おっさんのライフサイズ(classic)

- 過ぎていったこと 選ばなかった道 何もかも、覚めてしまった夢と同じ -  『この世界の片隅に』より

一話完結小説 ―犬に噛まれた山さん(仮名)のある一日(ある意味内輪ネタ)―

2006-08-10 22:18:28 | 小ネタ
キャスト
  山さん(仮名)
  店のオーナー
  犬

自分の勤務している会社に山(仮名、敬称略)という、ナイスキャラな、年は45、6のオヤジがいる。
とにかくこのオヤジは存在自体が面白すぎる。自家用車はゴミだらけ(食事中の方ゴメンナサイ)やし、本人は気付いているのかいないのか、大抵の日は肩の上にはフケだらけ(おやつ中の方すんません)とか、風呂に入ってきた日にはその肩の上にあるフケがない(夜食中の方本当に申し訳ない)んですぐ判別できるとか、山は数々の【伝説】を持っているが、キャラ的にも会社の人には愛されてやまない、そしてなによりとてもいい人である。
ある土曜日、山は会社のメンバーがよく集う店に所用で1人で行ったのだが、店に入ったとたん、彼は突然叫んだ。

「うわあぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーっ」

彼はその中にいる犬に足を噛まれてしまったのだ。
その店の犬はとても凶暴で、それだけなら「あぁかわいそうに…」と心からの同情で終わってしまうのだが、犬も山が憎かったのか、風呂に入っていない彼と同じクサイ(何度も失礼)匂いがして発情したのか、噛み付いた足から放そうとせず、ついに犬はスラックスを引きちぎってしまった…。

「ウッソいいよーーーーん」

さすがに店のオーナーも気の毒に思ったらしく、
「大丈夫かぁ…とりあえず破れたんやったら止めていったら…」
とホッチキスを持ってきて、スラックスに応急処置を施すようすすめてくれた《図解》。ホッチキスを黙々と、そして空しく『パチン…パチン…』と留めていく山。彼の頬には涙のような冷や汗が、額や頭頂部からこぼれ落ちていた。
それで《図解》のような無残なスラックスと共に会社に戻ってきた山(しつこいようだが仮名、敬称略)は、みんなが目線を下におとすたびにその日は笑われ続け、本意ではないながらも会社を大爆笑の渦に巻き込んでいた。

そんな山にも天使が訪れる。後日、オーナーから山に3000円がスラックス代として届けられたのだ…fin


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1 Comments

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Unknown (レタス)
2006-08-11 14:56:34
衝撃的すぎる・・・(>_<)

読みながら何かドキドキ、変な汗がでてきたわ。

けど、かなり笑えました。

もしもこの記事を誤って「山」さんが見てしまった時のことを考えたら・・・・(=_=)

まぁ、「山」さんのことだから心配ないと思いますが。

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