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好きなことを書くブログ

by けいぷ
映画、旅行、舞台、いろいろ好きです。
でも、たまに酷評。(笑)
ネタバレ注意!!!

原作は先か後か??

2008-12-25 22:14:37 | 
この前、『容疑者Xの献身』を観て、なかなか面白かったので、原作を読んでみました。

映画の方は、堤さんの演技が素晴らしく、また、ストーリー、特に結末の展開なども面白かったんです。
そのせいか、原作を読んでも映画の印象が強く、どうしても登場人物が映画と重なってしまうのです。

やっぱり、原作を先に読んで映画を観た方が良かったのかな・・・

どちらをより楽しみたいか、とうことですよね。
つまり、トリックやどんでん返しのあるものは、どうしても二回目の方は、先がわかってしまって、インパクトが薄れるワケですから。
映画を優先してたのですが、『容疑者Xの献身』に関しては、原作を優先した方がよかったかもしれません。

ところで、この作品(映画)は、かなり原作に忠実に作っていることがわかりました。
女性の捜査官のみが映画用に作られたキャラクターですが、それは、興業上、しかたありませんね。
実際、原作を損なう程の不自然さはありませんでした。

『容疑者Xの献身』のトリックというか完全犯罪+プランB(←勝手につけました)という構想は、お見事ですな。
トリックによって、アリバイをどのように作るか、つまりアリバイ工作のバリエーションは多々あると思いますが、この本の場合は、アリバイそのものを完全にするため、別の殺人を実行するという途方もない計画です。

そして、万が一最初の計画に破綻が起きたときは、プランBとして、彼はストーカーに変身、あらゆる裏付けが取れるよう細工を施し、罪をかぶる計画に移るわけです。
で、タイトルが「献身」。
見返りを求めず、自己を犠牲にしても靖子親子を救おうとする天才数学者・石神。

しかし、実際には、自主してしまう靖子。
「献身」が導き出したものは、人間の良心と勇気だったという結末です。
たったひとり、心を閉じて生きてきた石神にとって、彼の一方的な献身は自己満足という側面もありましたが、ラストに靖子との心のふれ合いがあって、なんとも余韻の残る結末でした。



アフターダーク・村上春樹

2008-12-14 01:18:44 | 
ちょっと前に図書館で見つけて、ほどんど一気読みしてしまった『アフターダーク』。

タイトルは、カーティス・フラーの『ファイブ・スポット・アフターダーク』ってことですよね?
私は、村上春樹ってほとんど読んだことなかったのですが、最近になってちょっと読み始めているところです。

最初に読んだのが、『ノルウェイの森 』。
好きな音楽のてんこ盛りで、なかなか衝撃的でした。
小説を読んで、音が聞こえてくるって経験は、そうそうなかったと思います。
しかも、マイルスの『カインド・オブ・ブルー』だなんてね。これって、私にとっては、ロイヤルストレートフラッシュなんですよね。
雨の夜に『カインド・オブ・ブルー』が出てきら・・・無条件降伏、みたいな感じです。
バド・パウエルとかソニー・ロリンズ、コルトレーン・・うはは、喜ばせてくれますなー。

で、『アフターダーク』では、カーティス・フラー。
そして、ホール&オーツの「I can't go for that」か・・・
ソウルフルなサウンドですが・・ちょい古くて、ま、そこがアンニュイな感じでよかったりするんですが。

この物語は深夜から早朝にかけての出来事です。
深夜のデニーズで本を読み続ける少女・マリが姉の同級生だったタカハシと出会い、その繋がりから見知らぬ中国人の売春婦やラブホテルの従業員と関わり合うことになります。

「わたしたち」と表現されている、物語の語り手は、何か、監視カメラのような位置づけになっていて、すべてのことを見ているけど、実態はなく、介入もしない存在。

主人公・マリの姉・エリ、これがまたやっかいな存在で、部屋の中で眠り続け、物語が進行していきます。
そして、テレビ画面の中から彼女を見ている、顔のない男。

現実と非現実が行き交うような構成になっていて、マリとエリという姉妹の間にある隔たり、そして孤独感みたいなものが主題になっているんでしょうか?

