Rakuten Casa を設置して家の中のどこにいてもiPhoneのアンテナは4本立つようになった。
自宅の庭や駐車場に出てもしっかりと楽天回線エリアとして電波を掴んでいる。
それでは Rakuten Casa の送信出力はいくつなのか確認してみた。
Rakuten Casa の本体銘板をみると、製造元は Sercomm Corporation となっている。サーコムのODM製品である。
総務省のWebサイトから技術基準適合証明等を受けた機器を型名から検索してみると、フェムトセル基地局として工事設計認証を所得した内容を確認できた。
電波の型式、周波数及び空中線電力は以下の通りであった。
5M00X7W 1827.5~1842.5MHz(100kHz間隔151波) 0.025W
20M0X7W 1835MHz 0.025W
空中線電力が 25mW、1.8GHz帯であるので、カバー範囲として自宅全体が入っているのも納得できる。
概算であるが、ざっと受信レベルを計算してみようと思う。
屋内の伝搬損失として、ITU勧告 ITU-R P.1238-11 の伝搬損失で考える。その他の損失等は考慮していないのでおおよその目安である。
ITU-R P.1238-11 では、一般モデル(同一フロア間の伝搬損失)と特定モデル(複数フロア間の伝搬損失)が示されているが、ここでは複数フロア間の伝搬損失を計算するので特定モデルを使用する。その計算式は以下の式で与えられている。
ここで、
d:2局間の直線距離 [m]
d0:基準距離(1m )
N:損失係数
L(d0):基本伝搬損失(=20 LOG( f ) ー 28 )
Lf(n):フロア貫通損失
f:周波数 [MHz]
また、フロア貫通損失 Lf は以下で与えられる。
Rakuten Casaを置いてある2階の場所と、普段使用している1階の部屋の水平方向の距離を8.5m、高低差を3.4mとすると、2点間の直線距離は9.15mとなる。オフィスとして、Lf=15+4(n-1) で損失を計算してみる。
損失係数 N は、障害物や閉鎖的な部屋間として N=40 とする。
この場合の伝搬損失を計算すると、Ltotal = 92dBとなる。
送信出力を25mW(14dBm)とすると、
Pr = 14ー92 = ー78[dBm]
と見込む。
壁の材質による正確な損失でもないし、アンテナ利得も指向性も考慮されていないし、ほんとに目安であるが、iPhoneのアンテナが4本立っているので大体こんなものかもしれない。
楽天モバイルの、RSRPとアンテナ本数の関係がわかっていないので確かなことは言えないが...