~Words~

心に宿る言葉たち

自分の感受性くらい

2008-10-10 | Favorite 詩

 

何かがパチンと弾け、滞っていた気持ちがいきなり流れ始めた。

この詩に出会った時・・・そのくらいの衝撃を受けた。

なんというのか。

テーブルを拳で思いっきり殴りつけた時のような・・・

 

 

自分の感受性くらい/茨城のり子


ぱさぱさに乾いてゆく心を

ひとのせいにはするな

みずから水やりを怠っておいて

気難しくなってきたのを

友人のせいにはするな

しなやかさを失ったのはどちらなのか

苛立つのを

近親のせいにはするな

なにもかも下手だったのはわたくし

初心消えかかるのを

暮らしのせいにはするな

そもそもが ひよわな志しにすぎなかった

駄目なことの一切を

時代のせいにはするな

わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい

自分で守れ

ばかものよ


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