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ルシアー始めます。アコギ製作への道

念願のアコギ製作者への道を歩き始めようとしてる者の前途多難ブログです。

2号機のトップを作る。寄木細工と木工編

2018-10-27 22:33:17 | 2号機
さて、先日のバックに続いてトップも進めてまいりましょう。


その前に先日のバックとサイドを接着したものですが、こちらをご覧ください。



1号機と比べ物にならないくらい隙間なくしっかり接着できました。
大変満足な仕上がりです。
サイドの内側に割れ止めを貼りました。

そして今回のボトム部のエンドトリムですが、ここは工夫を凝らしてみました。



矢継ぎではなく縦にストレートなマホガニーでヘリンボーンを挟み込みました。
両端に黒いラインを入れることでエンドトリムがくっきりしますね。
ヘリンボーンはエンドピン位置に向かって、向かい合わせの組み合わせです。
あんまり見たことないのでオリジナリティになるでしょうかね。
こういった細工は、まさに特別なギターを作っている感覚が溢れて心地いいです。

ではトップにいきましょう。


トップはまずはおもて面のロゼッタ周りから始まります。
今回はここでもオリジナリティを出していきましょう!

ブラッドウッドとローズウッドの小片をこのように組み合わせました。
このリングを丸く切り出していきます。


みんな大好きドレメルと、スチュマックのサークルカッター治具!
大変慎重に少しずつ内周外周を削り出していくのです。



このようにリングが削り出せました。
これにも内周外周ともに黒いラインを挟んでおきます。


完成してみると単純な輪っか一本できるだけなんですけど、これがなかなか手間がかかってます。
こういう特殊な小物って時間をかければかけるほど、商売するなら高価になってしまうんですよね。
ほんとギター製作で商売してる職人は偉大ですね。

それではトップもロゼッタ溝を掘っていきます。


これも難しいんですよ、ほんと。
内周に飾り一本、1.5mm幅、真ん中にロゼッタ6.5mm幅、外周に飾り1.5mm幅を挟みます。


この溝に飾りをはめ込んでいきます。


しっかり接着材をつけて差し込みます。
溝の幅が狭いと木材が水分を吸って入らないです。
広いと完成後に隙間が空きますから、技術が必要なところですね。


しっかりはまりましたね。
前回の反省として、この加工をする際にはトップの厚みを十分残しています。
飛び出している飾りごとトップを削って仕上げます。


よっしゃ!
こりゃ綺麗にはまったぞ!
前回は溝加工時に端面がチップしたりガタガタになったりといろいろあったのですが今回は素晴らしいですね。
念のため溝加工部は接着剤を少し薄めたものを塗ってありましたので欠けもなく、加工も綺麗に入りましたね。

さてさて寄木細工編から木工編に入ります。


もちろんブレーシングはフォワードシフテッドXブレーシング。タングーブレース付きの1938アレンジです。
Xブレーシングの組み木部をきっちり加工します。

このブレースに差し込むフィンガーブレースやトーンバーはもちろんXブレーシングに差し込むノッチドブレイスです。

今回はXブレースにノッチ部の溝をあらかじめ加工して接着しました。

各部差し込みながら接着していきます。


タングーブレースとトップブレースも接着。

そして今回の1番の意欲的変更点であるブリッジプレートを貼り込みます。


前回は戦前マーティンを参考にメープルの板をかなり小さく貼り付けていました。
今回の形状はこうです。





戦前マーティンの形状ではブリッジのボトムベリーの下部がブリッジプレートからはみ出てるんです。
そしてフォワードシフテッドXブレーシングということで、ブリッジ周りの骨組みが広いのです。
前作の1号機は、思い切ってブリッジ周りの弱点に対してノーガード戦法を決め込んでます。
そして、完成以来半年ずっとライト弦をチューニング状態で貼りっぱなしにしてますが、案の定ブリッジ下はみるみる膨らんでいってます。
これがある程度で止まるのか、ラウンドトップと形容できるところまで行くのかわかりません。
今回の2号機ではここに少し強度補正を施すと同時に、ブリッジ周りを強くすることで、音に芯が出るのではと狙っています。



ブリッジと重ね合わせたイメージがこちら。
前作では下に膨らんでいる部分が丸々ないので、どれだけ被さったかわかりますね。
これでもよくあるD-28のブリッジプレートよりはかなり小さいんですよね。

今回はこの形で魂を注ぎ込んでいきましょう。


2号機のバックを作る。

2018-10-22 22:06:44 | 2号機
まいど、ながらく製作はお休みしてましたけどぼちぼちやっていきますよ。

おさらいしますけど、シダートップ、マホガニーサイドバックのドレッドノートを作ります。
サイドは5月くらいに曲げてくっつけて削ったまま放置かましてましたので、バックやってトップやって作っていきましょう。



まずスプルースの補強材を貼ります。
縦のマホガニーの木目に対して横方向の木目が並んだスプルース板です。
ちなみにこれはLMIで購入したままの姿で貼り付けてます。
普通は半円に加工したり、幅を狭くしたりと加工するのですが、この製品結構かっこいいのでそのまま使ってます。
次回からは自作しようかと思ってます。



バックブレースが入るところを削り込んで、バックブレースを接着します。



今回はバックブレースがおさまる溝をタイトに削ったので、接着時にゴーバーでクランプしたところがずれるようなことがなかったのでとてもクランプしやすかったですね。



貼り付けた角材を、内丸カンナ、ノミで削り取り、サンドペーパーで仕上げます。



はい、あっという間にこの通り。
本当、画像を貼って記事を書くだけなら一瞬なんですけど、手間がかかります。



サイドとバックを合わせて、ブレーシングが噛み合うところを削ります。



今回は、ノミ等使わずに、金やすりでゴリゴリ削りました。
ライニングが欠けたりしなくて綺麗に削れたのでヤスリで作業する方がいいですね。



タイトボンドをべったり塗りつけて接着します。
初めてクランプした時はカムクランプの狭い面積でしか押し付けなかったために、バックに輪郭部で浮きがある箇所が散見されましたが、このようにクランプ用のブロックをかませて、適宜隙間が出ないようにテンションをかけていますので、しっかりとくっついてくれるでしょう。

しかし、クランプの数が凄まじい。
もう一度機材を買い直すなら、ショートのカムクランプを20本、ロングを10本くらいにしますね。
なんせロングは締め付け力が全然出せないので、ほとんどショートばっかり使います。
これは使って見ないとわからないですよね。

そんなわけでじわじわ更新しますので、よろしくどうぞ!

