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亡念のザムド 第25話「ナキアミとサンノオバ」

2009年09月30日 | 亡念のザムド
ナキアミとサンノオバが静かに、アキユキとヒルケン皇帝は激しくと対極の雰囲気で語り合っているように見えます。
が、本質的にはどちらも真摯に向き合って話しているのだと思いました。
ヒルケン皇帝の声を担当している古谷さんの朗読のおかげかもしれませんが、「私の敵はどこにいる」という詩の朗読が落ち着いていて噛んで含ませるように、アキユキの耳に届いていたんだと思うのです。
それに「憎しみで向かい合ってはいけない」というナキアミの言葉を実践するアキユキ。
途中で加わったクジレイカにもそれを教えます。
妹のことを心配して大事に想っていたのは、すでに亡くなった母ではなく、クジレイカが否定した姉だった。
事実を知って涙を流すクジレイカ。
気付くのが遅かったけれど、今からでもやり直しは効くんじゃないかと思える涙でした。

しかし、禊を終えたナキアミは自らをヒルコに変化させたサンノオバを携えてルイコンの流れに身を投じるのでした。
サンノオバの役目は代々の皇帝を取り上げる産婆だった。
生まれながらにして死んでいる体にヒルコを無理やり埋め込まれた皇帝には名前が無い。
ヒルコを埋め込まれた己はもう一人のアキユキだった、と語るヒルケン皇帝にアキユキは自分の名前を与えるのでした。



今更になって気付いた事なんですが、ナキアミとサンノオバの刺青って同じ模様なんですね。
そして最後にお母さんと呼ぶから…ひょっとして本当に親子だったんでしょうか?
(母なる海、母なる大地のような)抽象的な母親ってことだったのか…。
シロザはどういう存在なのか、他のジバシリの子達とは雰囲気が全く違いますね。
でも、サンノオバに従ってるのは確かなよう。
後を継いだナキアミの指示にも従ったし…。
サンノオバをここで終わらせると言ってたのにナキアミが一緒にルイコンの流れに入ったのが、よく分からなかった。
でもサンノオバの教えに背いた、疑問を持ったと言ってもサンノオバのことが好きだったという気持ちはよく伝わった。
それはヤンゴとの別れのシーンで更に込み上げてきたというか。
「出来ればお前を生みたかった」
この台詞は凄く染み込む台詞だと思った。


そしてアキユキとハル。
随分離れてしまったけれど、心配で胎動窟の傍から離れられないハル。

まだ伝えてない事がある…

ハルがそう思った瞬間アキユキも言ってない事があるから、先端島で待っててと言葉を寄越します。
タマヨビの力に距離は関係ないのか…!!?
というのは置いといて、お互いが伝えられていない言葉があるから後で会おう、と言うアキユキとハル。
伝えられていない言葉というのはおそらく“好き”か“愛してる”か。
これは確実であろうと思われますが、ここで重要なのは先のナキアミとヤンゴ。
この二人は上記の別れの際に「大好きだ」と言葉を交わしています。
親愛かどうかは関係なく。
この別れを見た時、なんとなくナキアミとヤンゴはもう会えないんじゃないかと思ったのです。
ヤンゴが幼かった故かもしれません、ナキアミの雰囲気を感じ取ったのかもしれません。
ビートカヤックを一人で操縦出来たと言うヤンゴにナキアミが「お前は勘が良いからな」と言った事から後者の方が正しいか、ともかく今想いを伝えなければという気持ちからお互いに「大好きだ」と伝えたのじゃないかと思ったのです。

再会する為に伝えない言葉。
再会出来ないから伝えた言葉。

そして我を失うと知りながらも自分の名前を与えたアキユキ。
再び会うことが出来るという確信があるからなのか…。
というか同姓同名だっているんだから、皇帝と同じ名前だって我を失う必要はないと思うんだが?



次回「大きな石と少女」
遂に最終回です…。


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