスは勇介に真実を伝えた。
「何故そこまでしなければならないのですか未来に何があるというのですか」
「それは、時の煌子しだいだ、この先の未来に知る事になるだろう真理と美咲だけでなく他の全ての戦士や騎士を導くのが時の煌子の役割なのだ」
ゼラトウスの言葉を聞いた勇介は焦りを感じていた。
「時の煌子の感情と能力は我々が選び神父と認めた事で全てが見えている時の煌子の背後には未来永遠に世界の神々我々がついている焦る必要は無い、もう一度以前の神父の手紙を開き見よ、そうすれば解かるだろう」
世界の神々ゼラトウスが時の煌子と勇介を呼ぶ意味を勇介は知った時だった。ゼラトウスの言葉の導きで勇介は叔父の神父の遺言の手紙を読み返すと世界の神々ゼラトウスによって内容は書きかえられていた。
神父の勇介には真理と美咲を魔性世界の魔物や呪い邪悪なの邪気という外敵から守り戦い抜くという役割、その後の真理と美咲の能力の前兆から完全に開化させながら次元の違う仮想的空間で幻想世界で共に生きていくのが勇介の役割、真理と美咲の持つ能力を開化させ重ね合わせていき双子が持つ感情と能力を重なり合わせ真理と美咲に同じ能力を与える役割、常に魔性世界の魔物や呪い邪悪なの邪気という外敵との戦いは続くが現実の世界と次元の違う世界から完全に抹消させる役割が書きかえられ追加されていた。勇介は以前の神父の叔父から届いた遺言の手紙の内容とは変わっていた。
勇介の成し遂げようとする心を試しながら世界の神々ゼラトウスは勇介の意志と覚悟を確認すると気付いていない全ての能力の存在を勇介に伝えた。勇介は自分自身を気付き知る事によって次は真理と美咲の予兆の能力とは何か真理と美咲の予兆の能力を考えると過去の未解決事件が真理の予兆の能力と美咲の予兆の能力から前兆の開化に勇介の能力が、どのように関わっているのか勇介は疑問を抱く。
大学病院にいる美咲は眼には見えない大結界の絶対空間の中で世界の神々ゼラトウスに選ばれた8人の結界師に守られ目覚めたり眠ったりしながら生きていた為、フリーランスの精神科医コナン・グレードと看護師資格と特殊な心理学を熟知しているセラピストに勇介は任せる事にした。
真理を救う為には真理の心の中の言霊の神ゼウスが抱かせている感情は過去の未解決事件がどれだけ関与しているかを確認しながら導き方を考えなければならなかった。父直継の自殺か事件か母高子の不審な失踪、病院での出来事等の何が真理と美咲の抱く感情と予兆の能力に影響を及ぼしているのかを知る必要があった。
勇介に与えられた神父としての新たな遺言は世界の神々ゼラトウスと心の神ゼウスからの指令だった。魔性世界の魔物や呪い邪悪なの邪気という外敵との戦い続け真理と美咲を魔性世界の魔物や呪いの邪悪な邪気という外敵から守る事、その後の真理と美咲の予兆の能力を前兆へと開化させながら共に生きていく事である。世界の神々ゼラトウスから指令に従い勇介は離脱解離能力と霊能力を使い真理と美咲の現在から過去へさかのぼり勇介は自分の分身を創り出し転移する事になるがチューリップ畑やハーブ畑と3軒の建物以外殆ど何も無い場所では更に自分の分身で新たに自分を創り出さなければならなかった。以前の神父も同じ事をしていたが寿命が短くなる覚悟が必要になるが勇介は寿命の事など考える事はなかった。
勇介は世界を回りながら奇妙で不思議な幻想世界の中で多くの人々と接し様々の多くの能力で特に錬金術師として助けながら未来を創造し自分の運命を見つけていた。勇介の離脱解離能力と霊能力は教会の中で祈りを捧げた後で教会の神父の部屋にある全神父も使っていたアンティークで彫刻のある現実の世界や次元の違う世界を行き来できる特殊な椅子に座り勇介自身で真理と美咲、女神の聖母マリア、フェニックスを創造しながら催眠療法を施し催眠誘導していく事になる。彫刻のある椅子には十字架と聖霊や天使とフェニックスが刻まれている。以前の神父の霊能力とは違い勇介はフェニックスに乗る自分に霊が憑いて来る聖霊と天使や妖精の映像を眼をつぶり更に創造する。
そして硬化ガラスの大きなハウスが幾つも見え勇介はハウスへ歩いて向かうが近づく事に大きく見え始めると硬化ガラスなのに「ヒビ」が入っているのに気がついた。
「このヒビは、大結界の絶対世界にいる美咲の感情と予兆から前兆への能力を指しているのではないか」
勇介は病院にいる美咲の感情と予兆の能力の動きに関与しているのか美咲を動かす心の中の言霊の神ゼウスの導きかもしれないと思った。
それからは何を言っているのか解からない声の会話、虫の鳴き声、鳥の鳴き声、人の叫び声、人の泣き声、人の笑い声から始まり様々な景色が変わり見えてくる。真理と美咲が住んでいた場所で最初は3軒の建物しか無かった建物が新たに築かれ重機等が動きチューリップ畑やハーブ畑には姿はないが多くの人物の影なのか動く黒い人影が見える。
「これは自由気ままに過ごし富に恵まれ診療所の待合室でリトルエンジェル(小さな天使さん)と呼ばれていた過去の真理を創造させるものだ」
勇介は大学へ通う真理の孤独感と残酷な試練と苦しみを抱く本当の真理の心の内面にある感情、心の叫びや響き、心の神の言霊の神ゼウスの真実が見えてきた。真理と美咲の過去から謎めいた不思議な過去の未解決事件の真相が勇介には見えるようになった。ここまでで勇介の離脱した分身は勇介の本体に戻り謎めいた事件の真相を先入観の無い未解決事件担当の1人の刑事と明らかにしていく。この1人の刑事は次元の違う仮想空間の幻想世界の存在を知っていたのかもしれない。しかし全ての真実を知った勇介には過去の未解決事件が気になっていたが次は真理の感情と予兆の能力を先に導く事を世界の神々ゼラトウスからの指令を受け事件については後にして従う事になる。
「指令の意味とはなんだ」と勇介は世界の神々のゼラトウスから教えられた内容を振り返る。
世界の神々のゼラトウスは真理に試練を与え真理が自分で乗り越えられるようにしていたが、それに対し魔性世界の魔物の黒魔術の呪いと邪気と嫉妬だらけの死神デッドに乗り移りられた事によって残酷な苦しみを抱くようになっていた。
「私の邪魔はしないで、魔性の邪気は消えてしまえ」
「魔性世界の魔物や呪いの邪悪な邪気は消えてしまえ」
この声の主は美咲と真理の心の響きと心の叫びの言葉によって勇介は気づいた。この気づきによって真理に直接に合い勇介は伝えようと思った時に勇介の脳裏を過ぎる世界の神々のゼラトウスの声があった。

