ただいま妄想中

夢、かつリアルな頭の中身をどこへ。

電車の中から

2008-12-02 10:57:31 | Weblog
無人駅から、一両の電車に乗って。
窓際の席に座り、走りゆく景色を眺める。
色づいた木々や、穏やかな海、
無造作な竹林を間近に、のんびりマイペースに進む。
耳を済ませてみると、
電車は本当に「ガタンゴトン」と音を立てている。

小学校のグランドで、赤白帽子をかぶった子供達が、
ぐるぐると輪になって走っていた。

わたしが小学生だった時、タイムカプセルに、
思い出の品々を入れた。

成人式の日。入れた物をすっかり忘れた私は。
わくわくしながら、タイムカプセルの中身を手にした。

名札、夜光タスキ、国語の教科書、書き方の本。
そして、色あせたボロボロの、赤白帽子だった。

めずらしい様なものを想像、期待に満ちていた私は、ガッカリ拍子抜けした。


あれから11年。

電車の中から今、グランドを懸命に走る
赤白帽子の子らを見ると。

なるほど、古びた品々は
なにより素敵な宝物だったのだなと、うなずかずにはいられない。
コメント (2)
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