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カウントダウンはまだ

余命8カ月を遥かに超えて

不良入院患者2名

2012-03-11 10:15:00 | 2007年のできごと

 

タイムトンネルにて2007年11月へ。

11月14日、手術の為1回目の入院。

二人部屋でした。

ルームメイトは私と同世代のDさん。

気さくで、おっとりで、お茶目なところ満載のDさん。

なんだか最初からとっても気が合いました。

何日も一緒にいて疲れないのは本当に有り難い事です。

Dさんは既に手術を受けておられ、退院間近。

私は入院したものの、なかなか手術日が決まりませんでした。

この病院では胸部手術は年間約500例、この内肺癌は200例前後。

手術も立て込んでいるのです。

外科の主治医から何回か「待たせてすみませんね。」と。

 

退院が近付くと、外出か外泊(自宅に1泊で帰る。)して少し動いてみて、

体力や体調がどの程度か試してみるという事が行われます。

Dさんはご自宅が遠かったので、外出を選ばれました。

とはいうものの、この病院のある街にも詳しく無く、私は相談を受けました。

そんなに遠く無く、電車かバスに乗って出掛けて楽しい所。

ちょうど私は、もうすぐ期限切れになる映画招待券2枚を家に持っていました。

残念ながら入院となったので、無駄にしてしまったなあと。

その話をDさんにすると「行ってみたい。」となり、行きがかり上、私も同伴。

本当は、そんな大勢の人が集まる場所は禁止なのです。

何しろ肺の手術を受けて間も無い彼女と、これから手術を受ける私。

良い子の皆さんは絶対に真似しないで下さいね。

4時間の外出許可証には、「買い物」と書いておきました。

 

さて入院6日目。

菌を寄せ付けないように二人ともマスクを2重にして、さあ出発です。

洋画と邦画のどちらか選べるのですが、二人とも迷わず「洋画!」。

そしてお好みの映画は、ほのぼの系やロマンチック系。

観たのはバリバリのアクション映画でした(笑)

それでも良い気分転換になりました。

みたらし団子を彼女のおごりで買って帰り、病室で美味しく食べました。

 

翌日、さすがに彼女は疲れた様子でした。

後に私も手術してみて初めて解るのですが、外出するなんてとても勇気の要る事なのです。

まずは痛みが尋常では無くて、バス停までちゃんと歩けるかどうか、バスの乗り降りが出来るか、

誰かとぶつかったりしたら悲鳴上げて倒れるかも、救急車呼ぶ事になるかも・・・などなど。

あの時、もっともっと彼女を気遣ってあげる事が出来たら良かったのに。

でも、「楽しかった、ありがとう。」と言ってもらえました。

その2日後、彼女は無事退院。

喜ばしい事で私も嬉しかったですが、同時に寂しかったです。

 

その後、私の入院中に携帯に度々メールが届きました。

外来受診の折りには、美味しい和菓子とお役立ちグッズを持って病室に寄ってくれました。

彼女は幸いにも早期発見で手術を受けたので、職場復帰(病院勤務)も早く、元気で暮らしていらっしゃいます。

良かったね、Dさん。

 

 

入院中、心を和ませてくれた癒しグッズ


PET検査

2012-02-27 11:58:00 | 2007年のできごと

 

初めてPET検査を受けに行った時の事を、ぼちぼちと思い出しながら書きます。

車での送迎付きを申し込んでいました。

運転手さんから、その病院が建った頃は、その辺りでは狸が出没していた話を聞き、私も負けず、我が家の庭にイタチが来た話をしました。

その病院は、私の以前の住居のすぐ近くでして(徒歩1分)、一体私はどんな田舎を渡り歩いているというのでしょう。

病院に着いて玄関を入ると、驚きました。

まさか狸が出たわけではありません。

何に驚いたかって、病院らしからぬ豪華さに。

待合室はちょっとしたホテルのロビーのようです。

ふかふかソファーに腰掛けて、場違いな所に来てしまったなぁと居心地悪いったらありゃしない。

その上、説明をしてくれる女性が、床に片膝付いて・・・まるでメイドカフェにでも来てしまったような感じ。

余計な事でしょうけれど、ここの女性陣は全員メイクばっちしなんですよ。

瞬きする度に睫毛がバサバサと音を立てそうだし。

等々、驚いたり、びびったり、感心したり、面白がったりしながら、問診票を記入したり、検査の流れをビデオで観たりしながら待ち時間を過ごしました。

 