「真理が気づき乗り越えるまで決して合ってはならない時の煌子が合う事によって真理はそなたを信じて全てを頼る事になる、真理の心の神ゼウスに伝えよ」
世界の神々のゼラトウスは伝心と導き方を勇介の能力に交信し勇介はその伝心と導きに従う。従うのは未熟な自分に世界の神々のゼラトウスが新たな能力を与えてくれると勇介は思っていたからだった。そして真理の感情と予兆の能力に交信し真理の心の神ゼウスに伝心して真理が自分で気づけるよう勇介は教会の中で導く誓いと導きの祈りを捧げるが美咲の絵画が気になっていた。真理は大学ではある程度の社交性的な姿を見せていたが自分の部屋の中にいると叔父夫婦や待合室にいる患者から距離をおいた事で罪悪感は無いが孤独感で悩む事が多くなる。美咲は正直な感情と復讐は正義と思う事で生きていたが真理は内科医の叔父と看護師の叔母の愛情に恵まれ待合室では「小さな天使さん」リトルエンジェルと呼ばれながら自分の感情と能力を隠し微笑みを浮かべ患者からも人気があった。
真理が苦しんでいる頃には勇介は美咲が教会に残せれているスケッチブックの絵画の意味を考えた。教会に残されている絵は殺人事件当夜の美咲が描いていた風景画は警察官達に持っていかれたが、それ以外の絵は本棚ではなくダンボールの中に残されていた。なぜ本棚ではないダンポールに中に入れられたのか?それは警察官が全ての美咲の絵画を持っていくはずだったが世界の神々のゼラトウスが美咲の予兆の能力と心の神ゼウスを動かし、ダンポールに入れた記憶を消していた。勇介はダンボールから本棚に年号月日の順に本棚に戻す。
「美咲の、この絵は動いて見えるのはなぜだろうか?」
勇介は美咲が描いた絵画を1枚1枚じっくり見ていくと勇介の能力にある第6感と第7感と第8感で奇妙で不思議な感覚を持つようになる。平面の絵画が何故か立体的にそして何かを物語るように動いて見えるのだ。
美咲の絵画は先入観を持つ人間の身体に頭痛や嘔気嘔吐、口渇、立ちくらみ、耳鳴り、幻聴、体の痺れ、体の痛み、無気力、脳圧迫感などの症状を与えていた。しかし勇介とフリーランスの精神科医とセラピストと修道院の施設関係者だけは、そのような症状を持つ事はなかった。勇介は「無心」心の中の神ゼウスによって先入観を持たず様々な出来事を見る事が出来た。
世界の神々ゼラトウスが勇介に与えた心の中にある感情は「自己犠牲」「信仰心」「慈悲」などが中心であり人類が抱く感情全てである。
勇介が美咲を見守る時は瞳に移される現実ではなく信仰心の眼で見守るようにしていた。
勇介の「信仰心の眼」は相手を疑わず信じるかどうかではなく真実を見つめる眼であり人間の心の中にあるものを見て真実を見つけ霊能力で対話をしていくというものだった。誰もが美咲の絵画は平面であって、ただの絵画としてしか見られていない。絵を描く時の美咲の姿や美咲の心の中で何が動いているのか?介は美咲の描いた絵画を見る視点を変えて何度も繰り返し見ていた。第6感と第7感と第8感や勇介の全て能力によって非現実的な眼で美咲の絵画を見はじめる。
美咲の絵画は1枚の絵には何かを物語るものがある事に気がついたがその1枚の絵画を見てから他の絵画でも同じ様に平面な絵画だというのに何かを物語るようになった。勇介は病院へ電話連絡しフリーランスの精神科医に花以外の絵を描いた時には連絡してもらいたいとお願いをする。しばらくしてからフリーランスの精神科医は奇妙な絵については警察へ連絡する事なく1ヶ月事に見回りに来る警察官にも話す事もせず美咲の病室にあると勇介にコナン・グレードは連絡をした。勇介は美咲の花以外の絵を病院へ受け取りにいくが勇介は一時の間、病室の大結界の絶対空間の中で完全に眠らせ姿を見る事はしないようにした。勇介は真理と同じように美咲に会うのも、もうしばらく後の方が良いと考えていた。世界の神々のゼラトウスからの導きであり真理と美咲に直接会う事は真理と美咲の予兆の能力の開化に悪魔ゼブロスと死神デッドの暴走による悪影響を与える可能性があった。
完全に見えない眠らせた美咲の病室から「炎の夢」「太陽の夢」「水が流れる夢」の3種の絵などの19枚を持ち出し教会へ戻った。勇介は神父として教会に来る前、日本全国そして海外の教会を回っていた頃の事を思い出していた。そして様々な光景が記憶の中に残されていた。
「炎の夢」「太陽の夢」「水が流れる夢」の3種の絵については、どこかで似た絵を見た事を思い出す。
トランシルバニアにある教会とバチカンにある教会で幼い子供達が描いたという約600年前の絵画と良く似ている事に気づいた。トランシルバニアには魔力や魔法、魔術などの迷信や伝説が多く教会で描かれバチカンではローマの聖域の修道院にいた孤児の子供達が描いていた。勇介は「光と闇」の聞いた話を思い出していた。
「神の近くにいる特別な聖職者の描く絵画には、魂が与えられ、描かれた絵は生きる事を許される」
海外にいた当時の出来事や話された事など記憶をたどりながら1枚1枚細かく見ているとある事に気がついた。真理と美咲の2人には何かを見透す能力が備わっていて真理は大学で予知能力があったのかもしれない美咲は施設の外へ出る事はなく、過去・現在・未来が見えていたのかもしれない。
トランシルバニアやバチカンで見た鮮明に描かれた絵には描いた子供達のある能力が働いていると勇介は聞いた事を思い出す。
「描いている本人が描いている絵ではなく描く事へ何かに導かれている」
更に勇介は聞いた事を思い出す。もし美咲が誰かを透して見ていたとしたら「誰だ?」誰が、この風景を見ていたのだろうか。絵には時には人の後姿が描かれている、この後ろ姿は皆同じ人物だ、ふと浮かんだのは真理と美咲の母の存在だった。勇介は警察へ連絡をとり姉妹の母親の高子の現状はどうなっているかを確認したが未だ見つからず生死もわかってはいないと言う事であった。
もしかすると美咲は母親の見る風景を描いていたのではないかと思い年代別と物語る絵を抜き出し焦らず慎重に絵を並べはじめる。なんとその枚数12年間で6000枚を越えていた、そして徐々に何かを感じ薄っすらと浮かんでくる光景を勇介の瞳に映し出されていく。母の佐々木高子の失踪、銀行支店長の殺人事件の関連性はどうなのだろうかと思い未解決殺人事件を担当する刑事に電話で連絡をとる。


