まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

原美術館へ行ってきた。

2020-12-20 15:57:40 | 建物・まちなみ
勝海舟記念館(旧清明文庫)のあと、予約していた原美術館へ行くため移動。五反田駅からぶらぶら15分ほど歩いてくると、住宅街の中に
長い和風の塀とこんもりとした緑が見えてくる。そして門から敷地内を望むと、白っぽい外壁が木々の間に見え隠れしていた。


原美術館は、渡辺仁の設計により実業家原邦造の邸宅として1938(昭和13)年に建てられた。
1979(昭和54)年に現代美術専門の美術館としてオープン、特徴的な空間を生かした企画展示や各種
イベントを行ってこられたが、来年1月11日をもって閉館とのことで、現在開催中の「光―呼吸 時をすくう5人」と
いう展示が最後となる。

外壁全面薄い水色のタイルに覆われ、直線と円弧で構成されたモダニズムの洋館。玄関には車寄せの屋根が張り出す。


その屋根を支える柱は茶色っぽい縞の入ったトラバーチン(?)


入口ドアの両脇にも同じ石が。この石が使われているのは見たところここだけだった。


入口脇に穿たれた窓にはシンプルな格子が取り付けられている。


内部は写真撮影不可。展示物だけでなく建物を撮るのも、中庭からの外観もNGとのこと・・・残念。。


建物は2階建てで、エントランスホールから中庭に面した円弧状の廊下が伸び、その外側に部屋が並ぶ。
内部も外観のイメージ通りの無機質な感じの空間だが、その中で階段の手すりだけがちょっと温かみを感じるデザインだった。


もと居間や食堂、寝室といった部屋だけでなく、廊下やトイレ、お風呂だったらしきスペースにも作品が展示されていた。
一部3階もあり、狭い階段を上るとどん詰まりに、いったいどんな用途に使っていたのだろう、人が3人入れば
息苦しいような小さな白タイル貼りの部屋があったり、ほかにも不思議な小空間があった。
展示スペースとしては面白いが、住宅だったときの暮らしがちょっと想像しづらい。
1階の中庭に面したところにはカフェスペースが増築されており、その脇のドアから外に出ることもできた。
中庭は草地で常設の作品が展示されている。そして何と、蔵もあったのか!
このモダンな洋館が建つ前は当然和風の邸宅が建っていたのだろう。瓦の乗った塀や蔵はその名残なのだろうか。


建物を出て帰ろうとしたとき、ふと通路脇に立っているピンク色の公衆電話に目が留まる。おや、こんなところに
なぜ電話が・・・しかも古いコイン式の。自殺の名所にSOS用の電話が置かれているというのは聞いたことが
あるが(汗)、ここから何を連絡しろというのか。興味を惹かれてまじまじと見る。


電話の支柱からつながって、古めかしいモニターもある。何だこれは。昔設置されたものが撤去されずに残っているのか?
廃墟じゃあるまいし。・・・もしかして、これも作品なのか??


ふと足元を見ると、銀色のプレートが。あぁ、やっぱりこれはアート作品だったのか!
私的にはこの作品が一番印象に残った(笑)


原美術館、ふらっと行ってみようかと前日にサイトを見ると、現在入場人数制限がかかっており完全予約制とかで、
しかも外部予約サイトを見ると全日満席で予約ボタンが押せない状態(汗)。ダメかとあきらめかけたが、
キャンセルが出ると一瞬アクティブになるというので何度か更新しているうちにうまく予約を突っ込むことができた。
年末年始は休館だしチャンスはあと数日しかないけど、行きたい人はトライしてみて!
→原美術館の公式サイト こちら


帰り道に五反田で見つけた、美容院の入口脇の壁の、花かごとパラソルを持ったドレス姿の女性の絵。


爽やかな色とメルヘンチックな雰囲気に惹かれて近寄ってみると、不定形なガラス質のかけらを貼り合わせた
モザイクで、まるで印象派の絵のような、複雑でニュアンスのある色合いがとても素敵だな!


美容院はすでに閉店していたので暗く、またポーチのところで閉められていたので、体を乗り出して撮ることしか
できなかったが、とても丁寧なつくりで上質な作品だ。背景はモザイクでなく、模様の部分が壁から盛り上がっている。
美容院の建物は普通のビルだったが、もともと古い建物の壁にあったものを移設したのだろうか。
また明るいときに見てみよう。


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