「死の虫 ツツガムシ病との闘い」小林照幸
(中公文庫)
医療系というか、未知の病の解明と対策、そ
して薬の開発を追う系の作品を多く手掛ける
著者。
ただ、自分は「死の貝 日本住血吸虫症との
闘い」に続いて(まだ)2作目の読み終わり。
死の貝と同じく、日本のとある地方に古くか
らある、農業を営む人々たちに恐れられてい
た、とある虫を媒体とした死に至る病。
死の貝と同じく、祈祷などに頼るしかない時
代から、医学の進歩による原因の究明、治療
薬の開発までを今回も丁寧にたどる。
丁寧にたどるゆえに、(控え目な表現で)半
分くらいまでは、命名権をはじめとした死の
虫の周辺、関連にまつわる話が続く。
死の貝もそれなりにあったが、本作はなかな
か本筋というか、取り上げる病そのものの話
が進まず、「んん?」とはなる。
が、後半の「昭和の時代<戦後>」に至り、
それらも無駄な話はなく、必要なことだとい
うことがわかる。
文庫本あとがきで、著者は「風土病の克服に
壮大な人間ドラマ、ヒューマニズムを感じる
私を~」と記す。
その人間ドラマ、ヒューマニズムを表現する
ためには、やはり徹底した下調べによる時代、
社会、人物描写が必要なのだろう。
読んでいる時には、やや退屈なその周辺描写
は、後半にリアリティと十分な厚みを与えて
くれる。
著者と同じというのはおこがましいことだが、
自分も本書にはノンフィクションを、人間ド
ラマを期待して読んでいるから。
それを小説ではなく、ノンフィクションに求
めるのもアレではあるが、世の中にはそうい
う難儀な人がいる。
そして、著者は憶測や感情を(極力)排して、
事実を、上質なノンフィクションとして、こ
うして一般向けに提供してくれる。
医療(風土病)系に興味のある方にも、ジャ
ンルは問わずノンフィクションが好きな方に
も、おススメ。
(中公文庫)
医療系というか、未知の病の解明と対策、そ
して薬の開発を追う系の作品を多く手掛ける
著者。
ただ、自分は「死の貝 日本住血吸虫症との
闘い」に続いて(まだ)2作目の読み終わり。
死の貝と同じく、日本のとある地方に古くか
らある、農業を営む人々たちに恐れられてい
た、とある虫を媒体とした死に至る病。
死の貝と同じく、祈祷などに頼るしかない時
代から、医学の進歩による原因の究明、治療
薬の開発までを今回も丁寧にたどる。
丁寧にたどるゆえに、(控え目な表現で)半
分くらいまでは、命名権をはじめとした死の
虫の周辺、関連にまつわる話が続く。
死の貝もそれなりにあったが、本作はなかな
か本筋というか、取り上げる病そのものの話
が進まず、「んん?」とはなる。
が、後半の「昭和の時代<戦後>」に至り、
それらも無駄な話はなく、必要なことだとい
うことがわかる。
文庫本あとがきで、著者は「風土病の克服に
壮大な人間ドラマ、ヒューマニズムを感じる
私を~」と記す。
その人間ドラマ、ヒューマニズムを表現する
ためには、やはり徹底した下調べによる時代、
社会、人物描写が必要なのだろう。
読んでいる時には、やや退屈なその周辺描写
は、後半にリアリティと十分な厚みを与えて
くれる。
著者と同じというのはおこがましいことだが、
自分も本書にはノンフィクションを、人間ド
ラマを期待して読んでいるから。
それを小説ではなく、ノンフィクションに求
めるのもアレではあるが、世の中にはそうい
う難儀な人がいる。
そして、著者は憶測や感情を(極力)排して、
事実を、上質なノンフィクションとして、こ
うして一般向けに提供してくれる。
医療(風土病)系に興味のある方にも、ジャ
ンルは問わずノンフィクションが好きな方に
も、おススメ。
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