Minor Swing @Room

ジョニー・デップ他日常あれこれ

ピアノリサイタル

2010年11月01日 19時52分57秒 | 日記
昨日、近所でピアノリサイタルがありました。
演奏するのは東京の某音大2年に在学中の男の子です。
彼は私の高校の同級生の息子さんで、
この度、地元に戻っての演奏会となりました。

私と娘、それから近所の数名の親子で拝聴に伺いました。

会場は我が家から徒歩数分のところ。
到着すると、ロビーで彼の母Yちゃんが笑顔でお出迎え下さいました。

『この度はおめでとうございます』と、まずは正統派なご挨拶から。
ムクムクと湧き上がってくるジョークを堪えつつ、
次々やってくる知り合いの方々へのご挨拶で大忙しの彼女ですので、
言葉も手短に会場へ入りました。



ステージには、自宅から運んできたというマイ・グランドピアノがデデ~ンと。
年代物の携帯で、画素数が小さくボヤけた画像をパチリと撮りながら、
『運搬料ってどのくらい?』などと下世話な心配をする私たちなのでした。

6:00開演。
黒のタキシード姿で若き音楽家の登場です。
遠目にも、まだ幼さの残る表情とスベスベのお肌が見えます。

拍手喝采に一礼し、彼はおもむろにピアノの前にスタンバイしました。
しばしの精神統一・・・数秒・・・。

やがて軽やかに瑞々しく、澄んだ音色が響き渡りました。
演目第一曲目はモーツァルトのピアノ・ソナタ第10番 ハ長調K.330。

彼は6歳からピアノを初め、
2009年にはショパン国際ピアノコンクールin ASIA全国大会銀賞・アジア大会努力賞。
親と子の絶え間ぬ努力の賜物である輝かしい経歴の数々をお持ちです。

この田舎にあって、ショパン国際ピアノコンクールの名を聞こうとは驚きです。
普段の彼は、茶髪にヒゲを生やした気さくな“今時のお兄ちゃん”らしいのですが、
この日は髪も黒く染め、ヒゲも剃り、清く正しいピアノ演奏家でございました。

さて、シューマン、ドビュッシー、リストと続き、
後半はショパンを4曲、ラストは『英雄ポロネーズ』でした。

この『英雄ポロネーズ』ですが、その昔々、大昔、
『赤い激流』というドラマで水谷豊さんが演奏したショパンコンクールの課題曲だった、
ということを隣にいたママに話したところ、『知らない』と言われ残念無念。
ん~~ちょっと年下過ぎたかなと思って、私より一つ年下のママに話してみたら、
『分かる~♪』と喜んでメロディーまで口ずさんでくれたので嬉しかった(笑)

で、演奏ですが・・・。
言葉もなく、ただただ素晴らしいのひとことでした。
鍵盤の端から端まで目にも留まらぬ速さで疾走する優雅な指。
強く弱く、鍵盤の上を華麗に踊る腕。
頭のてっぺんから足の先まで、全身全霊で曲に挑む姿は一曲入魂と言いましょうか、
驚くべき集中力と表現力をもって私たちを魅了してくれました。

人間の手って、あんなにも動くものなんですね。
そして当然ながら全曲丸暗記ですよね…って驚く場所がズレてる気もしますが(笑)
ショパンコンクール級の生演奏を聴く機会なんてめったに無いので、
胸が震えるような感動を堪能させて頂きました。
ありがとうございました。本当に素晴らしかったです。

演奏が終わり深々と頭を下げて退場した彼は、3回のアンコールに応えました。
その中の一曲『さくらさくら変奏曲』。
私は、どうしても“夜桜お七”が浮かんで来て、
黒地に桜柄の着物を召された冬美ねーさんの姿が頭から離れませんでした。

彼は最後にマイクを持つと『これまで沢山の方々に育てて頂きました』と感謝を述べられました。
言葉の合間に沢山の『え~と…』『あの…』『え~と…』と恥ずかしそうに語る彼を、
ズンドコ節を歌うキヨシ君を眺めるおばちゃん達にも似た眼差しで見守る皆さん。
愛おしそうな、温かい応援の声がありました。

