goo blog サービス終了のお知らせ 

宮古島サンゴ礁ガイドのなかまたち(RISMI)

活動記録や生物の紹介とか。マメな更新ができていませんが… m(_ _)m posted by コモン

4月定例会

2021-04-09 | 活動報告
3ヵ月ぶりの定例会となりました。


コロナ対策で十分すぎるほどの間隔をとっています。
ガラガラに見えるな…(^^;;)

今回の勉強会のテーマは、
海産貝類その2「砂浜・アマモ場の貝類」デス。

《要点》
  • 宮古諸島周辺には、アマモ場や清浄な砂質海底が広く分布する。
  • 砂質底には、ツキガイ科、ザルガイ科、ニッコウガイ科の二枚貝類が多く見られる。
  • ツキガイ科には、体内に共生する化学合成細菌がつくる硫化物を栄養にしている種があり、その分布には冷泉や湧水との関連性が指摘されている
    ⇒ 代表種:ウラキツキガイ(食用種)。1980年代後半以降、激減。
  • ザルガイ科には、体内に共生する渦鞭毛藻がつくる光合成産物を栄養にしている種があり、その分布には海水の透明度の高さが関係している。
    ⇒ 代表種:シャコガイ類(食用種)、カワラガイ(絶滅危惧種)
  • ニッコウガイ科は、海底表面の付着珪藻や有機物を、長く伸びる水管で掃除機のように吸引してエサをとる。その分布には高い透明度と地下湧水が関係している。
  • 巻き貝は、マクラガイ類、タケノコガイ類が豊富。クロトゲホネガイが分布する場所もある。
  • 宮古諸島は河川が発達しないため、沖縄本島や八重山に比べると赤土流出は少なく、清浄な海底環境が残されている。それでも汚染が進んでおり、貝類の生息状況としては劣悪な状況も見られるようになった。
────────────────────
さて、今後の予定です。
  • 当面、一般参加や飲食を伴う活動は休止します。
  • 次回は、5月30日に観察会と総会を予定していますが、実際に開催するかどうかは、1週間前に会長と顧問で相談して決定、皆さんにお知らせしたいと思います。
  • 6月以降は、毎月第一金曜日に定例会を予定しますが、これも1週間前に開催の可否をお知らせいたします。
いったんは収まりかかったコロナですが、沖縄本島では急拡大。
宮古も連日、数名程度ながら感染者が出ています。
皆さん、どうぞ感染にはお気をつけください。


1月定例会

2021-01-09 | 活動報告
1月定例会での勉強会テーマは、
宮古島市史自然編より「海の貝類」を取り上げました。
これまで1回1節を取り上げてきましたが、
海の貝類はボリュームがたっぷりあるほか、
コロナ対策として勉強会の時間を短くするため、
海の貝類は、何回かに分けて解説することになりました。
今回は、汽水・塩性湿地に棲む貝類です。

<写真撮るの忘れたー

要旨は… 
  • マングローブ林を主体とする塩性湿地には、オカミミガイ類を中心に多様な貝類が分布する。
  • 海産貝類では数少ない宮古島市の固有種として、デリケートカドカドという巻貝が見つかっている。
  • 宮古の塩性湿地ではイロタマキビ、オハグロガキモドキ類、ヒバリガイモドキの一種などが普遍的に観察される。
  • 大浦湾、嘉手苅入江、与那覇湾奥、島尻マングローブ林、国仲水路北側などでは、赤土の流入・堆積、遊歩道整備、生活排水などの影響を受け、貝類相は非常に貧弱となっている。
  • 国仲水路のマングローブ林では、八重山からの人為移入が疑われるキバウミニナの個体群が確認されていて、生態系の攪乱が懸念される。
────────────────────
活動計画では、1月30日未明に夜間観察会を予定していましたが、
コロナ感染拡大を受け、中止することとなりました。
  • 屋外の少人数活動なので感染リスクは低いと思われる。
  • けれど、風邪引いたらコロナと判別しづらい。
  • 睡眠不足、体調不良はコロナ感染時に重篤化を招く恐れがある。
というのが、中止の理由です。
そのため、次回の活動は2月5日(金)の定例会です。


12月定例会

2020-12-04 | 活動報告
12月定例会での勉強会テーマは、
宮古島市史自然編より「造礁サンゴ」を取り上げました。

<カメラ忘れたー

要旨は…
  • 「造礁サンゴ」という用語は、共生藻の有無により定義される「有藻性サンゴ」とすることが提唱されている。
  • 宮古で最も古いサンゴの調査記録は、1967年潜水艇による水産資源調査。
  • 宮古のサンゴ分布を広域的に調査したのは、1992年(環境庁)、2011~2012年(沖縄県)が代表2例。いずれもサンゴが豊富にある場所は限られている。
  • 環境省のモニタリングサイト1000による調査では、調査地点が14箇所しかないが、同じ調査方法で比較可能な記録が2004年から蓄積されている。
  • 砂地でハマサンゴが優占する場所は、30%ぐらいの被度を維持する。
  • 岩礁でミドリイシ類が優占する場所は、オニヒトデや白化現象の影響を受けると、1~2年の短期間で被度が激減する。撹乱要因がなくなり、サンゴ幼生の大量加入があると5~8年ほどで被度50%程度に回復する、または回復する可能性が高い。
という具合。
宮総実でサンゴ講話の話題も交えながら、解説しました。

ところで、今回の定例会参加をさいごに、
長年、連絡係兼記録係を担当してくださった
森さんが宮古を離れることになりました。
会の事務、観察会の運営ともに積極的に関わってくれた森さん。
どうもお疲れ様でした。そして、ありがとう。


FMみやこ「クールチョイス」収録

2020-11-18 | 活動報告
FMみやこさんのご厚意により、再度(!)
「COOL CHOICE(クールチョイス)宮古島」に、
出演させていただきました。

パーソナリティの與那覇さんの上手な誘導で、
友利会長と梶原顧問で、RISMIの活動近況などについて
紹介させていただきました。

11月24日(月) から12月6日(日)の間1日2回、
同じ内容の放送が1週間×2回放送されます。
 ●平日 07:20 & 12:50
 ●土曜 07:50 & 17:40
 ●日曜 08:40 & 14:40

FMみやこのHPでネット放送もされていますので、
良かったらお聞きください




宮古総合実業高校でサンゴのおはなし

2020-11-09 | 活動報告
会長の友利と顧問の梶原の二人で、宮古総合実業高校にお邪魔しました。
学校のご厚意で環境学習の時間をとってもらい食と環境学科1年生約30人に
サンゴとサンゴをとりまく生態系の基本について解説し、
宮古のサンゴ礁の移り変わりと保全の問題についてお話ししました。

お話し中のようす。

お話し中の様子、その2。MTVが取材に来てくれました。

生徒さんたちには、冊子「宮古のサンゴ礁」を配布。
それを参照してもらいながら講話を進めました。

講話終了後は、報道関係者同席で冊子の贈呈。
全校生徒&全教職員分として500部を進呈しました。
段ボール3箱の一部を、生徒さん代表が受け取ってくれました。
生徒さん、贈呈式に付き合ってくれてありがとう。

今年はコロナのおかげで一般向けの活動ができませんでしたが、
講話&冊子を通して、少しでも地元の自然に目を向けてくれたら
嬉しいです。いい機会を与えてくださった総合実業高校の
教職員の皆さま、ありがとうございました。