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ルシアー始めます。アコギ製作への道

念願のアコギ製作者への道を歩き始めようとしてる者の前途多難ブログです。

ブリッジを削り出そう。

2018-11-29 11:14:16 | 2号機
今回はエボニー材です。

見てください、アイモクから送られてきたこのブリッジ材。
もはや長方形っぽいモコモコした塊です。



これをそれなりにきれいな状態にしなければなりません。

まず平面はドラムサンダーで研削します。
表面を削ったら裏面です。
この時にドラムサンダーは入口出口が多く削れてしまう現象が起こるので難しいです。
私は、ワークを板材に両面テープで貼り付けて削るのですが、入口と出口には端材を置いて共削りします。

そして、平面が出来た後は垂直の面を作ります。
ベルトサンダーでラフに一面作って、直角ブロックで綺麗にサンディングして仕上げます。
これを基準に側面を垂直にスコヤなどでケガいて、その線に合わせて面を作ります。



裏表と垂直面が2面できれば使えます。
後は切り出しますからまた後で仕上げです。



サドル溝切りのためにジグを作りました。
ドレメルベースがぴったりはまって直線加工ができるガイドです。
これを両面テープで貼り付けて、溝加工します。



外形はテンプレートを作ってラフにマーキングして、バンドソーで切り出します。
バンドソーで両翼の薄くなるところもある程度切り落とします。
しかし、この切り方は難しいし危ないですね。


あとはベルトサンダーで全体的にラフに削って、サンディングして仕上げます。







うーむ、この素材導管の出方がハンパないなぁ。
木取りが斜めになってるのかな。
最後にエポキシで導管埋めようか、色も結構まだらだから黒くしてしまおうか悩みますね。


サドルの傾斜角を強くとってますし、太いロングサドルでブリッジが欠けないように溝周りの肉厚が多く取れるようにレイアウトしています。
そしてピン穴は通常よりボトム側に下げているので、サドルとブリッジピン距離が少し多く取られています。
完成した後マーティンと比べると結構違う感じ出ると思います。

今回はブリッジ厚は薄めで行ってみます。
この辺は長年作って考えていくしかないですね。
ルシアーの方は30何グラム以下にしているとか、こだわってる方もいますから、軽量化が主流なのかな。

指板、そしてネック仕上げ

2018-11-22 08:57:52 | 2号機
指板を作ります。
材料はエボニーです。クッソ硬いです。
今回重要なのはこの素材からバインディングも切り出します。
そしていきなり反省ですけど、バインディング用の端材は、指板本体よりも厚みを増しておいたほうが接着しやすいです。
そして、板材が大きいうちに接着面を仕上げておいたほうが仕上げやすい。

素材から厚めに面を仕上げて、両端面をまっすぐ仕上げてからバインディング材をカット。
そして板厚を狙いのサイズに合わせて、溝切りへ進むのがいいですね。

さて、指板材ですが例のごとく直角も平面も全てが怪しい塊でしかないので加工していきます。
センターラインを決めて、それに対して指板を整えます。



早速バンドソーで切り出してますね。
左右の幅をほんの少し残してバンドソーで切り出しです。
ちなみにバンドソーは斜めカットに対してはガイドが使えないのでフリーハンドで切ります。
これがなかなか難しいので注意ですね。



側面を仕上げます。
カンナで削ると逆目で穴があいたりするので注意します。



ブロックにサンドペーパーを貼ってサンディングして、直角と直線と均一な面を作ります。



自作の溝切りテンプレートにセンターラインを使って合わせます。
ナット位置の0フレット部分も溝切りで加工して、フレットとの平行が出るように工夫してます。



このためだけに鎮座しているテーブルソーにセットして、押し切ります。
向こうまで行ったら再セットして、次のフレットへ。



こんな感じで順番に切れます。



二十数回繰り返せばあっという間に終わりです。
準備に対して加工時間の早いこと早いこと。
しかし、テーブルソーは本当にこれでしか使ってないからもったいない。
楽に溝切りするために刃とテーブルソーで二万円以上は確実で、作業場のスペースもけっこう占領されます。