サイドライニング仕上げ トップとバックのブックマッチ

2018-05-09 23:40:50 | 2号機
ご無沙汰してます。

サイドにライニングを貼り付けます。
ライニングにタイトボンドをべったりつけてサイドに貼り付けます。

そして、必殺のダブルクリップをとめていきます。



ライニング一本ずつ貼り付けて固定して、はみ出たボンドを拭き取ります。

固まったらクリップをはずします。



そしてでっぱったライニングをおおかたカンナで削り取り、サンディングディッシュで削り落とします。
トップやバックのラウンド形状に合わせた傾斜をつけます。





今回はかなり綺麗に加工できましたね。
接着面の強度にも期待が持てます。

さて、続いてトップとバックの加工です。



こちらが材料。
シダーとアフリカンマホガニーです。



ささっと端面にカンナをかけてある程度真っ直ぐにします。
これは二枚重ねて同時に削ってます。



こんな感じでカンナで削ると切削面が輝いていて綺麗です。
これでも張り合わせるとわずかに隙間がありますので、サンディングブロックに120番の空研ぎペーパーを貼り付けて研磨します。

初めてシダートップを仕上げたときは四時間くらい試行錯誤した気がします。
できるようになると一瞬ですね。
合わせてぶつかっているでっぱった箇所を特定して、そこをブロックで数回撫でるだけ。
全面ゴシゴシ削ってもしょうがないんですよね。
直線の中で膨らんでるところとへこんでるところを見極めて、不要な箇所を削り取れば全面で綺麗に接する面が作れました。





べったり接着剤をつけてジグでクランプ。
はさみ込む際はクッキングペーパーをお忘れなく。



クランプを外すとこんな感じ。



ボンドがはみ出てますけど、肉厚加工でサンディングするので全然気にしなくても大丈夫です。



同じ工程をマホガニーでもやります。



今回はバックにセンターストリップを仕込みました。





ヴィンテージマーティンでおなじみのジグザグストリップです。
ちょっと豪華な感じになりますね。

今日はここまで。

サイドから始めるギター作り

2018-04-29 23:31:10 | 2号機
完成して程なくしてブリッジを交換する大手術を行った1号機でありますが、おかげでいろんなデータも取れて大変勉強になりました。
そんなわけで、またしてもドレッドノートを製作してみようと思います。

今回は製作に時間が取りづらいので、時間を置ける工程から進めていきます。
トップやバックのブレーシングを加工した後で、すぐにサイドと接着させないとラウンドが戻ってしまう現象が起きるので、まずサイドを完成させる手順で作ります。



こちらが主な材料です。
またしてもシダーとアフリカンマホガニー。今回のほうがグレードは高い材です。
ネックはヘッドが斜めに切り出されていて、ヒールブロックを接着する材料です。
指板とブリッジ材はエボニーを用意。まぁ、最終的にどうなるかはわかりません。

しかし、見事に角材と板材ですね。
これがギターになるとは思えん。



さっそくですが、サイド材を切り出し、厚みを調整します。



LMI bending machine deluxe大先生で曲げていきます。
今回は二回目ともあって作業もスムーズ。
まずアルミホイルで包む材料にはしっかり水を吹きかけます。
強制乾燥されるから平気です。

そして、曲げていくときは丁寧にゆっくりと。
特に中央くびれの後のハンドルを引き絞っていくところは、締め付け始めるまでラバーヒーターの熱が材料に伝わってないので、じわじわと熱を伝えて材料を柔らかくしていきながら曲げていきます。

ここで新たな注意点です。
温度管理用の熱電対を2本セットしているのですが、こいつが曲者です。
電線ごと材料に深くかぶせるとベンディングの際に板材に凹みを作ります。
これはいけません。
特にネジで締めこむ中央部に近すぎるとすごい圧力で潰されるのでくっきり跡がつきます。

深く熱電対を差し込みすぎず、中央から少し離してあげるよう今後注意ですね。



曲げ終わったら数時間放置して冷まします。

1日おかなくてもなんとかなりそうですね。
1日でサイドが両方曲げれそうです。



曲げた後は型にはめて、板材の両端の長さを型の中央で合わさるようにカット。
このサイドの長さカットがすごく難しいですね。
ゆるくすると隙間が空いてしまうし、きつすぎると型にはまらないし。
これ、他の人はどうやってるんだろう。

うまく合わさるように型にはまったら、ジョイントブロックを接着します。
エンドブロックも削り出して一緒にくっつけます。
接着剤のはみ出し方も拭き取り方も慣れてきましたね。



サイドの接着面をある程度カンナで整えて、ラウンドサンディングディッシュでラウンド形状に端面を合わせます。
トップとバックでラウンドのRが違います。

ある程度揃ったら、ライニングを貼り付けます。

じわじわ進めてるけど、説明すると一瞬ですね。
慣れてきてスムーズなところもあれば、油断して失敗することもあったりです。
匠の道は険しい。