水中のモンスター ～小２女児プール死亡事件～

「何のふたか分からなかった」女児死亡のプール監視員


　埼玉県ふじみ野市営「ふじみ野市大井プール」で、小学２年戸丸瑛梨香
（えりか）ちゃん（７）が吸水口に吸い込まれて死亡した事故で、現場に
いたアルバイト監視員３人は、遊泳していた男児が流水プールで見つけた
吸水口のふたを、「何のふただか分からなかった」と埼玉県警の調べに供
述していることが２日、分かった。

　県警は、現場の監視員が流水プールの構造を十分に把握していなかった
ためにふたが外れた危険性を認識できず、対応の遅れにつながった恐れが
あるとみている。

　調べによると、７月３１日午後１時半ごろ、流水プールで泳いでいた男児
がプール内に落ちていたふたを発見し、プールサイドの監視台にいた女性監
視員に手渡した。監視員は無線で、管理棟の事務所２階にいた男性監視員に
「何かのふたが外れている。重要なものかもしれないので来てほしい」と連
絡。男性監視員と別の女性監視員、現場責任者の３人がプールに向かった。

ヤフーニュース

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この女児死亡事故は最近、よくマスコミなどでも取り上げられています。

実は我々警備員もプールの監視員として委託される事があります。

我々がプールに監視員として配置された場合、単純に溺れた人を助ける
ためだけが目的の応急手当の為の配置ではありません。
（当然、様々な応急手当の講習は受けていますが・・）

目的は様々な事故の「未然防止」です。

プールの種類（場所）によって危険の種類も異なります。
主なものだけでも以下のように色々とあります。

○更衣室・トイレ・・・・転倒事故、盗難、盗撮、落し物、迷子など

○スライダー・・・・・・入口の無理な姿勢での進入、複数での進入。
　　　　　　　　　　　　　出口付近の衝突事故など

○流れるプール・・・・・吸水口の事故、プールサイドからの飛び込みによる
　　　　　　　　　　　　　　衝突事故、転倒事故、溺水、迷子、盗撮など

○一般プール・・・・・・吸水口の事故、プールサイドからの飛び込みによる
　　　　　　　　　　　　　衝突事故、転倒事故、溺水、迷子、盗撮など

このようにそれぞれの場所に応じた対策が重要です。
危険行為を行なう人物や不審人物については、ある程度早い段階で分かります
ので、他の監視員や管理事務所などに情報を流したりして情報を共有します。

当然、オープン前とクローズ後、又人員にゆとりがあれば業務中に危険箇所を
中心にした巡回（パトロール）なども行なって事故防止に努めます。

今回の事故のように「吸水口」の蓋が何の蓋か分からない」というような
事は、まずありえません。吸水口をもっと厳密に管理しようと思えば、不定
時に巡回を行なって、吸水口の蓋のネジの取り付け状態を確認する事も可
能ですし、こうする事で吸水口の蓋を外さない管理が可能です。

今回の事故では、幸運にも女児が吸い込まれる前に蓋の脱落が確認されてい
ます。本来はこの時点で事故は防がれたはずです。しかし、現場の監視員は
「その蓋」を知りませんでした。次にこの監視員は無線で管理棟に連絡して
蓋の事を報告しています。この時点でも無線を受理した監視員がこの施設を
熟知していれば、蓋の特徴を聞いた時点で直感的に「吸水口の蓋」と分かった
はずです。しかし、ここでも危険は見過ごされました。
また、吸水口の蓋と確認出来た後も監視員はプールサイドからの吸水口への接近
禁止の広報をするに留まり、「入水禁止」にはなりませんでした。

今回の事故を子供の防犯に当てはめて考えると、今回の吸水口は「動かない
犯罪者（怪物）」と言えると思います。この犯罪者はとてつもなくパワーの
ある恐ろしい犯罪者（怪物）です。しかし、いつもは口を開けて待っている
だけです。檻（蓋の中）に入って・・・。

この怪物の危険のサイン（前兆）は檻（蓋）の固定ネジの緩み、又は脱落
です。それが事前に起こったから、現場の蓋は「針金で固定」されていたので
はないでしょうか？

もし、本物の動かない怪物が皆さんの身近に檻に入っていたら・・・。
皆さんは心配になりませんか？檻はちゃんと閉まっているかどうか？
固定ネジは緩んでいないか？いかがでしょうか？

これらの予兆が事前に起こった時点で、今回の事件は予想されるべきでした。
そういった意味では人為的な原因による事件とも言える事故です。

最後にお亡くなりになった戸丸瑛梨香ちゃんのご冥福を心からお祈り申し上げます
。同様の事故がもう今後二度と起きない事を祈っています。


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