さて、溝切りの終わった指板にバインディングを貼り付けます。



バインディング材の接着面を極めて綺麗に仕上げないと隙間が出ます。
接着時に厚み方向でずれると大変です。
特に指板に対してバインディングが足りないずれ方は最悪で、ネックとの接着面側は絶対に凹まない貼り方を工夫しなければなりません。



同じ素材で溝切りした指板を囲むことで、バインディングはしてなさそうなのに、フレット溝が側面に現れない仕様です。
MartinのD-18やD-28のスタンダードでは1970年代以降からだったかな、おなじみの仕様です。
溝を埋める手間もないし、溝がいなくなって綺麗だし、乾燥してもフレット端が飛び出してこないので良いことづくめです。

ちなみに白とかメープルとかのウッドバインディングにして装飾してしまえば良いという話もありますが、黒一色とかローズ一色とか、それはそれで素敵なのです。

さて、今回の指板ポジションマークインレイですが、ヘキサゴンインレイに挑戦します。
みんなの憧れのD-45サイズのヘキサゴンインレイですが、アバロンではなくウッドインレイにします。



ブラッドウッドからヘキサゴンインレイを切り出します。
バンドソーでラフカット、ベルトサンダーで仕上げていきます。



なんとなくそれらしくなりました。
しかし、下書きの時点で対角線や中心線をたくさん書いておけばよかったです。
下書きが消えた後で歪みをとるのにどこがどう歪んでるのかわからなくなるので、センターや過度の位置がわかるようにマーキングする必要がありますね。
細かな歪みもありますが進みます。



このように配置します。



ドレメルでガンガン削ります。
ラフカットでは3ミリくらいのエンドミルでごっそり削ります。



最後の薄皮一枚は、1.25ミリくらいの細いもので仕上げます。
1フレットのような大きいものは角のエッジもエンドミリで行けるのですが、細くなってくると追加工が必要です

これがすごく大変。


デザインナイフじゃエボニーは硬くて全然削れないし、ノミだと太すぎて角が潰れるんですよね。
どうやってやるんだろ。
今回はごまかしごまかしノミでなんとかしました。



エボニー粉末を大量に練り込んだエポキシで接着!!
これもできれば粘度の低いサラッとしたエポキシが理想的かもしれませんね。
隙間なく充填しておかないと、研磨していくと穴があいたりします。

さて、1日放置して削り出します。


お、おおー。。
おお、ええやんええやん。けっこう良い感じやん!





やっぱエボニーは良い。
隙間をエポキシで充填したところが、それほど目立たない。
よくよく観察するとわかるんだけど、前回のmachiche指板とは雲泥の差ですね。

よし、早速ですがネックと合体させましょう。



ネックと接着する前にヘッドも仕上げたいですし、指板面も仕上げなければ。
今回はトラスロッド溝に蓋をします。
必須ではないと思うのですが、蓋をすると指板の接着面積が増えます。



ヘッド側の締め付けナット部はこのような蓋をかぶせて、ロットを回せるようにしつつ、弦を乗せるナットの土台をしっかり木で埋めます。



あとは、出っ張ってる部分を削りとれば良し。



カンナかけたりペーパーかけたり。
指板接着面を荒らさないように注意です。



ヘッドプレートを接着します。




ローズのヘッドプレートです。
前作よりグレードが高いので、木目が細く黒と茶色が強いです。



今回はトリマーでヘッド形状を切り出します。
表にテンプレートを両面テープでがっちり貼り付けます。







コロ付きガイドビットで削り取ります。
ネックジョイント用の刃物を流用してます。
できるだけ細い刃のほうがいいのですがベアリングが必要なので中々無いんですよね。

さて指板を貼り付ける前に、ボディと合わせてみましょう。







今回のネック仕込み角は2°ですが、かなり強烈ですね。





ジョイント部からサウンドホールまでの間でかなり浮きます。
これはネック仕込み角とボディのトップラウンドがちょうどいいバランスじゃ無いのでこうなります。
ホール側の先端を強制的に貼り付けて曲げることで、実質Fallawayになりますね。
無負荷の状態ではこんな感じですけど、弦を張った後で、ネックは起き上がりますし、ボディは膨らむのでちょうどよくなるはずですが、この辺こそ経験がものをいうところなのでどうなるかわからんです。

