無人駅から、一両の電車に乗って。
窓際の席に座り、走りゆく景色を眺める。
色づいた木々や、穏やかな海、
無造作な竹林を間近に、のんびりマイペースに進む。
耳を済ませてみると、
電車は本当に「ガタンゴトン」と音を立てている。
小学校のグランドで、赤白帽子をかぶった子供達が、
ぐるぐると輪になって走っていた。
わたしが小学生だった時、タイムカプセルに、
思い出の品々を入れた。
成人式の日。入れた物をすっかり忘れた私は。
わくわくしながら、タイムカプセルの中身を手にした。
名札、夜光タスキ、国語の教科書、書き方の本。
そして、色あせたボロボロの、赤白帽子だった。
めずらしい様なものを想像、期待に満ちていた私は、ガッカリ拍子抜けした。
あれから11年。
電車の中から今、グランドを懸命に走る
赤白帽子の子らを見ると。
なるほど、古びた品々は
なにより素敵な宝物だったのだなと、うなずかずにはいられない。
窓際の席に座り、走りゆく景色を眺める。
色づいた木々や、穏やかな海、
無造作な竹林を間近に、のんびりマイペースに進む。
耳を済ませてみると、
電車は本当に「ガタンゴトン」と音を立てている。
小学校のグランドで、赤白帽子をかぶった子供達が、
ぐるぐると輪になって走っていた。
わたしが小学生だった時、タイムカプセルに、
思い出の品々を入れた。
成人式の日。入れた物をすっかり忘れた私は。
わくわくしながら、タイムカプセルの中身を手にした。
名札、夜光タスキ、国語の教科書、書き方の本。
そして、色あせたボロボロの、赤白帽子だった。
めずらしい様なものを想像、期待に満ちていた私は、ガッカリ拍子抜けした。
あれから11年。
電車の中から今、グランドを懸命に走る
赤白帽子の子らを見ると。
なるほど、古びた品々は
なにより素敵な宝物だったのだなと、うなずかずにはいられない。