寝ているCocoさんの背中を見ていたら
真ん中の分け目の線が、まっすぐでないことが
急に気になってしまいました。
綺麗に直してあげましょう。
指で線を引いて
背中の毛を左右に分けていきます。
この一束は、左右どちらでしょうね。
きっちり線対象にするのは
なかなか難しいです。
迷惑なこと…と思っているでしょうが
身だしなみを整えれば
道行く人のあなたを見る目も変わるはず。
その線で、納得してください。
ま、こんなもんですかね・・・
と、思ったとたんに
大きく寝返り。
線はすっかり消えてしまいましたが
せんないことと、あきらめます・・・。
目が覚めてからは
隣の部屋を狙っています。
そこに、これから用があるのは私です。
あなたは入らないでくださいよ。
わんことして
越えてはならない一線があるのです。
突如、窓の外の物音に
耳を澄ますCocoさん。
午後五時に流れる「夕やけ小やけ」のメロディーが
心の琴線に触れたのでしょうか。
いや、そうではなくて
重なって聞こえる救急車のサイレンが気になる様子です。
線の細いCocoさん。
前線が上空を通過するとき
気候が大きく変わって驚くことも多いですが
桜前線は、ゆっくりと北上中。
こういう前線の通過なら、歓迎です。
「私を置いて、出かけるつもりですね」という
Cocoさんの視線が痛いです。
あっ。気がつきましたか。
隣の部屋で、外出の支度をしていたのです。
ドアの前で、あなたの侵入を阻止していたのが
この結末の、伏線です。
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