指板裏のジョイント部に削りこみを入れて、少し曲がりを手助けするように傾斜をつけました。

では接着です。



まず位置を確定させて、例のごとく画鋲を指板に突き刺して位置固定のピンのようにして、ネック材に突き刺します。

今回は動かないように3本。



そして、ブレ止めまで接着しておきます。





よし、全くずれずにクランプできました。



ズレも接着面の隙間も無いですね。
よかったよかった。

トリマーでヘッドの時のようにネック幅を加工してしまいます。







やはりガイドビットは作業が早くてきれいでいいですね。
削りカスが部屋中に飛び散るのがデメリットです。

そして、ビット加工部は焦げ跡が残るのがいけませんね。
サンディングします。





指板幅に合わせてネックシェイプを仕上げます。







ヒールもここで完成形に持っていきます。
ネック幅とラウンド形状は指板もかなり削り込むように巻き込むのでくっつけてからじゃ無いと仕上げられないんです。

次は指板のラウンドを削ります。Rは16インチです。









やはりエボニーは地獄でした。
指板接着時にクランプしやすいように、接着後にラウンド加工してますが、エボニーは硬い。
サンディングしても削れる量がほんのわずかで大変な労力を必要とします。

この作業の仕上げはボディと合体した後で仕上げます。
フレットを打つ前にボディと合体させて弦を張り、少しネックの変化を確認してから指板を仕上げてフレットを打ちたいです。

次はサイドポジションも打っておきます。





大変迂闊だったのですが、12フレットは2つマークを入れようと思ってたのに、さくさく穴を開けて一個だけにしてしまった。
まぁ、大した違いじゃ無いんですけどね。
ヴィンテージD-28は全部丸印が一個ずつですね。

そしていよいよ、合体の日が近づいてきますね。



ネックとボディを組み合わせて、確認作業です。
やはりボディとネックの傾きも発生しますので、それを踏まえてブリッジを設計します。





前回はブリッジがうまくいきませんでしたので、今回は万全の準備で挑みたいですね。
ブリッジを作ったら、各部を仕上げて、塗装に入ります。

今回はしっかり塗装しようと思いますので、塗装設備を用意しなければいけませんね。

ネック削り出し への字材編

2018-11-19 00:10:51 | 2号機
さて、2号機のネックはへの字材を使います。ヘッドと指板部のストレートなところが約14°で一体で切り出された材でヒールを継ぎ足して使います。

1号機の時は初めてだったので写真も撮らずにどんどんもがき苦しみながら進んでいったので、記事も製作の進行の割にあっさりした感じになってしまって、久々に作業するので読み返してみると大して参考にならなかったですね。

今回は細かく記します。



まずはトラスロッド溝。
今回はトリマーを動かすのにジグを作りました。
ダイソーのMDFボードに60センチに長さのものがあるので、それに溝を掘りました。
あとはアルミアングルで囲ってクランプすることで、加工幅を制限しつつ、トリマーをスムーズにとりまわせます。
トリマーのストレートガイドでは、浮かせてしまったりミスする可能性があるのですが、これなら加工時のリスクはかなり低減できます。

あとは加工幅を加工しながら適宜調整するのです。


私は、トラスロッドの調整はヘッド側と決めているのでこちら側にがっつり溝を掘ります。

六角レンチで回せるようにするのも主義なのですが、穴が細くなる方は、先ほどのジグにドレメルを乗せて掘ります。
また、このアルミチャンネルトラスロッドは、ワッシャー部と円形のナット部が少しはみ出ているので、ここが当たるネックの溝は1ミリくらい彫り下げるひつようがあります。

では、ヒールブロックを接着します。



本格的に四角い板とブロックの変哲な塊です。
何がネックなものかと言いたくなります。

一気にバンドソーで切り出していきます。
まず、写真のように寝かせた状態で、ヘッド長さ、厚み、ヴォリュート厚み、ネック厚み、ヒール形状のR、ネックジョイント部の長さを切り出します。
それぞれ数ミリ残してラフカットですね。
次に指板面を上にして、左右のヘッド幅から、ネック指板幅などをカットしていきます。
ヒールのラウンドや幅を変えていくなどバンドソーで細かく形状をカットするのでブレードは3ミリのものを使います。
長い方向のカットは主に10ミリを使ってますが、細かい作業は3ミリですね。
刃の山も細かくなるのでトップやバックなど薄板の切り出しもこのブレードです。



