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おもいで絵本館

なつかしの絵本やテレビ番組

布の人形の本2

2014-12-03 23:56:11 | 人形絵本

『新技法シリーズ63 布で作る人形 ぬいぐるみと布張り人形の基礎技法』 浜いさを 著 美術出版社 絶版

 

布の人形の技法が色々と掲載されています。布の人形とはから始まり、各章ごとに丁寧に説明されてます。

  • 道具や材料についての説明。
  • 顔づくりの土台、土台木毛(年齢性別の土台)と張子の土台。浜さんの木毛土台はボール紙の上に木毛を丸めてのせ、布で包み込むようにして形作る。
  • 針金に脱脂綿を巻いて顔の細部を作っていくやり方(これも年齢性別ごとにある)
  • 肌布の染色の仕方。
  • 肌布の貼り方、顔の方を張ってから、後頭部を顔の土台につけて肌布をかがりつける
  • 年齢性別の肌布の貼り方。
  • 張子でリアルな顔を抜いて、肌布をボンドで貼るやり方。
  • 耳の作り方。
  • 顔の描き方、義眼の入れ方。
  • 胴、手足の作り方。人形の立たせ方。
  • 髪や服の作り方・・・・などなど
  • 終わりにでごく簡単に布の人形の成り立ちや浜さんの人形との関わりなど。

 残念なのは、この本を見て作れるのは型紙掲載の少女の人形だけなのと、年齢性別と言っても老人や少年は説明がないですし、ボディは年齢性別ごとには作り方が記されてないこと。 その点は浜さんの別の本『とむ草也のポエムの人形』(学研)にさまざまな人形の作り方が出ているので参考になります。

もう一つ、表紙や口絵の浜さんの人形は桐塑に布張りが多く、それらに布張りする方法は掲載されてません。あと、糸引きにボンドとコテで顔を作るやり方が載ってないのが惜しいです。

絶版ですが、図書館などにはまだおいてあるところもありますし、ネットで割合入手はしやすいかと思います。

あと、浜さんのホームページには、布の人形の作り方が簡単に紹介されてます。           


布の人形の本1

2014-12-02 00:38:50 | 人形絵本

やっと、布の人形の本について、書きます。一昨年、去年とぼつぼつと調べていたのですが、まだまだ調べたりないです。                                                     比較的入手しやすいものをと思ったのですが、ほぼ絶版のものばかりになってしまいました。      一応、ネットで入手出来るものや図書館などにあるものを選んでみました。                

 『別冊太陽スペシャル 中原淳一の人形 人形への熱き想いと作り方のすべて』 中原蒼二 編 平凡社  現在も販売されています。

中原淳一さんの人形の写真と作り方が掲載されてます。                              戦前戦後の各雑誌に掲載された人形の作り方は見ているだけでも楽しいですし、その作り方の幅広さに驚かされます.

  • マスクを使ったもの。
  • つめものをした土台に糸を引くもの。
  • ボール紙の型紙にボール紙で鼻を作って縫いとめ額や頬や顎に綿を載せたりして白い布をかけてから肌布をかぶせたりしたもの。
  • 顔と後頭部を別に作って、肌布をかぶせて糸引き後につなぎ合わせたもの。
  • 比較的簡単なマスコット。・・・などなど。

巻末に実物大型紙が掲載されてるのも嬉しいところです。

当時の中原さんのエッセイや牧野哲大さんの解説など、興味深いです。 

 優雅なフランス人形やフランス人形のマスクで作られた日本人形素敵ですが、影のある男の人形群も惹かれます。

本を読んでいて、中原さん以外の方の当時のフランス人形も見てみたいと思いました。

なお、前の記事でふれた『河口湖 中原淳一美術館』は現在はないのだそうで、フランス人形のマスクも販売してるところは無いようです。(布の日本人形のマスク(彩色済み)は販売してるところはありますが・・)

       

 


