Encounter.

前々回の舞台の時に演出をしてくださったＨロタさんに
「時間がたっぷりあるんだから国内外を問わず、一人旅をしなさい」
と言われたことがある。
当時の私は「じゃー、彼氏と行きます」
と言ったけど、彼氏や友達と一緒だとその人のことしか見なくなっちゃうからダメらしい。
すなわち、知らない人との出会いのために一人で旅行しろ、という意味みたい。

今回のちゃり旅行でその意味が少しわかった気がした
友達と一緒だったけど、色々な出会いがあった。

行きで炎天下の中、看板もって立ちっぱで仕事してたおじさん
行こうとしてた道が工事中で通れなかったときに道を教えてくれた夫婦
かつ蔵をきりもりしてるご主人と女将（閉店時間を４５分も過ぎたのにいやな顔一つせずに見送ってくれた）
新宿で道を教えてくれた警察官
帰りに五日市街道を教えてくれたおばさん
新宿で三人別れる前に写真を撮ってくれたお姉さん
海でナンパしてきたかっこよくない変態お兄さん達

利根川に供えてあった花束
野田線を探してるときに隣にあったごみ処理場の巨大なごみのかたまり
警察犬の訓練所
２０cm以上もある片手をあげた巨大蛙の死体
いこいの村にあった１００円のゲーム機＆遊具

まだまだ出会った人やモノはたくさんあるけど、その中でも印象が強かったのが上に書いた諸々・・。

人に関しては初対面の私たちに対してもにこやかな人、作り笑顔すら出ない人、色々いた・・
世の中には本当にたくさんのタイプの人がいるけど、なるべくたくさんの人と出会うことによって役者としての自分の引き出しが増えて成長していくのかなって思う。

それがＨロタさんの言ってくれた意味なんだろうなぁ・・
色々な人に会って、頑張って話しかけて、色々なことを聞いて、色々なコトを知って・・・
よぉし、お金貯めて一人でどっか行こうっと


モノに関してはショッキングなものが多々あった。
一番ショックだったのは利根川の花。
私たちが千葉から茨城に入る境の利根川を渡りながらわいわい写真撮ってる横でひっそりと供えられていた。
「あぁ・・ここで人が死んだんだなぁ」
って思うと複雑な気持ちになった

同じ場所でもいる人によって持つ感情が違う。
例えば、この利根川では私たちは楽しく過ごしてるけど、花を供えた人はやっぱり深い悲しみに包まれていたと思う。
病院なんかは生と死が交錯する場所だし、そこで働くことのできる医師や看護士はどうやって感情の渦の中で仕事に集中するんだろう・・

今回通った道でもかつて色々あった地域を通過してきた。
楽しい思い出とすごくすごくつらい思い出が共存する場所。
地図でその場所を確認するだけでも苦しくなる。
苦しくなるから一気に意識がほかの事に飛ぶ。
でも苦しいのにずっとそこにいたいって思う。
思い出に浸りたいだけかな・・ばかもめ・・

最近気づいたんだけど、人間って防衛反応がちゃんとできるんだな
私が言ってるのは、体の防衛機能じゃなくて心の方ね。
ホントにつらいコトを考え始めると、瞬時に切り替わって正常に考えられなくなるの。
すなわち混乱だったり狂いだったり、その考えに集中できなかったり・・
そうしないと多分衝動的にみんな自殺を謀っちゃうんだろうな・・
私もよくそうして頭おかしい人になる
涙とかも一種の狂いのための道具なんだね、きっと・・

狂ってないとやってらんない。
自分を守るためだもん、いいじゃんねぇ