今回のリサイタルはチャリティーです。
チケット代は故郷への恩返しということで、市に全額寄付とのこと。
Yちゃん、なんて立派に育てられて・・・。

一方、お姉ちゃんに向かって『オマエのかーちゃんでべそ』と言う我が息子。
この親あってこの子あり、でございます。
先日の学芸会では数十人の友達と一緒にナレーション役に抜擢(笑)
同じ場所に座ったまま、ひとこと喋っておしまいの息子は、待機中アクビを連発していました。
一緒に見ていた私の母が
『舞台に上がる訳でもなく、アクビが出るのも当然だ』とつぶやきました。
さらに『寝てもおかしくない』とまで(笑)
まあ、例えどんな子供でも、母は深く深く君たちを愛しているのですが!

演奏が終わって席を立ちながら、
『なんかラーメンでも食べて帰りたい気分だね!』と言ったら笑われました。
もちろんそんなことしませんけど。

彼のこれからの益々の活躍を願ってやみません。
素直に明るく彼らしく、素晴らしい成長を遂げられますようお祈りしております。


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8 コメント

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驚異 (まめ太郎)
2010-11-02 08:24:08
しばし・・・・
年を忘れて恋しちゃいませんでしたか?

自分がこれっぽっちも音楽的才能がないから
もう憧れちゃうな。
これは先祖代々引き継がれた弱点。

大体、両手がバラバラ足も使うなんて
エイリアンに近い。

人間本来の姿が現れるよね。
すてきな生き方をして人の心を
響かせるピアニストになられますように・・・・。

帰りのラーメンは現実にひきもどされますな~。
返信する
素敵だね (ボルサ)
2010-11-04 18:42:39
Reiたあああああぁぁぁぁぁぁ~~~ん こんばんみ
うっわぁ~すごく素敵な時間を過ごしたんだね

音大に通ってる学生さんで ピアノリサイタルを開くって
すごいねすごいね
あ~うちの息子と一つしか変わらないのに
Reiたんのお友達なんて立派にお育てになったんでしょう
男の子がひくピアノってなんかドキドキしちゃうよね

で、会場には・・・自分のグランドピアノを運ぶんだね
なんかそれだけで、感動

>ムクムクと湧き上がってくるジョークを堪えつつ、

ここ笑った
いったい何を言おうと?(笑)

ほんと・・・↑まめさんのおっしゃるように
素敵なピアニストになられますように・・・


>お姉ちゃんに向かって『オマエのかーちゃんでべそ』と言う我が息子。

あはは かわいい
で、それを聞きながら!?って思った一瞬のReiたんの顔見たかった♪

学芸会でのあくび
経験済みでございます
いや~子供ってすごい度胸だよね(笑)

かわいい息子ちゃんの晴れ姿

お母様の言葉最高だね
そうそう、そんな時が一番かわいいのよね
返信する
ピアノ (akko)
2010-11-06 11:52:33
こんにちは(^∀^)ノ
素敵な時間を過ごされたようで☆
音楽のこと、ピアノのことは疎いので、上手下手はわかりませんが、生演奏ってやつは、きっとなんだかグッとくるものがあるんだろうなぁ。
大学生のにぃちゃんにうっとりしちゃいそう(*^o^*)
茶髪に髭、ズボン腰履きみたいなピアニストもちょいと見てみたかったり(≧∇≦)

我が子も先日あった合唱コンで指揮者だったのですが…2年連続指揮者で、2年連続ちょっとしたことをやらかしてくれたのでした(∋_∈)恥ず…
返信する
まめさん (Rei)
2010-11-06 19:08:16
まめさん

>年を忘れて恋しちゃいませんでしたか?
そうですねぇ。
私がもう20歳若かったら目がハートだったかもしれませんね~
『恋は遠い日の花火じゃない』って言いますからね!(古い?)

>これは先祖代々引き継がれた弱点。
はははは皆そんなもんですって
でもまめさんには別の才能があるじゃないですか!

