ゆりかもめーる。

人生はrhythm BAR.

Look,a plane flies higher.

2006-08-21 17:41:59 | Art

見よ、飛行機の高く飛べるを
      
而立書房
    著永井 愛

昭和の時代を描いた戯曲。
女性は仕事をするなんてとんでもなくて、すべて男性に従って家庭に残るのが当たり前とされていた時代、女性運動が表に出始めた時に師範学校に通っていた女学生達のお話。
世の中の動きに敏感で女性運動に賛同する初江の影響で、学校内でも、政府や学校から押し付けられる凝り固まった考え方に反発する学生が増えていく。
理不尽に退学させられる友人のためにも授業のストライキなどを敢行しようとするけど、結局はみんな変化から得られる自由の代償を恐れて逃げていってしまう・・
教師の中でも唯一味方してくれていた安達先生が警察の圧力に負けて、学生の組織をつぶしにかかるシーンはとてもつらかった
納得のいかないコトに対して自分達の正義を貫き通そうとする姿にはワクワクするけど、結局自分の全てを懸けて納得の世の中を求めるより、我慢していても安定を選んでいく多くの登場人物の姿にむなしさを覚えた。
これって別にこの時代にだけ言えたコトじゃなくて、現代でもよく見られる光景だと思う
私なんかがよく思うのは夢と現実とかね・・
どっちを追い求めるのがいいとか悪いとかは判断できないからこそ難しい。

一時期80人にも膨れ上がった組織が最終的には1人になってしまうなんてこの話、あんまりだぁ

ちなみに主役のモデルは永井愛のおばあちゃんとその友人の市川房枝(日本で女性初の国会議員)らしい


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