防犯ボランティアグループ PRO-ACTIVE SECURITY 活動日記

ストーカー被害者の支援,体験型親子向け防犯セミナー,護身術セミナーなどを開催している長崎県の防犯ボランティアグループです

<長崎市長銃撃>城尾被告の知人が事前通報 県警対応せず

2007年06月28日 | Weblog


<長崎市長銃撃>城尾被告の知人が事前通報 県警対応せず 


 長崎市の伊藤一長・前市長の銃撃事件で、暴力団幹部、
城尾哲弥被告(59)=殺人などの罪で起訴=の知人男性
が、事件の約2時間前に「城尾被告が伊藤市長(当時)の
選挙事務所に行くようだ」と知り合いの刑事に携帯電話で
通報していたことが分かった。27日の県議会でこの問題
が取り上げられ、県警の畔林(うねばやし)一喜(かずき)
・刑事部長は電話があったことを認め「通報内容に緊迫性が
なかったので、上司に報告していなかったようだ。的確に対
応し、未然に防止すべきだった」と答弁した。

 男性によると、市の不正が書かれた告発文を伊藤前市長に
手渡そうとしていた城尾被告から事件当日の4月17日昼過
ぎ、「どこに行けば(前市長に)会えるか」と電話で尋ねら
れ、選挙事務所の所在地を教えたという。

 城尾被告が思い詰めた様子だったため、男性は同午後6時
過ぎ、刑事の携帯電話に連絡し「城尾(被告)が告発文書を
伊藤市長に直接渡すため、選挙事務所に行くようだ。恐喝未
遂の現行犯で逮捕した方がいい」と伝えた。しかし、県警側
は捜査員を選挙事務所付近に派遣するなどの対応をしていな
かった。県警は発生時の会見で「銃撃事件は予想外だった」
と説明していた。

 起訴状によると、城尾被告は同午後7時50分ごろ、選挙
事務所前で、伊藤前市長の背後から拳銃を2発発射し、前市
長は翌日未明死亡した。

ヤフーニュース

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「危険を過小評価する」

今回のような事案は、警察としては絶対に起こしては
いけない事だと一市民として強く思います。これは
決して長崎県警を非難している訳ではありません。

県警側は「通報内容に緊迫性がなかった-」としており
ますが、もっとよく状況を調査する必要があると思います。

城尾容疑者をよく知る関係者が、容疑者の不審なサインを
察知して、警察署員に通報している訳です。ましてはその
相手は長崎市の市長な訳です。

「危険を過小評価しない」ための教訓として私の失敗談を
ご紹介致します。

以前にもこのブログで取り上げましたが、昨年の6月の
ブログ記事あるストーカー被害者の方からの相談
もう一度ご覧頂ければと思います。

当時、ストーカー被害の相談者の方から相談のお電話を
頂きました。その電話の内容を要約すると、

「今日(今夜)、自宅にいる事は安全かどうか?」

という内容でした。言葉だけを聞くとそれ程の緊急性は感じら
れないかもしれません。しかし、我々が着目しなければいけな
いのは「そこ」ではありません。

相談者が無意識のうちに感じ取っている危険が相談者の口から
語られたのが上の言葉です。

「今夜、自分達が危険な目に遭うかもしれない」と感じている
訳です。私はそれらを踏まえて、加害者の性格や思考パターン、
行動パターン、移動方法や移動距離などと、被害者の方の現在
の精神状態、思考・行動パターン、家族の状況、自宅の防犯体
制などを材料にして危険度を評価致しました。

その結果、私が出した結論は【危険性がかなり高い】というもの
でした。本人又は家族の生命の危険性があるとの評価でした。

結果的に相談者の方が私のアドバイスに従わず、被害に遭って
しまいましたが、私がもし危険度をもっと過小評価していたら
事態はもっと深刻な結果になっていたかもしれません。
私ももっと適切に相談者に詳細を説明できていれば危険を未然に
防ぐ事ができたはずです。

それ以降、私は絶対に危険度を過小評価しないことを今も肝に銘
じています。決して同じ過ちを繰り返さないために・・・・。

それから、本来、防犯とは「犯罪を未然に防ぐ」という意味です。
今回の伊藤市長の事件の場合にもたくさんの未然防止の機会があり
ました。しかし、それらすべてが活かされず、結果的に最悪の結果を
招いてしまいました。そのような意味では非常に厳しい言い方かも
しれませんが、伊藤市長事件もある意味、「人災」とも言えるかも
しれません。

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