チューリップス・シスター第17話

2016-09-24 17:39:08 | 小説チューリップス-シスター



チューリップス・シスター第17話 真理の苦しみ

神父の遺言は神ゼウスと神イエスの伝令であり祈り続ける神父を動かしトランシルバニアにいる甥に遺言の手紙を送る事、そして日本へ戻るよう伝えていた。神父の心の中にいる者とは15歳で神と聖霊や女神からの洗礼を受け若年でありながら18歳で神父となり甥は持っている神父以上の能力がある事によって世界の神々ゼラトウスと神ゼウスと神イエス、聖霊や天使、女神や聖母マリアから神父として選ばれた人物である。神父となった21歳の甥は18歳から日本を離れた場所にいた。迷信と仮説だらけの奇妙で不思議な出来事が多い地域をまわり、世界中を見て周り多くの人々を助けながら多くの様々な能力を高めていた。歴史上でも迷信や伝説があるガンダーラ、インチベット、トランシルバニア、エルサイム、バチカン、メキシコ、グアテマラ、ベリーズ、インディアナ等を行き来していた人物だった。
新たな神父の勇介は世界の神々ゼラトウス、神ゼウスや神イエスの伝道師、祈祷師(エクソシスト)魔術師(シャーマン)結界師、錬金術師、予知能力、透視能力、離脱解離能力、転移能力、真理と美咲と同じ明暗と陰陽の感情と能力、神父やフリーランスの精神科医のコナン・グレードの霊能力等も全て持ち合わせていた。世界の神々ゼラトウスは心の神ゼウスと心の神イエス、聖霊ヘルプ、天使ピクロス、妖精ハルフ、天国ヘブンの世界、悪魔ゼブロス、死神デッド、地獄バルザの世界創り出していた。聖霊ヘルプは天使ピクロスと妖精ハルフの天国ヘブンの世界か、悪魔ゼブロスと死神デッドの地獄バルザの世界か、現実には見えない次元の違う仮想的空間の幻想世界の神々のゼラトウスのいるアースガルズの7つの世界か9つの世界のどれかを選択する役割があった。
世界の神々のゼラトウスによって様々な人類へ運命の指令を出すのが役割であり勇介は世界の神々ゼラトウスの指令を受け止めると伝道師として選別された者達に運命を与えていく役割があった。しかしその役割を果たす為には真理の3つ感情や3つ能力と美咲の3つ感情や3つ能力が必要であり双子としての予兆の能力が完全に繋がり重ね合わさる事が必要であり真理と美咲が6つの感情と6つの能力を共有し能力を使い分けられる力を持たなければならなかった。
ゼラトウスは能力を与える事も出来たはずだが不完全な予兆だけの感情と能力になってしまう為、予兆から前兆そして能力の完全な開化をさせる為には真理と美咲が自ら気付かなければならなかった。そして真理と美咲が気付いた時に勇介の持つ能力が前兆から真理と美咲が持つべき能力を運命として開化していく事になる。
真理は現実の世界で試練と苦難を乗り越えなければ勇介の能力は発揮されない可能性は高かった。時の流れによる運命的な真理と美咲の繋がりは、まだ水平線のある海の自由な真理と森の中の湖で孤独な美咲は地下にある水脈で繋がり壁画と彫刻されたフェニックスの自由と平等と平和への繋がりは、まだ先の話になる。

現実の世界にいる真理の迷いは最小限に抑えられているが「覚悟」と「運命」いうものが理解できず苦しみの姿を鏡を見ながら自らの答えを探し始める。当初の真理にとっては鏡に映し出される光景や自分自身を知る事と自分自身を観る事が出来なかった。勇介は結界の世界にいる美咲と現実の世界にいる真理を繋がらせなければならないがセラピストの従者と同じように真理に寄り添いながらフリーランスの精神科医コナン・グレードの霊能力と共に静かに水面下で、世界の神々のゼラトウスと人間の心の神ゼウスと心の神イエスに伝令を常に受け止めさせながら導き方を考え動いていた。そして閉ざされた心は徐々に自らが鏡を観る真理の心は開きつつあり鏡に映る真理自身は現実には見えない次元の違う仮想空間の幻想世界にいる自分を見つめていた。
その姿を知った勇介達は世界の神々ゼラトウスからの伝令によって徐々に現実の世界で真理へ伝道師としての自分の導き方に気付いていく。
勇介の「苦しみの先に喜びがある」という言葉で真理は涙が我慢できず涙を流す事しか出来なかった。勇介は真理の苦しみは罪悪感という感情から自分自身で作られ美咲がその苦しみを強くしている事を感じでいた。
美咲の持つ3つの感情と3つの能力の一つ「復讐」は「破滅」を望んでいた為、真理の苦しみを強くしているという自覚はなかった。美咲の持つ感情と能力の中での感情と能力の「苦しみ」と「復讐」と「破滅」は美咲にとっては正義だったからだ。それだけに真理は残酷な試練と苦難その「苦しみ」から解放される事が出来なかった。
大学病院の美咲だけの個室で勇介が結界を創り出し美咲を眠らせた事で美咲からの感情や能力の転送はなくなり解放へと向かう。勇介の導き方の1つだった。
しかし真理自身の大学生としての環境や生活環境にも問題があり解放される為に真理は祈りを捧げるがその祈りは神のもとへは届く事はなかった。真理は大学病院へ通学する自宅の新たな広い部屋の中で更に美咲の孤独感や魔性世界の魔物や呪いの邪悪な邪気という外敵との戦い美咲の能力に近づいていく。
この頃から真理は叔父夫婦から距離を置くようになり神父の心の神の言霊は神ゼウスから勇介に受け継げられた。大学への通学で真理の玄関口は診療所の待合室が玄関であった待合室には幼き頃から患者さんに姿を見せて安堵感を与えていた。叔父夫婦は育ての親、現実の自由な世界で全てを与えてくれた事を考えたが新たな自分自身を見つめる為に玄関口は真理の部屋近くにある裏口となり姿を見せない生活環境になる。「もう大人になったのだから好きなように生きて行きなさい」と叔父夫婦の言葉を思い出し後悔や罪悪感を持つ事はなく待合室で姿を見せる事はなくなった。勇介は真理は美咲にはない予兆の能力の為に、その苦しみがあると感じ見守る事だけが勇介が出来る事であった。真理は勇介との出会いによって苦しむ自分を自覚をしていく。美咲は正直に素直に生きているのに真理は素直でもなく「小さな天使」なんかでもないと自分を責め続ける。真理はどうして生まれてきたのか?自分への憎しみを持つようになっていく。真理は3才の頃からの自分を憎んだ。そして過去の美咲のように「破滅」や「死」を求めるようになっていく。
美咲の感情と予兆の能力は母高子への思いからである事を知っていた。
「美咲と私は違う、けど美咲と私は同じ境遇は同じ」と真理は心の神の言霊の伝令によって思う。
「真理、死んでも美咲も一緒だから、怖くないよ」と、美咲の囁きがある。
美咲の声が毎日のように真理の夢の中で映像化された光景と共に聞こえてくる。美咲が今どういう状況でいるのかを真理は夢見るようになっていくが美咲の夢をなくす為に大学の講義やレポートに集中するようになる。真理の提出するレポートは他の大学生とは違う、ただ書いているだけではなく現実の症例のようでもあった。美咲は絵画で自分を表現し真理は大学のレポートで自分を表現していく。レポート提出後、真理は大学の教授に呼ばれるようになりレポート内容について講師の准教授は疑問を持つようになりその疑問を真理に聞いていく。しかし真理は何も話す事はなかった過去の出来事に拘る美咲のようになっていく。そして真理の心の奥底にある予兆の能力が目覚めはじめていた。美咲の囁き声は大学の講義中にも真理の耳に入ってくる真理は両手で耳を塞ぐが美咲の囁き声は消える事はなかった。大学内外、何処にいても消えない美咲の声が真理を苦しめ大学の屋上へ誘導する。この頃、美咲の部屋にある結界にヒビが出るようになり時々目覚める美咲は「死」を求めて病院の屋上へ行く事が多くなりセラピストは美咲に常に寄り添うだけでなく付き添う事になる。真理と美咲が強く共鳴を始めた時でもあった。美咲の部屋は10畳程の広さで結界空間の限界を超え始め病院の精神科では4畳半程の隔離室への移動を考えていた。

