皆さま、こんにちは。
そろそろ、2017年も終わります。
今年最後の記事として、カメラの手振れ補正、特に、光学式手振れ補正について、少し書いておこうと思います。
光学式手振れ補正には、二種類あります。
一つが、レンズ側に補正群を組み込んでいる、レンズ内光学式手振れ補正。
もう一つは、ボディ側、特にイメージャそのものを動かして補正する、ボディ内光学式手振れ補正です。
手振れ補正には、電子式のものもあり、最近ですと、EOS 9000D などに搭載されている、動画電子ISなどがありますね。
キヤノンの動画電子ISは、撮影画像をクロップする事で、ボディ内光学式手振れ補正と同じことを電子的に行う方式です。
電子式には各社技術がありますので、ここでは省きます。
光学式手振れ補正は、手振れ、主に、イメージャを原点とした回転ブレを補正するものです。
マクロレンズなどでは、シフトブレに対応したものもありますが、レンズ側の補正としては、主に回転2軸です。
カメラ側の補正としては、シフトブレ2軸と、回転3軸の、計5軸になりますが、一般的には、やはり、回転2軸になります。
回転3軸というのは、ロール、ピッチ、ヨーだと思ってよいでしょう。
つまり、左右に振れる(ヨー)、上下に振れる(ピッチ)、その場で回転する(ロール)、という3軸です。
シフトブレ2軸は、上下にズレる(Yズレ)、左右にズレる(Xズレ)、という2軸です。
尚、マクロレンズでピンボケの原因になる前後のズレ(Zズレ)は、補正出来ません。
等倍撮影などでは、ミリ単位の被写界深度しかありませんので、身体が前後にズレる事によるピンボケがかなり支配的です。
シフトブレ補正があるマクロレンズでも、これは防ぎようがないので、三脚を使いましょう。
今回、特に書きたいのは、レンズ内光学式手振れ補正です。
手振れ補正は、手振れとは逆の方向に像を移動させ続ける事で行います。
例えば SS = 1/100s としましょう。
この時、像が、0.01秒間(10ミリ秒間)動かなければ、手振れしていない画像が撮れます。
手振れの周波数が10Hzで、±2度だったとすると、10ミリ秒間では、最大0.4度の補正を掛けるわけですね。
これはとても分かり易い。
では、同じ状況で、 SS = 1/25s としましょうか。
同じ手振れ周期、角度とすれば、最大で1.6度の補正が必要になります。
もし、補正群による補正角が、最大で1度までだとすると、
1/100s の時はぶれないけれども、 1/25s だと補正しきれない事になります。
補正群による最大補正角は、光学設計段階で最大値が決まるでしょうし、
最終的には、機構設計による制限を受ける筈です。
つまり、最大補正角を大きく取った設計を、予めしておかないと、補正段数は稼げないわけです。
最近、タムロン製のレンズでは、レンズCPUを二個載せして、片方を手振れ補正専用にしている、と宣伝しています。
昔のシグマ製レンズでもCPUは2個載せですから、宣伝以上のものはないでしょう。(17-50mm F2.8 DC OS HSM は、二個載ってます。)
強力な補正の為にやっているというよりは、高性能で高価なCPUを1個載せるより、安いCPUを2個載せる作戦だと思われます。
先ほど書いたように、補正段数の最大値は、ソフトウェアによって青天井になるようなものではないからです。
重要なのはここからです。
手振れ補正には、撮影前の、ファインダー像を安定させる為の補正と、
撮影時の、撮影像を安定させる為の補正があります。
望遠レンズになると、ファインダーに対象を捉え続けるのも困難になるので、ファインダー像の安定化は重要です。
しかし、撮影像が安定しないなら、手振れ補正にそもそも意味があんのかよ、という話になってしまいます。
先ず、設計上、補正群による最大補正角が、1度であるようなレンズを仮定します。
この時、SS = 1/50s、手振れ周波数10Hz、手振れ角±2度という条件では、撮影時、最大0.8度の補正でブレを防げます。
さて、撮影前の補正(ファインダー像の安定化)で、中心から0.4度ずれた状態だったとします。
すると、本来の設計では、補正角十分なのに、いざ撮影してみると、0.4+0.8 = 1.2度で、最大補正角を超えてしまいます。
つまり、手振れが防げなかったことになります。
人間が目で見ている時、SSは、どの程度を想定するのでしょう?
