黄昏の
薔薇を抱えて
逢いにきて
ベルが鳴る
かた結びの胸
ほどけゆく
オレンジのいい匂いが指について
あなたと話してるみたいな風のなか
泣きたいくらいの
ひっかき傷
癒えてゆくしらべに
かならずあなたが居る
永遠じゃないからいいんじゃない
近頃そういうのもわかるようになったかな
あまい飛沫が
つよくしていく
絆のあること
知っていくの
君がみつけた虹は
高い空にとてもちいさくて
届かずに消えたけれど
あいのことばを言う前の
ひそやかな呼吸を聴いたような
まぶしさが胸に残っているの
抱きしめあう
かけらになる
きれぎれのものになる
なにも羨むことはなくて
待ち遠しく思うだけで
逢いたい気持ちが
結ばれる
空の上
幾度も
ここへ来た
あおいかけらの身体で
月の屋根にのぼり青い星を見下ろす
澄みわたるしかない呼吸は遥か空へ
わたしが掬って綴るもの
そこに居ない者には
永遠に解らないかそけき響き
おやすみなさい良い夢を結びながら
昨日の扉にしずかにさようなら
ただひとつ言えるのは
君も私も幕引きを全く考えていない
そういうタイプの人間だってことだ
運命ということばにしたら
空のあおさが薄れてくように
きりきりと突き詰めたりしないのね
低くもなく高くもないテンションで
この愛に向き合うだけと
微笑みで承知してる
お互いが鳴らすメロディの
それぞれに着地するさまを
幸福にながめては
どこまでも長くつづく日々
まるで透明な水と
ガラス細工のお城
キスは泡
日除けの抱擁
やさしさはふかく
空へのぼるほど青い
ふたたび咲くから
瞬きの間だけ待ってて
おなじにんげんではないのが
かなしくてかなしくて
さくらのはなびらをかんだ
たましいのいろが
にているだけではまだまだたりない
なみだのおんどがちかいだけでは
ものがたりとはいえない
ふたりでいるからあいはつむがれる
ことばではあらわせないそらのうえ
ゆびさきでひらかれるおもいのゆくえ
あなたのりょううでのうみでたゆたうにんぎょ
わたしをそそぎつづけるうたごえのなかで
すきとおるえいえんのとうとさをかんじたの