Cocoさんは、
まずめったに、吠えません。
こんな顔をして遊んでいるときも
まったく声は出していないのです。
Cocoさんが立てている音といえば
どたばたと跳び回る足音だけ。
それから
Cocoさんが立てる音といえば
フローリングの床を歩くときの足音。
この、
しっとりしつつも表面のざらついた
力強い肉球が
フローリングの床を蹴るとき
Cocoさんの足音が
ちっちっちっちっ・・・と
小刻みに聞こえてくるのです。
この音は、時折
真夜中にも聞こえてきます。
どんな理由で暗い家の中を
さすらっているのか、は
よくわかりません。
外を歩いていても
静かな住宅街なら
アスファルトを進むCocoさんの足音を
聞くことができます。
脚が4本あるからか、
あるいはその長さのせいで
小刻みに動かす必要があるためか
ちっちっちっちっちっ・・・の音は
常に、慌ただしく響きます。
そんな物静かなCocoさんですが
声をまったく発しない、と言うわけではありません。
玄関の外を
宅配便の台車が通ったり
立ち話をしている人がいたりするとき
Cocoさんはささやかに
「わふっ」と一声、吠えてみせます。
その声は
「ハッ・・・
クション!」と
くしゃみをしたときの音と
ほとんど区別がつきません。
また、
Cocoさんのお気に入りのおもちゃはたいてい
「ぷー」とか「ぴー」とかの音が鳴りますが
Cocoさんが家族に対して
ご意見ご要望がある時の声は
そのぷーぴー音に
とても似ています。
けれど
わんことして生まれたからには、
Cocoさんも
「わんわんっ。わわわんっ」と
威勢よく吠えてみたいものだ、と
実は考えているのでしょうか。
一度本音が
聞きたいものです。
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