各社、ノウハウがあるのだと思います。私には分かりません。
ただ、撮影時と、撮影前では、別の値を想定しているのは明らかです。
人間の動体視力は、それほど高くありませんからね。
ファインダー像を安定させるほど、撮影時に中心からずれている場合が増えてしまいます。
従って、撮影時の段数が低下する事になります。
逆に、ファインダー像を犠牲にするほど、撮影時の段数を稼げることになります。
これが今回、書きたかった事です。
シグマのカスタマーサポートに聞いてみると、
USB-DOCKを使って、手振れ補正(OS)のモードを変更しても、段数は変化しない、そうです。
恐らく、どのモードでも同じ段数になるように、全体的に段数を落としているのでしょう。
(ファインダー像をより安定化させた場合の段数に合わせて調節。)
或いは、カスタマーサポートが無知なのでしょう。
真相は分かりません。
ニコンレンズ、タムロンレンズとも、ファインダー像優先モードと、撮影段数優先モードがあります。
タムロンは意図的か分かりませんが、撮影段数優先モードしか段数を書いていませんし、ファインダー像優先モードで段数が低下すると明言していません。
ニコンは、段数こそ撮影段数優先時しかありませんが、ファインダー像を優先すると段数が低下すると明言しています。
キヤノンはちょっと調べてません。
あの会社は、マーケティングが汚いので、調べるとイライラします。
タムロンが最近実装してくれた、MODE3というのは分かり易いです。
“ファインダー像を補正しない”事で、撮影段数を“5段”にまで高めたモードです。
ただ、ファインダー像を補正しないなんて使いにくいわけで、そんなモードにするのは、夜ぐらい。
でも、そのレンズのマーケティングでは、5段補正が全面に押し出されていて、とんでもなく補正高性能だと誤解させる仕組み。
シグマは商売が下手なのか、カタログと実際が乖離しない真面目主義なのか、段数を稼ぐために、ファインダー像を犠牲にしたまま発売している。
大三元の 24-70mm F2.8 が、それで売れてない。
しかも、Customスイッチがないレンズだから、USB-DOCKでモード変更も出来ない。
ただでさえ、サードパーティは安く売らなきゃいけないのに、マーケティングが下手ですし、
開発も、ユーザのニーズが分かっていない。
我々、ユーザからすると、ファインダー像が安定している事が、先ず第一なんですよね。
開発している人たちには分かるのかも知れませんけど、実際の撮影シーンに於いて、ぶれてない画像が撮れたとして、
それが、手振れ補正の恩恵なのか、腕のお陰なのか、ユーザは判断出来ないわけですよ。
となると、ファインダーを覗いた時に、がっちり止まってくれた方が、撮影の補助として有用なわけです。
しかも、最近は動画撮ったりもする。
動画で安定している事は、ファインダー像が安定している事と同義ですから、シグマのレンズで動画なんて撮れないって話になる。
5段補正が誇張でも、タムロンを買いたくなるわけですよ。
最近のシグマレンズは、ユーザ無視の傾向が強いと思う。
一部の限られたユーザしか相手にしない、というのならよいとしても、
24-70/2.8のような、汎用レンズでも、ユーザ無視というのは閉口するしかないです。
ちょっと、シグマ叩きっぽくなりました。申し訳ないです。
未だに、24-70/2.8が、手振れ補正なしになってるキヤノン大先生が居るので、シグマ叩くのは間違いですよね、ええ。
キヤノン大先生こそ、ユーザを見て欲しいものです。
え、ペンタックスですか? あれはもう、駄目です。
そうそう、手振れ補正と言えば、最近、広角レンズに搭載する事も多いですよね。
最広角は、タムロンの、15-30mm F2.8 VC の、15mm側でしょうか。
さっき、光学的な最大補正角を何度、というような事を書いたと思います。
撮影距離が共通ならば、レンズの焦点距離にかかわらず、手振れによる対象の位置ズレが同じだけある筈です。
ただ、画角が狭いほど、像に占める対象の割合が大きくなる、つまり、同じブレ角でも、像のブレ量が大きくなるので、
望遠レンズほど、手振れは問題になってくるわけです。
よく言われるのが、ライカ判の場合、焦点距離の逆数秒まで、ぶれない。
例えば、300mmの超望遠なら、1/300sまでは、ぶれない、という目安があるわけです。
ただ、飛んでいる鳥を300mm望遠で撮影する時、1/300sでは、被写体ぶれしてしまいます。
従って、手振れ補正機構に望むのは、ファインダー像の安定のみという事になります。
300mm望遠で、補正3段だと言ってるレンズでは、1/40sでぶれないという事でしょうが、何の意味があるのでしょうか?
