夏にニューグランドに泊まったときに(まだ書いていない・汗)、SNSで目にしていた横浜市庁舎のタイル壁画を
見ようと現地へ行ったら、市役所は今年の6月で新庁舎へ完全移転していて、鋼板塀を前に茫然としてしまった。
そのとき見れずじまいだったので、今回の見学会を知って速攻で申し込み、めでたく参加できることになった!
大阪からでも行っていただろうが、うまい具合に(?)今は東京にいるので、朝イチでも行ける。
土曜日、関西から前泊の友人と合流して一番乗り!
この市庁舎は7代目で、横浜開港100周年の記念事業として1959(昭和34)年に建てられたものとか。
市会棟、「市民広間」と呼ばれる吹抜けのホール、高層の行政棟が、建設当初からの村野藤吾の設計による建物だ。
後年増改築が行われながらも、61年間使われてきたわけであるが、今見てもまったく古さを感じさせない。
入口から入るといきなりタイル壁画に迎えられた。うお~~っ!
議場への入口の両脇の藍色のタイル壁に、動物のような、人物のような、抽象的なデザインの絵がタイルで描かれている。
壁画に紛れるようにして取り付けられている時計。水彩画のような色の緑色のタイルが美しい。
そしてさらに市民広間へ進むと、吹抜のホールの壁一面に巨大なタイル壁画が広がっていた。うわぁ~~これだ!
高さは2層分で8mぐらい?、幅は、コンクリートの柱をまたいで合計30mぐらいあるだろうか。
これらのタイル壁画は、村野藤吾とよく協働したという彫刻家の辻晋堂の作品という。
この作品のもつちょっとレトロな雰囲気自体とても素敵で心惹かれるが、キャンバスに絵具で描かれているのでなく
タイルでできていることで私の心はわしづかみにされた!工業的なイメージのある小口タイルを使っているのに、
有機的な質感を醸し出しており、タイルの美しさが際立っているな!
レリーフ状の凹凸や方向や密度に変化をつけた貼り方によって、どの部分をとって見ても飽きない面白さ。
タイルの色によって目地の色も変え、目地の太さによって色の濃淡さえ表現されている。
特注で焼かせたと思われるちょっと変わった色、質感のものを部分的に混ぜていて、ピースの一つ一つが工芸品のようだ。
もう壊されてしまったが名古屋の丸栄百貨店など、村野藤吾の他の建築もタイル使いが素晴らしく印象的なものが多い。
この壁画は原画を辻晋堂が描いてタイルの選定や割付は村野藤吾が考えたのか、それとも辻晋堂が全て制作したのか?
床は尼崎市役所や千里南センタービルなどでもあった、こげ茶色の拍子木タイルの矢筈貼り。
天井に吊られた波打ったパンチングメタルや円形の大理石のベンチなどは竹山実氏による改修である。
最初の15分間ホール1Fで自由に撮影を楽しめたが、感激しすぎてどこからどう取ってよいかわからず・・・
あとから思うともっと細部も撮っておけばよかったとか、端の方もちゃんと正面から撮っておけばよかったとか
いろいろ思ってしまう(汗)。
そのあとは横浜市の職員の方の案内で館内を順に見て回ったが、とりあえず、タイルばかりを先に紹介。
市民広間から続く廊下の壁の藍色の小口タイルがなまめかしい艶をまとっていて、撫でまわさずにはおれない(笑)。
エレベーターまわりもなんてカッコイイのだろう。。。
三方を藍色のタイルに囲まれた至福の階段。
2階の廊下の壁にもコンパクトなサイズのタイル壁画があった。
白い背景に描かれているのは船のイメージか?木のイメージ?
ところでこの壁画は、柱で区画されたホールの壁画とは違い、廊下の藍色の壁からひとつながりである。
壁画のある面は白タイルなので、壁の角の部分は当然藍色のタイルと白のタイルが突き合わせになっているのだろう・・・
と思ったら、何と、藍色と白の釉薬が掛け分けられた役物タイルが使われていたのだ!!うわぁ~~すごい!!
確かに館内の廊下の角でタイルを突き合わせるとどうしても引っ掛かりやすくケガをしそうだ。角をなめらかに
納めてあるのはそうした配慮からだろう。それでいて、色の境界をギザギザにしたくないというこだわり。感動・・・
村野藤吾はその建物を使う人々の肌感覚までも見通して建物を作っていたんだなぁ。
そう考えると、壁画のタイルの選定は村野藤吾がしたんだろうと思う。
ツアーの一行を追いかけることに気を取られて撮り損ねたのだが、壁画の左側の入隅の部分も、あとから写真を
拡大してみたところ、同じく2色に掛け分けられた役物のようだった。
市民広間2階の通路からは空間全体を俯瞰できる。壁画を楽しむにも絶好のスポットだ。
コンクリート打ちっぱなしの柱は今の建築と比べるとずいぶんスリムで、杉の板目が美しく浮き出ている。
外壁の柱ももともとはこれと同じ打ちっぱなしだったらしいが、後年塗装されている。
続く。
追記:「市民広場」でなく「市民広間」が正しいらしい。屋内なのに「広場」ってちょっと違和感あったが
やっぱりそうか(笑)。訂正しました。
見ようと現地へ行ったら、市役所は今年の6月で新庁舎へ完全移転していて、鋼板塀を前に茫然としてしまった。
そのとき見れずじまいだったので、今回の見学会を知って速攻で申し込み、めでたく参加できることになった!