仲のよかった姉妹が成長するにつれ、いろいろな違いからバラバラになってその関係を修復できない。
家に帰れず、深夜、ファミレスで時間を潰すマリ。
あるきっかけから、まったくの他人と関連が生まれ、その触れ合いをきっかけとして、エリとの関係が変わる予感がする。

そんなところで、物語が終わってしまいます。
あの顔のない男は何を象徴しているんでしょうかね?
疑問は多々残りますが、面白かったです。
このまま、映画にでもなりそうなストーリーでした。

村上春樹って、テネシー・ウイリアムスと共通する感性があるように思います。
また別の作品を読みたいですね。
どんな曲が盛り込まれているのか、ちょっと、期待してしまいます。



ユダヤ人ジョーク集

2008-10-30 00:38:59 | 
気がつくと、もう10月も終わりじゃないですか!

・・・といっても、10月に限ったことではなく、1ヶ月前は、「ああ、もう9月も終わりだ!」、2ヶ月前は、「えーー、もう8月終わり?」と思ったに違いないんです。よく覚えてないけど。
ようするに、どんどん月日は過ぎて、ぼさーっとしているうちにあっという間に1年が過ぎてしまうんです。

ああ、悲しい。

そんなことを考えていると、友達が『頭のよくなるユダヤ人ジョーク集』という本を貸してくれました。

おもしろそーと思って、ぱらぱらと読んでみたんですが、
「頭がよくなる」という根拠がどこにあるのかわからない・・というのが第一印象でした。

あのね、やっぱりユダヤ人のジョークですから、オチがわからなかったりします。
この本を書いた人もそれを察して、ジョークの後に、なぜそれが可笑しいか解説しています。

解説を読んで、あー、そうなんだって理解してもねぇ。

最後の方には、ジョークを話すコツというのが書いてあって・・
人のジョークを最後まで聞く。
オチがわかっても、すでに知っていても途中で口を挟まない。
仮に相手がジョークを理解しなくても説明しない。
相手のジョークがわからなくても含み笑いを浮かべるのがマナー。

なんだか、ジョークをいうのも大変なんですね。
っていうか、ジョークなんて勉強したり練習してうまくなるものじゃないと思うんですけどね。

ということで、この本のことは、来週には忘れていると思います。
でもせっかくなので、ユダヤ人ジョークの例をちょっと書いておきます。

息子「パパ、2プラス2はいくつ?」
父 「それは売るときの話?買うときの話?」

夫「オレはいつもワイフの手を握っている。手を離した途端、買い物に行ってしまうから。」

ユダヤ人の夫はなぜ妻より先に死ぬのか?
夫「それを望んでいるからだ。」

ゴルフ場の会話
アメリカ人「あなたのハンディは?」
ユダヤ人「いつもガミガミいうワイフだ。」

どうでしょう?
面白いと思った人は、『頭のよくなるユダヤ人ジョーク集』を読んでみてください。



笑いの芸術

2008-10-26 00:37:00 | 
『笑いの芸術・狂言』という本を読みました。

笑いには三つの種類があるとのことです。
1. 人を刺すウィット
2. 人を楽しませるコミック
3. 人の弱さを思いやるユーモア

あ、なるほどね・・と思いました。
私が好むのはこの三つのバランスが取れているものです。

ウィットだけでは、疲れちゃう。
コミックだけだと、笑えません。
ユーモアだけなんて、なまぬるいっ。

ナイロン100℃の15周年記念『シャープさんフラットさん』、ウィットに富み、コミック満載、ユーモア忘れずといった作品でした。
ケラさんは「シリアスコメディーの奇才」と評されることが多いので、ウィット&コミックという印象があるかもしれませんが、最近の作品は、「人の弱さを思いやるユーモア」が隠し味みたいに効いています。
それで、作品に深みが出てると思うんですけどね。
なにしろ、「わが闇」、「どん底」、「シャープさんフラットさん」・・・もう、私好みのストライク!三振、バッターアウトみたいな感じです。

あれまっ、『笑いの芸術・狂言』の話に戻さないといかん。

狂言の笑いにもいろいろな種類があり、庶民の愛すべきばかばかしさ、滑稽さが描く社会風刺、磨き抜かれたセリフが人間の弱さや心の奥を描く、しみじみした笑いもあります。
一つ一つの動作は、「狂言の型」に準じて演じられますが、中には三番叟のように激しく、迫力ある舞踏もあるそうです。

狂言界で知名度が高いのは、もちろん野村万作・萬斎親子だと思いますが、なんと・・・京都在住の大蔵流の孫世代に!