切り出すとこんな感じでネックらしくなります。
ちょっとやる気も出るので早くここまで持ってきましょう。



次にネックジョイント部の加工ジグに取り付けます。
この加工でネックの仕込み角がほぼ決まりますので重要です。
今回は約2°の角度をきっちりつけたいので、ネックのナット部で約14ミリ程度持ち上がるようなスペーサーをかませてセットしています。


同時にボディ部の溝加工も行います。

このジグですが、パイン集成材を加工しましたが、加工後半年で収縮しましたね。
スチュマックのアクリルプレートがぴったりはまるサイズに絶妙に加工したはずがスッカスカになってました。プレートを囲む段は後から微調整できるように別パーツで作ったほうがいいのかもしれません。
パイン集成材は安価で加工しやすくちょうどいいサイズの材料が豊富なので使いやすいのですが、構造材としては安定性に欠くので使い方を考えたほうがよさそうですね。


さて、ジョイントの突起も削り出せたのでヒールの斜めカットをします。
弓なりカーブなので糸鋸です。
やっすい粗めのブレードでガンガン削れます。剛性がない安物は少しやりにくいですが高いものは必須ではないですね。


両サイド削り落とします。



続いてヘッドの裏の厚みを出しましょう。
これ、機械を使う以外で手で仕上げる方法が思いつきません。
ヴォリュート部が邪魔でカンナがけはできないし、ノコできるのも邪魔ですよね本当に謎です。

ボール盤にSafe-T-Planerを取り付けて厚みの高さに主軸を下ろし、ヘッド面をボール盤の台にあてがいながら押し込んで削るっていうやり方がスチュマックに書いてありましたね。
刃物は取り寄せたんですが、ボール盤がまだない。
そして、ボール盤は横方向の荷重に弱くアーバーが抜け落ちかねないから怖いです。

そこで、今回はトリマーに頑張ってもらいましょう。
何かと便利な朴の木の直方体ブロックを用意します。
これ、ホームセンターで売ってましたけど便利です。
直角水平と寸法がきっちり出ているこのブロック、こいつの横面にサンドペーパーを貼り付けて水平な板の上を滑らせれば、垂直面をビシッと削ることができます。
薄板のブックマッチはこいつのおかげであっという間に面が作れます。

今回はこの二つを土台にして、一枚板を載せてその上をトリマーを走らせます。
ヘッド面で両面テープなどでテーブルに固定しておけば、希望の厚さに平面を平行に加工できるのです。
機械加工する人には、フライス加工で厚さ出すって言えばすぐわかりますね。


左側に写ってるMDFがジグです。
トリマーを直線運動できるように囲ってます。
ヴォリュート部の斜めはジグを傾けながら直線カットして削ります。
下書きラインに合わせて目見当で切り込み深さと角度を調整していくので結構難しいです。
ルシアーの奥村さんが公開しているような三角のガイドをヘッド裏に貼り付けてガイドビットで削る方法のほうが失敗リスクを小さくできますね。
今回はヘッド裏の厚みをラフカットしてヴォリュート厚まで削り出したもんだから、平面がなくなってガイドが貼り付けできませんでした。
まぁ、これでもけっこうきれいに削れるのでいいような気がします。



一応厚みにも余裕をもたせてラフに削って、仕上げはわずかに削って仕上げます。



続いてのみでヴォリュートの三角部を作っていきます。
ある程度削ったらネックシェイプを作っていきます。けっこう全体のバランスを見なきゃいけないので、各部ぼちぼちやりながら進めていく感じになりますね。



1フレットあたりと10フレットあたりを丸く削っていきます。
ここを目安にして繋げていく感じですね。
指板面までの厚さはやく15ミリと18ミリくらいを狙っていきます。



相変わらず南京カンナがないのでまさかの反りカンナです。
いや、これけっこう使えるんです。たぶん南京カンナ買わないですね。

続いてヒールもぼちぼちいきます。


これがもう本当に感覚勝負です。
なんとなくヒール部分に三角の目安を書いてそれに合わせてナイフでガリガリ削るんです。



三角先端のセンターラインがとにかくまっすぐネック側に伸びていくように気をつけながら、美しくなれと気持ちを込めて刃を滑らせます。


ある程度仕上がってきたらランダムサンダーとかで平滑な面が出るまでサンディングします。
刃物で滑らかにまで削る必要はないでしょう。



なぜかそれっぽい形になるんですよね。
削るまでは、こんなん絶対作れないでしょうって思うんですけどやってみるといい感じに形になるというか、いい感じになるまで削るというか。



