タイムトンネルにて2007年11月へ。
11月14日、手術の為1回目の入院。
二人部屋でした。
ルームメイトは私と同世代のDさん。
気さくで、おっとりで、お茶目なところ満載のDさん。
なんだか最初からとっても気が合いました。
何日も一緒にいて疲れないのは本当に有り難い事です。
Dさんは既に手術を受けておられ、退院間近。
私は入院したものの、なかなか手術日が決まりませんでした。
この病院では胸部手術は年間約500例、この内肺癌は200例前後。
手術も立て込んでいるのです。
外科の主治医から何回か「待たせてすみませんね。」と。
退院が近付くと、外出か外泊(自宅に1泊で帰る。)して少し動いてみて、
体力や体調がどの程度か試してみるという事が行われます。
Dさんはご自宅が遠かったので、外出を選ばれました。
とはいうものの、この病院のある街にも詳しく無く、私は相談を受けました。
そんなに遠く無く、電車かバスに乗って出掛けて楽しい所。
ちょうど私は、もうすぐ期限切れになる映画招待券2枚を家に持っていました。
残念ながら入院となったので、無駄にしてしまったなあと。
その話をDさんにすると「行ってみたい。」となり、行きがかり上、私も同伴。
本当は、そんな大勢の人が集まる場所は禁止なのです。
何しろ肺の手術を受けて間も無い彼女と、これから手術を受ける私。
良い子の皆さんは絶対に真似しないで下さいね。
4時間の外出許可証には、「買い物」と書いておきました。
さて入院6日目。
菌を寄せ付けないように二人ともマスクを2重にして、さあ出発です。
洋画と邦画のどちらか選べるのですが、二人とも迷わず「洋画!」。
そしてお好みの映画は、ほのぼの系やロマンチック系。
観たのはバリバリのアクション映画でした(笑)
それでも良い気分転換になりました。
みたらし団子を彼女のおごりで買って帰り、病室で美味しく食べました。
翌日、さすがに彼女は疲れた様子でした。
後に私も手術してみて初めて解るのですが、外出するなんてとても勇気の要る事なのです。
まずは痛みが尋常では無くて、バス停までちゃんと歩けるかどうか、バスの乗り降りが出来るか、
誰かとぶつかったりしたら悲鳴上げて倒れるかも、救急車呼ぶ事になるかも・・・などなど。
あの時、もっともっと彼女を気遣ってあげる事が出来たら良かったのに。
でも、「楽しかった、ありがとう。」と言ってもらえました。
その2日後、彼女は無事退院。
喜ばしい事で私も嬉しかったですが、同時に寂しかったです。
その後、私の入院中に携帯に度々メールが届きました。
外来受診の折りには、美味しい和菓子とお役立ちグッズを持って病室に寄ってくれました。
彼女は幸いにも早期発見で手術を受けたので、職場復帰(病院勤務)も早く、元気で暮らしていらっしゃいます。
良かったね、Dさん。
入院中、心を和ませてくれた癒しグッズ