望遠レンズで補正段数を競っているのは、カタログスペック競争でしかなく、バカなユーザは騙せても、恩恵は無いのです。
逆に、15mm広角ならどうでしょうか。
1/15sまでぶれないという目安って事です。
これより遅く切りたい時しか、手振れ補正の恩恵がないわけですけれども、そういうシーンはありますよね。
例えば、滝とか、流水を撮る時が代表的です。
森の中で、清流を撮りたいなって時に、三脚を取り出すシーンは、よくありますが、それを手持ちで行けたら嬉しいです。
また、ファインダー像が安定している必要は一切ありませんから、思う存分、撮影像を補正して頂いてよい。
だから、広角レンズに手振れ補正を載せてきたタムロンの、ユーザフレンドリーと言いますか、
ユーザのニーズが良く分かっているところは、流石だと思います。
最近の、誇張気味なマーケティングと、シグマの後追いばかりには、嫌気がしますけれども、使いやすいレンズも多いのですよ。
いい加減、シグマの後追いなんていう馬鹿はやめて、ユーザが欲しがっているもの、便利なものを提供する姿勢になって貰いたいものです。
シグマには期待しておりませんので、ニッチな単焦点を量産すればよいと思います。
どれだけ性能が高くとも、1kgの単焦点なんて要りません。
単焦点に求めるのは、ズームよりコンパクトで軽く、明るい、という事。
確かに、最近の超広角単焦点シリーズは、ユーザ側から見て嬉しいものですが、ニッチ過ぎます。
(星撮りメインのユーザは、極少数です。)
長くなりましたが、ユーザ側も賢くならないといけません。
漠然と、シグマは手振れ補正が弱い、タムロンは強い、なんて思っていてはいけません。
ファインダー像と撮影像は違うと、確り認識し、各社の言っている段数が何であるか、理解しなければいけません。
以上。
そろそろ、2017年も終わります。
今年最後の記事として、カメラの手振れ補正、特に、光学式手振れ補正について、少し書いておこうと思います。
光学式手振れ補正には、二種類あります。
一つが、レンズ側に補正群を組み込んでいる、レンズ内光学式手振れ補正。
もう一つは、ボディ側、特にイメージャそのものを動かして補正する、ボディ内光学式手振れ補正です。
手振れ補正には、電子式のものもあり、最近ですと、EOS 9000D などに搭載されている、動画電子ISなどがありますね。
キヤノンの動画電子ISは、撮影画像をクロップする事で、ボディ内光学式手振れ補正と同じことを電子的に行う方式です。
電子式には各社技術がありますので、ここでは省きます。
光学式手振れ補正は、手振れ、主に、イメージャを原点とした回転ブレを補正するものです。
マクロレンズなどでは、シフトブレに対応したものもありますが、レンズ側の補正としては、主に回転2軸です。
カメラ側の補正としては、シフトブレ2軸と、回転3軸の、計5軸になりますが、一般的には、やはり、回転2軸になります。
回転3軸というのは、ロール、ピッチ、ヨーだと思ってよいでしょう。
つまり、左右に振れる(ヨー)、上下に振れる(ピッチ)、その場で回転する(ロール)、という3軸です。
シフトブレ2軸は、上下にズレる(Yズレ)、左右にズレる(Xズレ)、という2軸です。
尚、マクロレンズでピンボケの原因になる前後のズレ(Zズレ)は、補正出来ません。
等倍撮影などでは、ミリ単位の被写界深度しかありませんので、身体が前後にズレる事によるピンボケがかなり支配的です。
シフトブレ補正があるマクロレンズでも、これは防ぎようがないので、三脚を使いましょう。
今回、特に書きたいのは、レンズ内光学式手振れ補正です。
手振れ補正は、手振れとは逆の方向に像を移動させ続ける事で行います。
例えば SS = 1/100s としましょう。
この時、像が、0.01秒間(10ミリ秒間)動かなければ、手振れしていない画像が撮れます。
手振れの周波数が10Hzで、±2度だったとすると、10ミリ秒間では、最大0.4度の補正を掛けるわけですね。
これはとても分かり易い。
では、同じ状況で、 SS = 1/25s としましょうか。
同じ手振れ周期、角度とすれば、最大で1.6度の補正が必要になります。
もし、補正群による補正角が、最大で1度までだとすると、
