沖縄県サンゴ礁保全推進協議会&沖縄県自然保護課の主催で、サンゴ礁保全のワークショップがありました。主催スタッフの方からの参加呼びかけに、RISMIから4名がワークショップに参加しました。
ワークショップは2部構成。第1部は、海の自然史研究所の藤田喜久博士の「宮古島の自然環境の重要性について」という標題での講演です。普段何気なく見ている私たちの自然環境が、いかに多様性に富んでいるかを紹介して下さいました。サンゴのすき間にはこんなカニ、砂地の海底にはこんなカニ、海中洞窟にはこんなカニ、干潟にはこんなカニ、潮上帯の転石にはこんなカニ、という具合に、カニという一つの生物グループ一つをとっても多様な生息環境に合わせて、そこに棲むカニにも多様であるとの説明はとても説得力がありました(ほんと、カニが好きなんですね、藤田先生)。
「サンゴ礁保全と一口に言っても、人によって「サンゴ礁」の意味、関わり方、捉え方が違えば、アプローチやゴールも違うはずで、その辺の認識が同じなのか違うのかははっきり理解した上で、議論しないと不毛な対立のもとになる」、と言う趣旨の締めくくりが印象的でした。
第2部は、ワークショップ本編です。10数名の参加者で、自分にとってのサンゴ礁認識やサンゴ礁保全の課題などについて意見を出し合いました。コーディネーター役の平井和也さん(海の自然史研究所)の進行で、いくつかの問いかけに対して、参加者が付箋紙に思い思いの意見を書きこみ、掲示板上で付箋紙を並び替えることで、意見の分類・集約を図っていきます。初っぱなの質問、「あなたにとって、なぜサンゴ礁が大事なの」、には参加者一同、意外に頭をひねってしまいました。サンゴ礁は大事という、つい当たり前だと思いこんでいる前提が、かなりぐらついた瞬間でした。「あなたにとって」がポイントですね。
時間的な制約もありましたし、この手の議論はすぐに結論が出る性質のものでもないので、参加者が互いにいろんな視点をもっているんだな、ということが分かったことが収穫でした。
この記事はRISMIの旧HP@Yahooからの引っ越し記事(超後日更新)です。