布の人形の作り方2

2014-11-30 16:29:27 | 人形絵本

さて、布の人形で、立体的な顔を作る方法ですが、土台(大体白い布に木毛づめ)を作った後は、主に3つぐらいやり方があるようです。

  1. 土台を整えたあとに綿(脱脂綿など)を糸で止めつけて(額や頬など)、その後薄くそいだ脱脂綿を顔全体にかける。その上から肌の布をかぶせて張る。その後糸で目鼻口などを引く。鼻を別に作って付けるものもある。
  2. 土台をコテや糸引き目打ちなどで形を整える。脱脂綿を巻いた針金で眉鼻口顎などを作り、額頬など綿を丸めたものを置いたのち、1のように肌布かぶせ糸を引いていく。
  3. 2のように形を整えたあと、目など糸を引いてくぼませたり、眉目鼻口など脱脂綿などをボンドで固めつけながらコテで形作っていく。白の下地剤を塗った後、肌布などをボンドやのりなどで張る。

1と2のやり方を合わせてる方もいます。

あと、木毛土台を使わないやり方としては、顔を張子で作って布を張る方法もあります。

また、全身を粘土や桐塑などで形を作って布を張る方法も。

粘土の顔に綿を載せて肌布をかぶせ糸引き(予め土台の顔に糸引きのための穴をあけておく)方や、木毛土台で糸引きの後に粘土で細かいところを作って布を張る方もいます。

いずれのやり方にせよ、木毛土台に布団針(縫いぐるみ用針)をさして糸引きするので、力が必要かと思われます。

まだ、ここにあげてないものもあると思うので、よろしければコメント欄で教えて頂けたら嬉しく思います。

多分、人形を作られる方々の数だけやり方があるのかも知れません。


布の人形の作り方

2014-11-30 15:12:02 | 人形絵本

本の紹介の前に、布の人形の作り方についていくつかあげてみたいと思います。 色々あるなあと調べ始めたら、まとまりがつかなくなってきましたが、主に顔の作り方について、考えて行きたいです。

まず、顔にしろ胴体にしろ、2枚の布を縫い合わせ詰め物をするやり方。 顔は詰め物をした後、顔を描いたり、刺繍したり、目は布やボタンを付けたり、鼻を布を丸めて付けたり します。 欠点としては、顔が平べったくなります(これはこれで味がある)。

 次に、2枚以上の布を縫い合わせて、立体的な顔や厚みのある胴体を作る方法。 テディベアなどはこれにあたるかと思います。 ただ、顔の真ん中などに縫い合わせたところが来たりするので、それが気になる方もいらっしゃるかもですが。

昔のフランス人形や、レンチドールのように布を型でプレスしたマスクを使用する方法。 布はフランス人形は主にジョーゼット、レンチドールはフェルトを使用してるそうです。 欠点としては、形が決まってるのと、一般には売ってないことでしょうか。 形が決まっててもメイクなどである程度は雰囲気が変えられるとは、思いますが。                                                           フランス人形のマスクは「中原淳一美術館」で販売してるそうです。 こういうマスクは機械で金型を使いプレスするそうでなので、個人でやるのは難しそうです。 しかし、レンチドールではありませんが、フェルトの人形でマリアロイ人形の展覧会に行ったおり、石膏の顔型も置いてありました。 確かこれで顔をを作られると伺ったように思うので、機械がなくともフェルトはプレス出来るのかも知れません。

 自分、立体的な顔を作っていきたいとなると、まず顔の土台となるものを作り、その上に綿を縫いとめたり、綿を巻いた針金をつかったり、脱脂綿とボンドコテなど色々やり方があるようです。

長くなってきましたので、続きは次回に。

 


布の人形について

2012-02-14 00:42:35 | 人形絵本

布の人形の制作方法の本を紹介しようと思ったのは、「人形絵本の人形はどんなやり方で作られているのか?」を知りたかったからなのです。

人形絵本の人形は、ほぼ布の人形です。どんな方法で作られていたかは、時期や作家さんによって様々なように思えます。

『トッパンの人形絵本』は、顔の素材がソフトな感じの人形(後期の辻村ジュサブローさんのは固い感じ)ですが、海外版人形絵本のころは固めの感じの素材のように見えます。

また、『トッパンの人形絵本』のころのシバ・プロダクションでは、CMで人形アニメーションも制作していたのですから、そちらの人形の技術も影響があるかも知れません。

とりあえず、今回は布の人形にはどんな制作方法があるのかという視点で、本を紹介して行きたいと思います。

必ずしも絵本の人形の制作方法と全く同じとは限りませんが、参考になるのではと思うのです。