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ルシアー始めます。アコギ製作への道

念願のアコギ製作者への道を歩き始めようとしてる者の前途多難ブログです。

MIYASU KOGYO CO.,LTD リペアする。

2018-09-22 21:36:36 | 日記
絶賛休業中のルシアー活動ですが、またまたリペアします。



こちら、今ではメーカー情報がほとんど検索しても見つからない幻のギターメーカー、miyasu kogyoでございます。
ミヤスはいいとして、楽器なのに工業って言われると、一気に期待できなくなりますね。

はるか昔1960年代から70年代にかけて、長野は諏訪のあたりにあった工房ではないかと噂されております。



ラベルを見ると本ギターは、ミヤス工業製、M・W型のNO.20とあります。
miyasu MW-20って感じでしょうか。
これは昭和33年生まれの私の父が、若い頃に質屋で買っただかどうしただかのギターで、私がギターを初めて弾いた時に使った、親子二代に渡る思い出の品でございます。

1970年か1980年かでとんでもなく物価が違うのでなんとも言えませんが、おそらくですが、当時の価値を今でいうなら3〜5万円くらいで販売されていたのではないかと予想される、オール合板ギターです。

トップはスプルース合板、サウンドホールの断面を見ると3プライで、ノンスキャロップの角材感あるブレーシング。
ブリッジプレートが驚きの2分割になっていて端材をとりあえず貼り付けた模様。
サイドバックは割と美しいローズウッドの合板ですが、穴を開けてないのでどんな合板かは不明。
ヘッドの化粧板、指板、ブリッジとローズウッドで統一されており、指板周りにはホワイトのバインディングがあしらってあるところは、若干の高級感があります。

まぁ、なんのことない安ギターです。
今風にいうならジャパンビンテージって奴なのですが、参考にするような作りでも構造でもないのですが、思い出はプライスレスですからね、ちょっと練習がてら手を加えてみましょう。

本ギターは40年程度経過していると思われるも、木部には特にダメージはなく立派にギターの機能を保っている。
問題は、安物ペグが長年の酷使にすり減って空回りするほど消耗しており、古いタイプのブッシュまで失われていること。
そして、フレットが磨り減りもはや穴が空いていると形容できる箇所がいくつかあること。
さらにすり減ったフレットでも弦がビビるほどナットの溝がすり減っていて使用に耐えないことだ。

つまり現状ギターとしての機能は喪失していると言って差し支えない。

早速だがペグ交換、リフレット、ナット削り出し、サドル調整を行う。
リペア屋に頼むと数万円はくだらないメンテフルコースなので、とてもオンボロギターには出せない金額です。
自分でやるからできるってものですね。



ペグはキクタニブランドのオープンバックのゴールドを用意しました。
amazonで大体三千円切るような価格で売ってます。
たまに在庫処分で死ぬほど安くなってる時もあり、これもその時手に入れました。
ゴールドカラーのオープンバックスタイルのペグでは安全委手に入れられもので最安値かもしれません。
もちろん品質は良くないです。回すのは重いしトルクにばらつきもありギア比も低いです。



ナットは牛骨から削り出しましたが、サドルは以前から付いていたプラのサドルを高さ調整するだけにしました。
というのも、何気にロングサドルですよこれ。
しかも、ロングにしては90mm程度と短めのロング。
貴重で高価なロング用のサドル素材をケチりました。

古いフレットを全部ぬきとり打ち直します。
バインディング指板なので、フレットの端はタングを切断しました。
大変面倒な作業ですね、フレットタングニッパーの必要性を感じます。

そんなこんなで、各部調整を終えて久々にギターとしての機能を取り戻しました。

この数十年経過した合板ギターの不思議なんですが、弾きこまれていた古いギターは謎の鳴りを発揮するんですよね。
もちろんオール単板で良く鳴るギターとは違うし、倍音の共鳴感や、包み込むコーラス感もありません。
しかし、ある得意な音域に関しては大変抜けが良く響きます。満遍なくではないですが鳴らせる音に関しては達人になっているような鳴り方をするのです。
なかなか味があって面白いですよね。
そういう面白い鳴りを求めて、ジャパンビンテージを買い漁る方々がいるんでしょうね。
いにしえのS-Yairi YD-304やヤマハのFG-180なんかはもはやブランド物とかしてます。

そんなわけでギターは弾けるようになりましたので30年前を思い出して弾けと親父に今度渡してこよう。
20年前に親父がなんとか弾けるようにして渡してくれたギターを、20年後に息子が直して親父に返す。
うん、こういうのロマンあるよね。
俺がうちの息子にくれてやるには、うちにはくれてやるギターが多すぎるし、これからギターも作っていくから欲しがるかどうかはわからないけど、何年先にも残しておきたいものです。

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