>すてきな生き方をして人の心を
>響かせるピアニストになられますように・・・・。
ホントだね~
生き方は感性に現れるもんね

>帰りのラーメンは現実にひきもどされますな~。
夜のお出かけっていうと飲み会しかないので、
こんな厳かなリサイタルであってもついついそんな思考に…(笑)
条件反射ってやつですね
返信する
ボルたん (Rei)
2010-11-06 19:21:41
ボルたあああああ~~~~~ん

>音大に通ってる学生さんで ピアノリサイタルを開くって
ホントこっちでは珍しいことでさ~、
ネッシー並みの扱いだったよ(笑)

そっか、ボルたんちの息子ちゃんと一つ違いなのね♪
うふふ可愛いんだろうなぁ
nonさんちもそれくらいの息子ちゃんがいるよ~

>男の子がひくピアノってなんかドキドキしちゃうよね
そうなんだよね。何て言うか…華がある感じステキだったよ

>いったい何を言おうと?(笑)
アブク言葉なので忘れた~(爆)
厳粛な場面に遭遇するとついふざけたくなるタイプ7です

>で、それを聞きながら!?って思った一瞬のReiたんの顔見たかった♪
もう突っ込みまくり!
『“オマエのかーちゃん”ってオマエのかーちゃんだろっ!!』

学芸会のアクビは近所のママも言ってた
ボルたんちもなのね~
そうだね、この小さいうちが可愛いかもしれないね
大いに楽しんでおきま~す
返信する
akkoさん (Rei)
2010-11-06 19:32:55
akkoさん

>素敵な時間を過ごされたようで☆
どうもありがとうそうなのよ~
激しいライブとはまた違った非日常
そう!私は非日常が好きなのかもしれない(爆)

>生演奏ってやつは、きっとなんだかグッとくるものがあるんだろうなぁ。
まずは、周りにいらっしゃる正統派な客層にグッと来て(笑)、
それから華麗なナマ演奏に酔いしれました

>大学生のにぃちゃんにうっとりしちゃいそう(*^o^*)
あははははakkoさんなら大喜びしてくれそうだね

>茶髪に髭、ズボン腰履きみたいなピアニスト
そうだよね!さすがタイプ7のakkoさん(笑)
何も全員が決まりごとみたいにタキシードじゃなくても
その恰好で厳かなクラシックの名曲を…ギャップ萌え(爆)

akkoさんちの息子ちゃんは指揮者ですか!
どんな“ちょっとしたこと”だったのか気になる~

返信する
ピアノ♪ (のんさく)
2010-11-08 13:23:40
Reiさぁぁぁぁぁ~ん、こんにちは~

うわ~ピアノリサイタル、いいですね~
しかも若い男の子(笑)

私も兄と子供の頃習っていたんだけど
高校受験でやめちゃって
もっと長く続けていればな~と後悔することしばしば・・・

なんとも中途半端な人生過ごしてる感じがしてなりません
ま、過去を振り返っても仕方ないんだけど、、、

話それましたが、
すごいですね、6歳の頃から初めてコンクールで数々受賞
きっと涙ぐましい努力をされてきたんでしょうね・・・
今後の活躍が楽しみですね!!

ぜひ一度聴かせて頂きたいものです
生演奏は良いですよ~♪
生という言葉にもぐっと来るし(笑)

素敵で楽しい時間を過ごされて良かったですね

わたしも子供達にピアノ習わせたくなってきたよ~~(今さら)




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のんさくさん (Rei)
2010-11-12 21:56:58
のんさくさああああああ~~ん
遅くなってごめんね

>しかも若い男の子(笑)
ここに過剰反応するようになってしまいましたね!!(笑)

>私も兄と子供の頃習っていたんだけど
わ~そうなんですか
高校受験の時まで続けていたなんて頑張りましたね~
お兄様もご一緒に男性のピアニストってステキですよね~

何事も一芸を極めるのは並大抵の努力じゃないですよね。
本人とご家族の努力には頭が下がります。

>生という言葉にもぐっと来るし(笑)
ホントそうですね!!
生ジョニーとかイロイロ(笑)

うちは娘が一時習ったのですが、
あまりに怠けるのでクビにしました
ちょっと可愛そうだったかな。。
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