花形狂言少年隊

という人気上昇中の4人組がいました。
やっぱり・・・どうしてもミーハー路線ですわ。

その花形狂言少年隊のひとり、茂山茂さん・・・3月の横浜能楽堂「狂言の日」に名前がありました。
普段は京都で活動しているので、このチャンスを逃さないようにしなきゃね。

装束と言われる衣装、とてもポップで大胆なデザインのものが多くて、作品展でもあればいいのに、と思ってしまいます。
柄オン柄なんですが、おおらかな優雅さ、みたいな感じです。

『笑いの芸術・狂言』、初心者にとってわかりやすく、写真もけっこう載っていますので、お勧めです。
10年前の本なんですけどね・・

あれ?
ってことは・・・
花形狂言少年隊はどうなってるんだろうか?


狂言、今日現在、読んだ本のこと

2008-10-21 00:13:12 | 
この前、横浜能楽堂で狂言を観て、とても興味がわいています。

そもそも、『オイディプス王』と『わが魂は輝く水なり』を観て、萬斎さんってすごいなーというところからなのです。
万作さんの『太郎冠者を生きる』もとても面白くて、次に読んだのは、この2冊です。

『萬斎でござる』
『狂言サイボーグ』




私の場合、興味を持ったり好きになったりする対象が広範囲です。嵌り易いんですねー。
でも、だからといって飽きっぽいわけでもなくて、好きなものはずーっと好きなのです。

とはいえ、今まで「好きなもの(人)をとことん調べてもっと知る」という行動力は、あんまりなかったかもしれません。
「好きになりっぱなし」みたいな感じです。

ところが、友達の中には、徹底的に調査する人がいます。
書いた本、コラム、インタビュー雑誌、写真・・・それらは、宝の山。
ま、たまには知りすぎてがっかりすることもあるかもしれませんが、いろんなことを知れば、ますます感情移入できると思います。

そんな徹底的な友達から影響を受け、私も萬斎さんの書いた本を読んでみたのです。

これは、ほんとにおもしろかったです。
初心者にとって狂言のことも、いろいろ知ることができます。
そして基本的なことを知ると、実際の舞台が理解し易く、何倍も楽しめると思いました。

また、狂言師になるかどうかの迷い、表現者として狂言以外の世界の興味、新しい狂言の模索・・・などなど、興味深い内容でした。
過去の失敗についても率直に語っていて、できあがった舞台を外側から観ている私たちの想像を超えた努力があるんだなぁということも知ることができました。
例えば、少年時代の失敗で、舞台の袖に入った瞬間に万作さんから扇子が折れるほど、打たれた・・とか。
外部活動が多い中、本業の狂言の舞台で失敗でもしたら「それみたことか!」と鬼の首でも取ったかのように怒られるそうです。

私としては、萬斎さんの狂言以外の活動も素晴らしいと思います。
演出家としても非常に優れた才能の持ち主、今後の活動も要チェックです。



『太郎冠者を生きる』

2008-09-26 01:10:59 | 
今、ある意味すごい本を読んでいます。

『太郎冠者を生きる』野村万作著

この前、図書館で見つけて借りてきました。
『オイディプス王』のDVDを買ったのをきっかけに、萬斎さんって、こりゃすごいわ・・と思っている矢先、『わが魂は輝く水なり』のオンエアを観て、一気にファンになってしまいました。
もちろん、NHKで放映された『あぐり』や映画『陰陽師』も観たので、かなり気に入っていたのです。

ということで、急きょ、萬斎熱が上昇して、狂言の舞台を観たくなったのです。
それには、ちょっと事前に知識を得た方がいいかなと思うでしょう。
で、萬斎さんのお父様、人間国宝の万作さんの書かれた本を読んだら、一番の近道かと思ったんです。

近道のような遠い道のような・・・よくわかりません。
とにかく、借りてきました。

まだ途中なんですが、とても面白いです。
伝承文化の後継者としていかに「狂言」を伝えていくか、演者としていかに道を究めていくか、「狂言」の地位を高めていくか、万作さん自身がお父さん、そしてお祖父さんから受け継いだもの、などなど興味深く読み進んでいます。