更衣室で検査着に着替え、金属類は全部外し、スリッパに履き替え、いざ出陣。

まずは身長体重の計測。

次に500mlのペットボトルの水と紙コップを渡され、検査が終わるまでに飲み切るようにとの指示。

水をちびちびと飲みながら、医師からの問診を受ける。

私にとってPET検査で一番辛いのは、この水。

絶食した空きっ腹にそんなに水ばかり飲めません。

この時から今まで数回PET検査を受けていますが、3回目あたりから水は全部飲まなくても良くなりました。

やれやれです。

 

採血して糖尿が無いか検査。

次に検査薬を静脈注射。

この検査薬FDG(フルオロデオキシグルコース)はブドウ糖によく似た放射性薬剤です。

ブドウ糖好物の癌細胞に集まっていきますので、PET装置で撮影すると、体のどこに癌があるかが判るという仕組みです。

放射性物質を体内に入れるなんて、何回やっても慣れません。

いつも少々嫌な気持ちになります。

水を飲むのは、余分なFDGを尿と共に排出する為です。

 

注射の後は個室のリクライニングシートで横になり何もせずに1時間安静。

テレビも無いし、本を読んでもいけなくて退屈。

トイレだけは何回行っても大丈夫。

水を飲んではトイレへ行き、又飲んでは出しに行き・・・

時間が来ると呼びに来てくれますから、毛布を被って眠っていても大丈夫。

 

検査室にてPET装置に横になり、検査所要時間は30分程度。

MRIのようにやかましく無いので、ここでもウトウト。

水攻めと注射以外はとても楽な検査です。

検査後は、トイレで薬剤が排出されるまで又個室にて休憩。

 

更衣室にて着替えて会計へ。

料金を聞いてビックリ!

多目に持って行っていて良かった。

三人の諭吉さんと涙の別れをして、野口英世さん一人をお迎えしました。

因みに私の場合は3割負担でこれです。

財布が軽くなり、ああ一気に体の具合が悪くなりそうです。

 

検査後は糖分OKなので、帰宅後は美味しい飲み物を多く摂り、薬剤全部出ろ~!と頑張ります。

放射線被ばくもしていますので、当日は乳幼児や妊娠中の方との接触は避けないといけないそうです。

 

今週、又PET検査の予約が入っています。

5時間前から絶食ですので、朝起きて、うっかり食べないように気を付けなくては。

前夜から冷蔵庫に絶食の貼り紙をしておこう。


 

薔薇の香りはふくよか


癌告知は淡々と

2012-02-21 09:00:00 | 2007年のできごと

 

前回の続きです。

 

さて、数日後、気管支鏡検査の結果を聞きに行きました。

この日は一人でぶらぶらと電車に乗って行ったのでした。

診察室に入って座ると、医師が「先日の検査結果が出ました。」

続いて「落ち着いて聞いて下さいね。」と。

来ました! 告知の瞬間です。

クジ運の悪い私が大当たりしたのですね。

あ、違った。大ハズレを引いてしまったのか。

私の心は、どんなドラマチックな動きをするのでしょう?

医師 「癌細胞が見つかりました。」

私 「そうですか。」

説明は淡々と続き、私も冷静に淡々と耳を傾けていたのでした。

突然、目の前や頭の中が真っ白になることも無く、涙が溢れ出てくる事も無く。

悲劇のヒロインになり損ねました。

ただ、とうとう自分にも順番が回って来たんだなという思いでした。

なってしまったものはしょうが無い。

じゃ、これからどうすればいいのかな?

