企業の顧問弁護士としてよく問い合わせを受けるテーマを扱っているブログです。
今日扱うテーマは、24時間対応体制と労働基準法です。
つまり、企業において、例えば顧客の問い合わせを受け付ける体制を24時間体制にする場合、労働基準法上どのような問題があるか、というテーマです。
まず、前提として、労基法41条3号に該当する断続的労働に従事する者とは、休憩時間は少ないが手待ち時間が多い者をいいます。
勤務を宿日直の扱いとし、労働時間・休憩・休日に関する規定の適用除外者とするためには、事前に労働基準監督署長の許可を得ることが必要です。
宿日直の許可基準は、常態としてほとんど労働する必要のない勤務であることを要します。定時的巡視、緊急の文書または電話の収受、非常事態に備えての待機などです。
たとえば、通常の業務時間終了後の深夜や早朝で、顧客からほとんど問い合わせがないような場合の待機は、「常態としてほとんど労働する必要のない勤務」といえるでしょう。他方、顧客からの問い合わせがある程度見込まれる場合や、問い合わせを受けたらすぐに現場に急行する必要がある場合は、もはや「常態としてほとんど労働する必要のない勤務」とはいえません。
よって、24時間体制を整えるには、サービス内容次第では、宿日直としては許可されない可能性があります。
その場合、通常の日勤労働者を引き続き待機させると時間外労働となり、会社は、当該労働者に対して、時間外割増賃金や深夜割増賃金を支払う必要があります。
なお、交替制をとる場合は、各労働者の労働時間が1日8時間を超えなければ時間外割増賃金を支払う必要はありません(深夜に労働すれば、当然深夜割増賃金を支払う必要はあります)。
以上のとおり、御社が24時間の体制を整えるためには、労働基準法との関係で留意すべき点がいくつかあるのでご注意下さい。
不明な点がありましたら、御社の顧問弁護士(法律顧問)にお問い合わせください。
また、法律問題でお悩みの方も、弁護士にご相談することをお勧めします。
なお、法律というのは絶えず改正が繰り返され、日々新たな裁判例・先例が積み重なっていきます。法の適用・運用のトレンドもその時々によって変わることがあります。そして、事例ごとに考慮しなければならないことが異なるため、一般論だけを押さえても、最善の問題解決に結びつかないことが多々あります(特にこのブログで紹介することの多い労務問題(残業代の未払い、サービス残業など)は、これらの傾向が顕著です)。そして、当ブログにおいて公開する情報は、対価を得ることなくメモ的な走り書きによりできあがっているため、(ある程度気をつけるようにしていますが)不完全な記述や誤植が含まれている可能性があり、また、書いた当時は最新の情報であっても現在では情報として古くなっている可能性もあります。実際にご自身で解決することが難しい法律問題に直面した場合には、一般的に得られる知識のみに基づいてご自身で判断してしまうのではなく、必ず専門家(顧問弁護士・法律顧問など)に個別にご相談いただくことを強くお勧めします。
今日扱うテーマは、24時間対応体制と労働基準法です。
つまり、企業において、例えば顧客の問い合わせを受け付ける体制を24時間体制にする場合、労働基準法上どのような問題があるか、というテーマです。
まず、前提として、労基法41条3号に該当する断続的労働に従事する者とは、休憩時間は少ないが手待ち時間が多い者をいいます。
勤務を宿日直の扱いとし、労働時間・休憩・休日に関する規定の適用除外者とするためには、事前に労働基準監督署長の許可を得ることが必要です。
宿日直の許可基準は、常態としてほとんど労働する必要のない勤務であることを要します。定時的巡視、緊急の文書または電話の収受、非常事態に備えての待機などです。
たとえば、通常の業務時間終了後の深夜や早朝で、顧客からほとんど問い合わせがないような場合の待機は、「常態としてほとんど労働する必要のない勤務」といえるでしょう。他方、顧客からの問い合わせがある程度見込まれる場合や、問い合わせを受けたらすぐに現場に急行する必要がある場合は、もはや「常態としてほとんど労働する必要のない勤務」とはいえません。
よって、24時間体制を整えるには、サービス内容次第では、宿日直としては許可されない可能性があります。
その場合、通常の日勤労働者を引き続き待機させると時間外労働となり、会社は、当該労働者に対して、時間外割増賃金や深夜割増賃金を支払う必要があります。
なお、交替制をとる場合は、各労働者の労働時間が1日8時間を超えなければ時間外割増賃金を支払う必要はありません(深夜に労働すれば、当然深夜割増賃金を支払う必要はあります)。
以上のとおり、御社が24時間の体制を整えるためには、労働基準法との関係で留意すべき点がいくつかあるのでご注意下さい。
不明な点がありましたら、御社の顧問弁護士(法律顧問)にお問い合わせください。
また、法律問題でお悩みの方も、弁護士にご相談することをお勧めします。
なお、法律というのは絶えず改正が繰り返され、日々新たな裁判例・先例が積み重なっていきます。法の適用・運用のトレンドもその時々によって変わることがあります。そして、事例ごとに考慮しなければならないことが異なるため、一般論だけを押さえても、最善の問題解決に結びつかないことが多々あります(特にこのブログで紹介することの多い労務問題(残業代の未払い、サービス残業など)は、これらの傾向が顕著です)。そして、当ブログにおいて公開する情報は、対価を得ることなくメモ的な走り書きによりできあがっているため、(ある程度気をつけるようにしていますが)不完全な記述や誤植が含まれている可能性があり、また、書いた当時は最新の情報であっても現在では情報として古くなっている可能性もあります。実際にご自身で解決することが難しい法律問題に直面した場合には、一般的に得られる知識のみに基づいてご自身で判断してしまうのではなく、必ず専門家(顧問弁護士・法律顧問など)に個別にご相談いただくことを強くお勧めします。