そしてヴォリュート側に戻ります。
ネックシェイプが定まってくると、ヴォリュートも形の行く先が見えてきます。
そもそも今回は前作のガチ補強部としてではなく、ただの飾りですので小さめにあっさりとあんまり主張しすぎないように削ります。



ブロックにサンドペーパーを巻いて、平面を研磨します。
トリマーのツールマークが取れて綺麗になりました。
ちなみにヘッド外形はヘッドプレートを貼り付けた後加工します。



ヒールキャップを接着します。
ローズウッド指板材の切れ端から、5ミリ厚くらいで、厚く貼り付けてみました。
ヒールキャップはバックとツライチが好きです。前作はバックの角度と合わさずに水平に作ったのでボディからはみ出てしまいました。
今回はきっちりラインを合わせます。
しかし、指板面とヒールキャップが平行にならないので、クランプ時に苦労します。
斜めに削った当て板を作ってそれを使ってクランプしました。



ちゃきちゃき削って輪郭を合わせていきます。
しかし、接着面の削り出しは難しいですね。わずかに歪んでいると貼り付けても隙間ができます。
きっちり加工したいところです。



ボディと組み合わせてみましょう。
がっつり隙間が空いてますね。
これをフィッティングしていきます。





ここまでやっても、三角のマークが少し歪んでますしセンターラインも少し歪みがあります。
ここは最後のサンディングで整えましょう。
近くで見てもわからないのでこんなもんでいいような気がするんですけどね。
手元のMartinギターはみんな美しく整った形状してるんですよ。
手抜きはできませんね。

いやはや、このネック作業って時間かかりますわ。
ボディよりしんどい。



そんなわけでこの辺で投げ出します。
この後指板を作って、トラスロッド埋め込んで、ヘッドプレート貼って、ヘッド外形仕上げて、指板幅に合わせてネック幅決めて、握りの形状仕上げなきゃならんのです。
終わったようで全然終わってない茨の道。

ちなみにヘッドとヴォリュートは取り回しでどっかこっかぶつけてすぐに凹みますので、早めに養生して包みます。
凹むと凹んだとこ以外を削るんでどんどん小さくなります。

さて、次は指板です。

バインディング作業

2018-11-09 12:19:59 | 2号機
ボディが箱になりましたので、バインディング作業に入ります。
まずは、はみ出しているトップとバックの板を削り切ります。

5ミリ程度の細めにフラッシュビットで切り出します。
これ、国内で似たようなものが見つかりませんね。
板を切り落とすということで、刃径が細いほうが板の欠けを防げます。



