おもいで絵本館

なつかしの絵本やテレビ番組

人形絵本関連資料9

2010-01-31 23:14:45 | アニメ・コミック・ゲーム

人形アニメーションの魅力 ★ただ一つの運命★ おかだえみこ著 河出書房新社

人形アニメの古今東西の主な作品を取り上げている本です。

いまやDVDやCS放送などで比較的見ることが容易になった作品群が、過去どのように紹介されていたか、また作者へのインタビューなど色々と興味深いです。

人形絵本に直接関わりのあるところは少しですけど。

日本の作家 たった一つの運命★川本喜八郎 の項に二つばかり気になるところがありました。

ー前略ー『シンデレラ』や『ロビン・フッド』などの人形をお城や森のセットに配した美しいカラー写真の《トッパンの人形絵本》シリーズが作られ、文部大臣章を受賞する。この絵本は当時大変受け、おとなの女性がプレゼント用に買い求めるなど、現在の絵本ブームのハシリと言える人気であった。

タイトルからすると、トッパンのストーリーブックのころの様に思えますが、トッパンの人形絵本の最初のころもそうだったのでしょうか?いずれにしても当時どんな風に人形絵本が受け入れられていたかが判るのは嬉しいところです。

トルンカは《人形絵本》にあまり感心しなかった。それはある程度想像できる。大半がヨーロッパなどのおとぎ話なのだから、ヨーロッパの人には違和感と共に「なぜ日本の話を作らないのか」という疑問がわくのだろう。

確かにトッパンの人形絵本は日本のお話が極端に少ないのですが、前に紹介した飯沢さんの”床の間の芸術から”で書かれていた以外にも何か理由があるのでしょうか?


人形絵本関連資料8

2010-01-30 22:40:27 | 人形アニメ

日本アニメーション映画史 有文社

日本のアニメーションの歴史について、詳しく書かれている本です。

第2部日本アニメの歴史(Ⅱ) 第3章戦後動画界の胎動 で、飯沢匡と人形絵本の項目があります。

人形絵本の始まりでは、飯沢さんの権力と笑のはざ間でとは、かなり違うことが書かれています。(権力と笑のはざ間での紹介でその部分を引用し忘れてました。そのうち追加、訂正します。)

日本アニメーション映画史の方では、”当時幼児向け絵本を出版していたトッパンで、絵本の編集をしていた森邦資から、何か新しい絵本の企画アイディアはないものか相談を受けた飯沢は、-後略ー”となっています。この話の出典が書いてないので、判らないのですが。

前にあげた 土方重巳・造形の世界、権力と笑のはざ間で  文藝春秋デラックス アニメーションの本にも、ありましたが書くのを忘れていた、持永只仁さんから人形アニメーションの製作を教わったことも書かれてあります。

シバ・プロダクションのこと、その製作したCMのことなど、土方重巳・造形の世界のその部分と照らし合わせてみるのも興味深いです。

飯沢匡のもの言いモノロオグ  講談社

「週刊朝日」に連載されていたエッセイです。

人形絵本については”メルヘンにも涙雨降るウェット日本”の章でほんの少し、出てきます。

日本人はアンデルセンが好きだ。殊に「マッチ売りの少女」には人気があって、-中略ー私はこの二十年以上、人形絵本というものを制作して世界各国に輸出している男だが、その経験からいうとアンデルセンは「醜いあひるの子」しか需要がないのである。ある時、アメリカでこの絵本の一手販売をやってる社長に「マッチ売りの少女」は、と尋ねると言下に「あれは好まれません。人魚姫も駄目です。しいていえば、王様の新しい着物(裸の王様)でしょう」と答えた。これは、はっきりと日本と世界各国の童話の好みを現していると思って肝に銘じた。

この会社がPUPPET STORYBOOKの発行元のダンロップ社だとしたら、 このシリーズに人魚姫やマッチ売りの少女がないのはこういう理由なのでしょうか。ステレオえほんのアンデルセン名作選の海外版は、受け入れられたのか気になります。