幼い頃の真理は美咲の共鳴から逃れようと笑顔をふりまいていたのだ。真理は成長すると共に美咲との共鳴から逃れる事は出来なくなった。本当の自分を知られないように生きている真理は平常心を時々無くしていく自分を感じていた「罪悪感」「殺意」「死」が真理を追い詰め攻め立てるのである。教会にいる神父の勇介は真理と美咲の感情と能力を捉えていたが勇介は神イエス神ゼウス聖母マリアに祈りを捧げる事はなかった。もうすでに真理と美咲の心の中で予兆から前兆へと真理と美咲にある能力が目覚め始め勇介は祈りを捧げても無駄な事を感じていた。そんな日々を送り真理は笑顔を見失っていく美咲のように物静かに空を見上げる事もなくなっていく。真理は何度も教会へ足を運び神イエスや聖母マリヤに向かって祈りを捧げるが、その祈りは神のもとへ届く事はない。しかし祈りを捧げる真理の心の中で囁く言葉があった新たな目に見えない者達との出会いが始まった。
教会の左側の壁からでは「リース」右側の壁からでは「チャーズ」正面からは「フォメ・オ・スタンシス・アイリース・ア・ミーラ」時には「フォメ・オ・スタンシス・アイリース・ア・フォース」と囁かれる。
この囁きは真理と美咲や勇介以外には感じる事も聞こえる事もない、しかしフリーランスの精神科医コナン・グレードは囁く声に気付いていたのかもしれない。真理と美咲に関わる者達が、この先に降りかかる運命の前兆でもあったのかもしれない。
美咲と同じ感情と能力に気付いていく真理は苦しみに耐え乗り越え幼き頃の診療所の待合室での過去を振り返ると真理の心の中では全く罪悪感はない。待合室での過去は「小さな天使さん」と呼ばれ患者さん達から可愛がられ笑顔が絶える事がない純粋で穏やかな真理であった。真理の感情と能力は美咲の感情と予兆の能力が重なりつつあり真理が美咲の感情と予兆の能力を受け止めようとしていた時だった。大学病院の医師達は信じられない出来事を見て美咲の事は神父の勇介とフリーランスの精神科医コナン・グレード、看護師資格を持ち特殊な心理学を学んていたセラピストに任せていた。
神父の勇介は美咲の病室の結界空間がどうなるのかと思い様子を見たいとコナン・グレードとセラピスト話すと勇介の能力に気付いていたのか首を縦に振った。美咲の隔離室への移動はしばらくの期間様子を見る事になる。そして真理と美咲を導く為に勇介は2人の家族や周囲で過去の疑問に思う事の答えを探し始める。