その中にこんな意味 ↓ のことがありました。

「自分自身で満足したり、あるいは好きな舞台がある。
ところが、必ずしも観る側の評価に繋がらない。
逆に、自分でダメだと思ったものが意外に評価されることもある。」


主観的な自己満足と快感、そういったものとできのよさと必ずしも繋がらず、役と演者が冷静に結びつかなければならない、と結んでいます。

そう考えると、今まで観た演劇の舞台で、なるほど・・・と思えることがあります。

『朧の森~』でのマダレ役の古田さん、『どん底』ルカ役の段田さん、『わが魂は輝く水なり』の萬斎さん&菊之助さん&秋山さん・・まあ、数え上げたらキリがありませんが、役と演者の質がぴったり一致したものは、キャスティングそのものが最高の演出になると思いました。


なお、最後に、役と演者の質が素晴らしい例として、『カビ人間』の片桐仁、『泥棒役者』の片桐仁、『ツグノフ』の画家・仁、『パリアッチ・仁』、『あ・うん仁』、『賢太郎作・渦巻仁』も加えたいと思います。(笑)


立読み・ベスト3

2008-09-15 23:22:26 | 
今日は、いろんなジャンルの本&雑誌を立ち読みしちゃいました。

「ひとりっ子の取扱説明書」
自分のことでいっぱいの脳内、好物でいっぱいのおなか、たっしゃな口・・・
はい、それは私です。

前に「B型自分の説明書」も立ち読みして笑ったけど。
えっと、何で笑ったか・・・もう覚えていません。← それがB型なんです。

「ひとりっ子~」の方がもっと笑えます。たぶん、95%当たっていると思います。
もういっそのこと「B型、ひとりっ子、高齢出産の子の取説」っていうのを出版してみてください。
この三つが重なったら、もうどうにもならないのです。

「演劇ぶっく」
最近観た舞台やこれからのがたくさん載ってました。
PPPPの「審判員は来なかった」の記事は、仁さん&小林さん(← 賢太郎じゃなくてね)の対談で写真もかっこよく、面白かったです。
回り舞台の効果とか、倉持さんは今回、ストレートな笑いで学芸会的な舞台にしてみたかったとか。
そんな記事が見開きで掲載されてました。

7月に観た、「五右衛門ロック」についても数ページの特集、読み応え十分。
「女教師は二度抱かれた」ってあんな衣装だったの?やっぱり観たかったなぁ。
とうとう来月に迫った「から騒ぎ」も数ページに渡り4人の特集っぽい記事が出てました。
その他、チケットが取れてる「キーン」や「シャープさん、フラットさん」についても。
ただし、ネタバレになってしまうので、我慢して写真のみチラ見しただけです。

「ガマ王子対ザリガニ魔人―パコと魔法の絵本 」
これは凄い!!
舞台も観てるし、映画も絶対観ようと思っていましたが。
どうやら、期待以上のようです。
映画化が決まったときは、もっと実写っぽいのを想像していたんですが、CGを駆使したグロ・ファンタジー(そんな言葉があるのか?)みたいです。
「不思議の国のアリス」とか「グリム童話」を連想しました。

眠っていた「ノルウェイの森」

2008-09-15 01:38:09 | 
この前、本の整理をしてたら、読んでない本がでてきました。
つい買ってしまい、そのままになってるのがけっこうあります・・・

で、その中の一冊、村上春樹の「ノルウェイの森」を読み終わりました。
どうして買ってからすぐ読まなかったか、全然覚えてないんです。
でも、とにかく、今さらながら読んだわけです。

これは、感想を書くのはやめましょう。
感想なんてヤボだと思ったのです。
心で感じ取る作品だから。
いろいろ絡み合って、たぶん、いつ読むかで感想も違ってくると思います。

ただ、ひとつ思ったのは・・・

音楽の要素がたくさんあって、もちろんビートルズだったり、マイルス・デイビスだったり、コルトレーンだったり。
特に、カインド・オブ・ブルーなんかは、マイルスの最高傑作だと思っているので、雨の夜、オートリピートで一晩中聴きながら直子に手紙を書くなんていうところは、何か特別な気持ちになりました。

そんなところで「ノルウェイの森」と深く共有できるものを感じました。

映画化が決まりましたが、ビジュアルとして、どんな作品になるのか・・・
楽しみのような恐いような。