これをぐるっと外周加工することでこんな感じ。




切り出した後はサイドを研磨して平滑な面を作ります。
バインディング溝加工はサイドをガイドとして加工しますのである程度の滑らかにします。



それでは、恐怖の溝切りです。

数カ所ダウンカットで先行加工して、全体をぐるっと回します。



トップはバインディングの後で、パーフリングの溝を切ります。


溝切りの後は、トップのヘリンボーンです。
今回もヘリンボーンは瞬間接着剤で接着します。



やはり瞬間接着剤を使うとトップの導管に染み込んでしまいますね。
しかし、テープ固定などしなくても固定できるのが楽すぎて瞬間接着剤でつけてしまいますね。


しっかりくっつけて、念のため追加で染み込ませます。



続いてバインディングも瞬間接着剤でいきます。
前回はタイトボンドでしたが、瞬間接着剤の上にタイトボンドは接着力が甘そうなので同じ接着剤でつけてみます。




やはりつなぎ目をきっちり作るのが難しいですね。
トップはボトムしか見えないので気が楽ですが、バックはネック側も見えるので正念場になりますね。

バインディングが接着できましたので、はみ出た部分を削り出します。


ヘリンボーンをカンナがけすると、それはそれは美しい削りカスが出て気分がいいです。



仕上げはサンディングブロックとサンドペーパーで。

サイドもツラを合わせます。


今回はフラッシュビットなしで、スクレーパーでガリガリ削ってペーパー仕上げです。

綺麗にパーフリングとバインディングができました。




バックもこんな感じ。
バックはパーフリングがない分隙間ができやすいので難しいですね。
今後はパーフリング挟んだほうがいいかもですね。





後はボディの合体溝を彫れば、大きな工程は終わりですね。
そろそろネックが始まります。

トップのスキャロップ サイドと接着

2018-10-30 00:47:24 | 2号機
こちらが今回のブレーシングのスキャロップ加工です。
前作では控えめスキャロップの頂点を尖らせる形状としてましたが、今回はそれなりにえぐった断面はそのままにしてます。





フィンガーブレースは相変わらず全力で削ってますね。
そもそもこの形状でしか作ってないので違いが試せないですが、フィンガーブレースはもうこの形で良いんじゃないかと。

Xブレースのボトム側もそれなりにえぐります。
もっともスキャロップを売りにした製品と比べると、まだセミスキャロップドってとこでしょうか。


トーンバーも同様に削りますが、今回のミソですが、ブリッジプレート側のトーンバーはブックマッチ中央部に山をもたせて中央強度を上げてます。
鳴りだけで言えば、ブリッジプレート下部は可能な限り強度を落とすほうが鳴るでしょうけど、剛性をあえて少しもたせてます。
前作を力強くストロークした際に、大きく鳴るのですがある程度の強さから鳴り方がサチュレートするような感覚があったのですが。
例えば90%くらいの力でのストロークで100%の音量でなってしまう感と言いますか。
剛性を増したブリッジプレートとトーンバーの剛性で、フォワードシフテッドの広さなどうまい割合で効果が出てくれることを祈ります。

ちなみに私のXブレーシングパターンのトーンバーは、スタンダードXに近い配置なので、マーティンのフォワードシフテッドのヴィンテージのパターンよりもブリッジプレート周りの空間は若干狭いです。




Xブレースのスキャロップは若干ですが、低音弦側のほうが大きいです。
ボジョワー先生のギターあたりだと高音弦側はスキャロップしていなかったような。

こんな感じですが、さてどんな音が鳴るでしょうか。
楽しみでしょうがないですね。


続いて、サイドバックと合体して箱になってもらいましょう。



箱にするために飛び出してるブレーシングがおさまるように溝を切ります。



センターを合わせたトップをあてがった上でポイントを記して、削っていきます。
今回はノコで直線を切る感じで溝を入れて、棒ヤスリで削り倒しました。
前回はノミなど刃物を使いましたが、ライニングが欠けるんですよね。
ヤスリで削るほうが圧倒的に綺麗に手早く仕上がりました。
なお、しゃかしゃか削っていくのは大変労力がかかります。

前回はタングーブレース以外、全てのブレーシングをサイドと噛み合わせましたが、今回はXブレースだけ噛み合わせます。
フィンガーブレースもトーンバーもライニング手前でついえる形になっているんです。
これが鳴りを生み出すのか、音の伝達を絶ってしまうのか。
変化点がこれだけじゃないので、比較することは困難でしょうけど、いろいろやってみたくなるんです。

さて接着します。


私も日本人なので、接着した後のボンドは綺麗に拭き取ってできるだけピカピカに作りたくなります。
しかし、本当は接合部にほんの少しボンドが残るぐらいで乾燥させて、接合部の角にわずかにですが皮膜が残るほうが、クラックの入りにくさや、剥離しにくさを考えれば強いのではないかと思ったりします。
この辺は悩ましいです。
よくいろんなところで耳にする言葉に、高精度にきっちり作ると鳴らなくなるという噂があります。
基本的に、剛性が低いほうが振動が大きくなり音量が出やすくなると考えられますので、確かに理にかなっているような気がするのですが。
しかし、木組みの組み合わせや接着部の仕上がりがまちまちで接着強度にばらつきが出るようなラフさを持たせると、鳴ってみたり鳴らなかったりと、それこそコントロール出来なくなるのではないでしょうか。
それをコントロールするためのブレーシングパターンであったり、各部の寸法であったりするわけなんで、そういった設計の範囲で鳴らすようにしつつ、構造的なところは強固にした作りでやっていきたいと考えます。

さて、どんな箱になることでしょう。