チューリップス・シスター第16話

2016-09-18 10:03:29 | 小説チューリップス-シスター



チューリップス・シスター第16話 真理の出会い人

先入観で診療する5人の精神科医達の先入観の視点から切り離す事が出来ない強引な捜査をした刑事達と制服の警察官には父直継の自殺や母高子の失踪、差別、誹謗中傷の罪を犯した人間達に罪の償いの為の美咲にとっての「復讐」という予兆の能力とは正義だった。美咲の復讐という能力が不完全である事に気付いていたのは神イエスや神ゼウスと聖霊や天使の他には教会の神父とフリーランスの精神科医コナングレードだけだった。セラピストは寄り添うだけだったが美咲にとってはビショップ理解してくれる従者として気付いていたのかもしれない。しかし日本にはいない神父の甥は真理の心に世界の神々のゼラトウスと神イエスから認められた能力でイメージしたものを神イエスを透し伝令を出していた。それは美咲の能力に真理の能力を転送するよう伝えていた何故かこの時に止められるのは真理の中で眠っている能力だけで双子ならではの能力だけだった。しかし誰も美咲の能力ならでの行動を止める事なく美咲を自由にしていた真理が自分の予兆の能力に心の中で見つめ気付き心の中で受け止め心の扉が開けるよう導いていたのだ。この時の真理は自分の予兆の能力を受け止めようとはしない自分自身と叔父夫婦だけを信じて素直に正直に生きられなかった。
神父の甥は真理に美咲と同じように何度も伝令していた。しかし、だ日本へ帰国してはいない神父の甥は真理と美咲と会う事がなく、く離れた外国の地から念じて転送する事しか出来なかった。美咲の予兆の能力の段階は、理よりも懸け離れていたので美咲の3つのうち1つの能力の「復讐」だけにしか真理の予兆の能力の「慈悲」しか重ね合わせる事が出来なかった。その為、大学病院周辺で美咲の予兆の能力で暴風雨、竜巻、雷、地震、停電、そして2人の生命を奪ってしまった。
真理と出会い人とは世界の神々ゼラトウスによって次元の違う夢のようで奇跡のような幻想の世界での出会いから始まる。教会の中で一番前の席の椅子に座る真理、眼をつぶり花々の香りを感じながら誰かの足音はゆっくりと近づいて来る。真理は罪があるとは思う事が出来ず大学病院内で2人の生命を奪ってしまった事で神イエスと聖母マリアに許しを求めている時であった。近づいてくる足音は真理の後ろの方の席の椅子で止まり後ろを振り向かず声が聞こえた。
「振り向かないで叔父の神父はもう聖人として亡くなりました、これからは私がこの教会の神父になります」
この言霊のような音声を真理は言われるままに前を向き目の前にある十字架を見つめていた。
「あなたは、誰ですか、神父さんなのですか」と振り向かずに真理は言った。
「さあ、どうでしょう真理さんなら眼をつぶり神に祈る事に集中すれば見えてくるものがあると思います」と何かを試そうとする返事があった。
真理は教会の中に響く言霊に導かれ試そうとする声に従い真理は過去を振り返ると教会の中の光景が一変した。教会の中一面にはチューリップが咲き乱れる雨上がりのダブルレインボー太陽の光を浴びてホワイトレインボー月光を浴びてルナレインボー、3つの建物が見える幼き子供が2人真理と美咲がいるチューリップ畑の中で2人遊んでいる真理と美咲は父母と遊んでいる真理と美咲の父の自殺か事件か警察は自殺と判断、母の不審な失踪は情報がないまま捜査の中止先入観で診療した5人の精神科医の失踪は不審な行方不明、先入観で捜査をした私服の刑事達と制服の警察官の世捨て人として犯罪者の運命と未解決事件、真理と美咲の周辺での事件は全て未解決事件、大学病院で2人の生命を奪った罪悪感、棘のある茨の道を歩く真理自身、美咲と一緒にいる誕生日のケーキとロウソク、真理と美咲が笑顔で火を吹き消す、内科医の叔父と看護師の叔母からの愛情、この順番で真理は今まで生きてきた過去を映像として見ながら思い出すと真理の哀れみ、楽しさ、喜びの感情が動き自然と涙がこぼれた。
世界の神々ゼラトウスの能力のある声の主は真理が生きてきた過去からの経緯を思い出させていた。真理は青空の海原で美咲は森の中の湖で地下にある水脈で繋がり真理の新たな部屋の左右の壁画と美咲の絵画の保管庫の天井に彫刻されているフェニックスで繋がっているが出会い人によって真理の能力と美咲の能力は強く繋がり重なっていく。真理の能力の平和を求めるものと美咲の能力の破滅を求めるものが重なり合う事でフェニックスによって自由と平等と平和への能力となっていくが過去の生い立ちが真理と美咲の能力を邪魔される様になると魔性の邪気を祓いながら倒していくのは出会い人である事を伝えた。
次に真理に自分の過去を振り返りさせ心の中から完全に罪悪感を消し美咲の能力が求めるものを伝え真理自身の能力の全てを受け止めさせる様に導いていく。
美咲の予兆の能力は自然の天候を操り美咲の復讐は美咲とっては正義である。
大学病院では、強盗殺人での前科もあり罪のある2人の生命を奪いその先は次元の違う炎が燃え上がる世界に送った。  
美咲の能力は怒り、憎悪、復讐、美咲の感情は苦しみ、悲しみ、喜びという明暗である。
美咲の明暗とは自分自身の心を開きはっきりさせる事である
真理の能力は憂い、歓喜、慈悲、真理の感情は哀れみ、楽しさ、喜びという陰陽である。
真理の陰陽は自分自身を心の中に閉じ込めてしまう事であった。
この出来事は映像化され、真理に見せていた光景である。
「これが美咲さんと真理さん貴女達の本当の過去の真実です」と声の主は言った。
「私の生き方や感情と思いは迷い間違っていたのですか?」と、声の主に聞いた。
しかし真理の言葉に返事はなかった。それは過去と現実の他には幾つもの次元の違う世界があるという真実を信じるさせる為に真理の運命が導かれている事に自ら気付かせる為に声の主は答える事はなかった。
「真理さん、焦らずにゆっくりと考えてください、きっと気付けると思います」と真理の脳裏をよぎり過ぎる声があった。その声の導きで自ら真理は幻想の世界の光景を自分の心の中で再現していたようだ。
時計の秒針はゆっくりと動いていく。そして教会の中にいる現実に見えたかの様だがまだ次元の違う教会の中で夢か奇跡の幻想の世界にいた。声の主は振り向くよう真理に伝えると真理は声に従い振り向くとそこには金の靴で金色のフードで殆ど顔が見えない全て金色の装いの姿の人物が立っていた。
「私は、美咲さんと会い伝令を話し美咲さんの能力が動かないよう大結界をかけてきました」
「大結界とはなんですか」
「それは、8角形の仮想的な結界という空間で、美咲さんを含め9人の神のしもべによって美咲さんを守る空間です」
「美咲を守るって、美咲が含まれるのですか?」
「美咲さんは、中央にいて一時的に神のしもべとなり結界の中で今は眠りについています」
「あなたは、本当に神父なのですか?何故、全て金色なのですか?」
「今、真理さんが見ているのは次元の違う世界の私が見えているのです」
「次元の違う世界とは?」
「それは現実の世界に戻った後で話しましょう」
この会話で止まっていた時計の針は現実に動き現実の教会の中に戻る。2人の運命に何かを導き働きかける新たな神父と出会う事で真理が祈りをやめ椅子に座った時だった隣の席にはフードつきの金色の柄のある白い装いで神父の姿の男性が座っていた。
「はじめまして真理さん」
「え?何が起きたのですか」
「真理さんと美咲さんの為に今、隣にいるんです、僕は神父ですよ」
「私が見ていたのは金だらけの姿でしたが」
「今は現実の世界です、全て金色に見えていたのは錬金術で、貧しい方々には生活の為に金を渡すのです」
「それはどういう事ですか?」
「幻想の世界を創り貧しい方々に金を渡し、その方々が現実の世界で金が与えられるという事です」
「私には良くわかりません」
「いいえ、真理さんは気付いているはずです、真理さんの持つ能力というものを」
真理は迷っていたが、神父との会話で真理は自分自身の予兆の能力を正直に話していく。そして美咲との関わりや繋がりについても、また叔父夫婦に対しての思いも正直に話す。
「今気付いたのではなく過去から気付いていたのでしょう罪悪感の苦しさに良く耐え乗り越えられましたね」
「はい、でも私はどうしたらいいのですか」
「能力を持っている自覚と覚悟を持って下さい後は僕達が自然と共に導いていけるかもしれません」
真理は新たな神父との出会いによって罪悪感から解放され以前にいた神父亡き後に甥が神父として教会を引き継いでいた。
神父の甥の彼の名前は「中村勇介」といった。
勇介は、ヨーロッパを中心に回っていたが以前の神父から手紙と遺言の内容に従い後を引き継ぐ事になった。以前に会っていた神父は体調が悪く入院し治療を受けたが治療が及ばず他界された事を勇介は真理に伝えた。勇介は真理に以前いた神父の事を説明をする。しかし叔父の神父は病死ではあったが真理と美咲の苦しみを最小限にするために「神」との契約をしていたことを話す事はしなかった。
「神との契約」とは出来る限り双子姉妹の苦しみを避ける為の祈りを捧げると共に神は神父の寿命を捧げる事を条件としたのだ。神父の心の神の言霊は神イエスから神ゼウスに変わり寿命を長くし真理と美咲を守っていたが新たな神父が日本に戻ると神との契約により神父の命は消された。70才を過ぎていた神父は残りの寿命を真理と美咲にかけた。その頃の神父はこの世界ではない別な世界で何かが起きる事を感じ取っていた。その為に必要な能力は真理と美咲に与えられている事を全て知っていたのだ。そして神父の甥がが今後の真理と美咲の運命に関わる事を感じ取っていた。真理が和服を着て教会に来ている姿には勇介はふれず声をかけた。勇介の声には特徴があり話をする。その声には相手の心に響くそして優しく包み込むような話し方であった。真理は表情を変えない勇介の話しを聞いていると「心が癒される」そんな感じを受けていた。勇介に真理は罪の意識の話をして良いものか迷いながら立ち上がり去ろうとした時である。
「真理さんですね僕達は美咲さんの事も知っています」と再び勇介は真理に声をかけた。
そして以前の神父からの遺言の話をはじめた。「もし双子の姉妹と出会う事があったら苦しみから解き放ってあげて欲しい」という事だった。
他界された神父から真理と美咲の事を手紙で知らされていたという。
真理は話したいと思っても、いつもの自分ではない感覚があり言葉が声が発声する事ができずにいた。
椅子に座り真理は美咲の事を考えはじめる。
勇介は真理と少し距離をおき、ただ立たずんでいた真理が美咲のことを考えている事を勇介は感じ取っていた。
勇介は以前の神父やコナングレードと同様の能力や世界の神々ゼラトウス等の多くの能力を持っていた。
「美咲さんは元気です貴女を見ていると美咲さんの魂を感じます陽の光を浴びて真理さんを見てる姿を感じます」
この出会いが真理と美咲の運命を変えこれから真理と美咲のこれからの行く末を勇介は導いていく事になる。
「苦しい時には素直に苦しみなさい、苦しみの先に喜びがあるはずですよ、必ず」
勇介は真理に声をかけた。
真理はまるで全てを知るかのように話をする勇介が不思議であったが真理にとっては信じられる存在である事を気付き知った。突然、勇介は真理と美咲の過去の事を話してもらいたいと声をかけた。
真理は話す事を躊躇(ちゅうちょ)していたが美咲が共鳴し真理に言葉を与え話しはじめた。
「真理さんは自分の言葉で話してはいませんね、美咲さんの言葉のように感じます」
勇介は真理と美咲が共鳴するものとは、どういう能力の持ち主かを確認していた。そして真理と美咲の3つの感情と3つの能力が共鳴し重なり合った時でもある。勇介は真理や美咲のように共鳴する事は出来ないが敏感に何かを感じる能力を持っていた。
この日から勇介は不自然に思える事に疑問を持ち、この世の現実だけでなく真理と美咲の観る別の世界を感じながら疑問を一つ一つ解いていく。真理の苦しむ姿を勇介は映像化して心の中に残している。何故かその過去が勇介には真理と美咲の今後の導き方に必要だったのかもしれない。