人形絵本関連資料7

2010-01-29 23:20:11 | 人形アニメ

世界の人形日本の人形  読売新聞

伝統工芸から西洋人形、創作人形など色々の人形を紹介している本です。

飯沢さんが”人形絵本”というエッセイを寄せておられます。

二ページばかりではありますが、外国向け人形絵本の製作過程が詳しく書かれてあります。

お話を決めたら何処の国のいつの時代にするか決めて、風俗資料など調べてデザインなどを決めることなど、既に挙げた資料とほぼ同じようなことが書かれてあります。

違うこととしては、いくつか挙げますと、

  • これらの絵本は外国の下請ではなく飯沢さんたちが企画して作ったものを向こうの出版社が売っていること。
  • 文章は輸出先の人が書くこと。それが活字でマイクロフィルムで送られて来たものを順番に画面に刷る。
  • 最初に(絵本を)買ってくれたのがフランスのアシェット社で、次がアメリカのクラウン社、イタリアのモンドリ。アメリカのダンラップ社が一番大きな取引先き。
  • 出版社は書店よりもスーパーマーケットで売ってくれるので部数は六万部から始まる。
  • エッセイの冒頭で人形絵本は日本では評判にならないこと。終わりには欧米では人気があっても日本では売りも出版もしないことなど。

なかなか、興味深いです。

イーベイなどのネットオークションで、沢山の人形絵本が出品されてるのは、沢山売られていたからでもあるのですね。

ヤフオクなどで、トッパンの人形絵本が数千円から一万円以上で出品されてるのを飯沢さんがご覧になられたら、なんと仰るでしょうか・・・


ちょっと、お休みです

2010-01-28 23:35:50 | 人形絵本

昨日は結局更新できませんでした。

ぐずぐずしていたので、日をまたいでしまいました。

またもや、リストに入れ忘れた資料があったので、前のリストに追加しておきます。

書いてみて何とかこの関連資料について、纏められそうです。

人形を作った作家さん方の資料で終わりに出来そうです。

毎日、更新の終わった後で、無駄に検索とかやってつい夜更かししてますが、今日は早めに休むことにします。


人形絵本関連資料6

2010-01-28 00:27:11 | 人形絵本

文藝春秋デラックス アニメーションの本(手塚治虫・構成)昭和52年10月号

劇場作品からテレビアニメ、個人作家の作品、日本や世界のアニメーションの歴史など、幅広く紹介されています。

本の終わりの方の飯沢匡さんのエッセイ「もっと笑いを!」が人形絵本に関わりのある部分です。

人形絵本と人形映画(人形アニメーション)の関系、「ブーフーウー」の方式の人形劇を考案された理由や、シバプロダクション時代の作品の撮影話など興味深いです。

撮影の話を読むと本当に飯沢さんはアイディア豊富な方だと思います。(ヒヨコの人形が飛び上がるのを糸で吊るすのでなく、透明なセロファンの円筒にのせるとか。)

「ヤン坊ニン坊トン坊」を人形映画にする話があったというのに、驚きました。

芝居ー見る作る 平凡社

飯沢匡さんの主に芝居などのエッセイ集です。

人形絵本については何も書かれてませんが、映像製作やアニメーション、テレビ番組について書かれている”子供と放送と私”の章は「ヤン坊ニン坊トン坊」や「ブーフーウー」の話があります。

映像(人形映画)との関わりで挙げてみました。

「ブーフーウー」についての話で”これは一種の人形劇であるが、チェコで発達したイルジ・トルンカの人形映画に一時期傾倒した影響である。自らも人形映画プロダクションを作ったが、すぐに日本の企業規模では経済的には無理なことをが判ったので、惜しげもなくそれを解体してしまった。ー中略ー私はアニメイションなどという極端な手工業は社会主義国家以外では近代産業として成立しないことを覚ったので、アニメイションと同じこうかをトリックによって出来ないかと考えた末、ついに「ブーフーウー」方式を案出したのだ。”が興味深いです。

「もっと笑いを!」でも人形映画は人件費のかかることを度々書かれていましたが。

両方読んでみて私の中にあった疑問の一つに答えが出たように思いました。つまり、なぜコマーシャルなどの人形アニメーションは製作されていたのに、人形絵本でやっているような童話の人形アニメは製作しなかったかです。お金の問題だったのですね。

人形映画の「ブーフーウー」や「ヤン坊ニン坊トン坊」って、見てみたいと思いました。

教育テレビでやってる「ミッフィーちゃん」の人形アニメみたいに出来ないもんでしょうか?あるいは「どーもくん」みたいに。