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オートバイスポーツ、トライアルを中心にディレクター生野涼介が日々の気がついた事、取材した時の思いなど、日常のブログです。

2019年JTR R1近畿大会レポート<スペシャルセクション>

2019-04-29 10:29:37 | トライアル
2019年JTR 開幕戦もスペシャルセクションを迎えます。
18人のうち上位10人の出走枠に入ったのは、以下の選手たち。

 1位 野崎史高 2点
 2位 黒山健一 6点
 3位 小川友幸 8点
 4位 小川毅士 24点c12
 5位 氏川政哉 24点c9
 6位 柴田 暁 26点
 7位 斎藤晶夫 34点
 8位 藤原慎也 47点
 9位 成田 亮 51点
 10位 武井誠也 52点

再昇格の武井選手は、もう帰り支度をしていたところに出走の知らせを聞いてびっくり。

目標は相変わらず「怪我しないように走ります」ですが、9位の成田亮選手とは1点差。もしかしたら、まだ上が狙えるかもしれません。

SS第1は、崖の登り降り。


武井選手はここを3点で粘り切りました。


次を走る成田選手は、途中で止まってしまい、5点。

これで順位が入れ替わりました。


もし5点をとると武井選手に3点差にせまられる藤原選手は、3点で走破。


斎藤選手も3点で登ります。


ここまで6位の柴田選手。5位の氏川選手とは2点差なので、逆転の希望があります。

柴田選手は1点で上がりました。

5位につける氏川選手は、ここまで毅士選手とは同点。さらに先に走った2点差の柴田選手に1点で登られ、巨大なプレッシャーをかかえてのセクションインです。

結果は5点。柴田選手に抜かれ、ひとつ順位を下げてしまいました。

1点で登った柴田選手とは、ここまで2点差の毅士選手。3点をとると同点に追いつかれ、5点だと逆転されてしまいます。

結果は3点。氏川選手は引き離しましたが、柴田選手に追いつかれてしまいました。

そして優勝を争う、トップ3人。
 1位 野崎史高 2点
 2位 黒山健一 6点
 3位 小川友幸 8点 

ところが友幸選手は、ここでもミスをしてしまいます。


この失敗で、友幸選手が最終SS2をクリーン、野崎選手がSSをふたつとも5点でも、優勝には届かないことが決定してしまいました。

自分がここをクリーン、野崎選手が5点なら、トップを奪い返せる黒山選手。

結果は3点。優勝の行方は、野崎選手の走りに委ねられます。

最後のトライで挑んだ野崎選手。

しかしここを2点で登り、黒山選手を引き離します。


いよいよ最後の最後、SS2を迎えて、ここまでの減点です。

 1位 野崎史高 5点
 2位 黒山健一 9点
 3位 小川友幸 13点
 4位 小川毅士 27点c12
 5位 柴田 暁 27点c10
 6位 氏川政哉 29点
 7位 斎藤晶夫 37点
 8位 藤原慎也 50点
 9位 武井誠也 55点
 10位 成田 亮 56点

勝負のSS2は、第11セクションの改造版です。


SS1で成田選手を1点リードした、武井選手。

1点で走破。

これで成田選手は最後を0点でも、クリーン差で武井選手には追いつけません。

結果は3点でした。

藤原選手は、すでに8位が確定。もしここで5点をとっても、武井選手に逆転はされません。

結果は2点。

7位が確定している、斎藤選手。

途中で岩から落ちてヒヤッとしましたが、足着きはこの1点のみでアウトしました。

SSの失敗で順位を落とした氏川選手ですが、まだ柴田選手、毅士選手を逆転できる可能性を残します。

斎藤選手より手前の岩で落ちてしまいますが、なんとか立て直して3点でアウトです。

これでもし5点をとっても、クリーン差で氏川選手をかわせる柴田選手。

2人が足を出したポイントはノーミスで走り、ついにクリーンが出るのか!と思った出口直前で、ありゃまあ、の1点です。

「足を着いてはいけない、と思うと着いてしまうのが、トライアルなんです。しょんぼりです」

続いて入る毅士選手は、もし2点以上をとると柴田選手に逆転、5位に落ちる立場に追い込まれました。

しかし、このセクション初めてのクリーンで走破。4位を守り切りました。
ゴール後のインタビューでは「雨が降らなくて良かったです。セクションがハードになっていたら、骨折した指が持たなかったかもしれません」とのことでした。

そしてトップ3の闘いです。
 1位 野崎史高 4点
 2位 黒山健一 9点
 3位 小川友幸 13点

残念ながら優勝の可能性をなくしている、友幸選手。

気力が尽きたのか、最終セクションもいつもとは違う精彩を欠く走りで3点。

野崎選手とは4点差。逆転優勝にはクリーンしかない、黒山選手。

インから・アウトまで、完璧な走りでクリーン。

野崎選手の走りを待ちます。

5点さえとらなければ優勝の、野崎選手。

斎藤選手、氏川選手、友幸選手が危なかったポイントでは、先に足を出して1点で走る安全策。

最後はきれいに決めて、ついに優勝を手に入れました。





 優勝 野崎史高 減点6c17
 2位 黒山健一 9c19
 3位 小川友幸 16c17
 4位 小川毅士 27c13
 5位 柴田 暁 28c10
 6位 氏川政哉 32c9
 7位 斎藤晶夫 38c8
 8位 藤原慎也 52c8
 9位 武井誠也 56c6
 10位 成田 亮 59c6
以下SS不出走
 11位 磯谷 玲 55c3
 12位 久岡孝二 56c3
 13位 吉良祐哉 60c6
 14位 平田貴裕 65c3
 15位 永久保恭平 66c3
 16位 山崎頌太 70c2
 17位 岡村将敏 71c1
 18位 砂田真彦 79c1


雨が予想されたためやさしめに設定されたセクションで競われた、超神経戦。
拮抗する実力を持つ3人の中で、どうして今回野崎選手は勝てたのでしょうか。
もしかしたらそれは2人のチャンピオンが、どうしても勝たなければいけない、という至上命令と宿命を背負っていたのに対し、野崎選手はチャレンジャーとしての立場で走れたからなのかもしれません。


ここを制した野崎選手は、人生初めての開幕戦での優勝です。
野崎選手は「いつもの年は出だしが悪くて、シリーズ中盤から後半に向けて調子を上げていく、という展開でした。でも今年は、最初から1番という重荷をかついで戦わなければなりません。これからちょっと、重圧がすごいと思います」と語ります。

この優勝がシリーズを通して、吉となるのか凶なのか、
野崎選手にとっては、テクニックではないメンタル面でのトライアルが始まります。


会場では表彰式が終わるとほぼ同時に、ついに雨が降り出しました。

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