チューリップス・シスター第15話

2016-09-13 08:04:53 | 小説チューリップス-シスター



チューリップス・シスター第15話 真理の罪悪感

大学病院の精神科に入院している美咲は真理の夢の絵や自然の風景や花の絵を描きながら、予兆の能力と感情、怒り、憎悪、復讐で自然の天候を操り聖域外の大学病院を中心に周辺地域で暴風雨、竜巻、雷、地震、停電を起こしていた。そして、大学病院内で罪なき苦しみの中で2人の犠牲者を出してしまう。
真理の予兆の能力と感情は、憂い、歓喜、慈悲であったが、この時の真理は神イエスと聖霊や天使による導きに従う事はなく、心の迷いにより慈悲の能力だけを美咲の復讐という能力に重ね合わせる事しか出来ない状況であった。救命病棟にいた手術後に酸素吸入をしている患者は窒息死で命を奪われ人工呼吸器を使用していた患者は人工呼吸器のスイッチが入らず窒息死で命を奪われた事で美咲の予兆の能力に全ての感情を重ね合わせる事が出来ず真理は心に初めての罪悪感という傷を負ってしまった。真理よりも美咲の予兆の能力の開化の段階は進んでいたが初めての罪悪感という心の傷は神イエスと聖霊や天使による導き方が変わり真理の予兆の能力の開化の段階を進めていく。
大学へ進み医学部を専攻し精神医療を学ぶ真理は講義を受ける前から講義の内容を知ってしまう。試験問題も先に知ってしまいレポートの提出も書く内容がすでにまとまっていた。この頃には神イエスと聖霊や天使による導き方も変わりながら真理の持つ予兆の能力は動きはじめていくが導きは棘(とげ)のある茨(いばら)の道を歩かせ苦難と試練であった。
真理の心の中での迷いと心の弱さから心に強さを持てるよう美咲と同じように覚悟を持たせる為あえて苦難と試練を与える事になった。
真理が入学した大学は美咲が入院している大学病院付属の大学である。真理と美咲は聖域外の少し離れた場所にいるが真理は教会を中心とした半径5キロ圏内の聖域にある叔父夫婦の家から通っていた。毎日のように真理は夢をみるようになり、その夢は神イエスと聖霊や天使、美咲が夢を見させながら予兆の能力の開化の段階を美咲と同様の段階へと導く事になる。しかし苦難と試練を与えられた真理は自分の予兆の能力を気付いていたが何も知らないふりをするのだ。何も見えない知らないという感情を持つ真理には神イエスと聖霊や天使から苦しむ思いが強く与えられていく。真理はその強くなる苦痛感に耐えながら大学へ通いながら人生を送る。この苦痛感は真理に罪悪感を与えると共に美咲にはない心の強さを与えていく真理は知らないふりをするが自然と苦難と試練を乗り越えていくようになる。その強さを持てば持つほど神イエスと聖霊や天使による導き方は更に真理に罪悪感が強く感じるようにさせる。神イエスと聖霊や天使による導き方とは過去をさかのぼり自殺や殺人事件があった事、容疑者になった事を思い出させる。真理の心の中にある更なる罪悪感を持たせる事で直接的な真理自身ではなく真理の心の中にある予兆の能力へと侵入し美咲と同じ予兆の能力の開化の段階になるよう導いていく。
双子で進化する能力を持つ真理と美咲の繋がるバランスを保つ為バランスが保てなければ更に生命や運命に関わらず犠牲者が増えていく可能性があった。また真理と美咲の3つの予兆の能力と3つ感情が重なり合う事が出来れば現実の世界と次元の違う非現実の世界で人類を良き方向へ人類を導く事が出来る可能性もあった。
真理が持つ3つの感情と3つの能力は「平和」を意味し望んでいたが美咲の持つ3つの感情と3つの能力は「破滅」を意味し望んでいた。
美咲が聖域外の大学病院での犠牲者をつくってしまった出来事は全ての責任は美咲が負う事になるはずだった。しかし真理は現実の世界で生きている事で自分を隠しながら美咲からのメッセージは真理の持つ予兆の全ての能力には届かず真理はどんなに努力しても慈悲の能力を美咲の復讐の能力に重ねる事しか出来なかった。現実だけの世界で大学の医学部へ通う事で責任感という感情を持つ事で真理は自分の責任だと思ってしまう。美咲の心の中にある世界は現実の世界と次元の違う世界があった大学病院の精神科の部屋の中で次元の違う世界の中で美咲は能力を使っていた為、責任感という感情は全くない。現実の世界にはいない心の中にある神イエスと聖霊や天使は真理と美咲の予兆の能力を試しながら様子を見ていた。大学病院内での犠牲者には訳ありで事件を犯した前科を持った人物であり刑務所で出会い出所後で犠牲になった2人は強盗殺人の事件捜査で容疑者でもあった。たまに病院へ来ては美咲に会いに来る警察官達が捜査していた事は美咲は心の中にある感情の悲しみと復讐という予兆の能力を使い強盗殺人事件の容疑者である事を知っていた。しかし真理にも次元の違う世界が心の中にあったが現実の世界だけを信じていた為、真理は犠牲者の2人が強盗殺人の容疑者である事を知る事はなく責任感から罪悪感を抱いてしまった。
真理が神イエスと聖霊や天使によって導かれている事は様々な能力を開化した神イエスが認めた神父の甥が伝道師として受け止めていた。神父の甥は心や体全体には神イエスと聖霊や天使が完全に宿り伝道師となり他に多くの能力を持つようになると、神父の心の神の言霊には木霊のように伝令しコナン・グレードの霊と接触できる霊能力へ伝令し伝道師として真理の全てを伝えていた。真理の罪悪感は海の渦のうねりに吸い込まれるように心の中で黒い陰(いん)を作り出し苦しみ迷いながら幼き頃からの陽(よう)の笑顔が消えていく。この頃の真理の哀れみや楽しさや喜びでの感情は陰陽(影と日向)を創り出し自分自身の大切な感情を心の中の奥底に閉じ込めてしまう。
美咲の状態は感情や能力を一時的に落ち着かせ真理の予兆の能力が美咲に近づくのを待つ事になる。美咲の状態は一時的に落ち着くと罪悪感から不眠状態が続いていたが布団に入る真理は寝つきが良くなり同じ夢を見る様になった。真理は現実の世界に存在している。しかし真理は育ての親の叔父夫婦ではなく美咲と影だけの別人の姿を夢なのか幻想なのかオーロラのベールに包まれている感覚がありそれは美咲からのメッセージかそれとも神イエスそれともいったい誰が?真理と美咲は聖人として認められ20才になり成人式を迎える事になるが双子姉妹の成人式に出席する事が出来なかった。
美咲は、入院をしている為、成人式に出席をする事はないが叔父夫婦からの贈り物とメッセージカードや修道院の施設の職員や子供達から花束が病院へ届けられた。
真理の成長と共に美咲の事を記憶から薄れ忘れかけていた叔父夫婦は神父の言葉に従い叔父夫婦の姿は真理と同様に罪の意識を持つようになり教会で許しを求めていた。真理は叔父夫婦が仕立ててくれた和服を着て成人式へ向かったのだが素直で正直で優しい風に乗り入院している美咲の声が聞こえた。
「真理、おめでとう」
本来であれば2人で成人になった喜びと成人式を迎えるはずだった。美咲の囁く声を聞いた真理は式場にはいかずに教会へ向かう。真理の持つ罪悪感から救われたいという気持ちが教会へ足を向けたのだ。真理は和服姿で駆け込んだ教会には初めて教会に入ると以前の神父はいなかったが教会の中ではローソクの灯火で輝いていた。神父のいない教会で和服姿で膝をつき神イエスキリストや聖母マリヤに罪の許しをもらいたくて溢れる涙を抑えながら祈りを捧げ続ける。真理は美咲があのような状態におかれているのは自分のせいだと思っていたが罪悪感を全く感じる事はなかった。双子の姉妹の間には心の奥深くにある信じられない能力で繋がっていたからかもしれない。
美咲は真理に対して憎しむ感情は持たず苦難と試練の苦しみに耐え続ける姿に尊敬の気持ちを持っていた。真理は、その苦しみに耐える事で美咲にはない能力を与えられる事になるがその能力は暖かく揺り篭の中で揺れている。真理は罪悪感ではなく苦難と試練で苦しみながら心の中で叫んでいた。
「これまでの生活が壊れていくのは、人として精神科医として、どうしてもできない」
3才の真理は美咲から離れた事で導かれる運命が別れてしまった。真理があの時、美咲から離れなければ同じ運命を辿ったはず。美咲は自分を正直に生きている姿を見せているが真理にも同じものが見えているのに見えないふりをして美咲のようになりたくなかった。
「真理も見えるでしょ」と、美咲に良く言われている。
真理は不信な思いを人に気づかれたくなくて何も見えないふりをしていた。真理は自分のせいで美咲に苦しい思いをさせてしまっているのだと思ってしまう。真理は両手を握りしめ胸に手を当て祈りを捧げると教会の中にチューリップがたくさん咲き誇り始めそして何かに暖かく包まれるような感覚に陥った。その感覚に陥った時には真理に見えるものは母のお腹の中にいた頃から現在までの人生が映し出された。真理は時間が止まったような時間が流れるような感覚であった。離れていた美咲の生活の状況や父の直継の姿や母の高子の姿が鮮明に映像化され脳裏に流れていく。その映し出されるものによって一時的ではあるが苦しみから解放された。真理は抱くの苦しみを感じ耐える事で教会にいる間は苦しみから解放されたのだと思った。そして新たな時間がまわりはじめる。暖かく包み込まれた真理に、ある出会いがあった。
真理の後ろの教会の観音扉が静かに開いていく事に暖かい輝く光りが拡がってきた。
その光りと共に、後ろからゆっくりと足音が近づいてきたのである。
「カツンッ、カツンッ、カツンッ、・・・」
ここで真理の夢の中の幻想の世界が終わり目が覚めると真理の心の中の苦しみの罪悪感は消え棘(とげ)のある茨(いばら)道も消えた。
「どうして眠れるの、いつも同じ夢ばかり」と真理は思った。
「真理さん、いつの日か、会いましょう」という言霊が真理の脳裏を通り過ぎた。
夢を見続け罪悪感を真理から解き放ったのは、神イエス、聖霊、天使、女神、美咲、神父、フリーランスの精神科医ではなく真理が今後に出会う多くの能力を持った相手だった。