なるべく早く入院して治療を始めたほうが良いらしく、入院前に済ませておくべき検査の予約が沢山入りました。

呼吸器系の各種検査、心臓の検査、それとペット検査。

ペット検査だけは他機関に行かねばならず、でも予約は病院の予約センターからして貰えました。

入院申し込みも済ませて帰宅。

 

帰り道に思った事は、夫にどう報告しようかという事でした。

一緒に医師からの告知を聞いて貰ったほうが良かったかな。

私の口からどんな風に言おうか。

私は自分自身の事なので、こんなに平常心でいられるけれど、もし家族が同じ病気にでもなったら、とんでもなく動揺するだろうな。

う~ん、困ったぞ。

 

その夜遅く夫が帰って来た時には、私はもう布団の中でした。

「病院どうやった?」と夫。

「肺癌だって。」

「・・・」

「・・・」

「冗談やろ・・・」

冗談だったらどんなに良かったでしょう。

私は自分の事では泣きませんでしたが、夫の気持ちを思うと、布団の中で涙が出ました。

 

長男、そして姉に告げる時も同様に辛かったです。

姉は「あぁ・・・」とその場にへたり込んでしまいました。

ごめんよ、みんな。大きな心配かけて。

私は頑張るから。

 

 

 

山茶花も好きな花です


気管支鏡検査

2012-02-16 10:57:00 | 2007年のできごと

 

2007年10月18日、紹介状を持って病院へ。

この病院では気管支鏡検査を受けるだけと思っていましたが、どうやら、それまでのクリニックの医師は完全にバトンタッチをした模様です。

結局、その日から現在まで、この病院でお世話になり続けています。

初診日は一般的な各種検査と、問診を受け、その後の医師の説明の中で、予想される病名を幾つか聞かされました。

悪性腫瘍もありました。

そうか、ひょっとして癌かも知れないのか・・・

その時は、その程度に思っただけでした。

まだ決まったわけでも無いのに、余計な取り越し苦労をする必要はありません。

それまで通り、のほほ~んな生活を送っていました。


10月26日、やっと気管支鏡検査を受けに。

受けた感想は、「あんな検査は二度と嫌だ!」です。

ああ、苦しかったです。

痛さに対してはかなり我慢強い私ですが、苦しいのは駄目です。

咳が酷いが故に、その原因を調べるべく検査を受けているというのに、咳を我慢しなくてはならず。
そんなの無理です。

咳が込み上げて来る度に、口から気管に通した管にオエ~!となり。

「辛いですけれど我慢して下さいね。」「頑張って下さいね」と声を掛けられ励まされてもねえ。

えずくのと咳は自分の意思ではどうにもなりません。

苦しくなったら鳴らして下さい、と持たされたおもちゃのような物・・・ドナルドダッグの声のような音がするシロモノ。

最初から最後まで鳴らし続けてやろうかとも思いましたが、大人の私はぐっとこらえました。

肺から鉗子で組織を採取する時にはチクッとした痛みがありましたが、そんなの屁の河童です。

後に、この検査を受けた色んな人から聞いた話では、そんなに大変では無かった人もいて、この差は何なのだろう?

私の我慢が足りないのか、検査医師の手腕の差か。

やっぱり咳が一番の原因かなあ。

 

デージーも可愛いなあ


誤診ですね

2012-02-09 11:56:00 | 2007年のできごと

 

さて、前々回の続きです。

激しい咳で受診した私は、アレルギー症状を抑える薬と、喘息の薬を処方されました。

全く効き目無し。当然ですね。

2ヶ月間、どんどんと薬の種類が替わり、内服薬、吸入薬、器官を広げるテープ、注射もすれば、点滴も受ける。

どれも効果がありませんでした。

首を傾げる医師。

とうとうCTを撮ってみる気になったようです。

その検査結果を見て、やっとこさ専門機関で気管支鏡検査を受ける紹介状を書いてくれました。

やれやれ。

ま、仕方がありませんね。

レントゲンだけで肺癌を見つけるのは、かなり困難なようです。

肺癌検診には是非ともCT検査やペット検査も実施するようになって欲しいものです。

 

 

 

おばちゃ~ん! 美味しいカリカリ持ってる?

先月 病院にて