大阪からでも行っていただろうが、うまい具合に(?)今は東京にいるので、朝イチでも行ける。
土曜日、関西から前泊の友人と合流して一番乗り!
この市庁舎は7代目で、横浜開港100周年の記念事業として1959(昭和34)年に建てられたものとか。
市会棟、「市民広間」と呼ばれる吹抜けのホール、高層の行政棟が、建設当初からの村野藤吾の設計による建物だ。
後年増改築が行われながらも、61年間使われてきたわけであるが、今見てもまったく古さを感じさせない。
入口から入るといきなりタイル壁画に迎えられた。うお~~っ!
議場への入口の両脇の藍色のタイル壁に、動物のような、人物のような、抽象的なデザインの絵がタイルで描かれている。
壁画に紛れるようにして取り付けられている時計。水彩画のような色の緑色のタイルが美しい。
そしてさらに市民広間へ進むと、吹抜のホールの壁一面に巨大なタイル壁画が広がっていた。うわぁ~~これだ!
高さは2層分で8mぐらい?、幅は、コンクリートの柱をまたいで合計30mぐらいあるだろうか。
これらのタイル壁画は、村野藤吾とよく協働したという彫刻家の辻晋堂の作品という。
この作品のもつちょっとレトロな雰囲気自体とても素敵で心惹かれるが、キャンバスに絵具で描かれているのでなく
タイルでできていることで私の心はわしづかみにされた!工業的なイメージのある小口タイルを使っているのに、
有機的な質感を醸し出しており、タイルの美しさが際立っているな!
レリーフ状の凹凸や方向や密度に変化をつけた貼り方によって、どの部分をとって見ても飽きない面白さ。
タイルの色によって目地の色も変え、目地の太さによって色の濃淡さえ表現されている。
特注で焼かせたと思われるちょっと変わった色、質感のものを部分的に混ぜていて、ピースの一つ一つが工芸品のようだ。
もう壊されてしまったが名古屋の丸栄百貨店など、村野藤吾の他の建築もタイル使いが素晴らしく印象的なものが多い。
この壁画は原画を辻晋堂が描いてタイルの選定や割付は村野藤吾が考えたのか、それとも辻晋堂が全て制作したのか?
床は尼崎市役所や千里南センタービルなどでもあった、こげ茶色の拍子木タイルの矢筈貼り。
天井に吊られた波打ったパンチングメタルや円形の大理石のベンチなどは竹山実氏による改修である。
最初の15分間ホール1Fで自由に撮影を楽しめたが、感激しすぎてどこからどう取ってよいかわからず・・・
あとから思うともっと細部も撮っておけばよかったとか、端の方もちゃんと正面から撮っておけばよかったとか
いろいろ思ってしまう(汗)。
そのあとは横浜市の職員の方の案内で館内を順に見て回ったが、とりあえず、タイルばかりを先に紹介。
市民広間から続く廊下の壁の藍色の小口タイルがなまめかしい艶をまとっていて、撫でまわさずにはおれない(笑)。
エレベーターまわりもなんてカッコイイのだろう。。。
三方を藍色のタイルに囲まれた至福の階段。
2階の廊下の壁にもコンパクトなサイズのタイル壁画があった。
白い背景に描かれているのは船のイメージか?木のイメージ?
ところでこの壁画は、柱で区画されたホールの壁画とは違い、廊下の藍色の壁からひとつながりである。
壁画のある面は白タイルなので、壁の角の部分は当然藍色のタイルと白のタイルが突き合わせになっているのだろう・・・
と思ったら、何と、藍色と白の釉薬が掛け分けられた役物タイルが使われていたのだ!!うわぁ~~すごい!!
確かに館内の廊下の角でタイルを突き合わせるとどうしても引っ掛かりやすくケガをしそうだ。角をなめらかに
納めてあるのはそうした配慮からだろう。それでいて、色の境界をギザギザにしたくないというこだわり。感動・・・
村野藤吾はその建物を使う人々の肌感覚までも見通して建物を作っていたんだなぁ。
そう考えると、壁画のタイルの選定は村野藤吾がしたんだろうと思う。
ツアーの一行を追いかけることに気を取られて撮り損ねたのだが、壁画の左側の入隅の部分も、あとから写真を
拡大してみたところ、同じく2色に掛け分けられた役物のようだった。
市民広間2階の通路からは空間全体を俯瞰できる。壁画を楽しむにも絶好のスポットだ。
コンクリート打ちっぱなしの柱は今の建築と比べるとずいぶんスリムで、杉の板目が美しく浮き出ている。
外壁の柱ももともとはこれと同じ打ちっぱなしだったらしいが、後年塗装されている。
続く。
追記:「市民広場」でなく「市民広間」が正しいらしい。屋内なのに「広場」ってちょっと違和感あったが
やっぱりそうか(笑)。訂正しました。
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