チューリップス・シスター第14話

2016-09-08 07:29:27 | 小説チューリップス-シスター



チューリップス・シスター第14話 美咲のメッセージ

美咲の絵画の保管庫の天井には角と天使の羽を持つフェニックスの2頭が彫刻され物心がついた時期に真理の部屋では真理自身が壁の上部にフェニックスの2頭を壁画に描いていた。真理が描いたものは保管庫の天井にあるフェニックス2頭の彫刻と模写したように同じ構図だったが真理の部屋の中の壁画の左右に1頭ずつ描かれていた。物心を持つ事によって真理と美咲は細い糸位の地下の水脈で繋がっていた時期でもある。当時に神父が病院へ訪問すると真理は待合室で患者達と絵本をもって笑顔で接していた為に真理に声をかける事はなかった。真理の部屋は以前の部屋ではなく新しく広い部屋となっていた為に看護師の叔母に会い真理の部屋を観たいと伝え新しい真理の部屋へと歩き向かう。幼い頃は叔父夫婦と共に暮らしていたが考える事、思う事、心の成長等プライバシー面を叔父夫婦は考えリフォームをして改築と増築していた。
「とても広くて、きれいなりましたね」
「空いている敷地があってもったいないと言われた神父さんのおかげですよ、真理も大きくなりました」
「壁画はどうなりました?少し気になりましたので」
「実は以前と同じではなく全く違うんです真理が初めて趣味でステンドグラスで絵を描いたんですよ」
神父は新しい真理の部屋に入ると正面にはガラス張りだが3面に別れ中央部は日当りの良い窓の左右には聖母マリアと神イエスがステンドグラスで作られ描かれていた。
「この正面左右のステンドグラスは真理さんが作ったのですか?」
「はい、神父さん、たまたまカルチャークラブで興味を持ったみたいです」
神父は新しい部屋の生活環境で真理は成長を続けていると思う、そして入院している美咲の事を思い浮かべると真理は何らかの美咲からのメッセージがあったのかと心で感じていた。左右の壁には窓が2つずつ壁の上方には2頭のフェニックスの絵が左右に1頭ずつありフェニックスに乗る女神の姿があり美咲の保管部屋の天井にあるフェニックスと同じ表現の仕方でまるで彫刻されたものを壁画で模写したようだと思った。
フェニックスは自由と平等と平和の象徴である。ステンドグラスと新しい壁画を観ると離れていても真理と美咲は水脈で繋がり真理の能力と美咲の能力も徐々に繋がりつつあった。
「まだ予兆ではある能力だが誰にも聞こえない真理と美咲は鐘の音を鳴らし強い繋がりになろうとしているのかもしれない」
神父は心で思うと心の神の言霊は響き神父の心に今後の真理と美咲の運命の様なものの光景がまた脳裏に薄っすらと浮かび上がる。
世捨て人になった元警察官達の犯した罪は未解決事件や先入観から誤認逮捕となるが未解決事件や誤認逮捕は美咲だけの予兆の能力だけではなく神イエスと聖霊と天使が導き死神が元警察官の心の中に宿るが神父は他からの言霊や伝令による導きがあったのではないかと考えていた。それは、ビショップ的なセラピストとの信頼関係とコナンの父母から与えられた霊能力が関わっているのか真理の「慈悲」という感情でも導かれ、他には神父の甥の能力も働いていたのではないかとも考える。現実の世界に元警察官達の生命と魂があるという神父の感覚、神父の心の神の言霊が感じるもの世界にいるエクソシストやシャーマン、日本では陰陽師等あらゆる者達が真理と美咲に関与したのではないかと神父は思えるようになった。真理の心の中では真理は幸せに生きていると神父が思うように現実の真理の心は動いてはいなかった。
真理の見る夢の絵を描きながら美咲は花の絵を描き真理にメッセージを送っていた。美咲の心の神の囁きは真理の心にある本当の能力という扉を開かせようとする。真理の「魂」は常に能力の扉を開く事を拒み続ける事でその代わりに神イエスと聖霊や天使によって苦しい思いを与えられてしまう。神イエスと聖霊や天使は真理にも美咲と同じように予兆の能力の段階を同じようにする導きがあったが、その導きを真理は美咲と生活環境の違いによって神よりも自分を信じてしまった。真理は神イエスと聖霊や天使からの導きに気付いてはいたが叔父夫婦との生活を考えると心の中で葛藤がはじまる。