1/100s の時はぶれないけれども、 1/25s だと補正しきれない事になります。
補正群による最大補正角は、光学設計段階で最大値が決まるでしょうし、
最終的には、機構設計による制限を受ける筈です。
つまり、最大補正角を大きく取った設計を、予めしておかないと、補正段数は稼げないわけです。
最近、タムロン製のレンズでは、レンズCPUを二個載せして、片方を手振れ補正専用にしている、と宣伝しています。
昔のシグマ製レンズでもCPUは2個載せですから、宣伝以上のものはないでしょう。(17-50mm F2.8 DC OS HSM は、二個載ってます。)
強力な補正の為にやっているというよりは、高性能で高価なCPUを1個載せるより、安いCPUを2個載せる作戦だと思われます。
先ほど書いたように、補正段数の最大値は、ソフトウェアによって青天井になるようなものではないからです。
重要なのはここからです。
手振れ補正には、撮影前の、ファインダー像を安定させる為の補正と、
撮影時の、撮影像を安定させる為の補正があります。
望遠レンズになると、ファインダーに対象を捉え続けるのも困難になるので、ファインダー像の安定化は重要です。
しかし、撮影像が安定しないなら、手振れ補正にそもそも意味があんのかよ、という話になってしまいます。
先ず、設計上、補正群による最大補正角が、1度であるようなレンズを仮定します。
この時、SS = 1/50s、手振れ周波数10Hz、手振れ角±2度という条件では、撮影時、最大0.8度の補正でブレを防げます。
さて、撮影前の補正(ファインダー像の安定化)で、中心から0.4度ずれた状態だったとします。
すると、本来の設計では、補正角十分なのに、いざ撮影してみると、0.4+0.8 = 1.2度で、最大補正角を超えてしまいます。
つまり、手振れが防げなかったことになります。
人間が目で見ている時、SSは、どの程度を想定するのでしょう?
各社、ノウハウがあるのだと思います。私には分かりません。
ただ、撮影時と、撮影前では、別の値を想定しているのは明らかです。
人間の動体視力は、それほど高くありませんからね。
ファインダー像を安定させるほど、撮影時に中心からずれている場合が増えてしまいます。
従って、撮影時の段数が低下する事になります。
逆に、ファインダー像を犠牲にするほど、撮影時の段数を稼げることになります。
これが今回、書きたかった事です。
シグマのカスタマーサポートに聞いてみると、
USB-DOCKを使って、手振れ補正(OS)のモードを変更しても、段数は変化しない、そうです。
恐らく、どのモードでも同じ段数になるように、全体的に段数を落としているのでしょう。
(ファインダー像をより安定化させた場合の段数に合わせて調節。)
或いは、カスタマーサポートが無知なのでしょう。
真相は分かりません。
ニコンレンズ、タムロンレンズとも、ファインダー像優先モードと、撮影段数優先モードがあります。
タムロンは意図的か分かりませんが、撮影段数優先モードしか段数を書いていませんし、ファインダー像優先モードで段数が低下すると明言していません。
ニコンは、段数こそ撮影段数優先時しかありませんが、ファインダー像を優先すると段数が低下すると明言しています。
キヤノンはちょっと調べてません。
あの会社は、マーケティングが汚いので、調べるとイライラします。
タムロンが最近実装してくれた、MODE3というのは分かり易いです。
“ファインダー像を補正しない”事で、撮影段数を“5段”にまで高めたモードです。
ただ、ファインダー像を補正しないなんて使いにくいわけで、そんなモードにするのは、夜ぐらい。
でも、そのレンズのマーケティングでは、5段補正が全面に押し出されていて、とんでもなく補正高性能だと誤解させる仕組み。
シグマは商売が下手なのか、カタログと実際が乖離しない真面目主義なのか、段数を稼ぐために、ファインダー像を犠牲にしたまま発売している。
大三元の 24-70mm F2.8 が、それで売れてない。
しかも、Customスイッチがないレンズだから、USB-DOCKでモード変更も出来ない。
ただでさえ、サードパーティは安く売らなきゃいけないのに、マーケティングが下手ですし、
開発も、ユーザのニーズが分かっていない。
