伝統俳句協会の「花鳥諷詠」2月号に
若院の俳句が30句、掲載されました。
依頼を受けての掲載で、
事前にわかっていたものの
本が届くと嬉しいものです。
俳句を始めて5年目。
わたしは、句を詠むことから
久しく遠のいていますが
若院は続けています。
続けるのは、何事も大変で大切ですね。
努力と才能、どちらもいるのかもしれません。
夫婦で同い年。共にお坊さんだし
興味あるものが似ているし
ライバル関係なところもあります。
(→若院曰く、そういう感情を抱いたことはないらしい)
俳句は素直に、白旗。よいのを作ります。
白旗なのは、俳句だけじゃないけど(笑)
わたしも、
好きなものをいっぱい見つけて
素敵なものにいっぱい触れて
心豊かに楽しんで
人生味わえたらいいなと思います。
ここで、30句をご紹介。
街灯の捉へし雪の早さかな
星仰ぐつもりが雪を仰ぎをり
空といふ宇宙の深さ鳥帰る
影踏みて青きを踏みて吟行す
春光を集めし吾子の法衣かな
風船に一直線の子でありぬ
花落つる行方を探す両手かな
ふらここを漕げばだんだん風になる
赤光を散らして風のきりしまよ
若葉山へと大空の伸びてゆく
鯉幟風に段差のありにけり
更衣して太陽の軽さかな
闇といふ大きなものよ初蛍
草を引くてふ地球との対話かな
遠きより日傘の揺れて来たりけり
はるかなる雲の峰へと背伸びする
一筋の二筋となり吾子の汗
広がつてゆく虫の音の大都会
小さき露大きくなりて落ちにけり
急ぎゐて金木犀の香の刹那
白萩に一線の風ありにけり
秋冷といふ寝返りのありにけり
みな同じ背丈となりてばつた追ふ
走り来て団栗の掌でありにけり
身重なる妻に合はす歩石蕗の花
ほんたうの色とも思ふ冬紅葉
軽き音重き音あり落葉掻
灯台の孤高を置きて冬の海
ペンギンに寄せる老あり冬日差
行年の秒針の音大きかり