美咲は絵を描くが真理に夢をみさせているのは美咲であった。美咲は「神イエスと聖霊や天使からの声」を聞き囁いている。そして真理に何度もメッセージを送り続けていた。真理が神イエスと聖霊や天使による苦しい思いからの解放の為に美咲は自分自身で入院する事を選んだ要因の1つだった。聖域を離れた場所の病院では美咲は自分自身の予兆がどれだけの能力かを試したい思いに、真理よりも先に自分自身の予兆の能力に気付いていた。美咲は自分自身の心にある隠された感情である怒り、憎悪、復讐の能力で、聖域外の大学病院で自然の天候を操りながら暴風雨、雷、竜巻、地震、停電を起こしていた。真理の心の中にある本当にある能力で美咲との共通する能力を発揮できるか美咲自身では3つの感情でしか試す事は出来なかった。
真理の精神症状と予兆の能力が限界に達すると美咲は囁きをやめる。美咲の心の囁きに耐えられる真理に戻ると囁きをはじめる繰り返しだった。幼き頃から自分の予兆の能力を隠し生きていた真理は美咲の生き方を否定する気持ちを抱き思う事もあった。そうしなければ今の自分を否定する事だという思、美咲は妹だと思いながらも真理は、どちらを選択するか迷っていた時期だった。しかし美咲は神イエスと聖霊や天使による導きに従い真理に自分の能力を早く気付けるよう真理の心の中にある「時間の扉」という予兆の能力が発揮できるように導いていた。真理の「時間の扉」を開く事で真理と美咲の心を強く結びつけるのだが真理は気付いていても気づく事が出来ない振りをしていた。真理は現実の生活の中で美咲への診療が出来るのではないかという思いがあったからだった。年月が過ぎて美咲と現実の世界で互いに寄り添って生きて行きたいという真理と美咲のすれ違いの思いがあった。真理の感情とは憂い、歓喜、慈悲であり美咲とは全く反対の感情で一部の人物達にしか解から、双子である事は誰もが知っている事である。

真理は、大学にいても何処にいても、苦しみから逃れる事は出来なかった。真理は、もしかすると表向きでは「哀れみ、楽しさ、喜び」を表現しているが影の部分では「怒り、苦痛、憎悪」を美咲よりも強く持っているのではないか。神父の心の神の言霊は神イエスからの伝令により真理と美咲の本当の姿を神父に教えていた。
美咲の能力とは怒り、憎悪、復讐、感情とは苦しみも悲しみも喜びでの明暗とは自分自身の心を開きはっきりさせる事である。真理の能力とは憂い、歓喜、慈悲、感情とは哀れみや楽しさや喜びでの陰陽とは自分自身を心の中で閉じ込めてしまう事である。
真理と美咲の喜びという感情だけが共有され、それは幼き頃の年1回の誕生日を思い出させる。真理だけにある心に1つの隠された怒り、苦痛、憎悪の感情は、美咲よりも強く抱いてしまっている事を神父は心の神の言霊の囁きによって感じとっていた。この世でも次元の違う別の世界で真理と美咲が共に苦痛を味わっている中で現実の世界にいる精神科医や臨床心理士は、美咲の気持ちは落ち着いてきていると考え判断をしフリーランスの精神科医に任せる事になった。その判断を警察官に伝えた為で美咲のもとへ警察官は足を運んでいた。
「私に任せてくれるなら警察官には何も言わず美咲さんの花の絵だけを見せて下さい」
大学病院の精神科医はコナングレードから言われたとおりに夢の絵を警察官に見せる事はせず花の絵だけを見せるだけだった。コナングレードが花の絵だけを見せるだけと伝えたのは、その美咲の絵が捜査の終わりを物語り捜査する事をやめさせる手段であった。警察官達は先入観からの捜査ではなく真実を明らかにする事だけが目的だった。
「神と聖霊の元に導かれているのでしょう」と神父は話す。
「精神的には治療をする必要ありません安静にし休息を取り見守る事が必要です」とコナングレードは話す。「さぁどうでしょう私は治療は出来ません、ただ寄り添い不安を取り除くだけです」とセラピストは言うだけである。神父とフリーランスの精神科医やセラピストは、いつも同じ言葉で話をし詳しい情報を得る事が出来ず幾度となく警察官は様子を見るだけで真実を知る事はなかった。たとえ真実を伝えたとしても警察官達は信じる事は出来ないだろうというのが3人の考えや思いである。
あの農園跡地に咲いていた花ばかりを描き続ける理由は真理が新たな彼との出会いによって知る事になる。心の中で苦しみと葛藤をする真理は病院へ行くが玄関前で帰っていき美咲に合う必要がなかった。真理は美咲の全てを感じ取っていたからこそ病室に行く事もなく美咲の部屋の窓を外から見るだけで良かった。大学病院の玄関前に行くだけで強い感情を抱く美咲の気持ちと描いてるものが何を指しているかを理解し真理は本当の自分自身を知る事になる。警察官は美咲に注目していた為大学生の真理に会う事はなかった真実を知ったとしても理解する事は出来ない聴取し調書の記録を書いても消えてしまう。
真理は、修道院の施設に入っていた美咲の心の奥深くにある全ての予兆の能力と感情を理解し知っていた。描き続けている絵は、全てメッセージである事も知っていた。美咲の苦しみも、悲しみも、喜びも、怒り、憎悪、復讐の感情を全て真理の記憶に残されている。しかし美咲は怒り、憎悪、復讐の感情だけで自分自身を表現していた。真理の予兆の能力は、美咲に復讐の感情へ慈悲の感情を重ねる事が精一杯だった。この時の真理は神イエスと聖霊や天使による導きに従う事はなかった為、自分の持つ能力のコントロールが出来ずにいた。そして大学病院内で罪なき苦しみの中で2人の犠牲者を出してしまう。救命病棟にいた術後に酸素吸入をしている患者は窒息死、人工呼吸器を使用していた患者は人工呼吸器のスイッチが入らず窒息死で命を奪われた事で心に罪悪感という傷を負ってしまう。
入院するタイミングは偶然でなく必然的で入院の時を美咲は待っていた。本当の真理は憎しみが強く、その美咲が抱く憎悪で苦しんでいた。美咲は、すでに真理が精神科医になる事を知っていたようだ。
真理を精神科医に導いたのは姿なき声として美咲の囁きによるものであった。それは花の絵の中に描かれていた、あの一枚の後ろ姿の絵である。2本の花、一人の後ろ姿の絵は真理へのメッセージでもあった。真理はその都度、美咲からメッセージを受取っていたが迷いの中にいる真理は行動に移す事が出来ず誰にも話す事は出来なかった。迷いの中いる真理を神父は待っていたが真理は神父に会う事に不安と恐怖を感じていた。それは自分自身に気付いていても真実を言葉で言われたくはなかったようだ。
「今の生活を壊されたくはない、には将来があるから、その時がきたら、咲に会いに行くね、ごめんね」
「真理、いつまでも待ってるね謝まる事はないからね」
これまでの真理と美咲の関係、能力をもし伝えたとしても誰も信じてもらえる事はないだろう。真理は早く精神科医にならなければならないと思っていた。美咲を治療ができる、それだけではなく真理は自分の持つ能力を隠し現実的に精神科医として生きられると考えていた。真理は美咲のように、この時は素直で正直に生きる事が出来なかった。