まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

野付半島と旧奥行臼駅

2020-09-18 22:01:02 | 風景
2019年6月の道東旅の続き。

野付半島は北海道の東海岸に突き出した、日本最大の砂嘴である。
砂嘴とは、沿岸流によって運ばれた砂礫が堆積してできた、くちばし型の地形を言う。
地図でみると、大波が来たら途切れてしまいそうに細いが、実際行ってみると巨大で、割と幅もあるのだ。


この時期は道の両側に野生のお花畑が広がっていた。雑草好きの母親は狂喜乱舞(笑)。
所々で車を止めて遊びながら先端の方にある野付半島ネイチャーセンターまで行く。


立ち枯れした木の幻想的な風景が有名な「トドワラ」は、ネイチャーセンターから1kmほど歩いたところにある。
乗り合いのトラックもとことこ走っているが、そのぐらいならハイキングで行こう。


こんなちっちゃな実をつけた、野生のいちご。かわいい~~


トドワラは、砂嘴の上に生えたトドマツ林が、海水面の上昇または砂嘴の沈降により、海水に浸かり枯れたものと考えられている。
しかし見たことのある写真のイメージよりも立枯れ木はずっと少なく感じた。枯木も腐朽が進み風景はどんどん変わって行く。


ところでトドワラの沖でアザラシの群れが日向ぼっこをしていることもあるというネット情報を見ていたので
もしかして見れるかと海獣好きの私はワクワクしていたが、岸から見えるほど近い場所ではないようだ(ガッカリ)


ここまで来たから、野付崎灯台も見に行こう。
1953(昭和28)年初点(初めて点灯した=供用開始ということか)、改築1982(昭和57)年。
白いモザイクタイルは改築時のものだろう。


灯台があるのは野付半島の先端ではなく、砂嘴はここからまだまだ先まで続いている。釣り針のように湾曲した形だが、
全長25kmぐらいあるだろうか。ネイチャーセンターは根元から15km、灯台は18kmぐらい。
そこまで延々一本道が続いているわけで、もう日本離れした風景である。


こちらは灯台の駐車場にあったトイレ。これ、タンクローリーのタンクじゃないの!?
すごい転用だなぁ!面白い~~


さて、根室半島の付け根にある風蓮湖に向かって走っていると、「旧奥行臼駅」の標示があったので
ちょっと寄ってみることに。すると・・・・うわぁ~~~っ!なんて素敵な木造駅舎なの!


「おくゆきうす」。何て変わった名前なんだろう。これもアイヌ語から来ているらしい。
1933(昭和8)年、国鉄標津線の駅として開業。国鉄の分割民営化によりJR北海道の駅となるが、そのわずか2年後
1989(平成元)年に標津線は廃線となる。。。


産業・経済・文化の発展に重要な役割を果たした奥行臼駅。現在はひっそりと静まり返っているが、木造駅舎は
有形登録文化財になっており、とてもいい状態で保存されている。
ガラス窓から中を覗くと出札窓口もそのまま。中央に置かれたテーブルは、木製のそりだろうか。


手前側の木が写りこんで、何かアートのような写真が撮れた(笑)。






島状のホームに立つ一様の角度で傾いた木製の電柱が、またわびしさを演出している。たるんだ電線も何とも言えない味。。。


これは何の小屋かな?


森の中へ消えて行く線路。


吹きさらしのホームは強い風を受けるのだろう。傾きながらも健気に建っている駅名標が愛おしい。。。





この近くにあった洋風建築の駅逓所もちらりと目の端に入ったのだが、思わぬ寄り道で時間をとってしまったので
これ以上長居するわけにはいかない。。。後ろ髪引かれるが、先を急ごう。

続く

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