労務問題(残業代請求、不当解雇など)を多く扱う顧問弁護士

残業代請求、サービス残業、不当解雇などの労務問題のほか、顧問弁護士(法律顧問)として日々接する問題をまとめていきます。

残業代請求

2009-01-16 13:02:48 | 残業代請求
今回は、残業代請求に関する判例を紹介します(つづき)。 
第2 事案の概要
1 本件は,被告に雇用された後に解雇された原告が,以下の各金員の支払を求めている事案である。
(1)解雇予告手当について
ア 労働基準法(以下「労基法」という。)20条による解雇予告手当29万3642円及びこれに対する商事法定利率による年6分の割合の遅延損害金(起算日は訴状送達の日の翌日)
イ 解雇予告手当と同額の付加金及びこれに対する民法所定の年5分の割合による遅延損害金(起算日は本判決確定の日の翌日)
(2)時間外等割増賃金について
ア 労基法37条による時間外等割増賃金103万6512円及びこれに対する商事法定利率による年6分の割合の遅延損害金(起算日は訴状送達の日の翌日)
イ 時間外等割増賃金と同額の付加金及びこれに対する民法所定の年5分の割合による遅延損害金(起算日は本判決確定の日の翌日)
(3)休業手当について
ア 労基法26条による休業手当29万5387円及びこれに対する商事法定利率による年6分の割合の遅延損害金(起算日は訴状送達の日の翌日)
イ 休業手当と同額の付加金及びこれに対する民法所定の年5分の割合による遅延損害金(起算日は本判決確定の日の翌日)
2 前提事実(証拠を掲げない事実は,争いがないか又は弁論の全趣旨により認められる。)
(1)当事者等
ア 被告は,貨物自動車運送事業等を業とする株式会社であり,肩書住所地に本店を有している(〈証拠略〉)。
 被告の代表取締役は乙山一郎である(以下「乙山社長」という。)。
イ 原告は,平成14年4月12日,被告に雇用され,以後,乗務員として長距離のトラック運転業務に従事した。
(2)解雇に関する経緯
ア 原告は,被告に対し,平成17年10月28日付けの確約書(以下「確約書」という。)を提出した(〈証拠略〉)。
 確約書には、以下の内容が記載されていた。 
「私は,貴社の従業員でありながら,従来貴社の取引き先に対して苦情を受ける行動をとったことを反省し,今後,善良な従業員として勤務することを誓います。
 そして,今後,私は,次のような言動をとらないことを確約し,下記の事に付いて,御約束致します。
〔1〕貴社の取引先で暴言を吐く等して,トラブルを発生させないこと。
〔2〕貴社から命じられた仕事に従うこと。
〔3〕従業員として社員に対する口の聞き方をわきまえること。従業員どうしでトラブルを起こさないこと。」
イ 被告は,原告に対し,平成17年11月25日付けの通知書で,同年11月30日をもって解雇する旨を通知し(以下「本件解雇」という。),この通知書は,同月26日,原告に到達した(〈証拠略〉)。
 この通知書には,本件解雇の理由について,以下の内容が記載されていた。
〔1〕原告が,度々被告の取引先で暴言を吐く等して,取引先とトラブルを発生させて取引先の被告に対する信用を失墜させ,また,乙山社長の業務命令に従わず,逆に同社長に対して不穏当な言動をして反抗的な態度をとる等,労働者としての規律違反の行為を繰り返していること。
〔2〕被告は,原告に対し,平成17年10月27日,解雇の意向を伝えたが,原告から継続して勤務することを懇請されたため,原告の改善を期待して寛容な対応をすることにし,原告は,同年10月28日,業務態度の改善を誓約して誓約書を提出したこと。
〔3〕その後,原告の態度には改善のきざしが見られず,原告は,同年10月31日,取引先で暴言を吐き,乙山社長に対する態度も改善されたなかったこと。
 また,この通知書には,解雇予告手当について,「本件は解雇予告手当の不要な事案ですが,当社としては,念のため,解雇予告手当を支払います。」と記載されていた。
ウ 被告は,原告に対し,解雇予告手当を支払っていない。
なお、企業の担当者で、残業代請求についてご相談があれば、顧問弁護士にご確認ください。そのほか、個人の方で、不当解雇保険会社との交通事故の示談交渉刑事事件多重債務(借金)の返済遺言・相続の問題オフィスや店舗の敷金返還(原状回復)などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。