我々、ユーザからすると、ファインダー像が安定している事が、先ず第一なんですよね。
開発している人たちには分かるのかも知れませんけど、実際の撮影シーンに於いて、ぶれてない画像が撮れたとして、
それが、手振れ補正の恩恵なのか、腕のお陰なのか、ユーザは判断出来ないわけですよ。
となると、ファインダーを覗いた時に、がっちり止まってくれた方が、撮影の補助として有用なわけです。
しかも、最近は動画撮ったりもする。
動画で安定している事は、ファインダー像が安定している事と同義ですから、シグマのレンズで動画なんて撮れないって話になる。
5段補正が誇張でも、タムロンを買いたくなるわけですよ。
最近のシグマレンズは、ユーザ無視の傾向が強いと思う。
一部の限られたユーザしか相手にしない、というのならよいとしても、
24-70/2.8のような、汎用レンズでも、ユーザ無視というのは閉口するしかないです。
ちょっと、シグマ叩きっぽくなりました。申し訳ないです。
未だに、24-70/2.8が、手振れ補正なしになってるキヤノン大先生が居るので、シグマ叩くのは間違いですよね、ええ。
キヤノン大先生こそ、ユーザを見て欲しいものです。
え、ペンタックスですか? あれはもう、駄目です。
そうそう、手振れ補正と言えば、最近、広角レンズに搭載する事も多いですよね。
最広角は、タムロンの、15-30mm F2.8 VC の、15mm側でしょうか。
さっき、光学的な最大補正角を何度、というような事を書いたと思います。
撮影距離が共通ならば、レンズの焦点距離にかかわらず、手振れによる対象の位置ズレが同じだけある筈です。
ただ、画角が狭いほど、像に占める対象の割合が大きくなる、つまり、同じブレ角でも、像のブレ量が大きくなるので、
望遠レンズほど、手振れは問題になってくるわけです。
よく言われるのが、ライカ判の場合、焦点距離の逆数秒まで、ぶれない。
例えば、300mmの超望遠なら、1/300sまでは、ぶれない、という目安があるわけです。
ただ、飛んでいる鳥を300mm望遠で撮影する時、1/300sでは、被写体ぶれしてしまいます。
従って、手振れ補正機構に望むのは、ファインダー像の安定のみという事になります。
300mm望遠で、補正3段だと言ってるレンズでは、1/40sでぶれないという事でしょうが、何の意味があるのでしょうか?
望遠レンズで補正段数を競っているのは、カタログスペック競争でしかなく、バカなユーザは騙せても、恩恵は無いのです。
逆に、15mm広角ならどうでしょうか。
1/15sまでぶれないという目安って事です。
これより遅く切りたい時しか、手振れ補正の恩恵がないわけですけれども、そういうシーンはありますよね。
例えば、滝とか、流水を撮る時が代表的です。
森の中で、清流を撮りたいなって時に、三脚を取り出すシーンは、よくありますが、それを手持ちで行けたら嬉しいです。
また、ファインダー像が安定している必要は一切ありませんから、思う存分、撮影像を補正して頂いてよい。
だから、広角レンズに手振れ補正を載せてきたタムロンの、ユーザフレンドリーと言いますか、
ユーザのニーズが良く分かっているところは、流石だと思います。
最近の、誇張気味なマーケティングと、シグマの後追いばかりには、嫌気がしますけれども、使いやすいレンズも多いのですよ。
いい加減、シグマの後追いなんていう馬鹿はやめて、ユーザが欲しがっているもの、便利なものを提供する姿勢になって貰いたいものです。
シグマには期待しておりませんので、ニッチな単焦点を量産すればよいと思います。
どれだけ性能が高くとも、1kgの単焦点なんて要りません。
単焦点に求めるのは、ズームよりコンパクトで軽く、明るい、という事。
確かに、最近の超広角単焦点シリーズは、ユーザ側から見て嬉しいものですが、ニッチ過ぎます。
(星撮りメインのユーザは、極少数です。)
長くなりましたが、ユーザ側も賢くならないといけません。
漠然と、シグマは手振れ補正が弱い、タムロンは強い、なんて思っていてはいけません。
ファインダー像と撮影像は違うと、確り認識し、各社の言っている段数が何であるか、理解しなければいけません。
以上。
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